4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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明るい家族計画 (12)妊婦生活~もうすぐ編 パパママ記念日 2 【シリーズ完結】

 陣痛ってうつるのかな?美月さんは5月1日朝に無事可愛い女の子が生まれたのよ。3400gの大きいけど結構可愛い女の子らしい。


  あたしのパパは初孫の誕生にすごく喜んじゃって、特に女の子でしょ。お兄ちゃんは前の日、陣痛が始まったって聞いて、夕方の飛行機で東京に来て、何とか立会い出産できたらしいのよね・・・。ホントお兄ちゃんは珍しく男泣きして、可愛い娘を抱いたって言うわ。もちろんその後あたしのお見舞いに来てくれて、励ましてくれたんだ。


 あたしは美月さんが出産を終えて安心したのかな・・・。お昼あたりから、本陣痛が始まってしまって、何しても陣痛を抑える事が出来なくなってしまってね・・・。先生は官邸にいる雅和さんを呼んでくれたの。

「弐條さん、もう出産準備に入りますから、着替えてくださいね・・・。」


あたしは出産用の服に着替えて、雅和さんも白衣を着たの。先生と看護師さんは陣痛止めの点滴をはずしてブドウ糖液の入った点滴に変えたのね。するとやはり陣痛が急に進んじゃって、陣痛が始まって5時間で生まれたの。スピード出産。 生まれたのは2100gの女の子と、1950gの男の子。33週での出産でした。


やはり小さく生まれたからあたしが顔を少し見るとすぐにNICU(新生児集中治療室)に運ばれていってしまったの。まだ小さいから、呼吸とか弱くってどうなるかと思ったらしいんだけど、何とか元気に生きてる。無事に生まれて、雅和さんはすごく喜んでいた。パパったらすごく喜んじゃってね・・・。だってそうでしょ。1日に孫が三人も生まれたんだから・・・。雅和さんのお父さんも何とか間に合って、あたし達の可愛いベビーちゃんずに会えたのよ。ま、初孫だもんね・・・。それも雅和さんの後継者となるべき男の子が一人いたもんだから、ホントに喜んじゃって・・・。


 どちらのベビーちゃんもすごく雅和さんに似ていて、かわいい顔してるのよね・・・。小さく生まれたのに全然サル顔してないの。ホントに親ばかかもしれないけれど・・・・。今までの入院生活の大変さ、出産の苦しみなんて一発で吹き飛んでしまったわ!


 名前?もちろん決まったわ。大学の教授がつけてくれたの。長女は雅(みやび)。意味は奥床しく気品溢れるさま。淑やかに振る舞い、見目好いさま。久しく変わらないさま。平常心をよく保つさま。風流な心を持ち、大らかなさま。などの意味がある。まあ雅和さんの雅って訳だけど・・・。長男は彬(あきら)。意味は外見と内容が程よく調和したさま。外観と才能が釣り合いよく兼ね備わったさま。美しさが鮮やかに現れたさま。技能がよく具わったさま。などという意味・・・。ホントにいい名前だよね・・・。弐條雅と弐條彬。うんうん。可愛いかも・・・。でもなんで男の子と女の子って知っているわけ?


「綾乃、実はね。こっそり先生に教えてもらっていたんだよ。」


「なんだ・・・。知ってたのか・・・。」


「綾乃、本当にお疲れさん。これで好きなもの食べる事が出来るね。」


そういうと、雅和さんはあたしの好きなケーキを買ってきてくれたの。多分あたしが出産後疲れきって一時間ほど寝てたときにわざわざ買ってきてくれたんだと思う。

明るい パパママ記念日「5月1日。もうひとつ僕らの記念日が出来たね。雅と彬の誕生日であることは確かだけど、綾乃がママになった記念日だよ。さあこのケーキでお祝いしようよ。」


「うん!雅和さんも今日パパ記念日だね。もうパパなんだからしっかりしないとね。」


「そうだね。」


あたしと雅和さんはひとつのケーキにろうそくを1本立てて、二人で火を消した。そして仲良く食べて、パパママ記念日をお祝いしたの。


 ああ今日からあたし達は親になったんだね・・・。


雅、彬。これからもパパとママをよろしくね。元気に大きく育ってね。


これはあなたたちのパパとママからの願いだよ。


早くおうちに帰れますように・・・。





(完)






【作者からの一言】


とりあえずこのシリーズは完結しました。


次は弐條雅和、和気泰明が中心の代議士編が始まります。これはいまだに完結していないので、長々だらだらだと思いますが、お付き合いください。


まあその前に恋愛物をひとつ入れちゃおっかな・・・。アメブロの某ブログで別名で書いているものです。
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明るい家族計画 (12)妊婦生活~もうすぐ編 パパママ記念日 1

 ああ、あたしは籠の鳥・・・。もう外は桜が散ってしまった。もうここに入院して2ヶ月が過ぎてしまった。相変わらず、トイレ以外は安静の日々・・・。トイレの時も、看護婦さんに頼んで車椅子で連れて行ってもらうのよ。もちろんトイレつきの個室なのに・・・。まあ旦那様が来てくれている時とか、光子さんが付き添ってくれている時なんかは頼んじゃうけど・・・。


 予定日までまだ2ヶ月ある。出来るだけおなかの中にいたほうがいいっていうから、最大限のお薬を使って陣痛を抑えているって感じ。このお薬って、筋肉を緩めるお薬だから、産後はリハビリしないといけないって聞いた事がある。


  まだあたしは8ヶ月半ば・・・。赤ちゃんたちは毎日元気に動き回っているんだけど、最近おなかがパンパンに張って痛いって何の・・・。夜も寝る事が出来ないくらいよ・・・。上向いて寝ることが出来ないから抱き枕を抱いて横になって寝ると楽。でもね、どちらかの子があたしのわき腹を蹴る!痛いから寝返りをすると違う子が蹴るって感じで熟睡も出来やしない・・・。


  あたしの義理のお姉さん美月さんは、臨月に入っていつ生まれてきてもいいらしい。検診の度にあたしの病室にやってきて、いろいろ話して帰っていくの。よく差し入れをしてくれるんだけど、あたしの場合、多胎妊娠でしょ。妊娠中毒症になりやすいらしくって、入院食以外はNG。大好きなケーキもアイスもお預け・・・。

「綾乃さん、ホントに大きなおなかね・・・。すごいすごい・・・。ここに二人も入っているんだもの・・・。信じられないわ・・・。私おなかに一人いるだけでも苦しいのに・・・。」


「美月さんはもうすぐ予定日ですよね?お兄ちゃんはこれないのかな?」


「博雅さんはきっと来てくださらないわ。いろいろ忙しいのですもの・・・。でも生まれたら休みを取って来て下さるっていっていたし・・・。早く生まれて博雅さんに会いたいわ。」


「で、美月さんは性別聞いたの?」


「ええ・・・。やっぱり準備のために必要でしょ。」


  お兄ちゃんのところは女の子らしい。きっと美月さんのことだからフリフリのベビー服とか買ってるんだろうな・・・。女の子かあ・・・きっと可愛いだろうね・・・。うちの子たちはどっちかな?


 本当に幸せそうな顔をして微笑む美月さん・・・。だいぶんママの顔になったよね・・・。あたしもそうかな?


 うちの旦那様も、少しずつ赤ちゃんたちのために忙しいのに準備してくれている。この前も、ベビーベットを2台注文して組み立てたって言ってたのよね・・・。あと双子ちゃん用のベビーカーも買ったって・・・。光代さんはベビー服を揃えてくれているみたいだし・・・。あ、カーシート買わないとね。赤ちゃんたち部屋は南向きの一番日の当たる部屋。今まで旦那様が勉強部屋や書斎にしていた部屋を改装して、可愛らしい感じの部屋にしてくれたらしいの。どんな子が生まれるのかなって楽しみ・・・。


 あたしの旦那様は必ず立会いするぞって気合入っているし、最近なんか、週末この病室に泊まってくれるの。一晩中手を握ってくれて、あたしは週末が楽しみでしょうがないのよね・・・。


 ああ、もうゴールデンウィーク間近・・・。アレ?美月さん、生まれたのかなって・・・。予定日は4月18日って聞いてたのに・・・?もう10日過ぎてる・・・。すると最近毎日のように検診に来ているらしくって、顔を出してくれるのよね・・・。


 「まだ生まれないのよ。軽い陣痛は来ているみたいなんだけど、なかなか進まなくって・・・。あと4日陣痛がなかったら帝王切開だって言われちゃったのよ・・・。」


 ホント大変そう・・・。予想体重は3000越しちゃって、多分骨盤の小さそうな美月さんは帝王切開かもしれないね・・・。もう42週だから、そろそろ出さないといけないといわれたらしいのよ。


明るい 励まし


 あたしはやっと9ヵ月半。あと半月で薬をやめて陣痛が来るのを待つって先生は言ってくれた。あと半月の辛抱なんだね。でも最近夜になると、陣痛みたいなものが来て、毎晩のように陣痛の監視装置をつけれてるのよ。確かに陣痛の軽いのは来ているらしくって、雅和さんは先生に呼ばれて、そろそろって言われたらしい。


 朝の検診も最近辛くなって、もう嫌って感じ。早く出してって言いたいわよ。ホントに最近特に辛くなって、雅和さんの前では泣いてしまうの。雅和さんも「赤ちゃんが少しでも大きく生まれないと大変だよ。」って言って慰めてくれるんだけど・・・。でももう限界!











明るい家族計画 (11)彩ちゃんの浮気?

 6月中旬に終わる通常国会の後、任期満了による総選挙が7月中旬に行われる予定。今はまだ4月に入ったばかりだけど、水面下では党の公認や推薦のための選考が始まっている。もちろん比例代表の名簿作りも・・・。官邸内でも、総選挙の話題で盛り上がっている。一応父さんも選挙に出る。もちろん僕の上司である官房長官も・・・。僕?まだまだ修業の身。まだ父さんも健在だし、同じ選挙区ではね・・・。父さんが政界引退するまではこのままのような気がするんだよね・・・。まあそれまでに下積みとして地方議員でもいいんだけど・・・。ま、僕にとって出馬というものはまだまだ先のことと思っているんだ。


 もうこの頃になると、マスコミも誰が出馬するのかなんて特集を組んでいろいろやっている。もちろん父さんは兵庫県芦屋市の小選挙区で出馬予定。選挙前から当確といわれている。官房長官もお膝元の仙台から出馬だろう。また仙台に行ったり来たりの生活が始まるのだろうか・・・。来月中旬にはうちのちびたちが生まれる予定なのにさ・・・。これなら立会いできないかもしれないよ・・・。うううう・・・。

明るい 雅和出張
 今日は久しぶりの仙台出張。まあ綾乃も安定してきたし、仕事だからいってらっしゃいって送り出してくれたんだよ。


今日は朝早く、東北新幹線に乗って、仙台に向かう。もちろんけっして1両目には乗らない。もちろんど真ん中。グリーン車でも構わない。いつものようにホームでお茶やお弁当を買い込み、新幹線に乗り込むんだけど、ふとキオスクの雑誌に目が行く。やはりこの時期総選挙の記事が多く、僕は週刊誌を買って、新幹線に乗る。 『総選挙!出馬が予想される新人候補特集。~政界サラブレッドからタレントまで一挙公開!』 というような内容。面白そうと思って買って、朝ごはんのお弁当を食べながら見る。


載ってる・・・。与党や野党を問わず総勢100人ほど?もちろん僕が所属する与党のページへ・・・。載ってる!どこでもらってきたんだって言うような身分証明の写真。党から流出か?もちろんスナップのような写真もあるけれど、うちのはみんな証明写真。ああこの人?あの人?とか思いながら見入っていた。


さて次は政界サラブレッドね・・・。やはり田村さん出てる。え?和気さんも?そして・・・・。 『弐條雅和 慶大法卒 現在官房長官公設秘書 いわずと知れた現首相次男。既婚・・・・』 はははは・・・僕の写真までばっちり載ってる・・・。


でもよく考えてみてよ。選挙の予定は7月。僕の誕生日は8月末だよ。実は満25歳になっていないから立候補できないんだけどな・・・・。まあ国会が延びて7月までずれ込んだらわからないけれど・・・。ちゃんと調べてる?和気さん、出ないっていってたのに・・・。結構いい加減な記事だなあ・・・。でもこの和気さんの写真。めがねかけてて、普段は童顔の人なんだけど、すごく老けて見えてる。真面目な秘書って感じに写ってるんだよね・・・。まあ証明写真だから仕方ないか。まあこの雑誌は記念に取っておこう。


その時携帯が鳴る。なんてタイムリーなんだ・・・。和気さんからだ。


『もしもし!弐條か???』


「なんですか?和気さん珍しい・・・。あ、雑誌見ました?」


『見た見た・・・。今はそれどころじゃない!どうしよう・・・。』


「なんかあったんですか?」


『田村にやられた!』


「田村さんが?どうかしたのですか?」


『彩子ちゃんを盗られた!どうしたらいい?』


え!彩ちゃんを?まあ普通田村さんのようなイケメンでエリートだったら誰だってついて行くよな・・・。


(綾乃は興味なさそうだったけど・・・。)


悪いけど、和気さんの顔はホントそこら中にいる顔だし、まあ和気さんの売りは実家が医者一家、東大卒、真面目、優しい。ってくらいだからね・・・。彩ちゃん、やってくれるよな・・・。彩ちゃんは綾乃と違って昔からおませさんで、中学時代からずっと彼氏の途切れることはなくって、何人もの彼氏がいたんだよね・・・。女版響貴って感じで。あれ程和気さんとラブラブだったのに・・・。彩ちゃんはやっぱりそういう子なんだね・・・。でも相手が田村さんとは・・・・。


明るい 田村
田村さんって結構秘書仲間でも有名なプレイボーイ。噂では結構代議士夫人やその秘書たちの奥さん、そして婚約者、彼女と浮名を流している。その噂から僕は綾乃が被害にあわないかと、冷や冷やしているんだよ・・・。そんなことばかり考えている間に、和気さんが被害に遭うなんてね・・・。かわいそうだよ・・・。一番心配なのは彩ちゃんが田村さんに捨てられないかなんだけど・・・。まあいう女の使い捨て?彩ちゃんは僕の義理の妹だからね・・・。まあ僕は様子を見ることにして・・・。彩ちゃんがね・・・。


僕は仙台に泊まるつもりでいたんだけど、さっさと仕事を済ませて最終の新幹線で帰ってきた。そして和気さんと連絡を取り、和気さんのマンションに赴く。和気さんは相当うなだれていて、僕がついた頃には食卓に空の缶ビールが何本も並べられていた。


「和気さん・・・。」


「やはりやられちゃったよな・・・。この前ばったり広尾で会ってね・・・。一緒に食事をしたのがまずかった・・・。俺の彩子を返せ!」


和気さんの顔に似合わず大泣きしている姿を見て、僕は和気さんがかわいそうでならなかった。


「あまり飲むと明日に響きますよ。」


「もう明日は無断欠勤だ!官邸なんかに行きたくないよ!田村の馬鹿やろう!」


やはり次の日、和気さんは無断欠勤。相当ショックだったんだね・・・。こんなことは一度もなかったっていうから、伯父さんの官房副長官も心配していたんだ。まあ官房副長官は理由を知らないわけなんだけど・・・。僕も辛いよ。毎日あの田村さんの顔を合わすわけだから。


すれ違った田村さんはいつものように平静を保っていたんだけど、ホント仕事から一歩離れると性格が180度変わる男だ。油断大敵。でも官邸の職員や内閣府の職員、そして議員会館にも付き合っている人がいるという噂・・・。何股しているんだろこの男は。綾乃一筋の僕には信じられないよ・・・。


結局1週間和気さんは無断欠勤してしまって、官房副長官は官邸内で一番の仲良しの僕を呼んで、理由を聞くんだよね・・・。言えないじゃない?秘書同士のもつれなんだから・・・。それも女関係。特に官房副長官と副総理は相当仲が悪いからね・・・。官房副長官は優秀な甥っ子の和気さんが可愛くてしょうがないので、きっと副総理と喧嘩沙汰になるんだろうと思う。


しょうがなく、僕は自宅に彩ちゃんと和気さんを呼んで話をさせることにしたんだ。 僕は綾乃のお見舞いを済ませた後、自宅に彩ちゃんと和気さんを呼んで、話をさせる。


和気さんは落ち着かない様子でぷかぷかとタバコをふかしながら、彩ちゃんの顔さえ見ようとはしない。彩ちゃんもうつむいたままで、沈黙の時間が・・・。


「で、二人は別れたの?どうなの?和気さんもこれ以上欠勤したらクビですよ。」


まだ2人は黙っている。


「彩ちゃん、田村さんはやめておいたほうがいい。傷つく前に別れたら?僕が知っているだけでも3人は女がいるね・・・。」


「お兄ちゃん、知ってるよ・・・。田村さんがいっぱい彼女がいることぐらい・・・。」


「で、二人は別れたわけ?」


すると2人は同時に首を横に振る。別れ話さえしてないってわけね・・・。


「和気さんはいつも優柔不断だから・・・私我慢できなかったの。私優柔不断な人って好きじゃない・・・。」


「俺は別に優柔不断なわけやないわ!ただ俺は彩子ちゃんの意思を尊重しようと思っただけや!」


「だって和気さんはいつも私に好きにしたらいいって・・・。自分の意見を言わないじゃない。」


「そりゃ俺が彩ちゃんの意向を無視して引っ張っていってやってもええがな。でもそれはあかんと思ったからやで。いくら好きにしてええっていうても、あの田村さんと浮気することないやろ!」


「だって和気さんが・・・。私のこと本当に大事にしてくれているのか心配になって・・・。」


「大事に決まってるやろ!だから彩子ちゃんの意見を尊重してたんや・・・・。自由にさせてやろうと思ったんや。」


ああ・・・二人は誤解してたんだね・・・。行き違いってやつか・・・。結局彩ちゃんは和気さんに当て付けでちょっと付き合ったっていうけど・・・。もう別に会っていないとも・・・。彩ちゃんって・・・。本当に今時の子だよ・・・。和気さんの気を引くために浮気ってねえ・・・。訳わからん領域だ・・・。まあとりあえず仲直りってことで。握手握手・・・ふぅ・・・。

「あのな、彩子ちゃん。今度の夏休み、うちの両親と会ってくれへんかな・・・。彩子ちゃんを紹介したいんや。」


「え?」


和気さんは顔を真っ赤にして僕のいる前で言うんだよね・・・。


「あのな、彩子ちゃん。僕と結婚前提のお付き合いをして欲しいんや・・・。もちろん、君を幸せにしたる。ずっと幸せにしたるから。ええかな・・・。」


おお!!プロポーズ!やるな、和気さん。彩子ちゃんと言うと・・・。


「待ってたよ、その言葉を・・・。ずっと待ってたんだから・・・。」


結局2人は結婚前提で付き合うことになって、もちろんあの怖い彩ちゃんのお父さんに怒鳴られながら、毎日家に通ったってさ。あの和気さんが彩ちゃんに誠意を見せたってことね・・・。


 ところで和気さんは噂どおりに出馬するんだろうか・・・。うん、そこが疑問だ・・・。 まあ、和気さんは大学在学中に司法試験に合格しているから、代議士にならなくったって食べていけるし、安心といえば安心かな・・・。


どうなるんだろうねこの2人。


ひとまず、彩ちゃんの浮気問題は解決・・・。嫌になっちゃうなあもう!!


明るい家族計画 (10)妊夫日記~妻の入院編

 昼食後の昼下がり、何で今年の国会は平穏なんだろう・・・。やはり自衛隊海外派遣がなくなったから?予算委員会類も平穏無事・・・。やはりうちの父さんのおかげかな・・・。今年の9月で任期切れっていうのが惜しいぐらいだよね・・・。

明るい 雅和居眠り
 僕は官邸の官房長官執務室前のデスクに座って、のんびり国会が終了するのを待つのだろう・・・。ここ2、3日は急な国会への呼び出しはない・・・。ああ、綾乃の愛妻弁当をおなかいっぱい食べて眠くなっちゃったな・・・。ここにいるのは僕だけだからちょっと寝ちゃおっかな・・・。



なんてデスクマットにはさんでいる愛しいわが子たちの超音波写真を眺めながらウトウトする・・・。こんな平穏な日が毎日続けばいいな・・・。


 昨日の検診では主治医が綾乃は順調って太鼓判を押してくれた。管理入院も当分なさそうだと・・・。2人とも逆子じゃないから、このままだったら僕はもちろん出産の立会いをするんだ。この前も両親学級も行ったし、立会い出産の講習会も予約済み・・・。僕のお子ちゃまたちも順調に同じように大きくなってきているしね・・・。


 この前はこっそり主治医の先生を呼び止めて、性別を聞いたんだ。もちろん綾乃に内緒で。そしたら予想通りだったんだよね・・・。僕には一度に息子と娘が出来るんだ。もちろん父さんには報告済み・・・。


ホント今日のような小春日和は眠気を誘う・・・。


すると僕の眠気を飛ばすような携帯電話の呼び出し音。相手は綾乃の携帯。


「もしもし綾乃?」


でもかかってきたのは綾乃じゃなかった。


『大変でございます!雅和様!若奥様が急に!早く病院のほうにおいでくださいませ!』


光子さんからかかってきたんだ・・・。僕は驚いて、議員会館にいるほかの私設秘書と連絡を取り代わってもらって、病院に急いだ。 光子さんはロビーでおどおどしながら僕の到着を待っていた。僕は急いで来たからか、首に身分証明書をぶら下げたままで、カバンも持たずに病院に着いた。


「若奥様がいきなりおなかが痛いといわれてお倒れになられたのです。裏の公園にいたからよかったのですが・・・。」


「で、綾乃の具合は?」


「早産は免れたそうですが、このまま管理入院に入られて、当分の間絶対安静と・・・。」


「昨日あれほど順調といわれたのに?」


僕は綾乃が入院している病室に入ると、綾乃は点滴されて眠っている。主治医の先生も首をかしげているんだ。まあ多胎妊娠はいろいろリスクがあるから、急変する事があるっておっしゃってたけど。とりあえず今は点滴で陣痛を抑えているらしい。


「まだお子様たち23週。まだ1000gありませんので、危ないところでした。今のところ薬で安定していますが、薬を最大限に使っても陣痛がはじまる場合は、帝王切開にて出産を検討しないといけないかもしれません。その場合、大学病院のほうへ・・・。」


「はい・・・。わかりました。」


僕は綾乃が目覚めるまで手を握り締め、溜め息をつく。


僕の妹のように生まれてすぐに死んでしまったら・・・。僕は母さんが父さんの選挙運動中の心労で予定日よりも2ヶ月早く生まれてきた。僕の場合は2000g超えていたので助かったが、妹は1000gちょっとしかなく、当時の医学では助からなかったんだよね・・・。それも僕の場合は何も障害がなくすくすくと育ったこと自体奇跡だった。だから早産の危険性は良く知っている。特にまだ綾乃は早すぎる。


そして任期満了による総選挙がこの7月末に控えている。そろそろ僕は官房長官の公設秘書として選挙準備に当たらなければならない。毎日こうしている事が出来ないのは残念だ・・・。 綾乃は目覚めるなり、僕にこういった。


「雅和さんの嘘つき!大嫌い!ここから出て行って!」


え?なんで?多分切迫早産で気が立っているんだろうか・・・。しょうがなく綾乃のいうとおり部屋を出た。


「弐條!嫁さん大丈夫か?」


和気さんが僕のカバンを持って見舞いに来てくれた。


「和気さん・・・今のところ落ち着きましたが・・・。切迫早産で、薬で陣痛を抑えているらしいのです。最悪の場合・・・。」


「だからリスクが高いって・・・。ま、今の医学だったら1000なくても生きる確率あるし、今安定しているのなら大丈夫じゃないかな・・・。ま、わからない事があれば聞いてくれよ。少しくらいなら知識があるから・・・。弐條、カバン忘れてただろ。」


「あ、ありがとうございます。」


「いいよ、総理すごく心配していたよ。今度週末にでも見舞いに来るって・・・。」


「そう・・・すみませんでした・・・。」


「いいよ。彩子ちゃんも心配していたよ。」


「そう、彩ちゃんが・・・。」


「気を落とすなよ。お前がしっかりしないといけないんだよ。父親だろ。」


本当に和気さんはいつも親身になってくれて助かる。今まで綾乃のためにあれがいいこれがいいといって僕に渡してくれるんだもん・・・。ホントに僕が今しっかりしないとね・・・。


 僕は綾乃が落ち着いたのを見計らって再び部屋に入って綾乃と会う。


「雅和さん・・・さっきはごめんなさい・・・。ひどいこと言っちゃった・・・。」


「ん?いいよ。綾乃は元気な赤ちゃんたちが生まれるようにゆっくりしてなよ。僕が出来るだけ側にいてあげるから・・・。」


「いつ家に帰れる?」


「生まれるまでこのままだって・・・。」


「そう・・・。寂しいな・・・。3ヶ月以上もこのままか・・・。」


「綾乃のおなかには赤ちゃんたちがいるじゃないか。ね、もうそろそろ僕も赤ちゃんを迎える準備をしておくからさ。名前もそろそろ決めよう。ね。」


「うん・・・。」


僕は面会時間ギリギリまで綾乃の側にいたんだ。綾乃は僕に何かいいたげな顔で、僕の顔を時折見つめてたけれど、溜め息をついて目を閉じる。


もう何日も仕事が終わるとすぐにこちらにやってきて一緒に過ごした。この日は見慣れない花が飾ってあった。


「あれ、誰か見舞いに来たの?」


「うん。田村さんが来たんだよ。秘書仲間なんでしょ。」


「田村さんが?」


明るい 田村
田村さんといえば、30歳ハーフのイケメン公設秘書。綾乃によると、面会時間すぐに来て、30分くらい話をして帰って行ったらしい。そういえば田村さんは3時ごろ官邸を出て行った。


「田村さんってかっこいい人ね。ハーフなんだって?」


「え?かっこいい?」


何で綾乃は楽しそうに話すんだろ・・・。もしかして?


「でも、雅和さんのほうがかっこいいよ。」


綾乃は微笑んで顔を赤らめる。


次の日もまた次の日も田村さんはやってきて何か話して帰るらしい。 今日はなぜか時間が一緒になった。


「田村さん、毎日綾乃のお見舞いありがとうございます。」


「いや。別に構わないよ。」


僕は田村さんを談話室に連れ込んでコーヒーをご馳走する。何で関係ないのに毎日見舞いに来るんだろう・・・。それを問いただすためにこうして2人きりになる。


「田村さん、毎日来ていただくのはありがたいのですが、どうしてですか?身内でもないのに・・・。」


「別に・・・・俺の家は元麻布。ホントにすぐそこだから。」


「でもおかしいですよ。わざわざ昼間に官邸を抜け出して・・・。」


「まあ、暇つぶしだよ。未来のファーストレディーにご挨拶しておくのもいいだろう。」


暇つぶしに訪れるほどのことかな・・・。もしかして以前問題になった丹波みたいなこと考えていないだろうな・・・。考えすぎかもしれないけれど・・・。まあ僕は丁寧にお礼を言って綾乃の部屋に戻る。まあそれ以来田村さんは来なかったけれど・・・。


入院中何事もなく、春。僕は慶應まで綾乃の卒業証書を受け取りに行った。大学のみんなは綾乃のことをすごく心配してくれていて、みんなでお見舞いに来てくれたんだ。それも卒業式の格好のまんまで。綾乃もすごく喜んで、涙ぐんでいたよ。ゼミの教授も来てくれて、ホント和やかな時間を過ごせたんだ。教授は綾乃の子供の名前を考えてやるっていってくれてね、僕はお願いすることにした。結構この教授はそういう方面にも精通している教授。きっといい名前をつけてくれるんだろう。一応性別を伝えておいたけどね・・・。


本当に綾乃は時折僕の顔を見ると溜め息をつく。


「綾乃、最近変だよ。何かいいたいことあったらいってごらんよ。」


「ん?いい・・・。」


「ほら、いってごらんよ。言いたい事いわないと、体の良くないよ・・・。」


「ホントにいい?」


「うん・・・。いってごらん。」


「あのね・・・。事故に遭った年の秋、土御門さんと会っていたんでしょ・・・。それもほぼ毎日・・・。あたしが大学行っているときに、部屋に入れて・・・。」


「え?」


「そうなんでしょ。本人から直接聞いたんだから・・・。」


「ん?んん・・・ごめんな・・・今まで黙ってて・・・。」


「まああの時はあたしのこと忘れてたからいいんだけど。」


それ以上何も言わなかったんだけど、まだ何かありそうだ。


「まだあるんじゃないの?いってごらんよ・・・。」


「あのね・・・それでね・・・土御門さんは妊娠したって・・・。捨てられたっていうの・・・。それであたし・・・急におなかが痛くなって・・・。」


え!!!そんなこと知らない!


もしかしてそれが原因の心労で切迫早産になったのか?


僕は家に帰ると桜ちゃんの携帯に電話をかけてみる。良かった、携帯番号変わっていなかった!


「本当なのか!」


『何が?』


「綾乃に言ったんだろ!僕らの関係のこと!」


『言ったわよ!だから何?!』


「妊娠したって本当なのか?!」


『なにいってんのよ。するわけないじゃない。からかっただけよ。幸せそうな顔しているから!』


「いい加減にしろ!君のせいで綾乃は・・・綾乃は入院してるんだぞ!僕の子供、死にかけたんだぞ!もちろん綾乃だって!いい加減にしろ!もう君とは会わないし、街で会っても声をかけるな!いいか!」


やっぱりもう許せない!僕はもう土御門家と縁を切るんだ!



明るい家族計画 (9)妊婦生活~旦那様の過去編 2

 本を読み始めて5分ぐらいしたころかな、急にマックスがうなりだして、吠えるの。こんなことって珍しい・・・。滅多に吠えないのに・・・。


「マックス、うるさいよ。どうしたの?赤ちゃん達がびっくりするよ・・・。」


マックスはいくらなだめても吠えるのをやめないから、マックスの視線の先をあたしは見つめた。するとそこには土御門桜!


「あら、まだその犬生きてたの?お久しぶりね、源さん、いえ、弐條さんね、もう・・・。」


「何か用?」


「最近あまり見かけないと思ったらこんなところでのんびり?幸せそうね。」


桜はあたしのお腹をみていやそうな顔をした。


「まあ、妊娠中?うらやましい、雅和さんの子供を妊娠できて、さぞかしお幸せでしょうね。」


「そうよ。この中には雅和さんの子供がいるの。だから何?」


マックスはさらに興奮して、桜をあたしに近づけないようにしているの。何かあるのかな・・・。


「あなたはいいわよね。雅和さんの子供を妊娠して産む事が出来て!私は雅和さんの子供を妊娠したのに捨てられたんだから!」


「え?どういうこと?」


あたしは何か聴き間違いだと思ったの・・・。そんなことってある?どうして雅和さんと桜が?雅和さんは桜を嫌っていたはずよ。


「あなたは知らないでしょうね。2年前の秋よ。雅和さんが事故に遭った年の秋。私と雅和さんはあなたが大学いっている間に会っていたのよ。もちろんあのマンションで。ひと月の短い間だったけど、私と雅和さんは寝室で愛し合った仲なんだから!それでいきなり別れを切り出されて、そのまま・・・気がついたら私は妊娠してたのよ。もちろん堕胎させてしまったけれど・・・。」


ということは何?雅和さんがあたしの記憶がないときに桜と付き合ってたってこと?いくら記憶がなかったといってもあたしという婚約者がいたのに・・・。桜も桜よ・・・。わかってて、雅和さんに近づいたんだわ・・・。


「絶対私はあなたのことを許さないから!どうしてあなただけ幸せな生活しているのよ!大好きな人の子供を妊娠して、難なく産ませてもらえるあなたを許さないんだから!」


そういうと桜は泣きながらあたしの前を去っていく。あたしは相当ショックを受けた。いつも愛し合っていた寝室で、雅和さんと桜が愛し合って、それも子供が出来ていたなんて・・・。


 すると急におなかが痛くなって、それに気づいたマックスは光子さんを探しにいってくれた。光子さんはちょうど買い物を済ませたようで、マックスが走ってくることに気がつき驚いて、マックスがあたしにところに光子さんを連れてきてくれた。


「若奥様!どうかされたのですか?」


「急におなかが・・・。痛くなって・・・。」


あたしは痛さのあまり気を失って、倒れてしまったの。 光子さんはすぐに愛育病院に連絡して即入院。そして絶対安静になった。

明るい 雅和泣く
 気が付くと個室の病室・・・。側には雅和さんがあたしの手を握って目覚めるのを待っていてくれた。あたしは無意識に雅和さんの手を振りはなしたの。


「雅和さんの嘘つき!大嫌い!ここから出て行って!」


雅和さんは何がなんだかわからない様子でとりあえず部屋を出て行ったの。


何とか早産の危機は免れたんだけど、もう当分退院はなし。今度病院を出るときは赤ちゃんを産んでからということになったの。


毎日たくさんの早産防止の点滴をする入院生活が始まることになったの。


 雅和さんは毎日仕事を早めに切り上げて、面会時間終了ギリギリまで付き添ってくれる。


「ホント、助かってよかったよ・・・。このままだったら綾乃も赤ちゃんたちも危険だったんだよ・・・。さあ、僕が側にいてあげるから、ゆっくりお休みよ。何があったか知らないけれど、僕は側にいる事が出来るギリギリまでいてあげるからね・・・・。」


そんな優しい言葉をかけないでよ・・・。


もちろん雅和さんの過去のことは許すつもりだけど・・・。


だってあたしだって一度だけ浮気したんだし・・・。


でもショックはショック・・・。


相手が桜っていうのが一番嫌なの。


多分雅和さんは桜の妊娠堕胎のことは知らないんだろうな・・・。


知らせたほうがいい?


知らせたら雅和さんは桜のことをどう思うのかな・・・。


やっぱり責任とって何か行動を起こすのかな・・・。


あたしはすごく心配だよ・・・。


あの桜だけは許さないんだから!!!


明るい家族計画 (9)妊婦生活~旦那様の過去編 1

 旦那様との愛の結晶の双子ちゃんを妊娠中のあたし、もう6ヶ月になりました。


 早いもんね・・・。普通の妊娠ならもう安定期にはいるんだけど。多胎妊婦には安定期などない!双子発覚後すぐに安静指示が出ているんだもの。でもそんなにすごいものじゃなくって、近所くらいならお散歩程度歩いていいって言われたのよね。まあ内緒で大学に通ってたりなんかしたけど。学生生活最後の試験も何とかクリアしてあとは卒業!でも、卒業式にでられないから、旦那様が代わりに卒業証書をもらってきてくれる約束なの。


 早ければあと3ヶ月で生まれてくる。先生は出来るだけ帝王切開をしないようにがんばりましょうって言ってくれて、なんでも親身に相談してくれるいい主治医の先生。予定日は6月中旬のはずなんだけど、双子ちゃんでしょ、ひと月早いかもしれないって言うのよ。もう結構お腹は大きくって、知らない人がみたら8ヶ月くらいに見えるのよね。今のところ、ウテメリンって言う張り止めのお薬のみで、生活できているから、まあ順調なのかな?


 双子を妊娠してからね、ブログをはじめたの。もちろん双子ちゃん妊婦日記を毎日つけてるの。結構お友達が出来ちゃって、いろいろ相談したりして楽しいのよね。




明るい マックス
 光子さんもあたしをとても親身にお世話してくれて、よく散歩に付き合ってくれる。もちろんあたし達のワンちゃん白いミニチュアシュナイザーのマックスを連れて。


 「若奥様、今日は暖かいですし、マックスちゃんと一緒のお散歩でも行きましょうか。」


「そうね・・・。今日は本当に小春日和よね・・・。最近マックスと散歩に行っていないし・・・。」


 あたしは暖かくして、近所の有栖川宮記念公園へ散歩に出かける。あたしと久しぶりに散歩が嬉しいのか、マックスは飛び跳ねながら散歩を楽しんでいるの。もちろんリードは光子さんが持っているんだけど・・・。


 日のよく当たるベンチに腰掛けて、あたしは本を読む。小説読んだり、育児書読んだり、赤ちゃんの命名の本よんだり・・・。ここの公園の裏にはいつも通っている愛育病院があるから、何かあっても安心なのよね・・・。


マックスはあたしの側にちょこんと座ってうとうとお昼寝をしている。光子さんはその間にナショナル麻布スーパーで夕飯のお買い物。あたしは元気な赤ちゃんたちの胎動に幸せを感じながらひなたぼっこ・・・。


ホントに幸せ・・・。


時折赤ちゃんたちに話しかけながら、お腹をなでる。


するときちんと反応してくれるから嬉しいのよね・・・。


うふふ・・・。





明るい家族計画 (8) 内閣官房副長官私設秘書・和気の恋 2

 俺は12月31日、弐條の自宅を再び訪れたんや。


なぜって?年明けまでここに彩子ちゃんがいるって聞いたしな・・・。


「あれ?和気さんどうしたんですか?」


「あ、弐條。」


何俺は驚いてんやろか・・・。当たり前やないか・・・ここは弐條の自宅やし、弐條も俺も仕事納めを済ませて何かない限り出勤しなくていいんやから。


あとは仕事始めまで休みって言うわけや。(ま、急な休日出勤はあるときはある。)


「彩子さんいるかな?」


「あ、いるけど・・・。彩ちゃーん!」


彩子ちゃんは昨日と変わらない笑顔で、俺の前に現れたんや。やっぱしかわいいやん!


「あ、和気さん!なに?」


「ちょっと近所まで来たから・・・今空いてる?」


「うん。いいよ。」


俺は彩子ちゃんを誘って広尾のお洒落なイタ飯屋に誘ったんや。ここは前々からええでって弐條に聞いてたイタ飯屋や。


ランチをご馳走にして、いろいろこの前の話の続きをしたんや。そんで俺は意を決してデートに誘ってみたんや。


「よかったら、二人で初詣いかへんかな・・・。もしかして友達や彼氏と?」


「ううん・・・。予定はないよ。うれしいな・・・。友達はみんな彼氏とデートだし、彩子は今彼氏いないもん。」


そっか、彼氏いないんだ・・・。やった!


「じゃ、今夜の11時くらいに迎えに行っていいかな・・・。お父さんはいつ帰ってくんの?」


「パパ?3日だったかな・・・。今、年越し演習中だから。11時ね。待ってるよ。」


なんて嬉しそうな顔をするんやろうか・・・。むっちゃかわいいやん。俺は彩子ちゃんを弐條のマンションまで送って別れたんや。もちろん携帯の番号交換は赤外線通信で・・・。ああこれが俺らの赤い糸やったらいいのになあ・・・。


「和気さん、これもって帰ってよ。うちの奥さんの手作りだから。お裾分け・・・。」


「え?」


「おせちだよ。関西風だから美味いよ。」


「ありがとう・・・。」


え?弐條の嫁さんって若いのにおせちまで手作りするんや・・・。すごいかも・・・。


家に帰って開けてみたらやっぱりすごい。どっかで買ったやつみたいや・・・。黒豆もしわひとつない綺麗な状態で煮てあるし、きちんと慣例どおりの物を詰めてある。弐條ってホント幸せやなあ・・・。そういえばいつも持ってきている弐條の愛妻弁当はいつも幕の内のような弁当だった。料理うまいんや・・・。うらやましい・・・。彩子ちゃんはどうなんだろ・・・。


俺は大晦日の夜11時に弐條の自宅に彩子ちゃんを迎えに行ったんや。俺は気合入れてお洒落したんやで。もちろん彩子ちゃんは神戸ファッションでお嬢様って感じの格好。やっぱりセンスいい子や。そこらのコギャルやお水っぽい女なんて目じゃないやん。やっぱし俺の目は確かかもしんない。きっとこの子もお姉さんのようにむっちゃ綺麗な子になるで・・・。


「ちょっと待たせてしまったみたいでごめんなさい。」


「いいよ。構わん。」


彩子ちゃんはちょっと顔を赤らめて苦笑する姿・・・。おお!!って感じ。


俺は東京で有名な明治神宮に初詣にいったんや。やっぱし人、人、人で、俺らの密着度は最高!迷子になりそうやったから、俺は彩子ちゃんの手を握ったんや。そしたらぎゅっと握り返してくれてなあ・・・。もう俺の心臓は爆発しそうやった。


やっとのことで賽銭箱の近くについて俺は賽銭を投げて神頼み。


(彩子ちゃんといい関係になれますように・・・。出来れば結婚したい・・・。)


なんて祈ってたんや。今考えると恥ずかしいこと・・・。

明るい 初詣デート
人ごみを外れて夜の表参道を手をつなぎながらあるいたんや。やはり年が明けたばかりの夜や。周りはカップルばかりで、気分は最高潮・・・。ぶらぶら渋谷まで歩いて、俺の自宅近くの恵比寿まで・・・。


「うち来る?お腹すいたやろ?今日弐條のとこでおせちもらったから一緒に食べへん?」


「ん、んん・・・。」


やった。部屋を大掃除しててよかったぜ。俺の家は恵比寿郵便局の近く。弐條みたいにいいマンションやないけど、一人暮らしするにはいい大きさの1LDK。家賃は10万台。地元宝塚でもここまで高くないんやけど。給料の三分の一は飛んでいくんや。まあ仕事仕事であまりお金使うことないからたまる一方で、マンションの頭金ぐらいの蓄えはある。

俺は彩子ちゃんを紳士的に招きいれて、お茶を入れる。彩子ちゃんは微笑んで僕の入れたお茶に口をつける。俺は昼間もらった、弐條の家のおせちを出して食器棚から小皿と割り箸を出す。そして彩子ちゃんは未成年やから、温かいお茶を入れなおし、俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出す。彩子ちゃんはいろいろ取り分けてくれて、一緒に話しながら食べたんや。やっぱし弐條の嫁さんの料理は美味い。もしかしたら料亭の大量生産されたおせちよりもうまいかもしれん。


「彩子ちゃんのお姉さんって料理美味いなあ・・・彩子ちゃんも料理すんの?」


「ん?彩子はするけど、お姉ちゃんほどうまくないよ。パパはおいしいって食べてくれるけどね。」


「じゃあ、彩子ちゃん、今度、俺のためになんか作ってくれへんかな・・・。」


「え?」


「この俺でよかったら付き合ってくれへん?」


俺は彩子ちゃんの手を握って意を決して告白したんだよ。彩子ちゃんはすごく嬉しそうな顔をして承諾してくれて、そのまま一緒に朝を迎えたんやけど・・・。


彩子ちゃんは俺のベッド、そして俺の胸の中で、スヤスヤ眠っていたんだ。出逢って数日でこういう関係になるなんてね。まあ同意の上での関係だから、問題はないと思うんやけど、彩子ちゃんのお父さんにばれたら殺されるかも知んないや。


完璧に日が昇ったあと、俺は弐條のマンションまで彩子ちゃんを送ったんやけど、弐條は俺の疑いの眼差しで見つめてたんや。


「もしかして和気さん・・・彩ちゃんを・・・。」


「え?何のことやろ?まあこれから彩子ちゃんと付き合うことになるからよろしくな。」


「なんかあったらきちんと責任取るんですよ。結局和気さん、モテるんじゃないですか。前まで俺はモテへんとかいっちゃって・・・。」


「弐條!またいろいろアドバイス頼むな!特にお父さん攻略を!」


「まあまあ・・・誠意を持って彩ちゃんを大事にしたら大丈夫だと思いますよ。」


ホント弐條ののほほんとしたところはちょっとむかつく事があるけど、反対していないようやし、ま、安心かなあ・・・。


ホント俺って運がいいかも・・・。


学生時代まではいろんな女と付き合ってたが、みんな俺の家目当てだったし、(世に言う玉の輿?)まあ今回彩子ちゃんはそんなことなさそうやな・・・。


目標はもちろん結婚!まあそれまでにはお父さんって言う大きな壁がある。それを乗り越えないといけないんやろな・・・。ああ今度お父さんに会うことにしよう・・・。それまで弐條にお父さん攻略法をレクチャーしてもらわないとあかん。


あ、でも彩子ちゃんは俺と結婚する気あるのかな?


それが一番の問題だ・・・。


明るい家族計画 (8) 内閣官房副長官私設秘書・和気の恋 1

 

明るい 和気2
 俺の名前は和気泰明っていうんや。年は25。今は俺は母方の伯父で官房副長官平清治氏の私設秘書をしてるんや。


出身は兵庫県宝塚市。宝塚歌劇で有名なところやねん。実家は阪急雲雀丘花屋敷って言う駅の近くにあって、大阪平野を一望できる家に家族は住んでるんや。


うちの実家は関西でも有名な総合病院を数軒持っている、医者一家。兄弟四人いる中で一番上の兄さん、姉さんは医者。そして俺で、下には阪大医学部にいる弟。俺だけがなぜか文系で、東大を出た。これはもうおかん(お母さん)の遺伝やなあ・・・。まあいうおかんはもともと政治家のお嬢やから・・・。


まあほかに文系を選んだわけもあるんやけど・・・。実は血が苦手、グロイ映像、もちろんホラー系はだめなんや。おとん(お父さん)は医者やない俺のことだめ息子のレッテルを貼りやがって、母方の伯父のところに掘り込まれたっていうんや。


まあ今の仕事は好きやし、小さい時の夢は総理大臣。子供のいない伯父さんの後継いでいずれ出馬。今はそれに向けて修行中ってわけや。世間では俺のこと政界のサラブレッドやっていうけどな・・・・。


 同僚にはすごいやつがいるんや。


 そのすごいやつ、それは弐條雅和。父親は現在の総理大臣、おじいさんも総理経験あり。叔父さんは参議院議員。今は官房長官の公設秘書しとるわ。頭も、顔も、スタイルも抜群で、もちろん家もいいとこの坊ちゃん。あと24歳って言う若さなんやけど、嫁さんがおって、もう可愛いってなんの。神戸美人なんや。でもすごく清楚で、微笑んだ顔なんてそこらのモデルや女優顔負けや。やはり弐條みたいなやつにそういう子は集まるんやな・・・。


総理Jrといっても仕事はバリバリできる。(そういや歴代の総理の息子に俳優してるやつおったなあ・・・。)雑用も文句言わないでてきぱきやって、この前の忘年会なんかな、幹事の一人として、先輩秘書たちに頭を下げるんや。ホンマに腰の低いやつ。


 この前、弐條の自宅にいったんや。広尾の閑静な住宅街にあって、低層マンションの最上階角部屋。3LDKなんやけど、100平米以上ある。そうやな、俺の目利きで2億はくだらんやろな・・・。いやもっとかも・・・。多分嫁さんの趣味なんやろな、すごく品のいい調度品やカーテンじゅうたん、食器・・・。ホント趣味のいいものばかり。こんな生活に憧れるっちゅうか・・・。


今、弐條の嫁さんは妊娠中で、それも双子って言うから、安静指示が出てるらしくって、弐條が生まれ育った芦屋から光子さんって言うお手伝いさんが来ているんだよな。一応医者の家庭で育っているから、知識はあるんや。もちろん双子妊娠っちゅうのはリスクがある。それも彼女は結構細いからなあ・・・。しょうがないやん。で、そこで知り合った彩子ちゃん・・・。弐條の嫁さんの妹らしくって、俺と同じ東大に通っている才女。やはり姉妹だな・・・。よく似てる。でもこの彩子ちゃんはちょっとお姉さんとタイプが違うみたいや。やはり関西で育っているから、おもろいもんが好きみたいや。お姉ちゃんは癒し系やけど、この子はその場を盛り上げてくれるような子かな・・・。活発ではきはきしてて・・・。俺はこっちのほうが好みかも。いろいろ地元兵庫のはなしやら、大学のはなしで盛り上がってなあ、いい感じなんや。


別れ際も、「また会えるかな?」って可愛い瞳で見つめてくれるもんやから、俺はマジで彼女を好きになってしまったわあ・・・。


でも親父さんが相当厳しいらしいからそれが心配かもな・・・。


明るい家族計画 (7)妊夫生活~綾乃の兄、陸上自衛官・源一等陸尉編



明るい 兄迷彩服
 俺は源博雅。現在30歳。職業は陸上自衛隊中部方面第3師団所属の一等陸尉。一応幹部。家族は俺と今年春に一緒になった妻、美月とお腹にいる子供。美月は妊娠6ヶ月で早々実家の代官山に里帰り。もちろん俺は中隊長やってるから、最近演習が多くて留守がちになりだしたから、美月のお父さんが早く里帰りをしろと命令したんだよ。


 美月と俺は見合いだった。当時幕僚監部幕僚副長の親父の上官幕僚長に縁談を持ち込まれて、防衛庁長官の一人娘と見合い。断りきれずにそのまま婚約。半年くらい結婚前提のお付き合いをして、春に神戸北野で邸宅ウェディング。


美月はちょっとそこらの女の子とは感じが違っていて、いかにも箱入り娘。実は俺の仕事内容を知らなかったと言う経歴の持ち主。世間知らずもいいところだ。


 結婚当日の初夜からそうだった。今まで防衛庁長官の一人娘と言うから、手も握らず、キスさえせずにただ会って話すだけの関係で、結婚までたどり着いたんだけど・・・。


あれは忘れはしない。 2次会を終えて宿泊予定のホテルへ帰ってさ、初夜にやることってひとつ。抱きしめて、キスして、そのまま・・・って言うのが筋書きだろ?まあキスは結婚式の時初めてしたんだけど、軽く唇と唇を当てただけ。それでも美月は目をまん丸開けて、驚いた表情だった。おかしいなって思って、向かえた初夜。俺はまず美月を抱きしめて、ディープキス。すると美月に頬をたたかれた。


「何するの!苦しいじゃない!」


「え?俺たち夫婦だよ?」


ああ、そういうことかと思ったよ・・・。まったくそういうことに初心だってこと。


幼稚園からずっと超お嬢様学校にいたといっても普通こういう行為ぐらい興味持つときあったはずなのに、なかったってことかな・・・。そこまで箱入りだとは思っていなかったよ。ああ変な子と結婚してしまったって思ったよ。俺が1からレクチャーしないといけないってことか・・・。今の時代、化石級の人物かもしれない・・・。

家族計画 兄
「いい?美月さんは俺が好きだから結婚したんじゃないの?」


「ん、んん・・・。だって制服姿がかっこよかったから・・・。」


なに?俺の制服姿に惚れたって言うのか???あちゃー・・・。


「でも今は博雅さんのこと好きよ。」


「じゃあいい?今からすることは、好きな人同士がすることなんだ。だから驚かないで、俺がすることそのまま受け入れてよね。わかった?」


「は、はい・・・。」


俺はまず上半身を脱いで、次は美月をベッドに横にして、キスをしながら美月のワンピースのボタンを外していった。美月は一生懸命目をつぶって我慢しながら、俺の愛情表現を受け入れてくれたんだよね・・・。まあ何度も何度も止められたのは言うまでもないし、最後のほうはわんわん泣いてた・・・。


俺はいろいろな女を抱いたことあるけど、こんな子初めてだよ・・・。


次の日ショックを受けて、一言もしゃべってはくれなかったけど・・・。新婚旅行も指一本触れさせてはくれないほど・・・。


でもこういう子はハマると怖い・・・。新婚ひと月で快感を覚えたのか、俺が夜勤以外の日は・・・。行ってきますのキス、お帰りのキス、そして夫婦生活・・・。こんなに甘い新婚生活が待っているなんて思わなかったよ。すると新婚3ヶ月で出来ちゃいました。


まあ妊娠話はいいとして、ホントに何も知らない子で、家事一切した事がないのか、何も出来ないんだよね。しょうがないから俺がひと月かけて家事を仕込んでいったんだ。まあのみこみがはやいほうだったからよかったんだけど・・・。傍目から見ると、すごく俺が家事を手伝っていい旦那さんに見えるのかもしれないんだけど、出来ないんだから俺がするしかない。新婚当初は俺が買いもん行って美月に教えながら料理して、洗濯の干し方から掃除の仕方、いろいろ手助けしながら教えた。そのせいか今では下手だけどきちんと自分でやってくれるようになってホッとした。まあ未だに食料の買出しは2人で待ち合わせしていくけど。


俺らはJR伊丹駅近くに住んでいるんだけど、毎日俺は30分かけて自転車通勤。まあ運動は嫌いじゃないから苦にはならないけど・・・。週に数回、駅前にあるイオンで買い物をする。もちろん俺は制服で通勤しないといけないから、引っ越してきたころはみんなじろじろ見られてたな・・・。でも今ではもう店員さんと仲良くなってしまって、お勧めのものとかを教えてくれる。


「あれ?源さん、奥さんは?」


「東京の実家に里帰りなので・・・。」


「えらい早いお帰りだねえ・・・。」


「まあ俺が最近留守がちだから・・・。」


「そういえば、中東に派遣されるかもしれないんだってね?」


「んん・・・うちの部隊はどうかわかりませんが、もしかしたらいくかもしれませんね。」


「じゃ、奥さんは大変だ・・・まだ新婚さんなのに・・・。」


どの店員さんにも同じようなことを聞かれる。


本当にそう。未だに中東はまだ情勢が良くないから、国連の決議によっては陸、海、空の精鋭部隊が人道支援のために派遣されることになる。


以前イラク戦争のときも中部方面隊を始め日本中の精鋭部隊が派遣された。まあその時はまだ俺は防大にいたから、行かなかったけれど、現在、第36普通科連隊の中隊長である俺はきっと派遣されるに決まっている。


まだそのことは美月にいっていないけれど・・・。いずれ美月のお父さんである防衛庁長官から美月に伝えられるのかな・・・。年度末までには行くか決まるんだよね・・・。だから最近日本中のどの部隊も演習、訓練などが多いんだ。親父のいる東部方面もそうさ。親父は偉すぎていかないだろうけれど、俺は幹部とはいえ、まだ一等陸尉の立場だから、行かないとね・・・。


美月は喜んで送り出してくれるかな?


多分現在の首相の弐條さんは憲法9条を擁護する保守的な人だから任期が切れる9月まではもしかしたら行かないかもしれない。まあ俺が決めることではないからね・・・俺は命令に従うのみ・・・。


それならいっそ清原先輩みたいに事務的職に収まったほうがいいかもしれない・・・。 ああ、うちの家庭はどうなるんだろう。幸せそうな妹の綾乃夫婦がうらやましい。





明るい家族計画 (6) 妊夫生活~永田町秘書仲間との飲み会編 3

 「うちで飲みなおしましょう!!!」という僕の提案に皆が賛同してきたんだよね・・・。まずったな・・・。ほんとに・・・。和気さんだけ呼ぶつもりが・・・。


僕は自宅に電話して5人も連れて行くといったら、光子さんが快く承諾してくれた。でもうちは基本的にお酒を置いていないから、赤坂にある酒屋でいろいろ買い込む。そしてお酒の飲めない三浦さんに僕の車を運転してもらって、タクシー1台と共に広尾の僕の自宅へ・・・。みんな新婚家庭に興味津々・・・。でもなんで田村さんまでくるんだ?まったく興味なさそうなのに・・・。きっと橘さんみたいなタイプだと思うよ。独身貴族タイプ。


「ただいま。」


「おかえりなさい。」


綾乃が笑顔で僕を合わせて総勢6人を迎えてくれた。ちょっと顔は引きつっていたけど・・・。僕は綾乃の耳元で言った。


(ごめん・・・遅くに・・・。)


(いいよ。たまにだし、彩子が来てるから・・・。)


(彩ちゃんが???)


(パパが年末恒例の年越し演習に行ってるのよ・・・。だから当分泊まるって・・・。)


まあいっか・・・。いいことないかな・・・?光子さんと綾乃は冷蔵庫にあるもので適当につまみを作ってくれて、わいわいがやがややっていた。本当に光子さんがいて助かったよ・・・。綾乃も本当なら安静にしないといけないのに・・・。綾乃は綾乃で妹の彩子と楽しそうに話していた。

家族計画 彩子
「なあ、弐條。あの子、誰や?」


「あの子は奥さんの妹です。そういえば和気さんの後輩に当たりますよ。東大文Ⅰだから。」


「ふうん・・・可愛いなあ。奥さんによく似て・・・。」


「よければ紹介してあげたいけれど、お父さんが厄介なんだよ。」


「え?」


「お父さんは陸上自衛隊東部方面総監だからね・・・。こわいかも?!」


「じゃよく奥さんと結婚できたなあ・・・それも学生結婚やし・・・。」


「お父さんは権力に弱いからね。父さんに協力してもらったんだ。まあ僕も誠意を見せたけど。」


なんか和気さんは彩ちゃんがえらい気に入った様子。


 和気さんは兵庫県宝塚市出身。仕事中は標準語しゃべるけど、プライベートでは関西弁。この人といれば僕もつられてたまに関西弁になる。ホント仕事以外では関西気質の面白い人。彩ちゃんと6歳違うんだよね・・・。紹介してあげてもいいけれど、多分お父さんが許さないかも。


 和気さんは酔った勢いで、早速彩ちゃんにアプローチしていた。彩ちゃんもこの関西弁で同じ兵庫県出身、東大卒の和気さんと話が合うみたいだ。超地元話で持ち上がっていたんだよ。もちろん東大の話でも。彩ちゃんもすごいすごいって言って、まんざらでもなさそうだ。綾乃がいいと言ったら縁結びでもしてやるかな・・・。和気さんは伯父さんが代議士だし、お父さんは結構有名な総合病院の理事長。お兄さんは若いが腕のいい院長という地元でも有名な開業医さん一家だし・・・。


ホントに僕の周りにはそんな家系が多いな・・・。


ところで異様におとなしい田村さん。みんなわいわいがやがややっているのに、一人黙って飲んでいる。田村さんの視線の先には綾乃と彩ちゃんそして和気さん。和気さんは関係ないとして、彩ちゃん?それとも????時折フッと口元がにやける。本当にこの人は何考えているかわからない。僕は立ち上がって綾乃を呼ぶ。


「綾乃、もう横になっておいでよ。無理したらだめだから・・・。」


「ん?んん・・・。」


「お腹張ってない?気分は?」


「大丈夫だよ。じゃあ横になってくるね・・・。」


綾乃は寝室に入って横になりに行った。僕は田村さんの視線の先を見つめる。やはり綾乃か・・・。気のせいであって欲しいけど・・・。やっぱ綾乃は綺麗だもんな・・・特に結婚してからは・・・。


相変わらず和気さんは彩ちゃんと盛り上がっている。


「あ、もうそろそろ帰る。明日地元に帰るからさ。」


「俺も!」


「そうだな・・・。弐條遅くまで悪かったな。奥さんによろしく。」


まず地方組が先に帰っていく。僕は下の玄関ロビーまで見送り、3人をタクシーにのせ手を振る。


「田村さんの自宅は?」


「俺?元麻布。じゃ、帰るわ。遅くまですまなかったね、弐條君。」


「いえ、また皆さんで遊びに来てください。」


「んん・・・。ところで、弐條は出馬するのか?」


「いえ。田村さんは?」


「んん・・・。じいちゃんの選挙区で、出馬予定だよ。神奈川4区でね。」


「そうなんですか・・・。がんばってください。」


きっと当選なんだろう・・・あのルックスで・・・。若者受けする顔だもんな・・・。鎌倉か葉山出身なのか・・・。神奈川はうちの党ひとり勝ちだからな・・・・。


ところでいつ帰るんだ?和気さんは・・・。


「和気さん、もう12時過ぎたんですけど・・・。もしかして泊まる気ですか?」


「え、そんな時間????じゃ、帰るわ・・・。ごめんな弐條。」


「いえ。楽しそうでしたからなによりで・・・。いつ帰郷ですか?」


「今年は帰らへんよ。帰っても楽しくないしなあ・・・。自宅でのんびりするほうが性に合っているんや。で、奥さん大丈夫なん?」


「はい。双子を妊娠中ですので、安静指示が出ているから・・・。」


「それは大変やね。お大事にな。じゃあ帰るわあ・・・。」


「家まで送りましょうか?」


「いいわあ、広尾病院や恵比寿郵便局の近くやからすぐすぐ。酔い覚ましにいいしな。じゃ、お休み。」


すると彩ちゃんが走ってくる。


「和気さんお休みなさい!また会えるかな?」


「ん?どうかなあ・・・またな。じゃおやすみ。」


和気さんは手を振ってマンションを出て行った。彩ちゃんは嬉しそうな顔をして部屋に戻っていく。彩ちゃんは和気さんのこと好きなのかな?


「彩ちゃん泊まるの?」


「うん。パパがね、ここにお世話になりなさいって言うから。」


「そっか。じゃあ遠慮せずにゆっくりしなよ。」


「うん、ありがとうお兄ちゃん。」


本当に嬉しそうな顔・・・。こんな顔、綾乃も高校時代していたな・・・。やっぱり恋をしているぞ。彩ちゃんは・・・。


「お兄ちゃん、和気さんっていい人ね。面白いし・・・。」


「・・・。そうかな・・・。官邸ではすごく真面目でがり勉タイプ。バリバリ仕事をこなすタイプだよ。気に入ったんだ・・・。良かったら連絡先教えてあげるけど?」


「ホント?」


「でもお父さんはどういうかな・・・。まあ和気さんは有名な医師一家だからね・・・。実家は立派だよ。」


彩ちゃんはホントに和気さんが好きになってしまったんだね。


縁結びするしかないかな?







明るい家族計画 (6) 妊夫生活~永田町秘書仲間との飲み会編 2

 今年はちょっとお洒落な焼肉屋。本店は池袋にある。やはり案の定入り口に女の子たちが待ち構えて品定めをしている。僕は下っ端なので、先輩秘書官たちを案内するんだ。今日は公設も私設も関係ない。年功序列・・・。いくら僕が下積みが長い上に総理大臣の息子だったとしても下っ端は下っ端。

家族計画 和気
 独身組の一番若い和気さん。東大出身の超エリート25歳。官房副長官の私設秘書。未来の代議士。官房副長官の甥っ子さん。僕の同期でライバルであり、大親友。顔は普通。がり勉タイプ?その和気さんが一緒に案内係を手伝ってくれた。



 結構官邸ではお堅い人も、こういう場では和やか。意外な一面が見えたりする。 一番年上の武田さんが乾杯の音頭を取る。一斉にわいわい言いながら会食。自然と若者組みと中年組に分かれて飲んでいる。こういう場でも派閥が出来る。まあ僕は中立と思っているんだけどな。


「おーい!弐條!酒ないぞ!」


「こっちも!」


「肉追加!」


僕はゆっくり座る暇はない。ビールを挨拶しながら注ぎに回ったり、店員さんに注文したり・・・。もうくたくた。見かねた和気さんが代わってくれたから良かったもの・・・。


「弐條の奥さん、妊娠中なんだって?」


「は、はい。」


田村さんが珍しく僕に声をかけてくる。あんまり田村さんと話したことないんだよね・・・。官邸では結構黙々と仕事をこなす人で、僕と同じように党本部や地元との橋渡しのような仕事をしているし・・・。


「ホント田村さんと弐條が並ぶと、まるでファッション雑誌のようやな・・・。」


と、いつものように和気さんが口癖のように言う。周りの若手独身族も同じことを言うんだけどね・・・。


「ホント弐條は政治家にならんのならモデルか俳優やな・・・。うらやましいやん・・・。田村さんもそうや。秘書やめてモデルしたらええんとちゃうかな?」


田村さんはまんざらでもなさそうだけど、僕は恐縮・・・。


「ところで弐條、奥さん妊娠中だって?いつ生まれるん?」


「え!そうなの?まだ奥さん学生だよね。」


「奥さんすごく綺麗なんだよね・・・。聞いたよ、元ミス慶應!」


そう一度にいわれても、困るんだけど・・・・。


すると一番年長の、官房長官政策担当秘書の武田さんが言うんだ。


「ちょっと聞いてくれ皆さん。うちの官房長官つき公設秘書弐條君の奥さんがご懐妊だ!6月生まれるんだ!弐條、総選挙前の忙しい時に・・・。まあお祝い事はいいもんだ。」


その言葉を聞いて、秘書仲間が順番にお酒を注ぎに来る。ホントに恐縮。みんな総理Jrの僕を特別扱いしないから助かるよ。


そろそろお開きの時間。前もって預かっていた会費を持って僕が会計をする。前もって一人いくらで決まっているので、お釣はなし。そのあと僕は近所に停めてある自分の車に戻って、用意した人数分の手土産を持ってくる。そして配っていく。みんなとても機嫌良さそうな顔をしてある者は地下鉄で、ある者はタクシーある者は運転代行を呼んで帰路に着く。まだ残っているのは若手独身組。なんだか集まってわいわい語り合っている。


「おう!弐條。幹事ご苦労さん!今から2次会行くんだけどお前も行くか?」


「そうだよ弐條!たまには付き合え。」


いくら若手独身組とはいえ、僕の先輩たちだ。断れず2次会に付き合うことになった。やっぱりエリート集団。自然と知らない女の子たちが寄って来る。やっぱり田村さんにたかっている。なんだか知らないけれどこの僕にもたくさん寄って来る。僕は独身じゃないってば・・・。


「どこにお勤めなんですか?」


とかいろいろ聞いてくる。うっとうしい・・・。さすがだ田村さんは普通にあしらっている。僕は苦手・・・。こういうときの田村さんはいつもと違う。やっぱり噂どおりプレイボーイなんだ・・・。嫌な顔ひとつせずに微笑みながらあしらっているんだもの・・・。


「和気さん、やっぱ帰ります。奥さん待ってるから・・・。」


「え~~~弐條!付き合い悪いで!」


「付き合い悪くてもいいんです。」


「ああ、わかってるで、未来のファーストレディーが待ってるんやからな。ホントにご馳走様。いいね新婚さんは・・・。俺も早く落ち着きたい・・・。で、来年の選挙でるんか?」


「いえいえ・・・。まだ父も健在ですし・・・。もうちょっと修行を・・・。和気さんは?」


「う~ん、伯父さんは勧めるんやけどな・・・。まだ俺も自信はないなあ。弐條なら絶対親の七光りで当確だと思うんやけど・・・。」


まあ最近こういう会話ばかり・・・。来年総選挙だからね・・・。僕は総選挙あたりに25歳になる。そして出馬できる。親の七光りを使ってまで当選はしたくはないな・・・。


「そうだ、和気さん。うちで飲み直しませんか?和気さんの自宅確か恵比寿のほうでしたよね。うちは広尾ですから歩いてでも帰れますよ。一度遊びに来て下さいよ。ちょうど聖心女子の近所ですから。」


「そうやな、いっぺんいってみようかな・・・。」






(つづく)


明るい家族計画 (6) 妊夫生活~永田町秘書仲間との飲み会編 1

 うあー。うちの奥さん双子を妊娠中!妊娠でさえ予定外の上、3回目の検診で双子発覚!こういうときの男って弱いもんだね。奥さんは驚いていたけど、少し経つともう落ち着いてたよ。子供たちのパパである僕は未だに落ち着かないんだよ。おろおろしている。


 診察後、早速父さんに報告したら驚いてたっけ・・・。 そういえば僕も双子で生まれたんだけど、生まれてすぐに妹が死んじゃってね。僕だけが生き残ったわけ。母さんはそのあと産後に肥立ちが悪く、病気がちになってね・・・。東京に住まずに芦屋で兄さんと僕と一緒に過ごしてたんだけど、父さんは政治家でしょ。いろいろ気苦労があったんだろうね、僕が小学1年のときに亡くなってしまったんだよね・・・。その時僕はとても父さんを怨んだよ。だから僕はずっとおじいちゃんのいる芦屋に住んでいたんだよね。綾乃と出会うまで東京も嫌い、政治家なんてもってのほかって思っていたんだ。綾乃と出会って、綾乃を守ってやりたいって思うようになってね、なぜか政治家を目指すようになってしまった。ホント不思議・・・。


  なんとなくだけど、今回の綾乃の妊娠は死んじゃった妹が戻ってきたような気がしてね・・・。きっと一人は女の子だって思うんだ。出来ればもう一人は男の子であって欲しい・・・。まあ贅沢なことだろうけれど・・・。 昨日夜、ベッドの中でいろいろ話したんだ。


「性別って聞く?僕は聞きたいな・・・。名前とか準備とかあるでしょ。」


「うんそうだね・・・。双子だもんね・・・。でもあたしは聞きたくないかな・・・。楽しみにしたいのよね・・・。でも聞きたいような・・・悩んじゃう。」


僕は綾乃にキスだけしてそのまま眠ったんだけど、夢の中まで赤ちゃんたちのことでいっぱいで・・・。朝起きたら綾乃の腹部をなでていたんだ。


「もう、赤ちゃんたちばっかりね。ホントに雅和さんは親ばかなんだから・・・。」


といってやきもちを焼く綾乃がすごく可愛いと思って、綾乃の唇にキスをして布団から出る。


「綾乃も大好きだよ。もうちょっとゆっくり寝てなよ。」


「うん・・・。」


朝ごはんは光子さんが作ってくれる。僕はシャワーを浴びて出勤の準備。そして新聞を見ながら朝ごはんを食べ、身支度をしていつもの時間に自動車通勤。


「光子さん。今日遅くなるから、綾乃のこと頼んでいいかな?」


「はい。お坊ちゃま。」


「光子さん。もうお坊ちゃまはやめてよ。来年僕は父親になるんだから。」


「そうですわね。」


光子さんは微笑みながら綾乃の代わりに見送りをしてくれる。光子さんがいてくれるおかげで安心して仕事が出来る。


今日は仕事納め。忘年会が入っているから、帰りは運転代行を頼むつもりで車に乗って出かけた。今日はいつもと違って官邸内の駐車場の止めさせてもらった。


 今晩は官邸に詰めている秘書官たちの忘年会。総理大臣つき、官房長官つき、副総理つき、官房副長官つきなど総勢数十人の飲み会!会の名前は「永田町同盟会」。赤坂で開始!今年の幹事、官房長官付きの秘書が会場設定から、運転代行、タクシーの手配まで行う。会費は結構高い。男が多いからわいわいがやがやうるさい。でも一流の秘書たちばかりだから、赤坂でも毎年注目の的。この日にあわせてどこかの女子大生やら、OL達が独身秘書官を狙って集まってくるのも確か。まあ去年は僕は休みを頂いていたから、出席してないけれど、結構すごい。一種のコンパ状態になる年もあるらしい。まあみんな立場をわきまえているから、警察のお世話になる事はないけど・・・。僕は一番若いから、一番動かないといけないんだよね・・・。


官邸秘書官の中で独身秘書官は6人。もちろん僕は入っていないけど・・・。下は25歳上は40歳。


明るい 橘
 お勧めは30歳副総理つき若手出世頭の公設秘書田村さん。実はこの人のおじいちゃんは元政治家。結構背が高くってハンサムだ。お母さんがイギリス人でハーフ。どこかのモデルかと思うような姿。まあ10代のころはモデルしてたらしいけれど・・・。この人は僕の大学の先輩。綾乃には会わせたくないんだよね・・・。かっこよすぎて・・・いろいろ噂もあるし。


そしてかっこいいのに結婚できないんじゃなくってする気のないチョイ悪オヤジ風のうちの父さんの公設秘書橘さん・・・。この2人がいつも人気だ。何で橘さんは結婚しないだろう。六本木ヒルズに住んで一人暮らしをエンジョイしている。早大政経出身。彼女多数。(昔から知っているけれど・・・信じられないよな・・・。彼女多数ってのは・・・。)


もちろん女性秘書官もいるよ。ホント数人だけど。なんだかんだ言って男の職場だね。




(つづく)


明るい家族計画 (5) 妊婦生活~驚き編 2

 いつもの診察のあと、いつものように先生は雅和さんを呼んで、あたしの横に座らせたんだけど、先生は少し困った様子であたし達を見つめる。もしかしてあたし達の赤ちゃんになんかあったの?


「すみません。こちらの落ち度で今まで見つけられなかったのです・・・。」


先生何言うの?もしかしてなんか異常が見つかったの?


やめて!


すると先生はあたし達に超音波写真を何枚も見せる。


「角度の関係でもう一人見つける事が出来なかったようです・・・。実はよくみてください・・・。」


先生は超音波写真に指差して詳しく説明をする。


「実は双子ちゃんです。一人隠れていたんですよ・・・。今回随分大きくなってきて見えやすくなったのでしょうか・・・。おかしいなと思って角度を変えたらもう一人・・・。」


「ええええええ!!!!!!」


あたし達は驚いたわよ。双子ちゃんよ、双子ちゃん!一気に二人のパパとママになるの?あたし達。まあ雅和さんがもともと双子だから、家系的に出来る確率はあるらしいけれど、(一卵生の場合のみね)どうよ!


「この時期ですから、一番危険な一卵生で同じ部屋にいるのか、二卵生の一番安全なものなのかは詳しく調べてみないとわかりませんが、まあこれからいろいろ制約があるので、がんばってください。もちろんできるだけ安静に・・・。次半月後に来てください。普通の妊婦さんよりも管理が大変なので、回数は増えますし、何かあったらすぐ来て下さいよ。予定日は半月からひと月早まることも頭に入れてください。あ、そうそう先月の血液検査は異常無しです。ただ双子ちゃんなので、鉄分カルシウムを多めに摂って、塩分は控えめに・・・。では再来週お待ちしています。お大事に・・・。あ、母子手帳もう一冊用意してくださいね。」


あたし達は驚いて言葉も出なかったわよ・・・。


安静と言うことは年末のクリスマスも、お正月も・・・。


自宅にいろってことか・・・。


まあ派閥の新年会は出なくていいのはラッキーだけど・・・。


明るい 雅和引く
 雅和さんの驚いた顔ったら忘れられないわ・・・。まあ驚くのも無理はないけれど。 診察のあとまた渋谷区役所へ・・・。


役所の人に「またですか?」と言うような表情で見られるのは気のせいだろうか・・・。こういう時は半公人のあたし達は不利ね・・・。


 母子手帳発行の書類に必要事項を書き込む。もちろん第何子のところは第2子になるんだかど、そこは大きめに書いておいたわ。そうしたら担当者は驚いていてね、いまさら「双子ちゃんなんですか?」って声をかけてくる。もしかして再発行だと思ったの??双子ちゃんだからもう一冊もらいに来たんじゃない!


 すると今度はもらう時に違う職員が言うのね。


「おめでとうございます。先月もいらっしゃいましたね。双子ちゃんなんですね。まあ一気にお子様がお2人も・・・。」


あたし達はテレながら逃げるように区役所を出て行ったわよ。職員なんだからあたし達の相手をしないでしっかり仕事しなさいよ。こういうところからマスコミにばれたりするんだろうか・・・。ちゃんと個人情報を保護してよね・・・。


よく見ると母子手帳のデザインが違う。切り替わったんだね・・・。まあ間違わなくっていいんだけど・・・。


あたしはもらった母子手帳を母子手帳ケースに入れて、大事に保管する。


さすがに自宅に戻ると雅和さんはどこかに電話をかけていたの。多分お父さんなんだろうな・・・。きっと大騒ぎに違いない。あたし達の双子ちゃん。ホントに不安だらけだけど・・・。


雅和さんったら面白いの。きっと男の子と女の子だって言い張って、名前まで付けちゃって、暇さえあればお腹に話しかけてるんだもん。まだあたしは胎動を感じてないから、実感なんてわかないけどね。


こんな姿を見て、雅和さんのばあや光子さんは微笑んでいたわよ。


「本当に昔の旦那様と奥様を見ているようですわ。」


なんて。


ふうん雅和さんのお父さんとお母さんってこういう感じだったんだね。詳しくは話してくれないけれど、きっと幸せだったのだろうね。




(一言)


実はうち、3回目の診察で双子を妊娠している事がわかったのです。驚き!!!さすがに1週間寝込んでしまいましたよ。そして母子手帳のデザインもちょうど切り替わりの時で、二人は違うんです・・・。私の場合は、すぐに転院してくださいって言われました。同じように一卵生か二卵生かで安全性が違うからって・・・。今回のお話は半分実体験のようなことです。はい・・・。^^;



明るい家族計画 (5) 妊婦生活~驚き編 1



明るい 綾乃と雪
 街はもうクリスマス一色。恋人たちはみんなお洒落してヒルズや表参道なんかのロマンチックな夜景を楽しんでいる。


あたし達夫婦ももちろん一緒。


お腹にはあたし達の愛の結晶。もう4ヶ月になって、つわりも治まってきたし、お腹も少しだけど目立ってきた。(雅和さんはあたしに太ったって言うけど・・・。まあ、つわりが終わった分食欲が・・・)


 明日は今年最後の検診日。前回は検診終了後、すぐに区役所行って母子手帳をもらいに行ったのよね。超音波写真も明日で3枚目。もらったらすぐに雅和さんたらコピーして自分の仕事用のカバンに入れる。そして自分のデスクマットに挟んでいるらしい・・・。もう官邸内は親ばかで通っているらしいけれど。未だ公に発表はしていないし。(総理大臣の息子とはいえ、ただの秘書だから必要ないと思うけど・・・。)


「ホント大丈夫?お腹はったり痛くない?」


「うん大丈夫だよ。」


いつものように雅和さんはあたしとあたしのお腹をいたわってくれる。


階段なんていつも落っこちないように手を引いてくれるし、もちろん荷物なんかも持ってくれる。ちょっとした段や滑りやすいところもそう。まああたしはドンくさい方だからね。

 今日は国会も終わって、早めに帰ってきてくれたから、久しぶりのデート。家から出るときも体が冷えたらいけないからって、いっぱい着せられてしまった。反対に暑いってなんの・・・。靴もヒールのないブーツ。それも滑りにくいようにゴム底のやつね・・・。


ホント過保護?


まああたしは論文も仕上がって提出済み。あとは年明けの秋季試験を受けて合格点取れば卒業できるのよね・・・。卒業すれば専業主婦になって、お腹の赤ちゃんが生まれてくるのを指折り数えて待つの。赤ちゃんのために何かつくろうかななんて考えたり・・・。


 最近ね、雅和さんのお父さんが、芦屋のおうちから雅和さんのばあや、光子さんを呼び寄せてくれてね。家事の手伝いをしてくれることになって助かっているの。官房長官夫人もちょくちょく遊びに来てくださって、いろいろアドバイスもくださるし、楽しい話も聞かせてくれるのよね・・・。ホントみんなに助けられて妊婦生活をしているって感じ。


もちろん旦那様のいつもの素敵な笑顔もあたしの元気の源。仕事で疲れていてもあたしとあたしのお腹の赤ちゃんを慈しんでくれるんだもん。ホント感謝しないとね・・・。


 そして次の日、愛育病院の検診予約日。いつものように受付を済ませて順番を待つ。すると誰かがあたしを呼ぶの。


「綾乃さん!お元気?」


「あ、美月さん。」


美月さんはあたしのお兄ちゃんのお嫁さんで、防衛庁長官のお嬢様。兵庫県の駐屯地近くに住んでいるんだけど、どうしたのかな?


「ええ?うそ、綾乃さんも妊娠しているの?今何ヶ月?」


「4ヶ月なんです。6月中旬が予定日で・・・。美月さんはどうして?」


「東京で産むことになったから、今日入院予約に来たのよ。パパもこっちで産むようにって言っているもの。そっか、弐條さんのところもね・・・。私たちよりも早く結婚したから・・・。知らなかったわ。博雅さん何も言っていなかったけれど・・・。」


「まだ正式には言っていないの。安定期に入ってからにしようと思って・・・パパに報告したら結構驚いてたわよ・・・。そっか、美月さんここで産むのね・・・。いつ里帰り?」


「実はもう帰ってきているのよ。ちょっと早すぎるけれど、博雅さんったら最近演習とかで家を空ける事が多いから、私のパパが心配だって・・・。」


「なるほど・・・。」


「実家は代官山だからまた遊びに行くわね。いいかしら、弐條さん。」


雅和さんは微笑んで承諾してくれた。ああこれで妊婦仲間が出来て嬉しいわ。そして今度代官山のおうちに遊びに行く約束までしたわ。


「綾乃、名前呼ばれたぞ。」


あたしはいつものように診察室に入って、内診や触診、超音波などをしたの。でも今日はなんだか超音波が異様に長いんだよね・・・。いつもの倍以上かかっている。そして何枚も超音波写真を取り出している。何?なんかあったの?気になるじゃない!




(つづく)



明るい家族計画 (4) 妊夫生活~親ばかのはじまり編 2

 次の日綾乃は、つわりがひどいのに、きちんとお弁当まで作ってくれた。


「綾乃、つわりが治まるまで無理してお弁当は作らなくていいよ。議員会館の食堂で食べるから・・・。」


「だって外食は栄養のバランスが悪いし・・・。忙しい雅和さんにはお弁当が一番なんだよ。」


僕は綾乃からお弁当とカバンを受け取ると綾乃にいつものように「行ってくるよ」のキスをして自宅を出た。そして朝一に議員会館に寄らずに官邸へ。まず総理大臣執務室に向かう。


いくら総理大臣の息子だと言っても官邸内では特別扱いはない。いち官房長官の公設秘書として扱われる。執務室前の秘書官たちに面会を申し出て、少し待つと、秘書官によって呼ばれ、執務室に入る。


「どうした?こんな朝早く。」


父さんは国会に行く準備をしていた。


「あのお話が・・・。」


「急いでいるから手短に頼むよ。」


「あの、父さん。私的な話で申し訳ないんですが、綾乃に子供が出来ました。」


「え?それは本当か?いつ生まれる?」


「今3ヶ月で、6月中旬に・・・。」


「そうか、この私もおじいちゃんか。また綾乃さんにお祝いの電話を入れておくよ。じゃ、急ぐから。」


父さんは嬉しそうに足早に執務室を出て行く。今日は党首討論が行われるから、本当にたくさんの秘書官や取り巻きに囲まれながら官邸を出て行ったんだ。


後は官房長官なんだけど、長官はもう国会にいってしまって、不在。


僕は官邸のデスクで国会中継を見ながら仕事を行う。先輩秘書たちは国会に行ってしまったから、僕だけ電話番。外部からの電話も扱うけれど、主に国会からの電話を受け持つ。たまに資料が足りなかったり、急な報告類をまとめたり運んだりするのが今日の僕の役目。

明るい 雅和写真を見る
 僕はデスクのシートの間に僕たちの赤ちゃんの超音波写真のコピーを挟んで暇さえあれば見つめて微笑む。先日2回目の検診に行ったところだからこれで2枚目。本当だったら写真をいただけないんだけど、無理言って毎回写真をもらうようにして、大事にコピーをし、持ち歩いている。


 前回はまだ丸くてこれが赤ちゃん?って感じだったけれど、今回は違う。頭、胴体、そして可愛い手足がきちんと付いている。まだ5センチぐらいで10gぐらいしかないけど、一生懸命心臓を動かして動いていた。本当に感動ものだった。


先生はもうそろそろ流産の危険性はなくなってきたって言ってくれて安心したけど、まだ安定期に入っていないって言うから、出来るだけ無理させないようにしないと。


お昼の休憩時間になると、続々と先輩たちが帰ってくる。僕は写真の上に本を置いて恥ずかしそうに隠してみる。ホントに僕って親ばかかもしれない。


官房長官は総理大臣である父さんとお昼を食べながら会議をするらしい・・・。だからこちらには戻ってこない。いつものように僕はお弁当を取り出し、官邸の職員がお茶を持ってきてくれる。今日に限って職員が思いっきり写真の上の本にお茶をこぼしてくれた。


「あ、すみません、今からふきますから!」


「いいよ!僕がするから!」


職員は本を一冊ずつふきながら別の場所に移していく。僕は濡れた資料を一生懸命拭いていた。


「あ~~~~弐條さんなんですかこれ?!」


忘れてたよ、超音波写真のことを・・・。


見つかってしまった・・・。


案の定先輩たちが集まってきてしまって、みんなに見られてしまった・・・。


「実は僕の子供・・・。今、奥さんは妊娠3ヶ月なんです・・・。」


「だから最近早く帰るのか・・・・。なるほど・・・。官房長官は知っているのか?」


「今日話そうと思いまして・・・。父には朝、報告はしましたが。」


もちろんからかわれたよ・・・。


やっぱり新婚だねとか言われたりなんかして・・・。


嬉しいやら恥ずかしいやらで・・・。


一応まだ公に出来る状況でないからとくち止め・・・。


口止め料として今度の飲み会は僕のおごりになってしまった・・・。


普通おごってくれるもんだろ!


まあいいか・・・気分はいいし・・・。


やっと報告できたのは帰るギリギリ・・・。


官房長官はすごく喜んでくれて、困った事があったらなんでも言ってくれっていってくださった。まあこの人は僕らの仲人さんでもあるし、ご近所に住んでおられるからね・・・。綾乃に奥様は母親のように接してくれているし、綾乃はよく相談とかもしているらしいから、安心かもしれない・・・。これからいろいろ配慮してくれるらしいし、仙台行きも僕の代わりに私設秘書がしてくれるらしいから助かったよ。


まあお手当て分の給料は減るからしょうがないか・・・。


まあ周りの人たちに報告できたから安心・・・。


あとは綾乃のお父さんだよね・・・。


約束と違うから怒られるかな・・・。


ちょっと怖い・・・。








(作者から^^;)


イラストの超音波写真はまさしく私のなのです^^;うちの双子っちが写っています。


よく見たら赤ちゃん状のモノが見えるのがわかりますか?あれはうちの3女です。


体形でわかるんです。丸々ぷっくり体形・・・。そしてなんとなく右側に見えるのがうちの長男。


おなかの中でもがりがり君。




実はこの小説、妊娠時の場面は実際の話がベースになっているんです。


予想外、想定外の話から・・・。すべてじゃないですけれど、詳しい描写はやはり経験者じゃないと・・・。


そういえば3回目の妊娠はみんなに怒られたんですよ・・・。双子だったから・・・4人になるわけでしょ。もう四年も前のことです。




また該当する場面が出てきたら、こうしてご報告を・・・。

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さくらと空 
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