4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (6)完全復帰!【完結】
「和気さん、早く起きてよ~~~!」
「んん・・・。まだ6時だろ~~~。」
「今日は何日?」
「4月の・・・・1・・・あ!!!」

そう今日は4月1日。
私の職場復帰の日よ・・・。

そして泰孝の保育所入所日で、早めに行って挨拶とかしなきゃって言ったの和気さんでしょ・・・。
もちろん昨日のうちの泰孝の保育所グッズは完璧に揃えておいたわよ・・・。

きちんと「わき やすたか」って全部名前を付けて・・・。

泰孝が寝ている間に朝食を済ませて、最終確認よ・・・。
今日は私も一緒に行くからいいけど、明日からは和気さんが送り迎えをしないといけないんだよ・・・・。
もう・・・。

 寝室で泣き声・・・。
あぁ、もう起きちゃったのか・・・。

泰孝はベビーベッドの柵につかまり立ちして泣いていたの。
もうすぐで9ヶ月だもんね・・・。

「マンマン・・・ぅぅぅぅぅ。」
「はいはい、やすくんもう起きたんだ・・・おはよう。」

私は泰孝を抱っこしてリビングに連れてくる。

朝食を食べ終えた和気さんは私に代わって泰孝を抱っこしてあやしている。大好きなパパに抱っこされた泰孝はもうご機嫌で、キャッキャ言って笑ってる・・・。私は微笑みながら泰孝の離乳食を作るの。

「和気さん、やすくんにご飯食べさせてくれる?」
「よし、泰孝、ママのおいしいご飯だぞ~~~~。」

ホント和やかな家庭よね・・・。
数年前までこんな生活が訪れるなんて考えてなかったわよ・・・。

 和気さんは昨日、うちの車に泰孝用のカーシートを装着。そこに泰孝を乗せて今日だけ夫婦で霞ヶ関にある厚生労働省直轄の公務員保育所に向かうの。

場所は霞ヶ関官庁街ど真ん中の某官庁ビル内一室。
屋上に運動場がある保育所。

一般の人も入れるんだけど、知らないほとが多いから難なく入れるのよね・・・。やはり公立だから、比較的安い。和気さんがいる法務省や、国会議事堂のある永田町にも近いから、何かあったらすぐ行けて便利だもんね・・・。

 保育所が入っているビルの前に車が止まると、二階堂さん以外の公設秘書を始め、たくさんの人人人・・・。何?って言うくらい・・・。二階堂さんがトランクを開けると、他の秘書が泰孝の保育所セットを出す。

車から降りた和気さんにヘコヘコしている人たち・・・。
和気さんに抱かれた泰孝はびっくりした様子で周りを見回している。
話している様子からすると、法務省の職員と、厚生労働省の職員、そして保育所の職員がわざわざお出迎え・・・。
和気さんは微笑んで言うの。

「私はここに息子を預けに来ただけだから、みなさんは持ち場についたらいいよ・・・。明日からは出迎えはいらないよ。泰孝の教育上良くない。」

ほんとそうだわ・・・。
和気さんは特別扱いも無用って言って中に入っていったのよね・・・。
私たちは所長さんや保育士さんといろいろ話したりお願いをして泰孝を保育室へ連れて行く。
担当保育士さんに泰孝を預けるの。

「やすくん、今日からここでお友達といてね・・・。夕方パパが迎えに来るからね・・・。」
「泰孝、いい子でいるんだぞ。」

はじめ泰孝はこの状況を理解できていなかったようだったんだけど、私達が保育室を出た途端大泣き・・・。私たちは一瞬戻ろうと思ったけど、やっぱりそれはいけないこと・・・。
心を鬼にして保育所を出たの・・・。

「彩子、二階堂にお台場まで送ってもらえ。俺はここから国会議事堂まで歩くから・・・。」
「うん・・・。」

私は二階堂さんに局まで送ってもらったの。
そしていつものアナウンス部へ・・・。
私もたくさんの荷物・・・。

今日から産休明けで、大好きなアナウンサーの仕事が出来る。
今日は泰孝の保育所に寄るって言ったから定時出勤よりも1時間遅い出勤・・・。
もうみんな揃っているんだよね・・・。

「おはようございます。」

といってまず部長のところへ・・・。
部長は私の復帰を心待ちにしてくれたようで、私の復帰を部内に報告。
私も先輩後輩たちにご挨拶。

あれ???
紗希ちゃん・・・。
なんで紗希ちゃんがいるの?
紗希ちゃん10年も前に寿退社したよね・・・。

「紗希ちゃん!どうしたの???」
「え?今日から契約社員として入ったのよ。レポート中心の業務だけどね。今は正社員よりも契約社員の時代なんだから・・・。」

そう、年々正社員を減らして契約社員にしているのは知っている。
そうか紗希ちゃんずっと復帰したいって言ってたもんね・・・。
もう紗希ちゃんの子供も大きくなったしそれで働きに出たってわけか・・・。だいぶん落ち着いたけど、紗希ちゃんの楽天的な性格変わんないな・・・。だから今でもあの上杉君と続いてるって事ね・・・。

 10年経って同期4人の勢ぞろい。
ホント初めて出会った日そのもので、楽しい日々。
みんなで笑って、泣いて・・・。
いろんなことあったね・・・。

出世街道まっしぐらの柳生君、大好きなレポーターに復帰した紗希ちゃん、未来の代議士妻で女子アナの美貴ちゃん。そして法務大臣の和気さんの妻&ママしながら女子アナする私・・・。

みんなでこれからも一緒にがんばって行こうね。
ホント仲良し同期だもんね・・・。

(完)
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ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (5)うちの息子は大物御子息???
 二階堂さんは局の通用口前に車を停めて降ろしてくれた。

「ありがとうね・・・早く帰って和気さんを送ってあげて・・・。」
「和気は今日電車で行くって・・・。じゃ、がんばって・・・奥様。忘れ物ないね・・・。」
「うん。じゃあね・・・。」

私は二階堂さんが運転する車を見送った。
ほぼ一年ぶりに立つ通用口前・・・。よかった泰孝は眠ってる・・・。
前代未聞よね・・・職場に子供連れてくる女子アナって・・・。
しかも生後半年の・・・通してくれるかな・・・。

でも何とか通れたわよ・・・。ホントドキドキモノで・・・。
行き交う社員の人にいろいろ話しかけられて、囲まれても泰孝は動じずまだ眠っている。
この子大物かもしれないね・・・。

なんとかついたアナウンス部。いうとおりがらがら・・・。

「おはようございます・・・。」

困り果てた表情の部長が私に詰め寄ってくる。

「すまんな和気君。インフルエンザにかかったアナ多数でこの様だ・・・。お昼のニュース読みも頼んでいいかな・・・。ご子息は誰かにシッターさせるから・・・。」

ご子息って・・・。
まあ法務大臣の息子だからそうかもしれないけど・・・。

とりあえず泰孝用に小さな楽屋を用意してくれたのよね・・・。
そこへ収録中に預ける・・・。
デスクに座って今日収録の台本や資料を読み漁る。
ホント今日に限って良く寝る泰孝・・・。
親孝行ねこの子は・・・。
ずっと抱っこしてるから?

「あれ!!??和気じゃん!!!」

といってスタジオから戻ってくる柳生君、そして少し遅れての出勤美貴ちゃん。

「あ~~やすくんだぁ~~~~。かわいいんだよね・・・・。」
「これか、和気の息子って・・・。」
「柳生君!やすくんは、法務大臣のご子息なんだよ~~~。そんな言いかたしたらだめよ!」
「でも和気の子じゃん。お前ママ似でよかったな・・・。こりゃハンサムだ。女を泣かすぞこいつは・・・。モテモテママの子だしな。」

ホントこの2人も変わらない・・・。
美貴ちゃんところの翼君も和気さんの口利きで公務員用の保育所に入れてもらってるしね・・・。毎日保科君が保育所まで送り迎え・・・。

 お昼のニュースも特番の収録も、本番前に泰孝にいっぱい食べさせてミルクも飲ませて、おしめも換えて本番に入ったからなんとかシッター役の社員さんを困らせることなかったようね・・・。

ああ、社内に保育所ないかな・・・・あったらもう復帰できるのに・・・。

特番の休憩時間は社員さんがスタジオまで連れてきてくれて、ちょっと愚図り気味の泰孝を抱っこしてあやしたの。出演のタレントさんもいろいろあやしてくれたりして、泰孝の機嫌も最高。

ホント人見知りしなくて助かるわ・・・。

最後の収録で泰孝はおとなしいからスタジオにいてずっと私の仕事風景を見ていたのね・・・・。
私が側にいるから本当にご機嫌でよかった・・・。

 収録が終わると、私は出演者、スタッフにご挨拶して泰孝を抱っこ・・・。泰孝は眠たいのか、背中をトントンすると眠っちゃったの。

スタジオはなんか和やかな雰囲気で、心地よかった・・・。
やっぱり私はこの環境が好き。
アナウンサーを出来る限り続けようと思ったのね・・・。
早く復帰したいな・・・。
でも4月からの予定だしねぇ・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (4)チョイ復帰!
 2ヶ月間、和気さんの実家でお世話になって、私は南麻布の自宅に泰孝と戻ってきた。もちろん和気さんはわざわざ車で迎えに来てくれて、半日掛けてゆっくり帰ってきたの。順調に育っている泰孝。私もなんとか母乳一本でがんばっているの。

「飛行機や新幹線で帰ってきてもいいのに・・・。」
「何言うんや?飛行機は泰孝の耳とかによくないし、新幹線はいろんな人がいるし、風邪とかうつっちゃいけないだろ?だから車がよかったんやから・・・。」

ホント親ばか・・・。

暇さえあれば泰孝を抱っこしてキス・・・。一緒にお風呂入れてくれたり、おしめも換えてくれたり・・・。ついには和気さんったら泰孝のおっぱい中じっと見てるんだもん・・・。
恥ずかしいよ・・・。

これが法務大臣かしら???
子育てに協力的なのはいいけど、限度があるわよ・・・。

 泰孝が生後半年になった頃ね、朝早く私の携帯に電話。なんと部長から・・・。

急遽あるスペシャル番組の女子アナが病欠になって代わりを探してるって言うのよね・・・。
是非来て欲しいって言われちゃった・・・。

朝ごはんを食べている和気さんは怒ってるのよね。
泰孝はどうするんだって・・・。

霞ヶ関の公務員用の保育所入所予定は4月からなんだもん・・・。
朝からおねえちゃんのところに電話かけてみてくれない?って聞いてもいきなりだめって言われる始末。
もちろん友人たちもそう・・・。

「仕方ない。和気さん、連れて行くわ・・・。誰か見てくれるわよ・・・。メイクさんとか、いるじゃない・・・。」
「俺大臣だし、今日憲法審議の答弁がある。国会休むわけにはいかないし・・・。仕方ない・・・いっておいで・・・。もちろん部長の許可は得た?終わったら早く帰ってこんとあかんで・・・。」
「わかってるって。」

私は泰孝を着替えさせて、大き目のカバンに雅孝のおしめやミルク、離乳食、毛布タオル泰孝のおもちゃを詰め込んで、パンツスーツに着替えて抱っこホルダーに泰孝を固定。

「彩子、ID忘れてないか??」
「あ~~~~!」

忘れてたよ・・・。
最近厳しいからね・・・顔パスは無理なんだった・・・。
まずいまずい・・・。

泰孝はまん丸な眼をして私を見つめている。
お仕事モードのママってはじめてだもんね・・・。
職場で機嫌よくしててよね・・・。

「行ってきます・・・。」

って言って和気さんの頬にキス。

「ん・・・。」

私はカバンを抱えて玄関ホールを出ると、見慣れた車が止まっている。
すると二階堂さんが車から降りてきて後ろのドアを開けてくれる。
そうこの車・・・和気さんがいつも法務省や国会に行く時に乗るうちの車・・・。

「さ、奥様、どうぞ・・・。」
「え?」
「和気が送ってやれってさっき電話あってね・・・。」
「そう・・・和気さんが・・・。」

私は後ろの座席に座る。二階堂さんは相変わらずね・・・。
公設秘書なのに・・・運転手みたいなことまでして・・・。
ま、二階堂さんの運転はプロ級だから、泰孝も安心して乗っていられる。

「よかったね・・・初めてのラッシュに巻き込まれなくてね・・・。泰孝、パパと二階堂おじちゃんに感謝しないとねぇ・・・。」
「おじちゃんって・・・。ちょっと彩ちゃん・・・。」
「泰孝から見れば立派なおじちゃんよ。43でしょ。結婚もしないで・・・。」
「ま、いいけどね・・・。結婚はしたくないからしないんだ。気楽でいい。こうして和気家族と仲良くできるわけだし・・・。寂しくないからね・・・。」

ホント相変わらずの笑顔で私たち家族を見守ってくれてるんだもんね・・・。
二階堂さんには感謝しないとね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (3)はじめまして赤ちゃん
 朝方、痛いなあって思いながら寝ていたらなんか変な感触・・・。ガバって起きたら・・・。

「わ、和気さん!!!」
「彩子、どうしたん・・・。まだ暗いじゃないか・・・。」
「破水しちゃった・・・。」
「え!!!ちょっと待ってろ、兄さん呼んでくるから・・・。といっても専門外か・・・。とりあえず誰か呼んでくる!!!」

そういうと慌てて部屋を出て行ったの。ずんずん痛くなる・・・。するとお義姉さんが入ってきて言うの。

「さ、病院へ行きましょ。」

痛くて立ち上がれないよ~~~~って思ってたらさっと着替えてきた和気さんが抱きかかえて車に乗せてくれたの。

「とりあえずお姉さんと母さんに連れて行ってもらえ。俺は後から荷物を持っていくからな・・・。」
「うん・・・。」

車で15分・・・。長く感じた・・・。病院に着くと車椅子に座らされるのよ。そして診察。即入院。和気さんは白衣に着替えて入ってきて私の手を握ってくれたの。

「もうすぐ生まれるって・・・。彩子、がんばろうな・・・。」

そういって生まれるまで一緒に立会い。もうだめって思ったときにもう会えますよって助産婦さんの声・・・。
は、は、は、って短呼吸。そして赤ちゃんの泣き声がして・・・。

助産婦さんが生まれたばかりの泰孝を見せてくれたの。
ホントちっちゃくてかわいい!!!
どっちに似てるかな???

生まれたばかりの泰孝君をおなかの上に乗せて抱っこ・・・。
和気さんと恐々撫で撫で・・・。
和気さんはかわいいかわいいって・・・。
あまり泣かない和気さんが泣いてたの・・・。
泰孝を助産婦さんに預けて私は入院室へ・・・。
和気さんはというと、和気さんのお父様やお母様たちといろいろ話しこんでたわよ。

私は疲れからかウトウト・・・。

気がつくとみんな勢ぞろいでびっくりしちゃった。
気が高ぶっていて気がつかなかったけど、この部屋って和気さんところの病院でも一番の部屋・・・。
広いねぇ・・そこに何人いるの?
和気さんの身内勢ぞろいじゃない!!!
東京からお姉さん夫婦まで???

「あ、彩子さん起きたの?さっき特別に抱いちゃった。泰明の赤ちゃん。」
「お姉さん・・・。」
「よかったね・・・17年我慢した甲斐があったね・・・。かわいい男の子で・・・。」

話によるとみんな和気家の特権かなにかわからないけど、泰孝を抱いたって話。もちろん病院中は院長の孫、そして法務大臣の待望の子供が生まれたって言うから、お祝いムード一色なのよね・・・。

続々と病院内外からお祝いの花花花・・・。

後援会の人たちのお見舞いも絶えなかったみたいだけど、和気さんが丁寧にお断りしていたのよね・・・。和気さんはみんなにでてけって言って、身内みんなを追い出したのよ・・・。

「せっかく彩子とゆっくりしようと思ったのにさ・・・。もうみんな気が利かないんや。」

そうぶつぶつ言って私に側にやってくる。

「いいじゃない。みんな嬉しいのよ。あれほど諦めていた子供が出来たんだもの・・・。」
「それはそうだけど・・・。さっき二階堂に連絡して、当分こっちにいることにしたから、ここに泊まろうかな・・・。付き添い用のベッドもあることだし・・・。」

和気さんは微笑むと、私にチュッとキス・・・。

「彩子、ありがとう。よくがんばったね・・・。」

やっと欲しくてたまらなかった子供が授かったんだよね・・・。
諦めた途端授かった泰孝。
元気に生まれてきてくれたんだから、神様に感謝しないとね・・・。

「和気さん、ますますがんばらないとね・・・。泰孝が成人する頃和気さんは63よ。それまでしっかり政治家さんをして見守ってあげなきゃね・・・。」
「うん、そうやな・・・。がんばらな・・・。」

私も、育児と女子アナ両立できるかなあ・・・。
ま、そういうことは和気さんと相談しよっと。

ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (2)ついに来た時
 春になって、私は和気さんの実家へやってきた。
私にはお母さんがいない。
私が小さい時に亡くなってしまったからね。

里帰り出産は和気さんのご実家にお世話になることになった。
もちろん和気さんの実家は総合病院を2つも持っているでしょ。
そのひとつのお父様が院長をしている病院で出産することになったの。

 あと3ヶ月生まれるまでかかるわけだけど、和気さんが忙しくて家にいないことが多いでしょ。だから和気さんのお母様がうちにいらっしゃいっていってくださったのよね・・・。

昔はすごく私達の結婚を反対していたお母様。
今はまるで実のお母さんのようによくして下さるの。
もちろん同居しているお兄様ご夫婦も兄妹のように接してくれて、和気さんの実家が居心地悪いわけはないの。

私がアナウンサーになった頃に会った、和気さんの甥っ子姪っ子たちはもう成人して長男は阪大で研修医。長女は薬剤師の勉強中。ホントに和気さんちって医者一家ねぇ・・・。

 和気さんは週末何かないとき以外は毎週実家に帰ってきて地元の事をしつつ、私に会い来る。そしてもうおなかの赤ちゃんに名前までつけて、これでもかって言う位撫で撫でして東京へ戻っていく。もちろん地元へ仕事で帰ってくるというのは口実で、愛しいおなかの赤ちゃんと私に会いに来るって訳ね。

生まれる前からの溺愛。
生まれたら食べられちゃいそうな勢いかも。

平日はいつも電話かメール。
電話の時は結構長電話するもんだから、電話代請求が怖い・・・。

 毎日のようにお母様の家事のお手伝いをしながら赤ちゃんが指折り数えて生まれてくるのを待つ。そして暇さえあれば赤ちゃんに話しかけるの。

「ねぇ、泰孝。パパがいる週末に生まれてきてね・・・。」

そう、和気さんが赤ちゃんにつけた名前は「泰孝」。
由来はよくわからないけれど、どうしても付けたいんだって言ったから渋々ね・・・。
やっぱりパパが好きなのかな。
和気さんが話しかけるとよく動くんだよね・・・。
もう私のおなかはパンパンになって徐々にだけど、軽い陣痛が来てる感じ・・・。

 そして予定日近くの週末の金曜日夜、和気さんは羽田発の最終便で伊丹空港に降り立ち、宝塚にある和気さんの実家にやってきた。ホント急いできたのね・・・。息を切らしながら、私が寝起きしている和気さんの部屋に入ってきたの。

「どう?泰孝元気?」

そういうと真っ先に私のおなかを撫で撫で・・・。

「もう和気さんったら、私は無視?」
「ごめん。会いたかったよ彩子・・・。」

といってキス・・・。そしてまた撫で撫で・・・。

「ちょっと、おなか張ってないか?だいぶん泰孝も下のほうにきてるし・・・。ちょっと測ってみるから・・・。」

そういうと和気さんはおなかの張る周期と長さを、時計を見ながら測っているのよね・・・。

「15分か・・・。もうすぐかな・・・。痛くないの?」

まあ痛いことは痛いんだけど、どんな痛さかわからないのよね・・・。
でも定期的に陣痛が来ているのは確かで・・・。
その夜は和気さんと一緒に寄り添って眠っちゃった。

ときめきアナウンサー日記(仮) 最終章 再出発! (1)育む命
 年が明け、私は妊娠4ヶ月。

和気さんは一緒に行こうといっていたヨーロッパ公務を私無しで名残惜しそうに旅立っていったの。
しょうがないじゃない・・・。
またいつものように悲しい結果になるのが嫌だから・・・・。
そして旅立つ前に和気さんは言ったの。

「会社には公表しいや。そしてはやめに産休を取るんや。わかった?彩子。今回は絶対うまくいくから。」

そういって二階堂さんを伴って成田を発った。
ああ、半月も一人暮らしか・・・。
まあ、おなかには和気さんの子供がいることだし、寂しくないかな・・・。
もちろん和気さんと約束したとおり、部長に妊娠報告。

「今回は大丈夫そう?なにかあったら大臣に合わす顔がないからね・・・。わかりました・・・人事部と相談して早めに産休をとってもいいでしょう・・・。あまり無理しないでくださいよ。」
「よろしくお願いします。」

私は深々と頭を下げてお願いしたの。
もちろん私が抜けたら大変なことがあるのは知っている。
私は去年秋からお昼のニュースを任されているから・・・。
でもがんばって私のおなかの中で生きている赤ちゃんを思うとしょうがないよね・・・。
もちろん私のおめでたを知った同僚たちは心配しつつもお祝いしてくれて、ああこのままうまく行くといいなって思っちゃった・・・。

 私は2月末まで働いた後、産休に入る。それまでは無理しない程度に勤務・・・。
みんないたわってくれて、なんとか無事に迎えた5ヶ月検診。
一応高齢出産になるわけだし、流産死産を繰り返してるからって、羊水検査をしたの。
今日はその結果を和気さんと聞きにきたわけ。

「姉貴どうなんだよ・・・。心配で今日までよく眠れなかったんだからな・・・。」
「まあ慌てない慌てない・・・。」

ホントニコニコ顔のお姉さんとお義兄さん。
結果は異常なし。
これなら死産することも少ないよって言ってくれたのね・・・。

「ねぇ、性別聞きたい?性別出てるよ・・・。」

悩んだけど、やはりいろいろ準備したいじゃない。
和気さんを聞こうってことにしたの。

「男の子だよ。よかったね泰明。彩子さん。」

そっか男の子・・・。
男の子????
ということは和気さんが欲しがっていた後継者が出来るんだ・・・。
ますます大事にしなきゃ。
和気さんも大喜びで、お姉さんたちに頼む頼むって・・・。
もちろんこれでほぼ無事に生まれるよってことで、公表することにしたのね・・・。

公表する日は私が産休に入る前の日。
2月28日・・・。
もちろん公の人物でしょ。
記者会見しないとって言われて、うちの局の某所を使って夜、記者会見をすることになったの。
もちろん隣には国会本会議を終えた和気さんが座って、記者会見。
私の産休と、産まれてくる予定日とかいろいろ和気さんが私に代わって話してくれたの。
私は緊張してしまって、いつものように話すことなんて出来なかった・・・。
和気さんは私をいたわりながら全部ひとりで会見に応じてくれたんだもの・・・。
頼りになるね・・・。

 次の日の新聞には私達の幸せそうな写真と、記事がたくさん載っていたことは言うまでもないわ。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第13章 心機一転! (4)予想外・・・
 和気さんが大臣になって数ヶ月。もう季節はもう冬・・・。相変わらず手を握って表参道を二人で歩いてショッピング・・・。和気さんは相変わらず忙しい人だけど、こうして必ずといっていいほど週末は二人の時間を作ってくれる。これが私たちの当たり前の生活の一部。

「彩子、年末年始休み取れそう?」
「だめよ・・・有休使っちゃったもん・・・。」
「別に給料減ってもいいやん。俺が十分稼いでるんやし・・・。彩子の仕事は趣味のようなもんやろ。」
「そうだね・・・。聞いておくよ。何?」
「一緒にヨーロッパに行かないかなって思って・・・。公務で行くんだよね・・・。法務大臣夫人としてきてくれないかな・・・・。」
「うん・・・。調整しておくね・・・。」

久しぶりにイタ飯ランチ・・・。私はランチコースの半ばでフォークを置く。

「どうしたん?彩子ここのイタ飯好きやったろ?」
「ちょっと胸が痞えて・・・。ここんとこそうなのよね・・・。胃腸弱ってるのかな・・・。それとも歳?」
「早く病院行けよ。変な病気やったら困る。丁度姉貴の病院近くにあるから診てもらったら?内科も見てくれるだろ。一応彩子の主治医なんだしさ・・・。」
「そ、そうだよね・・・。」

私は少し理由がわかるんだけど・・・。
まさかねって思うからそのままにしてたの。
和気さんはお姉さんに電話入れてくれて「内科でも見てくれるか?」って聞いて予約を取ってくれたの。

 和気さんは待合室に待って私は診察室へ・・・。
ここに来るのも久しぶり・・・・。
ここで泣いて笑って落胆して・・・いろいろ思い出のあるところなんだよね・・・。

「泰明、入っていいわよ・・・。」

とお姉さんが和気さんを診察室に呼び入れる。そしてニコニコがおのお姉さん。

「姉貴、なんだよ気持ち悪い!!!」
「おめでとう。何で黙ってたわけ?」
「へ?」
「彩子さん3ヶ月だよ。そうね予定日は7月初めかな・・・。」
「何が?」
「何がって・・・。妊娠。今回はちゃんといいとこの着床してるし、流産の兆候なし!大きさも十分どころか大きいし、うまくいきそうだよ。」
「え~~~~~~~~!!!!」

はじめ何がなんだかわからず固まっていた和気さん・・・。
冷静になって満面の笑みになる。

「ホンマに信じてええんやな!!!今回は大丈夫何やな!!!」
「80%大丈夫。何人妊婦さんを見てきたと思ってるのよ。今回こそ、産みましょうね、彩子さん。」
「は、はい。」

私は不安だらけだったけれど、今回が最後のチャンスだと思って大切に育んで行こうと思うの。

「ちょっと早いクリスマスプレゼントだね・・・。彩子・・・。」
「そうだね・・・。」

私たち2人は表参道を手をつなぎ歩きながら、相変わらずのラブラブモード全開なのでした。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第13章 心機一転! (3)余談~変な法務大臣A=´、`=)ゞ
 ホント余談なんだけど、和気さんが法務大臣になって変な行動を目撃したから書くことにします。

もちろん前々から親父ギャグを秘書の二階堂さんと話してるとかいろんなことはあるんだけど、それ以外に最近発見したんです。

 まずは、この前、和気さんの弟さん敏明君(私よりも二歳年上の小児科医なの・・・。)に三人目の子供が生まれたのね。そのお祝いに大阪城公園の近くのおうちに行ったわけ。
まあ敏明君のお嫁さんは私の中学の同級生鈴音ちゃん。偶然和気さんのお父様と鈴音ちゃんのお父さんが友人で、恒例の和気家のパーティーで二人は知り合って恋愛結婚。
女の子、女の子、そしてやっと出来た男の子。
まあここまでは普通の話。

このお見舞いを終えたあとの帰り道に和気さんの変な癖というか趣味というのかわからないけれど、そういうのを知ってしまったのよね・・・。

 大阪城公園の角で共産党の党員さん達が党の街宣カーを使って街頭演説会をしていたわけ。そこの横を通った和気さんの車。

「豊田君、ちょっと止めてくれる?」

和気さんの車は止めやすいところに止まり、助手席に座っていた二階堂さんが和気さんの座っている側のドアを開ける。なんか文句でも言うの?って私は思ったわけ。

「彩子は車の中で待ってていいよ・・・。豊田君、ちょっと行った所に公園の駐車場があるから、そこに車入れて待っていてくれないかな・・・。」
「はい。先生。」

和気さんは二階堂さんと共に街宣カーで演説している近くにある石段に腰掛けて、足を組み、ほおづえをつきながらじっと聞いているのよね・・・。
もちろん私はちょっと気になって車から降りるとちょっとはなれたところで様子を見ていたの。
もちろん今日はお祝い事だから、きちんとスーツを着てた。

(議員バッチはつけてなかったけど・・・。)

そして隣にはいかにも秘書って感じでスケジュールの書かれたシステム手帳を持った二階堂さん。
二階堂さんは演説中に配られるチラシを受け取ると、和気さんに渡す。
和気さんはというと、そのチラシに目を通しながら、演説を聴いてうなずいている。

法務大臣がここにいること気づいていないのかな・・・。
淡々と演説が進んでいくんだよね・・・。
そして終わると和気さんは立ち上がって微笑みながら拍手。
そして立ち去ろうとしたんだけど・・・。

演説していた野党の党員さん達が、一斉に降りてきて、和気さんを引き止めるのよね・・・。
そして何か話している。
握手まで・・・。
最後に和気さんはいうの。

「とても勉強になりました。お互いにがんばりましょうね・・・。」

って・・・。そして二階堂さんと私のほうへやってくる。

「いやあ、野党の演説を聞くのもいいもんだ・・・。勉強になったよ・・・。俺結構共産党の前向きな考え方が好きだな・・・。うんうん・・・。まあうちと考え方が根本的に違うけどね・・・。」

って言って車に乗り込んだの。
そしてチラシを二階堂さんに渡してファイリングするように言ってたわよ・・・。
変なの・・・。

 あと、これは二階堂さんに聞いた話・・・。
和気さんったら暇を見つけると裁判所に行って裁判を傍聴しているんだって・・・。
もちろん裁判中はじっと聞いてメモを取っている。
そして終わると何も言わないで去っていくらしいのね。
そりゃ、裁判官や検事、弁護士とかはびっくりするわよね・・・。
大臣が傍聴しているってことに・・・。
そして法務省に戻ると、メモを文書化してデータベースにしているらしいの・・・。

 どちらにせよ、これは和気さんの趣味なのか、仕事なのか、よくわからないんだけどね・・・。
変だと思わない?

ときめきアナウンサー日記(仮) 第13章 心機一転! (2)旦那様ったら・・・( ̄□ ̄;)!!
「じゃ、いってきます。モーニングは書斎に掛けてあるから忘れないでね・・・。」
「んん・・・。いってらっしゃい。」

私はいつものように朝食中の和気さんの頬にいってきますのキス。
和気さんは満足そうな顔をして手を振ってくれるの。
毎日ラッシュに巻き込まれながら1時間弱の通勤。そしていつものようにデスクに座って新聞チェック。

「おはよう和気。」
「おはよう柳生君。」

いつものように朝の挨拶。

「ほら見てみて・・・かわいいでしょ・・・。」

って私は柳生君に美貴ちゃんと保科君の赤ちゃんの写真を見せる。ホントかわいい男の子で、美貴ちゃんと保科君のいいとこばかり似てるのよね・・・。
私と和気さんの子供ってどんな顔・・・?そんなこともうありえないことだけど・・・。

「そういえば今日だよな・・・。組閣発表・・・。旦那はどうかな~~~。」
「どうせまた副長官クラスよ・・・。一応モーニング持参でいったけどね・・・。」
「なんだかんだ言って自他共に認める優秀な政治家じゃん。世界でも評価は高いぞ。ホワイトハウスでも旦那の名前があがったことあるしさ・・・。」
「そんなことないよ・・・。和気さんはホント庶民的で、妻想いの普通の人よ。顔だって身長だって・・・。」
「はいはい・・・。でも理想的な旦那像なんだよな・・・。仕事しろよ仕事。」
「わかってるわよ。」

すると報道担当の武田君が駆け込んでくる。

「出たぞ!!!組閣!!!和気代議士!!!な、なんと法務大臣だ!!!」

ほ、法務大臣????
和気さんが???

そして武田君から奪い取った組閣の書かれた紙を見る。
本当に和気さんが法務大臣・・・・。
そして私のお義兄さん弐條雅和さんは防衛大臣・・・。
同期の二人揃って組閣入り・・・。
法務大臣って・・・。

「おおすげえ~~~和気は大臣夫人かぁ・・・。さすが司法試験、大学在学中にとおった秀才だなあ・・・。」
「んん・・・そうだね・・・。」

ああ、複雑・・・。大臣になること知っていたはずなのに・・・。意地悪しちゃって・・・。

もちろん夕方のニュースで私が組閣のニュースを読むことになっちゃって・・・・冷静になるのが大変だったわよ・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第13章 心機一転! (1)心機一転!!!
 当選の次の日、和気さんと私は和気さんの実家に行って選挙期間中のお礼と昨日はなしたことの報告をしたの。もちろんお父様とお母様は残念そうな顔をしていらっしゃったけど、なんとかわかってくれたのね・・・。
なんだか私たちは心のつかえがふっと無くなったような気がして、清々しい気分で東京に戻ってきたの。そしていつも通りの生活・・・。

 毎日朝のおはようのキスから始まり、お休みのキスまで・・・。
ホントいつものような新婚のような甘い生活で・・・。
もちろん職場でつい惚気話が出るもんだから、柳生君にからかわれっぱなし・・・。
すると携帯電話・・・。
和気さんから・・・珍しいなメールじゃないなんて・・・。

『彩子、今大丈夫?』
「なに?」
『モーニングどこになおしたっけ???』
「モーニング???書斎のクローゼットの中だけど?どうしたの?」
『明日いるから出しといてな・・・。』
「うん・・・。何で何で?」
『内緒や。機密情報やからな。特にマスコミにいる彩子には・・・。じゃ、頼んだで・・・。』

モーニング???
そういえば今日新内閣が誕生するんだよね・・・。
組閣かな・・・。
ま、どうせ副長官クラスだろうけど・・・。

家に帰ってごそごそクローゼットを探し、和気さんのモーニングを取り出す。
早く言ってくれたらクリーニングに出すんだけどな・・・。
アイロン掛けて、シャツは糊でびしっと・・・。
ネクタイもこれでいいんだよね・・・。
おかしくないかな・・・。
今日は和気さん遅いな・・・。
組閣でごたついてるんだろうか・・・。
首相は和気さんの派閥の人だし・・・。
せっかく作ったご飯冷めちゃったよ・・・。

するとただいまって声・・・。

「お帰り!遅かったね・・・。」
「んん、ちょっとね・・・。」

そういうと相変わらず・・・。

「もう、タバコ臭い!!いつになったらやめるの?肺癌になっちゃうよ。早くやめないとキスしてあげないから・・・。」

ふくれっ面の和気さん・・・。
相変わらずかわいい・・・。
毎日やめるやめるって言ってやめてくれないんだから・・・。
でも若い頃と比べると減ったけどね・・・。

「わかった!もうやめる。ライターとタバコ捨ててくれ!!!!」

そういうとスーツのポケットからごそごそとタバコとライターを出し私に渡すの。

ホントにいいの?
このジッポ・・・。

ずっと秘書時代から使っていた20年物の・・・。
大事にメンテして・・・。

「いいよ・・彩子、捨てちゃっても・・・。俺はそんなものよりも彩子のほうが大事だから・・・。」

そういうと和気さんは私からライターを取り上げてゴミ箱へ・・・。
そして私を抱きしめるの。


「さあ、飯飯!!!腹減った!!!」

そして微笑みながらダイニングへ歩いていったの。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第12章 4年に1度の行事 (2)旦那様、最大の決意!
 和気さんは選挙に大勝!!!
当選の発表後すぐに私の携帯に電話。相手は保科君だった。

『奥様ですか?和気先生の当選おめでとうございます!!!』
「ありがとう・・・で、保科君、美貴ちゃんは?」
『そうそう!!!先程生まれました!!!3140gの男の子です!!!』
「そう!男の子。今和気さんと代わるね。」

和気さんは保科君といろいろ嬉しそうに話していた。
美貴ちゃん、ママになったんだ・・・。
それも保科君の後継者だよね・・・。

和気さんは自分そっちのけで保科君におめでとうおめでとうって言ってたの。

二階堂さんにテレビ取材が入りますって言われるまで話し込んでたわよ。
もちろん最大派閥の代表者の一人だもんね・・・。
当選のインタビューくらいあるわよ・・・。
私は遠目に和気さんが各局や各新聞にインタビューされているのを見てたの。
官房副長官だもんね・・・。
随分マスコミ対応も上手くなったものね・・・。うふふ・・・。

 早々と当選してしまったものだから、後援会の会員の当選祝いの訪問も日が変わるころには終わる。
ガラーンとした選挙事務所・・・。
後片付けのスタッフたちに事務所を追い出されて、仮住まいのマンスリーマンションへ・・・。

たくさんかいた汗を流した後、お布団の上に向かい合って正座・・・。和気さんたら私に深々と頭を下げて言うの。

「ありがとう彩子!!!彩子がいるから俺は5期目当選できたんだ。すごく感謝してるよ。」
「何言ってるの?私たち夫婦でしょ。何改まっちゃって・・・・。」

和気さんは両手で私の手を握り締めて言うの。

「俺さ、ずっと彩子と一緒にいて考えたんだ。俺さ、もう子供諦めるよ。順調に俺の後継者保科が育ってるし、4年後あいつを選挙に出すつもりだ。これから忙しくなる。もう不妊治療やめようよ・・・。」
「え?」
「俺ももう42だろ。これから先子供が出来たとしても、子供が20歳になるころには還暦を越えるわけだから・・・。なんだかかわいそうに思ってね・・・。彩子だって今までがんばってきたのはわかる。2人でいっぱい泣いた、苦しんだ・・・。はじめは人生で躓いたことなかった俺が躓いてしまっていろいろ悩んで自分を失いそうになったけど、彩子がいたから乗り越えることが出来たし、ひとまわりもふたまわりも成長できたと思うよ。運よく何も障害がない人生だったら、今のような国民に支持される政治家にはなれなかった・・・。だから・・・。もう苦しまなくてもいいようにもう治療はやめにしよう・・・。2人っきりで仲良く幸せに過ごす人生もいいんじゃないかな?」
「和気さん・・・。」

そうよね・・・。
いつまでも苦しむ必要はないんだもん・・・。
今でも十分幸せで・・・。
いつまでも新婚のようにラブラブで楽しくって・・・。
そりゃ子供は欲しいけど、2人で気軽に楽しく幸せに過ごすのもいいかもしれないね・・・。
私と和気さんはギュッと抱きしめあってお互いの気持ちを確かめ合ったの・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第12章 4年に1度の行事 (1)選挙!!
 まあいつもどおりに一生懸命の選挙活動・・・。
私はいつものように和気さんと共に選挙カーに乗って鶯嬢やりながら選挙区内を走り回る。
街頭でも和気さんが演説している側に寄り沿って頭を下げたりもする。
もちろん選挙事務所のスタッフの食事を作ったり、後援会の人たちの訪問に対応したりと忙しい毎日・・・。
もう4回目だもんね・・・。慣れたっていうか・・・。スタッフにいろいろ指示できるようになったわね・・・。

「ねぇ、保科君。」

保科君は26歳、和気さんの私設秘書。美貴ちゃんの最愛の旦那様。

「美貴ちゃんもうすぐ生まれるんでしょ。美貴ちゃんのいる静岡の実家に行ってあげたら?」
「でも、このような選挙の終盤に・・・。」
「だって予定日は投票日でしょ。行ってあげて。和気さんもその方がいいって言ってたから・・・。」
「じゃ・・・お言葉に甘えて・・・キリがいいところで行ってきます。」
「保科君パパになるんだもんね・・・。和気さんが当選したらがんばんないとね・・・。」

保科君は照れ笑いをして一通り仕事を済ますと美貴ちゃんの実家静岡県清水市に旅立っていったの。
和気さんも保科君が静岡に行った事を聞いて安心してたのよ。

「ホントあいつは真面目すぎて・・・。ホント彩子が言ってくれて助かったよ・・・。どっちが生まれるかな?おかしいよね・・・なんだか俺が父親みたいだな・・・。」
「そうだね・・・。私もそうよ・・・。和気さんが一生懸命育てている未来の代議士君だもんね・・・。和気さんの大事な人は私の大事な人だよ。」

和気さんは私の肩を抱いて、微笑んだの。
でも瞳の奥は複雑そうな・・・。
そりゃそうよね・・・。

後輩に先越されちゃったんだもんね・・・。
わかるよその気持ち・・・。

私だって同期のみんな、子供がいるんだもんね・・・。
同期だけじゃない・・・。
後輩にも・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第11章 10年後・・・ (4)有給休暇
 もうすぐ選挙。日程が決まっちゃった・・・。選挙は8月はじめ。それに合わせて毎回私は休みを取って地元に戻ることになっている。

「部長。今年もよろしくお願いしますね・・・。」
「4年に一度のオリンピックのみたいなものだしね・・・。ふう、和気さんが抜けるとちょっと大変なんだよ・・・。」
「いいじゃないですか。この日のために私は有給休暇も使わず、休み返上で仕事していたんですから。今回は5期目の大事な選挙なんです。」
「わかっています。和気さんのことだからだめだっていっても休むんでしょ?2週間だけですよ。」
「ありがとうございます!!!」

うふふ・・・なんとか取れちゃった。
これでまた和気さんのお手伝いが出来る。
ルンルン気分でデスクに戻ると柳生君がいう。

「おお、休むんですか・・・。俺たちはバタバタする総選挙なのに・・・。多分当選だろ・・・。多分じゃなくてきっとだね・・・。今のうちに拝んでおこう・・・。未来のファーストレディーを!!!」
「ちょっと!!!私はお地蔵様とかじゃないわよ!!!」
「何言ってんだよ。弐條・和気派の派閥の代表してる旦那だぞ・・・。末は総理大臣夫人・・・。」
「和気さんは、一人で代表してないもん。弐條のお義兄さんもだもんね。」
「はいはい・・・。ホント和気の伯父さんが10年前首相してたなんて信じられないよね・・・。元首相の姪っ子だぜ・・・。旦那の伯父も有名な政治家だったしな・・・。これはもう総理大臣しかないよね・・・。南無南無・・・。」
「私は和気さんが大臣になろうと、首相になろうと仕事はやめたくないんだからね・・・。」
「はいはい・・・さ。打ち合わせ打ち合わせ・・・。」

ホント総選挙投票日は特別番組とかで出払って人手不足なのはわかってる。
特に今回は美貴ちゃんは産休だし・・・。
はあ・・・私が代議士の妻であることわかっていて採用したんだから・・・・その点理解してくれているから良しとしなきゃね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第11章 10年後・・・ (3)嗚呼、庶民的な旦那様・・・^^;
 夕方のニュースを終え、退社したのは8時。
これがこれから何日も続くんだね・・・・。
今まで夕飯は私の担当なのに、これから和気さんに頼まなきゃ・・・。
和気さんも随分料理上手になったからね・・・。
すると通用口の前にみたことのある人物・・・。和気さんじゃない!!!それも永田町から直行っていう感じ?

「どうしたの?珍しいじゃない。」
「ん?今日から夕方のニュース出てたろ?お祝いしようと思って・・・。」
「何で?いつもそんなことしてくれないじゃない・・・。何かあったの?」
「もうすぐ彩子の誕生日だろ?久しぶりにデートなんかどうかなって思ってさ・・・。」
「え~~~~それなら誕生日の時にしてよ~~~~だからどうしたの?」

すると和気さんは真っ赤な顔をして言うの。

「ほんとはニュース見ててさ、無性に彩子の顔を見たくなって・・・。家で待ちきれなくってな。こうして永田町から直できたんや。」

そうすると和気さんは私の荷物を持って反対の手で私の手を握ってくれた。
そして局の裏手に止めてある公設秘書、二階堂さんが運転する黒のセルシオに仲良く乗り込んだ。

「二階堂。無性にラーメンが食べたくなった。この辺でおいしいとこ知らんかな?」
「え~~~官房副長官がラーメン???ちょっと・・・。二階堂さん!案内しないでよ!!!もう8時過ぎてのラーメンは体に良くないよ・・・ねぇ?」
「和気、どんなのがええ?」
「そうやな・・・。しょうゆ系が食いたい。」
「おっしゃ。渋谷においしいとこ知ってる。そこ行こう!!」

なんだかんだ言ってラーメン??
ちょっと・・・。
東急渋谷駅近くのラーメン屋へ・・・。

近くのコインパーキングに車を停めて、歩いていくと・・・ああここねって感じ。
以前レポートできたことがあるとこね・・・。
結構ラーメンランキング上位に来るところで・・・。

並んでる並んでる。

「彩子、ほんとラーメンて並んで食うのが上手いよな、なあ二階堂。」
「そうそう・・・。」

ほんといい歳した代議士と公設秘書が・・・ラーメンだなんて・・・。
庶民的ね・・・。
官房副長官になっても庶民的なところは抜けてないな・・・。
まあラーメンは嫌いじゃないけどね・・・。

和気さんは居酒屋大好きだし、コンビニだって、吉野家の牛丼だって好きだもんね・・・。
ただ最近体のこと気にしてそういうのは控えてるけど・・・。まあたまにはいいかもね・・・。
食べた後の和気さんたちはなんだか満足そうで・・・。
私はなんだか食べた気しなかったわよ・・・。
だって他のお客さんの視線が痛かったんだもの・・・。
和気さんと二階堂さんは2人で周りが引くような親父ギャグを飛ばして笑ってたけど・・・。
ほんとあなたたちって気の合う親友だわね・・・。いつも私、二階堂さんに和気さんを取られたような気がして嫉妬!!!!

「ああ久しぶりに食うラーメンは美味い。ああ明日からは俺が夕飯つくらなあかんのやろか?」
「まあ、電話するから。和気さんの仕事が遅い時は私が作るし・・・。休みの日に作り置きの物とかチンしたら食べることが出来るように作っておくからね・・・。」
「頼むよ・・・・。俺も疲れてるしな・・・。」

3人で仲良く帰る。
ほんと仲のいい3人・・・。
もちろん元彼の二階堂さんとは特別な関係はない。
ただの私は雇い主、そして親友の奥さんだから・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第11章 10年後・・・ (2)私の隣の机の人
 私は美貴ちゃんといつものようにおなかにおはよう赤ちゃん撫で撫でをしていると後ろに人の気配・・・。

「おはようございます!柳生弘!ニューヨーク支局から戻ってまいりました!!!!」

荷物をいっぱい持った同期の柳生君。
柳生君だ!!!
ロンドン支局をはじめ世界中の支局を転々として最後はニューヨーク支局にいたんだよね・・・。

「和気も安達も相変わらずの顔だな・・・。久しぶり・・・。やっと戻って来れたよ。本局に・・・。」

私たちは抱き合って再会を喜んだの。
もちろんデスクは私の隣・・・。
そして変わらない柳生君の笑顔。
違ったのは柳生君に左薬指には結婚指輪・・・。
そういや5年前に結婚したんだもんね・・・。
みんなの期待通り金髪妻・・・。
そしてかわいいハーフの3歳の女の子。
毎年幸せそうな年賀状をもらってるからわかるよ。

私はボソッと言ってやったの。

「このやり逃げ男・・・。」
「まだ10年前のこと根に持っているのか?あの時謝っただろうが・・・。いい肉も食わせてやったにさ・・・。」
「手紙じゃあねぇ・・・。まあいいけど。うちは結婚16年でもラブラブですからね・・・。」
「ほんとご馳走様です・・・。仕事仕事・・・。」

今日から私は夕方のニュース担当。もちろんメインじゃないけれど・・・。まあこれだけじゃないけどね・・・。なんと柳生君もそうなんだってよ・・・。
私は溜め息をつきながら机を整理している柳生君を見つめてた。

「ほんとよく戻ってこれたわね・・・。」
「うるさい・・・。俺は出世コースまっしぐらなんだ。放っておいてくれ。」

私のデスクの前の美貴ちゃんが言うの。

「ほんと相変わらず・・・。またこれで楽しい職場に戻るわねぇ・・・。さあ私はナレーションの仕事っと・・・。」

そう美貴ちゃんは表に出ず、もっぱら画面に向かって台詞を入れるナレーションのお仕事。
妊婦さんだからしょうがないわよね・・・。

 ほんと隣に柳生君がいるだけで楽しい・・・。
相変わらずの明るい笑顔・・・。
優しい眼差し・・・ああ懐かしいな・・・。

まあ特別の感情はないけどねえ(笑)
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さくらと空 
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