4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夢~防大編 最終章 (2)夢への第一歩

 そして運命の航大入試・・・。1次の筆記、2次の身体検査はなんとかクリアして、3次の面接とシュミレーター試験。試験官の指示通りに出来たと思うんだけどな・・・。


2月運命の発表!!!結果は合格!!!入校は第1期6月・・・。


本校は宮崎県になる。宮崎空港横。早く入校したくて希望を出したら何とか許可が出た。


俺は3月末付で、防大中退願いを出した。もちろん教官たちは成績トップ、学生隊大隊長候補の俺を引きとめようとしたんだけど、俺はもう航大に行く事に決めたんだ。もちろんこのまま防大に残れば、父さんのような幹部自衛官になれたんだろうけれど・・・。俺は友人に見送られながら、防大を出た。夢がかなったら連絡を取り合おうと約束もしたんだ。父さんはわざわざ休みを取って、俺を迎えに来てくれた。

孝博
そしてそのまま総理公邸へ・・・。丁度休みだった雅もわざわざ公邸に来ていた。叔父さんたちは温かく俺を受け入れてくれる。もちろん航大を受けると報告した時は驚いていたね・・・。そして受かったって言ったらホント自分の息子のように喜んでくれて・・・。

「孝博、よかったね。これで私たちの夢の第一歩を歩んだわけだね・・・。待ってるね私・・・。何年でも・・・。孝博が、見事副操縦士になったら、結婚しようね。早くてもあと4年か・・・。絶対私と同じ会社に入って、一緒に仕事したいよね・・・。待てるかな・・・28まで・・・。」

「でももともと10年待って欲しいって言ったんだから・・・。俺一生懸命がんばるからさ、そしてきっと雅と同じ会社に入るから・・・。」

俺たちは初めて夜を共にした日、約束したんだ。俺たちの夢は一緒に仕事をして、一緒に家庭を持とうって・・・。これからがその第一歩なんだ・・・。




(完)








スポンサーサイト

夢~防大編 最終章 新たなる夢の第一歩  (2)いきなり2年後・・・

CA
 2年が経ち、雅は希望通りにCAになった。総理大臣の娘がCAになったってことが結構話題になった。


俺は夢のために航空大学校の受験勉強。もちろんきちんと防大の講義も受けている。もし落ちたら、このまま防大に残って空自に入り別枠で就職を狙うんだ。もちろんいろいろ対策本を買い込んで勉強。


雅だってCAになるために今訓練中。雅もがんばっているんだから、俺もがんばらないと・・・。雅は寮に入って訓練を受けている。根っからのお嬢様の雅ははじめ戸惑ったらしいが、要領のいい雅だから、なんとか毎日が楽しいと、メールが入った。まあ、マナー類は完璧だからね・・・。


制服姿の写メも送ってくれた。俺もお返しに防大の制服だけど、送っておいたんだ。CA制服姿の雅はホントに綺麗で、早く雅と一緒に働けるといいなと思ったんだ・・・。


3ヶ月後、雅は国際線フライト旅客部に配属になった。雅は結構バイリンガル。英語はもちろん、フランス語、ドイツ語などを話せる。忙しすぎて、メールはたまにしかなかったけれど、たまに送られてくる写メを見て元気さがわかる。


 総理大臣のご令嬢なのに鼻にもかけず、一生懸命働く姿は、大変評価されて、先輩たちにも大変可愛がられているという。そして一番心配していた、叔父さんも叔母さんも安堵していたんだ。


この前も彬が乗った飛行機に雅が乗務していたらしくって、感心していたんだ。彬といえば、今慶大を出て、内閣官房長官・和気泰明叔父さんの私設秘書をしているんだよね・・・。そして泰明叔父さん関係の公務でアメリカに行った時に同じ飛行機に乗ったらしい。彬を気にするわけでもなく黙々と仕事していたって・・・。

まあ俺はまだ防大にいるわけだけど、夏から始まる航大入試・・・。防大から数人受けるらしいけど、さ、無事受かるかな・・・。もともと自衛官になることを反対していた母さんは航大受験に大賛成で、何かしら世話を焼く。(受かったら授業料や移動費とかすべて出すって言い張ってたねぇ・・・。まあそこまで甘えるつもりはない。もう俺は20歳なわけだし・・・。)追い込み追い込み!!!



夢~防大編 第3章 もうひとつの道 (5)初めての2人きりの夜

俺は雅の持っているマグカップをもちテーブルに置くと、雅を抱きしめ、そっと押し倒す。そしてキス・・・。俺の胸は張り裂けそうで、我慢できなかった・・・。雅の鼓動も・・・。


「ここじゃやだよ・・・。」

「そ、そうだよね・・・。風呂沸かしてくる・・・。」

雅は真っ赤な顔をして、俺を見つめていた。いいのかな・・・今日は・・・。


俺は風呂を沸かすと、先に雅に入ってもらった。もちろん今夜は2人きりの夜、今日しかチャンスはないと思って、この前先輩にもらったものをちゃっかり用意。そして枕の下に隠す。


雅はパジャマを着て俺の部屋に入ってくる。そして俺も風呂へ・・・。


3年前もチャンスがあった・・・。でも最後の一線は越えられなかったんだよね・・・。あの時まだ俺はガキだったし・・・。でも今は違う・・・。ちゃんと雅の事は想っているし、親に仲を認めてもらっているんだ・・・。

俺は部屋に入り、ベッドに座ってテレビを見ている雅の横に座る。もちろん雅は真っ赤な顔をして下を向いているんだ・・・。

「雅・・・。」

俺は雅を抱きしめ、雅を横にする。

「孝博、電気消して・・・・。」

hajimetenoyoru
俺はテレビと電気を消し、雅にキスをする・・・。3年前とは違い、やはり雅の体は成長しきっていた・・・。俺だってもう男の体だ・・・。雅は目を閉じながらも俺を最後まで受け入れる。雅にとって俺は初めての男だし、ちょっと顔をしかめながらも、受け入れてくれるんだ・・・。最後に俺は雅にキスをして、ベッドから離れる・・・。雅は放心状態で真っ赤な顔をして、天井を見つめている。

「ごめん・・・。」

「うん・・・でもいいの・・・孝博が相手だから・・・。」

実は俺にとっては雅は初めての女じゃない。初めての女は・・・なんていうのかな・・・練習だって言われて先輩に連れて行かれた・・・風俗じゃなくって、先輩の彼女の友達と・・・。いけないんだけど・・・勢いで・・・。先輩に経験ないって言ったら馬鹿にされむかついた事もあるけどね・・・まあこれは雅には内緒だ・・・。



夢~防大編 第3章もうひとつの道 (4)夢変更への決意

 8月のある日、雅がやってきた。父さんは演習で家を空けているし、爺ちゃんは自衛官OBの集まりで東京・・・。俺ひとり・・・。それを知ってかしらずか、雅がうちに泊まりにきた。


「雅、叔父さんにいってきたのか?お爺様には?」

「うん言ってきたよ。でも叔父様たちがいないなんてね・・・・。」

といいながら俺の顔をじっと見る。とにかく、夕飯の買い物に行く事になって、二人で買い物。ああ3年前を思い出す。よく雅と一緒に近所のスーパーに買い物に来たんだよね・・・。雅は俺の腕に手を回し、俺は微笑みながら品定め・・・。

「孝博、どうかした?」

「ん?なんだか夫婦みたいだなって・・・。」

「嫌だあ!孝博ったら。雅嬉しいよ。今から結婚する?」

「それはちょっとまずいだろ?出来ない事はないかもしれないけど・・・。」

俺たちはいろいろ買い込み、夕飯の支度・・・。久しぶりに食べる雅の手料理・・・。結構楽しみなのだ。雅が作ると普段うちでは食べることが出来ない料理が食える。雅が作ったグラタンなんて、ホントにおいしいんだよ。俺たちはちょっと早めの夕飯を摂って、2人っきりの夜を過ごすことにしたんだ。

「雅、話があるんだ・・・。」

「何?」

食後のお茶をしながら微笑む雅・・・。もちろん言う事はひとつ。将来のこと・・・。

「俺さ、自衛官を諦める事にしたんだ。」

「え?だって孝博は自衛官になるのが夢なんでしょ。」

「まあそうなんだけど・・・なんだかんだ言っても公務員だし、はじめのうちは安月給・・・。雅のようなお嬢様を養えないよ・・・。また父さんと母さんの二の舞は嫌だ・・・。だから俺決めたんだ・・・。再来年、航空大学校を受けて、卒業後民間の航空会社のパイロットになるんだ・・・。そうすれば雅を養うくらいの給料は出るし、自衛官の妻よりも、パイロットの妻のほうが雅もいいだろうと思って・・・。まあ受かればの事だけど・・・。」

彬
「そう・・・きっと孝博の頭じゃ受かるよ。秀才だもん・・・。じゃあ私キャビンアテンダントにでもなろうかな・・・。もうそろそろ大学のあとの事を決めないと・・・。私、ぬくぬくお嬢様生活は嫌だもの・・・。やっぱり働きたいし・・・。この前ね、孝博のような事を彬に言われたの・・・。『いいのか?自衛官と結婚したら今のような生活は絶対無理だぞって・・・苦労するぞってね・・・。』最後に極め付けにいわれたのよね・・・。『姉ちゃんは憧れだけで結婚するんじゃないだろうね?』って・・・。そりゃそうよね・・・。生まれながら政治家の娘として育った私だもん・・・。憧れだけじゃ生活は出来ないし・・・。孝博が夢を捨ててまで雅のこと想ってくれているなんて・・・嬉しいよ・・・。」

そういうと雅は俺にもたれかかってくる。









夢~防大編 第3章 (3)防衛学・清原教授と父・源陸将補との関係と秘密

 俺は父さんと別れ、総監部を出る。正門の警務官にきちんと敬礼をして立ち去った。父さんの悲しそうな顔が忘れられなかった。父さんと母さんが離婚することになって、俺に向かってどうするんだ?ときかれた時に自衛官になるって断言した時の父さんの顔・・・。とても印象的だった。今までみたことのない顔ですごく喜んでくれたんだ。その時とまったく正反対の表情・・・。俺は悩みながら自宅に向かうんだよね・・・。父さんは反対はしなかったんだけど・・・。複雑・・・。

防大夏服後ろ
「源君!いいところにいてくれた。」


振り返ると防大防衛学の教授清原室長だ・・・。そういえば、爺ちゃんに会いたいって言ってたな・・・。俺はきちんと挨拶をして話を聞く。


「住所を見てここまで来たんだが・・・よくわからなくってね・・・。昔と随分変わってしまった・・・。お爺様はいるかな・・・?」

「散歩に出かけていないのでしたらだいたいはいますが・・・。」

「そう、案内してくれる?」


普段の制服姿じゃないから一瞬誰かと思ったよ・・・。きちんとしたスーツを着て、声掛けられなかったら教授と思わなかっただろう・・・。家に行くまでにいろいろ聞いたよ。父さんと教授は1年違いで、部屋が一緒だったらしい。ずっと仲がよくて家族同然の付き合いをしていたって・・・。なのになぜ父さんは教授の存在を一言も言わなかったんだろう・・・。


 爺ちゃんは庭の植木いじりをしていた。俺が帰宅した事さえ気づかないらしい・・・。


「爺ちゃん、お客さんだよ・・・。」


爺ちゃんは立ち上がって俺のほうを振り返ると、微笑む。


「だれ?私にお客さんって?珍しいね・・・。」


すると教授は言うんだ。


「ご無沙汰しております。元部下でした清原でございます。」


爺ちゃんはすごく嬉しそうな顔をしていったんだ。


「おお!清原か!懐かしい!!!今何してる?さあ、入りなさい。男所帯で散らかっているが・・・。孝博、お茶とお茶菓子を出しなさい。」

「は~~~い。」


爺ちゃんは教授の肩を叩きながらリビングへ案内する。ホントこんなに嬉しそうな顔は久しぶり。相当嬉しかったのかな?俺は2人のお茶菓子とお茶を出すと、爺ちゃんの横に座った。そしていろいろ楽しそうにしゃべっている。


「そうか、防大の防衛学教授か・・・。でもどうして君のような人材がそのような場所で埋まっているんだ?私はもう博雅のように陸将補か陸将になって、どこかの師団長か総監でもしていると思ったんだが・・・。まだ一等陸佐とは・・・。」


教授は苦笑していた。そして爺ちゃんは教授がいまだ結婚していないことさえ驚く。


「まあ、いろいろ思うことがありまして、婚期を逃してしまいました・・・。」


何かありそう・・・この教授。だって防大でも唯一訳のわからない節がある不思議な教官。防大、幹部候補学校、幹部学校を稀に見る優秀な成績で卒業したって言う噂の教授なのに・・・。ホントそうだよな・・・普通なら陸上幕僚監部幕僚副長になっていてもいいかもしれない歳。それもすべてを首席卒業・・・。なのに一等陸佐だもんな・・・。


「ただいま・・・。」


あ、父さんが帰ってきた。すると教授の顔色が変わる。俺は父さんを玄関まで迎えに行く。


「誰かきているのか?」

「あのさ、爺ちゃんの元部下で、防大の清原教授・・・。」


父さんの顔色も変わる。


「き、清原だって!!!!」


父さんは俺にカバンを預けるとすごい剣幕でリビングへ向かっていく。そして教授の胸倉を掴み、いうんだ。


「よくもそんな面してここに来たな!もう俺はお前と縁を切ったはずだ!!俺だけじゃない!源家に近づくなといったはずだ!!!帰れ!!!」


爺ちゃんは立ち上がって二人を引き離す。


「博雅、いきなりなんだその態度は・・・。」


教授は身なりを整えると帰り支度をする。


「こいつはな!こいつは!綾乃を心底苦しめたんだ!!!俺な大事な妹、綾乃をな!!!」

「どういうことだ?どうして綾乃が出てくる。綾乃がどうしたというんだ?」


爺ちゃんは教授と父さんを座らせ、理由を聞こうとする。


「孝博、席をはずしなさい。お前が首を突っ込むような内容じゃない・・・。」


と、父さんが俺をリビングから追い出した。俺はリビング横の階段に座って、三人の話し声をこっそり聞いたんだ。父さんは俺が部屋に戻ったと思っているのか、聞こえる声で言ったんだ・・・。


「こいつは高校生だった頃の綾乃と一度だけ関係を持って、綾乃はこいつの子を妊娠した。その時は流産してしまってね・・・。その時はなんとかごまかしたらしいが、丁度父さんが定年の年、それをネタに綾乃を脅迫して、2ヶ月ほど綾乃と無理やり関係を持った。もちろんその事は弐條君は知らない。そして・・・ここからはこいつも知らないことなんだけど。いってもいいものかわからないが・・・。」


父さんは言葉を詰まらせた。


「で?綾乃はその後どうしたんだ?」

「半月後、綾乃は・・・妊娠を知ったんだ・・・。もしかしたら、弐條君の子だったかもしれないけれど、もしかしたらこいつの子かもしれないって言うから、悩み悩んで堕胎したんだ・・・。それからだよ、なかなか綾乃に子供が出来なくなったのは・・・。綾乃はいまだに悔やんでいる。これは俺と綾乃だけの秘密だった。知られてはいけない事。特に今、綾乃は総理大臣夫人だ・・・。やっと綾乃は来月待望の第3子を出産するんだし・・・。いいか、清原・・・。この事をばらしたら、俺はお前を殺す。そして俺も死ぬ。これ以上綾乃の幸せを壊さないで欲しい・・・。やっと掴んだ幸せだ・・・。特に孝博には言うな。孝博は綾乃の娘と結婚するんだ・・・。いいか・・・清原・・・。出来れば孝博の前から姿を消して欲しい・・・。もしかしたら孝博は防大を辞めるかも知れない。もう一切、源家、弐條家と関わらないでほしい・・・。迷惑だ・・・。」

「わかった・・・。もう俺は昔の俺じゃない・・・。綾乃さんを苦しめてしまった思いから、俺は昇進を望まず、結婚して幸せを望まず、そして優秀な人材を育てる事に没頭してきたんだ・・・。防大を辞める事は出来ないが、出来るだけ孝博君とは会わないようにするよ・・・。」

「ああ、そうしてくれ・・・。父さん、わかったか?清原の事・・・。だからもう縁を切ってほしい・・・。これは綾乃のためであり、孝博のためだから・・・。」

「んん・・・。」


教授は身支度をすると丁寧に挨拶をして家を出て行った。教授の目にはほんのり涙・・・。俺はもちろん教授と綾乃叔母さんの過去を知ってショックだった・・・・。そして俺は心の奥底に閉まっておこうと決意した。もちろん雅には内緒だ。


そして俺は決意する。俺も教授と出来るだけ縁を切るために、パイロットの道へ進む事を・・・・。


ごめん、父さん、爺ちゃん。俺は自衛官になることを諦めるよ。





夢~防大編 第3章 もうひとつの道 (2)陸上自衛隊中部方面総監部伊丹駐屯地にて

 夏休みに入り、俺は兵庫県伊丹市にある実家に戻る。そしてもうひとつの道について、部屋に籠もって悩んでしまう。父さんは帰省してからずっと部屋に籠もりっきりの俺を見て心配そうにしているのがわかる。

防大夏服俺は思いたって防大の制服を着込むと、仕事中の父さんに会いに総監部に行く事にした。正門前で、なぜかためらう。じっと立ち尽くしている俺に、警備官の男が話しかけてくる。


「どうかしたのか?君は防大生だね。何か用かい。」

「あの、私は防衛大学校1年の源孝博と申します。父、いえ、源幕僚長に面会をさせていただこうかとこうして・・・。」

「ちょっと待て。」


そういうと警備官は電話をかけて、何か話している。そして俺に言う。


「さ、会ってくださるそうだから入っていいよ。場所は中の人に聞けばいい。」


俺は敬礼をして中に入る。そして俺は初めて出会った自衛官に父さんの部屋を教えてもらって父さんの部屋の前へ・・・。


俺は戸をたたく。

「孝博です。」

「入りなさい。」

父さんはデスクで仕事をしていた。側には何人かの自衛官。父さんはその自衛官たちを退席させると、ソファーに座らせる。父さんは俺の前に座るといった。

「どうした、孝博。ここまで来るなんて珍しい・・・。最近ちょっと心配していたんだよ。」

「俺さ、どうしようか悩んでいるんだよ。俺の夢は父さんのような自衛官になる事。なんだけど・・・。俺、雅と一緒になったら、自衛官で雅を養っていけるんだろうかと思うんだよ。雅は母さん以上にお嬢さんだよね・・・。何不自由なく育って・・・。家事は完璧だって言っても、急に生活を変える事なんて出来ないだろ・・・。俺は雅に苦労をさせたくないんだ。何不自由なく生活させたいんだ。だから俺・・・夢を諦めようかどうか悩んでるんだ・・・。」

「自衛官辞めたら、どうするんだ?高橋家を継ぐのか?」

「いや、政治家にはならない。まあ、政治家だったらいいかもしれないけれど、俺はむいていないのは知っているし・・・・。」

「じゃあ、何になりたいんだ?」

「俺の先輩に航空大学校を受ける先輩がいてさ、将来航空会社に就職したいって言うんだ。先輩は自衛官もいいけど、パイロットは給料が断然いいって・・・。だから俺、パイロットに転向してもいいかなとか・・・。もちろん俺、パイロットになりたかった時期もあった。陸自じゃなくって、空自もいいなって思ったときもあった。」

父さんはちょっとショックを受けていたようだけど、苦笑して言うんだ。

「ま、お前の人生だから、お前が選んだらいい事・・・。今よく悩んで、考えるのもいいだろう・・・。もし航空大学校に行くんだったら、今もらっている給料をためて、学費に充てなさい。もし足りないようだったら父さんは援助するよ・・・。お前は一度言ったら聞かない性格だからね・・・。まああと2年あることだし、雅ちゃんと話し合って決めたらいいことだよ・・・。」

父さんはうなだれてた。父さんは俺が自衛官になるって言ったときにすごく喜んでくれた。もちろん爺ちゃんも・・・。爺ちゃんは反対するのかな・・・。


雅は?今度こっちに遊びに来るって言ってたから、ゆっくり話してみようと思う・・・。






夢~防大編 第3章 もうひとつの道 (1)違う道を目指す先輩

 ゴールデンウィークが終わり、通常の生活に戻る。いつも一生懸命勉強している3年生の先輩。いつも気になっていたんだよね。ちょっといい具合に会話する機会があって聞いてみたんだ。

先輩
「え?なぜ勉強をって?」

「ええ・・・。」

「それはね、俺はこの夏、航空大学校を受けるんだ。2年分の履修が終わったら受けることが出来るんだよ。はじめ俺は空自のパイロットを目指していたんだけど、民間のパイロットのほうが給料いいしさ、やっぱりジャンボを操縦してみたいんだよ。源君も視力いいし才能ありそうだから、受けてみたら。自衛隊もいいけど、民間航空会社に勤めるのもいいもんさ。」

「へえ・・・。そんなモノがあるんですか?へんなこと聞いてすみませんでした・・・。」

「いいよ。」

そういう事もあるんだ・・・。民間機のパイロットか・・・。給料いいもんな・・・。自衛隊よりも・・・。

俺は思ったんだ。雅を養うにはそういう道もあるんじゃないかなって・・・。父さんはお嬢さんだった母さんを嫁にもらって、いろいろ金銭的な面でも苦労してたんだよね・・・。今でこそ結構いい給料もらってるけど・・・。


超ご令嬢の雅を幸せにするには・・・。道を変えないといけないかもしれない。


まあ、あと2年・・・。父さんはなんていうかな・・・。雅は?自衛官の夫よりもパイロットのほうがかっこいいと思うかな・・・。


俺は珍しく悩んだよ・・・。小さい頃からの夢を取るか、それとも雅との生活を取るのか・・・。人生のかかった究極の選択だ。



夢~防大編 第2章 全寮生活 (5)初めての教官室呼び出し
授業終了後、俺は防衛学の教官室に呼び出される。今日の防衛概論で何かあったかなっていろいろ思い起こしながら・・・。 真面目に受けてたぞ・・・俺は・・・。

8時間目の概論のあと、9時間目が終わったら来るようにって言われたんだよね・・・。防衛概論の教官は戦略教育室所属・・・。俺はきちんと身なりを整え、制帽を脇にかかえて教官室へ・・・。


「失礼します!1年源孝博です。」


俺は慣例通りに礼をし、教官室へ・・・。


「おお、源。室長がお待ちだ。入れ。」


「はい!」


俺はお世話になっている概論の教官に案内されて室長のところへ・・・。俺はテキパキと挨拶をして室長の前に立つ。


「1年源孝博です。」


「まあそこに座りなさい。」


俺は椅子に座り、室長が話すのを聞く


教官室
「久しぶりだね。源君・・・。」


久しぶり???俺は会った事はないぞ???


「といっても君はまだ生まれて間もなかったね・・・。」


清原室長は苦笑して言う。


何が言いたいんだ?


ま、怒られるんじゃなさそうだから・・・。おとなしく聞いておこう・・・。


「昨日かな?朝すれ違ったよね。その時君の顔と名札を見て君のお父さんを思い出してしまってね・・・いろいろ調べさせていただいたよ・・・。ホントにお父さんそっくりだね君は・・・。そしてお爺様にも・・・。お爺様はお元気か?元幕僚長殿は・・・。」


「はい・・・とても・・・。」


「それなら良かった・・・。君はお爺様やお父さんのように陸自希望?それとも海自や空自?」


「まだはっきりとは決めてはいませんが・・・。私の適正なものがあればそちらに・・・。」


「そう・・・。で、昨日、女の子と会っていたよね・・・あの子は誰?」


「従姉弟の弐條雅さんですが・・・何か?」


「そう、総理大臣殿のご令嬢か・・・。夫人の若い頃の生き写しだな・・・。驚いてしまったよ・・・。でも従姉弟同士って感じはしなかったが・・・。まあいい、校門前であのような行為は控えなさい。いいね。またお爺様にご挨拶に行くよ。さ、戻っていいよ・・・。」


俺はきちんとご挨拶をして教官室を出た。


なんか変だな・・・。


昨日のおばさんといい、清原教授といい・・・。


何かあるのかな・・・。


まあ怒られなくて済んだし、良しとしよう・・・。



夢~防大編 第2章 全寮生活 (4)またか!丹波由佳!

俺が部屋に戻ると学舎中の話題になっていた。


もちろん朝、雅が俺の腕にしがみついた事・・・そして俺が雅の家の超高級車に乗った事・・・。

「聞いたぞ、源の彼女、超綺麗らしいな・・・。いくつ?」

「21です・・・。」

「え~~~~年上~~~???」

そして誰かが撮ったであろう写メが出回る。


もちろん次の日の休憩時間は同級生の質問攻め・・・。


特に数少ない女生徒に囲まれる。


俺ってこんなにもててたのか???


「源君って彼女いたの???」

「やだ~~~~!!!」

ルームメイトの松本に言わせると、俺はモテテいたらしい・・・。

「お前ってそういうところ疎いよな・・・。防大いちの成績なのにさ・・・。お前は顔よし性格よし、成績よし、その上父親は中部方面の幕僚長だもんな・・・。モテテ当たり前だ・・・。特に女が少ないこの防大・・・。すべてお前のファンといってもおかしくないだろう・・・。」

由佳
実はその女連中の中に高校から俺を追いかけている丹波由佳・・・。


俺が防大を受けると聞いてついてきやがった。


ま、あいつも結構成績良かったしな・・・。


ウザイ・・・。


案の定丹波由佳のご登場・・・。


「この人、従姉弟の弐條雅じゃない!!!どういうこと???従姉弟で付き合ってるの???」


ああ、ばらすなよ・・・。


そうか、従姉弟ね・・・従姉弟同士なんだあ・・・って事で・・・。


なんだかうやむやに・・・俺は嘘つき扱い?嘘じゃないけど・・・。


なぜか嘘をついている扱いに・・・。


まあ、総理大臣ご令嬢と従姉弟の俺が婚約していることが世間に知れるよりもましかな・・・。


まあいいか・・・。


しかし、丹波由佳!お前はなんてしつこい女なんだ?高校時代の半月程引き合ったけど、もう俺はきちんと気持ちを言って振ったはずだぞ!!!!はあ・・・。最悪な防大生活だよなあ・・・。派遣先の部隊まで来るって言わないだろうなあ・・・・。


超最悪・・・。



夢~防大編 第2章 全寮生活 (3)変な陸上自衛官とは

「ねえ聞いてよ!さっきすれ違った自衛官!雅の事じろじろ見るんだよ!!!気持ち悪い。」

「自衛官???」


さっきの教官かな???


確かあの教官って・・・。戦略教育室長の教授だよね・・・。


確か清原教授・・・。


まだ授業は受けていないんだけど・・・。


一等陸佐で・・・。


結構へんな教授だと聞いたよ・・・。


教授連中の中で唯一の未婚。防大から幹部学校までストレートで首席卒業なのに、やっとの事での一等陸佐止まり・・・。普通だったら父さんみたいに陸副将くらいになってもいいんだろうけど?

 総理公邸に着き、叔父さんは笑顔で俺を迎えてくれた。もちろん甥としてであり、雅の許婚として・・・。


まあ雅の婚約の件はまだ公じゃないんだけど・・・。


挨拶を済ますと、ランチの時間まで雅の部屋でゆっくりと・・・。


制服の上着を脱いで、持って来た私服に着替える。


いろいろ雅と防大の話をしたりしていたらあっという間にランチの時間・・・。


 防大入校以来・・・。


叔父さん、叔母さん、彬に雅、そして俺・・・。


5人でのランチ・・・。


叔父さんは防大に入校してひと回り大きくなったなって言ってくれたんだ。


叔母さんも俺の制服姿を見て、父さんにそっくりだって・・・。

清原教授
「ねえ聞いてよパパ!」

「どうした?雅・・・。」

「朝、防大前で、孝博君を待っていた時ね、変な自衛官に会ったのよ・・・。雅の顔をじろじろ見てね・・・気持ち悪いのよ・・・。いい歳した人なんだけど・・・。ねえ孝博君、誰?あの自衛官・・・。陸上自衛隊の制服だったよ・・・。」

「ああ、あの人ね。戦略教育室長の清原教授だよ。父さんよりもひとつ年上じゃなかったかな???」


俺の言葉を聞いて、叔母さんは箸を落としたんだ・・・。なんだか取り乱している。


「どうかしたの?綾乃・・・?お兄さんのひとつ年上の清原って言ったら例の清原さんだよね・・・。お父さんの元部下の・・・。」

「そ、そうね・・・。あの清原さんよね・・・。」

「懐かしい人の名前が出てきて驚いたよね・・・。そうか・・・防大にいるんだ・・・。」


叔母さんの様子がおかしいんだ・・・。


何かあるのかな・・・。


するとランチの半ばで立ち上がって部屋を出て行ったんだ・・・。


叔父さんは心配して綾乃叔母さんを追いかけたんだよね・・・。


なんか悪いこと言ったのかな・・・。


叔父さんは首をかしげて戻ってきたんだ。


「叔父さん、俺なんか悪い事言った?」

「ん?さあ・・・。綾乃は妊娠中だからね・・・それも高齢妊娠だから、ちょっと気分が悪いんだろう・・・。先日も無理は禁物って言われたところだし・・・。まあ和気君のお姉さんのところにお世話になっているから何かあったらこちらに往診に来てくれるって言うし、安心だよ。」


官房長官和気泰明叔父さんのお姉さんは産婦人科の名医。表参道にある超有名な産婦人科医なんだ。叔母さんの主治医がその人なら安心だよね・・・。ホントおばさん、大丈夫なのかな・・・。


 俺は夕飯までご馳走になって帰り支度。門限の10時過ぎまでに帰ることが出来るように送ってもらう事になった。

「孝博君、必ず誕生日の日に来てね・・・。」

「うん・・・そういえば姉ちゃんの誕生日でもあるし、代官山によってからこっちに来るよ・・・。」

「うん・・・。」


俺は雅にお別れのキスをして制帽を被って公邸に玄関に・・・。


「では叔父さん、また1日に来ます。」

「楽しみにしているよ、孝博君。」

「叔母さん、お体を大切に・・・。」

「ありがとう・・・。」


俺は叔父さんが用意してくれた車に乗り込んで、公邸を後にした。


ホント、今日の叔母さんは変だった・・・。


いつも朗らかで笑みの絶えない叔母さんが、あんな表情するなんて・・・・はじめてだよ・・・・。




夢~防大編 第2章 全寮生活 (2)初外出

 やっと防大生生活に慣れてメールが出来るようになって半月後・・・やっぱり怒ってた・・・。


叔父さんがなんとかなだめてくれてたみたいなんだけど・・・。


俺はゴールデンウイークの初日4月29日に、雅と会う約束をしたんだ。

 俺は当日早めに起きて支度。1年生の時は制服で外出しないといけないんだよね・・・。

「あれ?源、今日は外出?」

「はい、門限までには戻ってきますね。」

自然とニヤニヤしてたのかな・・・先輩連中に冷やかされたよ。


彼女に会うのかって・・・。


もちろん・・・。


早々8時に外出・・・。


校門前である教官とすれ違い、挨拶をすると鼻歌交じりで校門を出る。


いたいた雅・・・。


雅は俺の姿を見つけると走ってくる。


そして俺の腕にしがみつく。


雅は俺と会うためにお洒落をしてきたんだね・・・。


すごく嬉しそうな顔をして微笑むんだ・・・。

孝博照れる
外出していく防大生の注目の的・・・。


恥ずかしい・・・。


「孝博君の制服姿、かっこいいな・・・。はじめ誰かと思っちゃた・・・。」

「そうかな・・・。今日どうする?」

「あのね、パパがランチ一緒にしようって・・・。雅の部屋でゆっくりしようよ・・・。」

「んん・・・。この格好でデートってのも無理かもね・・・。」

雅は車で来ていたんだ。


もちろん運転手付の・・・。


黒塗りの超高級車。


SPかな?黒服の男が出てきて後ろのドアを開ける。


俺は先に雅を入れて、俺も乗り込む。


政治家の超お嬢様の雅・・・。それも総理大臣ご令嬢だし・・・。


雅にとって運転手付の車は当たり前なんだろうな・・・。


雅は俺の手を握って満面の笑みで見つめるんだ。


本当に俺はドキドキで・・・。


「もうすぐ雅の誕生日だね・・・。何か欲しいものあるの?初給与も出たしね・・・。」

「何もいらないよ、こうして孝博君と会えるだけでも嬉しいから・・・。誕生日の5月1日にも会ってくれる?日曜日でしょ?ねえいいでしょ・・・。」


雅のおねだりの顔・・・たまんないよな・・・。


「わかったよ・・・外出するよ・・・。これから迎えに来なくていいよ・・・恥ずかしいから・・・。」

「え~~~。少しでも早く会いたいのに・・・。」


ホント悲しそうな顔をするんだよね・・・。


でもホントにご遠慮いただきたいんだよ。





夢~防大編 第2章 全寮生活 (1)全寮制の学生舎生活

 俺は今日から防大の学生舎に入る。


ここは8人部屋。


1年~4年の各2名ずつが同じ部屋で共同生活。


4年の室長をはじめ、先輩だらけ・・・。

ルームメイト
同級生の松本君も実はお父さんが自衛官。


一等空佐らしい・・・。


同じ部屋の先輩たちも半分身内が自衛官。


自己紹介を済ますと、室長の萩原さんがいろいろ教えてくれた。


萩原さんのお父さんは海上自衛隊の副将。将来は海上自衛隊に入隊予定。


「そうか、源君のお父さんはあの中部方面隊の・・・。3代続けて自衛官とわね・・・。まあがんばれよ。」

「はい、よろしくお願いします!」

本当にいい先輩方で助かった・・・。なんとか四年間過ごせそうだ・・・。


 朝6時半に起床・・・7時から朝食を食べ、8時に国旗掲揚・・・。8時半から夕方5時までみっちり授業。その後クラブ活動やら、何やらで10時半消灯・・・。毎日疲れきって、雅にメールさえ出来なかった・・・。


毎日メールは入っているんだけど・・・。


きっと怒ってるだろうな・・・。


今度会う日は怖そうだなあ・・・。


はあ・・・・・・。



夢~防大編 第1章 防衛大学校 (3)恥ずかしい防衛大学校の入校式

 いよいよ防大の入校式・・・。


何とか父さんは休みが取れて、横須賀にやってきた。

陸自礼装
相変わらず父さんは制服で出席だ・・・。


今回は礼装・・・。まあ、誇りある自衛官だし、中部方面隊のナンバー2の幕僚長。


陸将補だから、礼装に白手袋。そして制帽もいつものよりも少し飾りがつく・・・。


目立ってしょうがない・・・。


「親父、制服はやめろって言ったのにさ・・・。」

「何言うんだ。ここは父さんの母校であるし、元上官もいるんだ。首相の弐條君も、防衛大臣もこられる。中部方面総監と相談した上で礼装と決めたんだから・・・。」


やはりじろじろ見られる・・・。


目立ってしょうがない・・・。


男ばかりだと思ったんだけど、数人の女子学生・・・。


俺は首席合格だったから、新入生代表の言葉がある。


父さんも爺ちゃんもみんな首席合格首席卒業なんだから。


「ここの校長は父さんの元上官なんだよ。若い頃お世話になってね・・・。」

ふうん・・・。


防衛学教官にもちらほら知っている顔もいるという・・・。


まあ、父さんは結構有名人だもんな・・・。


 なんとか入校式を終え、父さんと別れる。父さんは校長と楽しげに話していたんだ。うちの息子をよろしくってね。


もちろん校長も首席合格の俺が父さんの息子だと知って驚いていたけどさ・・・。


さあ明日からは初めての規律正しい全寮生活が始まるんだ。ついていけるか心配だけど・・・。



夢~防大編 第1章 防衛大学校 (2)久しぶりの対面

 俺は総理公邸に向かう。雅が前もって公邸の警備員に俺が公邸を訪れる事を伝えてくれたのだろうか、すんなり公邸に入れてもらった。公邸に入るとおばさんが僕を招き入れてくれたんだ。


42歳の若いファーストレディー。


あれ???


俺は叔母さんのおなかを見つめたんだ・・・。

「おばさん?おなか・・・。」

「え?実はね、おなかに子供がいるのよ。9月に生まれてくるの・・・。」

叔母さんは雅と彬を産んでからなかなか子供に恵まれずに諦めていたんだけど、なんと42歳にして妊娠したらしい・・・。高齢出産・・・。まだ安定期に入ってないからって公表はしていないらしいんだ・・・。21歳の歳の差がある兄弟ねえ・・・。すごいかもしれない・・・。まあ今回は双子じゃなかったらしいけど・・・。

「孝博君、防衛大学校に合格したって?雅和さんもすごく喜んでいたわ・・・。」

まあ、滑り止めにこっちの大学も受けたけどね・・・。


叔母さんはリビングに俺を招きいれて、お茶を出してくれた。


すると雅が入ってくるんだ。


ホントに久しぶりに会う雅・・・。


成人して本当に綺麗になったんだよね・・・。


おばさんにそっくりで。ほんのり化粧した顔なんか・・・。


俺は顔を真っ赤にして照れながら、出されたお茶に口をつける。


恋人同士って言っても、最後の一線は越していないんだよね・・・。


いつかはって思うんだけど・・・。


「孝博君。今日はゆっくり出来る?」

「ん?んん・・・。」

「じゃあ、パパの公務が終わったら夕食を一緒にどう?」

「そうだね・・・。」

「今日東京に泊まるの?」

「うん。そのつもりだったんだけど・・・代官山の母さんと喧嘩してしまって・・・代官山に泊まる予定が・・・。」

するとおばさんが言うんだ。

「それなら彬の部屋に泊まりなさい。いいから・・・。」

俺はなんと総理公邸に泊まることになったんだ・・・。


ドキドキモノさ・・・。


従兄弟の彬は慶應義塾大学法学部政治学科の春から3年生・・・。


雅の双子の弟。


叔母さんは彬を呼んで、言うんだ。


いとこ3人組
「彬、今晩孝博君と一緒に寝なさいね・・・。」

「え~~~~!!!姉ちゃんの部屋でいいじゃん。二人は許婚なんだろ。」

「何言ってるの?許婚だとしても許されないわ。パパもきっと同じ事を言うと思うから。」

「わかったよ。」


渋々って言う感じ?


はあ・・・今夜はゆっくり眠れないなあ・・・。


それなら雅の部屋のほうが・・・。


ま、そんなのは許されないだろうな・・・。


俺は雅と一緒に雅の部屋へ・・・。


やはり雅はきちんと整理整頓をしている。


女子大生らしい部屋だ・・・。


雅はベッドにちょこんと座って、照れ笑い。


ホント可愛いよな・・・。というより美人だ・・・。


「雅は孝博君と一緒に寝たかったな・・・。」

「しょうがないだろ・・・。俺たちまだそんな関係じゃないし・・・。」

雅のパパママ
「でも、ママは20歳でパパと結婚したんだよ。すごいと思わない?もう私の歳で結婚していたんだから・・・。」

「ふ~~~~ん・・・。」

「雅も早く孝博君のお嫁さんになりたいな・・・。」

「まだだね・・・俺が幹部自衛官になったらね・・・。」

「待てないよ・・・。」


そんな瞳で見つめるなよ・・・。


防大4年に幹部候補学校1年・・・最低5年はだめだ・・・。


「でもさ、雅。俺は横須賀にいるんだし、これから週末は会えるよ。給料だってもらえるんだし・・・。今までの遠距離恋愛よりはましだろ?」

「うん・・・。」


俺は雅にキス・・・。


雅に潤んだ瞳を見つめながら・・・。さらにキス・・・。


今まで電話やメールで愛を育んできたんだよね・・・。


久しぶりに雅に会ってこうして隣にいる・・・。


俺の胸の高鳴りは最高潮・・・。


今日を逃すとこうしていられる期間は限られているんだよね・・・。


この場で押し倒して雅をモノにする事ぐらい出来るんだけど・・・。


我慢我慢・・・・ここは総理公邸だ・・・。


「ねえ孝博君・・・。今度いつ会えるのかな・・・。雅ずっと孝博君と会うの楽しみだったんだ・・・。前は孝博君の高橋のお爺ちゃまがお亡くなりになったときでしょ・・・。その時だってこうしてゆっくり会えなかったんだし・・・。」

「防大入って少ししたら会えると思うよ。また連絡するし・・・。携帯持参可能だから、メールぐらいは出来ると思うよ・・・。」


俺と雅は寄り添いながらいろいろ話したんだ。




つづく



夢~防大編 第1章 防衛大学校 (1)18歳の春




防大制服(冬)



 18歳の春、俺は防大に受かった。防大は神奈川県横須賀にある。俺は久しぶりに東京の母さんのもとに行ったんだ。


「そう・・・防大に行くのね・・・。」

悲しそうな顔をする母さん・・・。


昨年末、代官山の爺ちゃんが亡くなって、母さん、ばあちゃんと、静姉ちゃんと住んでいる。


爺ちゃんは俺が政治家になる夢を死ぬまで抱いていたんだ。


ああ、あれは12月15日。


突然母さんから電話がかかってきて、東京に呼び出されたんだ。爺ちゃんが危ないからって・・・。父さんも誘ったんだけど、父さんは行かないって言ったから、俺だけで東京の病院に行ったんだ。


爺ちゃんは82歳。老衰だろうね・・・。


俺が病室に着くなり、爺ちゃんは俺の手を握り締めて言うんだ。


「孝博、自衛官になんかなるもんじゃない。どれだけお前のお母さんは苦労したか知っているのか?転勤転勤・・・海外派遣・・・。ワシのいうことを聞いて政治家になりなさい。」

「でも爺ちゃん・・・俺は決めたんだ・・・。父さんみたいになるんだ・・・。」

爺ちゃんは俺を見つめて泣いたんだ・・・。


そしてそれから数日後に亡くなってしまったんだよね・・・。


最後まで俺の名前を呼んで・・・。


俺は爺ちゃんの唯一の男孫だからね・・・。


きっと爺ちゃんみたいな政治家にならせたかったんだろう・・・。


爺ちゃんは官房長官止まりだった・・・。俺にそれ以上になって欲しかったらしい・・・。


実は俺の源家にも政治家の血が流れていたりするんだよね・・・。


俺が生まれた頃の総理大臣藤原氏は俺の父方の祖母の兄。


だから余計に爺ちゃんは俺を政治家にさせたかったらしいよ・・・。


「母さん、入学式に来てくれないかな・・・。父さん休み取れるかわからないんだ・・・。」

「嫌よ、行かない。もう自衛隊関係はごめんよ・・・。」

母さんは本当に毛嫌いをしてしまって自衛隊と聞いただけで、いやな顔をするんだよね・・・。

「もういいよ、頼まないから!」

俺は怒って代官山の家を飛び出した。


俺は携帯電話を取り出し、電話をかける。


電話の相手は僕の幼馴染であり、従姉弟、そして恋人・・・。


「雅、今から会える?」

『孝博君?うんいいよ。』

雅は総理大臣ご令嬢。


俺の叔父さんである弐條雅和氏は去年の秋に44歳の最年少の若さで総理大臣になった。


今は広尾のマンションを出て総理公邸暮らし。


もちろん雅もそこに住んでいる。


雅と付き合ってもう少しで3年・・・。


ずっと遠距離恋愛だった。


雅は5月で21歳。


この春で大学3年生になる。


俺が幹部自衛官になったら、雅と結婚する約束があるんだよね・・・。


それまでに俺の事を好きでいてくれているのが条件だけど・・・。



Copyright © ねぇね2人と双子っちのママのお部屋。別館. all rights reserved.
さくらと空 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。