4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (6)ショック!!!
「おはよう彩子。起きて起きて。」




和気さんは珍しく早く起きて朝ご飯を作ってくれた。休みの日はいつもそう。特に今日は検診日だからさらに早く起きたみたいね・・・。




だいぶん料理上手くなったやろ?どう美味い?」


和気さんは朝から超和食を作ってくれた。焼き魚、おひたし、出し巻卵、ご飯に味噌汁。そして手作りのぬか漬け。ここひと月で料理がうまくなったのよね。私がおいしいって言うのをすごく楽しみにしているみたい。




「おいしいよ、和気さん。」
「よくかんで食べろよ。すべて赤ちゃんの栄養になるんだから・・・。赤ちゃんどれくらいになってるかな・・・。もうそろそろ人っぽくなっているらしいよ・・・。早くみたいな・・・超音波画像・・・。」




ほんとニコニコしている和気さん。早く公表したいよって言う。安定期に入らないとね・・・。


今日はわざわざお姉さん夫婦が病院の診察室を開けてくれている。片づけを済ますと病院へ直行。準備が整うまで待合室で待つ。和気さんは私の手を握ってニコニコ顔。




「どうぞ入って・・・。」




お姉さんの一言で私は中へ・・・。今日は和気さんも入っていいよって言われて足取り軽やかに和気さんは入ってくる。私は内診台に座って内診。和気さんはお兄さんと話しているの。




「義孝さん来て・・・。」




ってお姉さんがお兄さんを呼ぶ・・・。そして何かこそこそ話して溜め息・・・。




「いいわよ。終わり・・・。」


って内診台から降りる。そして私と和気さんは診察室の椅子に座る。私はちょっと嫌な予感・・・。



お兄さんは和気さんに一枚の紙切れを・・・。




「これにサインして・・・。今すぐ入院して・・・。」


お姉さんは涙ぐんでいるのね・・・。和気さんは一枚の紙切れを見て言う。




「これって手術の承諾書だよね?どういうこと?」
「言いにくいことなんだけど・・・成長していない。発育不全だよ。泰明君ならわかるね・・・。今から死んでしまった赤ちゃんを出すから・・・。いいね彩子さん。このままおいておいてもだめだから・・・。」

もちろん私はショックで気を失いそうだった。和気さんも声を失っていたんだけど、しょうがなく承諾書にサイン・・・。



ひとまず入院して、手術の準備が整うのを待つ。

和気さんはずっと私を抱きしめてくれて、慰めてくれるんだけど・・・。



そんなの耳に入るわけない。



私は手術着に着替えて手術室へ・・・。下半身麻酔をして手術・・・。

途中吐きそうになりながらも思ったより早く終わる・・・。



ああ今日は土曜日でよかった・・・。明日ゆっくり入院して何もなかったように出勤できるみたい・・・。



手術が終わり泣き叫ぶ私をずっと抱きしめたまま何も言わない和気さん・・・。

和気さんも辛いんだもんね・・・あれほど楽しみにしていた赤ちゃんが死んじゃったわけだし・・・。



泣き疲れた私は眠ってしまった・・・。

和気さんはその間、これからのことをお姉さんと診察室で話していたらしい・・・。




 少し寝て私は落ち着いたのかな・・・。

隣には和気さんと和気さんのお母様・・・。知らせを聞いて急いで飛行機に乗ってやってきたんだって・・・。

気が付いた私の手を握ってくださって、大丈夫よって・・・。

和気さんは複雑な顔で言うの・・・。




「半年、ゆっくりしようね・・・。一度でも妊娠したんだから、きっとうまくいくからさ。こういうことは結構あることなんだよ。だから、だから・・・。」


そういって涙を流して部屋を出て行ったんだよね・・・。

きっとずっと泣きたかったのを我慢してたんだよね・・・。



次の日の夕方、私は退院して、寝室で横になる。

当分お母様は南麻布のマンションにいて身の回りの世話をしてくれるらしい。

もちろん明日、仕事があるから、和気さんは早めに局まで送ってくれることになったの。

このことは世間には内緒だから、私は辛いのを我慢して出勤しなければならない。



辛いけど我慢我慢・・・。



いつまでも泣いていられません!!!!

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ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (5)やっと・・・だけど・・・
 4年越しの新婚旅行から帰って半月後、私の体に異変が起こる。

初めての感覚・・・もしかしてって思って、即お台場にある薬局へ急いだのよね・・・。

治療を始めて1年にしての妊娠反応・・・。化粧室で思わずやったーって叫んじゃった。

それも自然妊娠。あれほど諦めていたのに・・・。



もちろん和気さんにはメールで伝えたの。そうしたら和気さんは仕事を切り上げて、定時上がりの私を迎えにきてくれたの。社員通用口の前でそわそわしながら待っている和気さん。もう和気さんは31だもんね・・・。嬉しいのはわかるよ。和気さんは私の姿を見るなり、満々の笑みで走ってきて抱きしめてくれる。

観光客とかいっぱいいる中でよ。




「姉貴の病院の予約取れたから今から行こう!はっきり検査してもらおうよ!」
「うん、そうだね。」


和気さんはわざわざ予約取ってくれたんだ・・・。

お姉さんの病院は予約取るのも大変な病院だからね・・・。

きっとお姉さんは私のためにわざわざ空けてくれたんだ・・・。

 和気さんはルンルン気分で診察室の前で待っているの。

多分いろいろこの先の楽しい家族生活のことを考えているんだろうね・・・。

車の中でも男かな女かなって嬉しそうに話している和気さんの顔・・・本当に嬉しそうだった。



お姉さんは和気さんを呼んでいったの。




「おめでとう泰明。確かにおめでたよ。自然で妊娠できてよかったわよね・・・。さ、これからはうちの主人に引き継ぐからね・・・。ただ・・・。」
「ただ?」
「ちょっと下のほうにいるのよね・・・。流産しやすいから気をつけなさいね・・・。順調にいけたとしてもいろいろリスクがあると思うから・・・。でもとにかく、おめでとう。実家にちゃんと伝えておくからね。喜ぶよお父さんたち・・・。ひと月後来なさいね。次は産科のほうだよ。やっぱり日曜日のほうがいいかしらね?主人に聞いておくから、また連絡するわ。」


ホント和気さんはルンルン気分で会計を済ませると、めずらしく私を食事に誘う。

もちろんお洒落なレストランに・・・。


「彩子、お酒はだめだよ。ね?」




ホントにニコニコしながらお祝いのお食事・・・。

和気さんったら、いつ公表しようかな、早く生まれないかな、名前は何にする?って・・・。

生まれるのは春だよ・・・。

3月はじめ・・・。

気が早いよ。

よっぽど嬉しかったんだ・・・。



その日から和気さんはますますマメになっちゃって、満員電車はだめとか言って送ってくれたり、迎えに来てくれたり・・・。

超過保護なんだよね。

まだ公表できないのに、いかにもって感じよね。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (4)気がつくと・・・
 気がつくと私入社して3年目・・・。



いつの間にか和気さんとの不仲説もなくなっていたの。私は和気さんといろいろあってひとまわりもふたまわりも成長したかな?もうすっかり私は局の顔的存在。もちろん辛い治療も続けている。ホント二人で気長にがんばろうって決めたのよね・・・。



さらに愛が深まっちゃって、まるで新婚当時のように甘い生活をしていたりします。それが周りにもわかるのかな?最近綺麗だねってディレクターさんとか、いろんな人にいわれるんだから・・・。もう私も25だもんね・・・。大人の女になったってことかな・・・。



もちろん、私たち夫婦の不妊治療を知らない心無い人たちは、もうそろそろ子供は?って聞いてくる人も多い。

和気さんだって、あれほど誇りにしていた補佐官を辞退して地元のためにがんばっているんだもん。

そしてはつらつと仕事をこなしているの。

和気さんの評価もうなぎのぼりで、もしかして次期副大臣クラスになるんじゃないかってささやかれてたりするんだよね・・・。



私たち夫婦の熱々ぶりはもう政界やマスコミ内でも有名で、私の仕事が遅い時なんかわざわざお台場まで私を迎えに来てくれるの。




「休み取れそう?」
「ま、何とかね・・・。去年もらった海外旅行、何とか行って先延ばしにしてもらって助かったね・・・。タダだもんね・・・。」
「うんそうだね・・・。初めてだね、2人で海外・・・。俺は何度か総理についていったことあるけど・・・。グレードアップできそう?差額はきちんと払うしね・・・。」


そう、私たちは去年局の賞品でもらった旅行券を使うことにしたの。

去年の選挙のときにお世話になった和気さんのお父様お母様に差し上げようと思ったんだけど、新婚旅行に行っていない私たちで行きなさいって言ってもらったの。年末年始に行こうと思ったんだけど、治療とかでそれどころじゃなかったの。



ひとまず、治療にひと区切りがついたから、お姉さんの勧めで行くことになったの。

ホント理解のあるお姉さんで、年初めのいろいろあったときにも相談にのってくれたりなんか・・・。

身内だから出来るって事もある。




 ちょっと早い夏休みを頂いて、カナダへ行ったの。すごく広大な国・・・。夜、2人でみた天体は日本で見るのとは違って、すごく綺麗で、ホント私たちの悩みってちっぽけだなって思って2人で微笑んだりしてた。



帰国後、晴れ晴れとした顔をした私に柳生君は言ったの。




「4年越しの新婚旅行、行ってよかったみたいだね・・・。和気さん、とてもいい顔してるよ・・・。やっぱりいい事あったんだよね・・・。」


ホント最近柳生君はなんだか気を使ってくれているのか知らないけれど、優しい言葉をかけてくれる。重い荷物とかも持ってくれたり、きつい雑用なんかも手伝ってくれるのよね・・・。

ホント柳生君って優しいんだなって実感・・・。

何でこれなのに彼女いないんだろうなんて思っちゃった・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (3)不仲説が流れる~過去の発覚
最近和気さんとつまらないことで口喧嘩が絶えないんだよね・・・。



何かにつけ和気さんは「俺は能無しだから」といってくる。
毎週の治療も疎かになって・・・。
私だっていろいろ情報を集めて食事に気を使ったりしているのに・・・。



それが表に出ているのかな?ある雑誌に私達の不仲説が書かれる。そして離婚秒読みとまで・・・。もちろん心配して和気さんのお父様、お母様から電話があったり、様々な関係者からいろいろ聞かれる。もちろんいくらよく口喧嘩をしているっていっても離婚する気はないよ・・・。



「ねぇ、和気さん。本会議が終わったら旅行しよっか・・・。海外でもパーッといって。気分転換しよ!」
「いい・・・二階堂と行けばいいよ・・・。」
「どうして和気さんの秘書の名前が出てくるの?関係ないじゃない!この前だって!」
「何?この前って・・・。」
「に、二階堂さんに言ったんでしょ!私と関係を持てって・・・。」
「ああ、それね・・・。本心から言ったんだ・・・。知ってるよ彩子の4番目の彼・・・。二階堂なんだろ・・・。俺は知らないで二階堂を雇ってた・・・馬鹿だな俺って・・・。まだ好きなんだろ?二階堂のこと・・・。二階堂だって彩子のこと好きなの知ってるし・・・。」

和気さんはいろいろ話し出した。



選挙運動中に仲良く話している私と二階堂さんを見つけていろいろ探っていたらしいの・・・。

そして極めつけはこっそり見た二階堂さんのノートパソコン。

いろいろいじってたら、私の高校時代の写真が大量に出てきて・・・。

もちろん二階堂さんと仲良く写っている写真まで・・・。




「二階堂と彩子の子なら、俺、自分の子として育てられるかなって思ったんだ・・・。だから俺は・・・。」
「なんて事いうの!!!ホントにいいの?和気さんらしくないよ!そんな和気さん嫌いだよ!もういい!和気さんの子供なんていらないから!!!」
「彩子!どこ行くんだ?!」
「紗希ちゃんとこ。それとも・・・柳生君のところがいい?」




初めて和気さんは私の頬をたたいたの・・・。

それも泣きながら・・・。

その後ぎゅっと抱きしめてくれて・・・ごめんごめんって・・・。




「俺、どうにかしてたよ・・・。辛いのは彩子も一緒だもんな・・・。」
「和気さん・・・。」
「彩子の言うとおり、本会議終わったらちょっと遅い新婚旅行に行こう。な、環境が変わったらもしかしてってことがあるかもしれないしな。」




そういって和気さんは私の頭を撫でながらキスしてくれた・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (2)辛い戦いのはじまり
 和気さんのお姉さまの病院は表参道近く。



朝早くから病院を開けてくださって、朝から検査検査検査・・・。中には辛い検査がある。私は和気さんの手をぎゅっと握り締めて涙を浮かべながら辛い検査を我慢したの。その日は検査だけで終わってしまったんだけど・・・。やはりどっと疲れが・・・。家に帰るとすぐに私は眠ってしまった。和気さんは私を心配してご飯も食べずにずっと私の側にいてくれたんだけど・・・。



 平日は出勤して休日は治療の日々・・・。月のモノの時以外は行っているって感じで・・・。もちろん毎日基礎体温をつけて、毎日お姉さまにメールで知らせる。この日っていう日にお姉さまから指示があって、タイミング法っていう方法でがんばってみるんだけど、もう何ヶ月兆候すらない・・・。



治療を始めて半年後かな・・・。お姉さまがいったの。



「彩子さんのほうは排卵については順調なんだけどなあ・・・。やはり泰明が原因かもしれない・・・。この前に検査でよくわかったわよ・・・。」



この前はホント恥ずかしい検査だった。朝、夫婦生活をして検査したんだから・・・。もちろん来なければいけないところまで来ていなかったわけで・・・。受精までいかないっていわれちゃった・・・。

その日から和気さんは気が滅入ってしまって、私とあまり話をしてくれなくなったの・・・。



「和気さん、まだ方法はたくさんあるんだから・・・。ね?」

「俺のせいなんだ・・・。なあ、彩子・・・。他の男となら、彩子は妊娠するんじゃないかな・・・・?他の男となら・・・。」

「何言ってるの?私は・・・和気さんの子供が欲しいんだから・・・。」

「ごめん・・・言い過ぎた・・・。」



とか言いながら和気さんは暗い顔で下を向いているの。

そして和気さんはボソッと言ったの・・・。



「二階堂と・・・。」

「え?」

「いやなんでもない・・・。」



どうして和気さんの秘書の名前が出てくるわけ?もちろん二階堂さんは私の元彼だけど・・・。



すると数日後、珍しく二階堂さんから電話・・・。



『今大丈夫?』

「ううん・・・いいけど何?」

『和気に俺たちの過去がバレたかもしれない・・・。』

「え?」

『この前、和気から電話があってね、一度指定した日に彩子を抱いてくれないかって言われたんだ・・・。訳がわからない。和気自らそんなこというなんて・・・。いくら俺は和気の秘書だといってもさ・・・。そこまでは・・・・。』

「そう・・・和気さんがそんなことを・・・。ごめんね二階堂さん・・・。たぶん冗談だから・・・。」



何で和気さんがそういうこと言うんだろう・・・。

ホントに変だよね・・・。

私は気になって仕事どころじゃなかったのよね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第9章 夫婦の問題 (1)選挙の後の約束
 和気さんは総選挙で大勝した。近畿地方でも早めにね・・・。全国の若手では一番の当選だった。本当にお互い驚いちゃった・・・。




 私は仕事があるから選挙の次の日に朝一番の飛行機に乗って東京に戻ってきたの。そして朝の番組はお休みしたけれど、羽田から直で空港リムジンに乗って何とか定時に出勤完了!!!なんと朝お休みした代わりにお昼のニュースを押し付けられたのは言うまでもない。みんなはすごく和気さんの当選を喜んでくれたのよ。これでもう1期4年、解散がない限り代議士でいられる和気さん。私もアナウンサーと代議士の妻という二足のわらじを履かなければならないのよね・・・。

 もちろんお昼のニュースは昨日の選挙の話ばかり。結果は与党の大勝で、議席数はまあ現状維持だったみたい。



変な話よね・・・。



昨日まで私は候補者の妻として画面の向こう側にいたのに、今はマスコミの側から昨日の選挙の結果を読み上げている。まあ和気さんの場合有名代議士だけど若手だから全国版には映らなかったけれど・・・。



あとから聞いた話、近畿の系列局版には和気さんと共に私まで映っていたというから、視聴者から観ると変な話かも?



そうそう、私のお姉ちゃんの旦那様、弐條雅和代議士も東京比例区で当選してたね・・・。来期はお父様の後を継いで地元の兵庫県芦屋から出るんだろうか・・・。




 選挙から3日後、地元の片づけを終えて和気さんはにんまり顔で帰ってきた。そして選挙の後は臨時国会があるんだよね・・・。和気さんは帰ってきた日の晩、私にこういったの。




「選挙の次の日さ、首相にまた補佐官をしないかって言われたんだ・・・。」


首相といえば私の母方の伯父様・・・。すごく和気さんを信頼していて、和気さんの将来に太鼓判を押している人物・・・。




「で?」
「辞退させていただいたんだよ・・・。弐條に任せることにしたんだ。地元のことも大事だし、そして彩子と約束した家族の件もあるしね・・・。補佐官をしていたら、なかなか都合がつかないことがあるし・・・。だから俺は普通の代議士でいいといったんだ。」




そう、選挙に当選したら、家族計画をしようって約束したもんね・・・。

私達が結婚して4年目だもの・・・。



お互いに簡単に子供が出来る体じゃないから、作りましょう、はい出来ましたってことはない。

きちんと病院に通っていろいろ大変な治療をしないといけない。

もちろんどちらが欠けてもいけないんだもの・・・。



運よく和気さんのお姉さまがその筋で有名なお医者様だから、私は今まで通っていた病院を辞めて、和気さんのお姉さまに任せることにしたの。もちろんお姉さまは快く引き受けてくださって、一緒にがんばりましょうって・・・。




今度の日曜日、お姉さまはわざわざ私たち夫婦のために診察室を開けてくださって本格的に検査することになったの。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第8章 選活珍道中日誌 (5)さあ!投票日!!!
 選挙事務所は地元事務所から歩いて15分くらい・・・。宝塚市のとなりにある駅前に立っている。もちろん家賃が安いってのもあるんだけど、選挙区のホント中間地。そして地元事務所から近いからここに決めた。和気さんの実家にも近いしね・・・。選挙事務所には駐車場が少ないから、私たちは歩いていくことにしたの・・・。いろいろこれからのことなんかも話しながら・・・。そしてといろんな人たちに声を掛けられ、挨拶をしながら歩くと倍時間がかかっちゃった・・・。


 事務所につくと、早い和気さんの到着に驚く。もちろん情報通の二階堂さんが、出口調査をどこからか仕入れているの。私たちは和気さんのお母さまが作ってくれたおにぎりやおかずを口にほおばりながら、いろいろ話しているの。



和気さんはちらちらと時計を気にしている。私にはわかる。あと何時間、あと何時間って心の中で唱えていることぐらい。そして時折私と目が合うと、微笑んでくれる。



心配ないよ和気さん・・・きっといい結果が出るから・・・。

春前からずっと休み返上で地元に帰って活動してたよね?きっといい結果が出る。

もしだめだったとしても私は和気さんを嫌いになったりしないから・・・。


夕方になると私はスタッフや後援会の人達用の食事を用意するため、和気さんのお母様と共に和気さんの実家に行って準備をする。

ほんと和気家一丸となって和気さんを応援してきたよね・・・。



食事は店屋物を取らずに全部手作りにしたし、きちんと栄養も考えてメニューを作った。

和気さんのお兄さんの奥さんは管理栄養士・・・。きちんと栄養管理して、みんな元気に活動していた。

(途中和気さんが倒れたけどね・・・。)

そしてみんな一致団結してここまでやってきたんだもの・・・。


私とお母様、そして義理のお姉さまと一緒に今晩は大量の巻き寿司を作ったの。これなら腐りにくいし、手でつまめるもんね・・・。たくさんすし飯を作ったり、具を作ったり、巻いたり大変だったけれど、今日で最後なんだと思うと気合いが入ってあっという間に出来ちゃったのよ。



このお寿司を持っていくと後援会の人たちでごった返していた。急遽足りないとみたお母様は残った具材でササッとバラ寿司まで作ってしまったの。すごいお母様。見習わないと・・・。



でもあっという間になくなってしまった・・・。



もちろん和気さんは緊張のあまり少ししかのどを通らなかったようだったけれど、私が横に座ると「美味かった」って褒めてくれたんだ。もちろん今回のことでお母様の味付けを覚えたから、いつでも作ってあげるよ。きっとこれから和気さんはさらに喜んで食べてくれるんだろうな・・・。



ついに選挙投票時間が終了し、事務所のスタッフが手分けして開票所に向かう。もちろんこれはより早い開票情報を得るためであって、それをもとにだいたいの流れを掴むの。テレビの開票速報にはばらつきがあるもんね・・・。でも選挙事務所には2台のテレビを置いて国営テレビ、そして私が勤めている系列局にチャンネルを合わせている。



やはりみんなは忙しそう・・・。美貴ちゃんも柳生君も武田君も開票番組にでている。ホントに私、休んで悪かったなあなんて思ったんだよね・・・。でもしょうがないでしょ。候補者の妻なんだから・・・。



開票が始まってすぐに和気さんの党のお偉いさんどころが決まってくる。やはり総裁の伯父さん、元総理の弐條氏、そして和気さんの伯父さん平氏・・・。



 さすがに和気さんは平の伯父さまが当確になって即電話をかけてたわね・・・。もちろんお母様、平の伯父様は実のご兄妹に当たるから、すごく喜んでいたのね・・・・。



そして各投票所から情報が入りだす。和気さんは見たくないって・・・。怖いって言ってたの。



まずはじめにうちの局が、和気さんの当確を出したの。もちろんこれは出口調査と開票数から割り出すそうなんだけど・・・。なんと若手で一番乗り!!!つい私と和気さんは抱き合って騒いじゃったんだ・・・。もちろん次は弐條のお兄さん。比例区で当選。若手有力議員の和気さんの事務所に各局、新聞の報道関係者が詰めているから、各局当確が出ると、フラッシュの嵐・・・。そしてお決まりのバンサイ!!!

私ははじめて和気さんの当選を立ち会ったから、感動してしまって、泣いてしまったわ。

それを和気さんは肩を叩いてハンカチを渡してくれて・・・。



ほんと仲のいい夫婦って感じ・・・。

もちろん代議士夫人で私が一番若いの。その次はお姉ちゃん。



11時には当選が出て、ホントに万歳!!!

そして私と和気さんで手を取り合って必勝達磨にもうひとつの目を入れたのね・・・。

私たちは満面の笑みで見つめ合っていたの・・・。



えへへ・・・。

やったね和気さん。

これからもがんばってね・・・

ときめきアナウンサー日記(仮) 第8章 選活珍道中日誌 (4)がんばれ和気さん!
 なんとか風邪を乗り越えた和気さん。もう本当に追い込み状態!投票日まであと三日。今日は総理大臣である私の伯父様が、和気さんの選挙区に応援演説。もちろん大反響!!!私はもみくちゃにされながらなんとか応援演説は終了したの。伯父様にきちんとお礼を言って伯父様は次の選挙区へ・・・。ホントにお忙しい方・・・。




 私は局アナ日記というものを入社以来書いているというか書かされているんだけど、もちろん私の選挙のお手伝い風景なども更新している。選挙活動珍道中って言うのかな・・・。もちろん上司もこの日記を楽しみにしているみたいね・・・。ホントひとつの企画になりそうよ・・・。私だって次の選挙のために記録用として写真や映像として取っているのよね・・・。日記もつけている。その一環が局アナ日記ってわけ・・・。局の機材借りてドキュメンタリータッチに編集してみようかしら・・・。なんて・・・。


 ここんとこ和気さん朝一に和気さんのお父様やお兄様に栄養たっぷりの注射を打ってもらうのが日課になっているの。そのおかげか、朝から晩まで元気。元気すぎて・・・。私ももちろん一生懸命和気さんやスタッフの人たちのご飯を毎食作っているの。みんなおいしいおいしいって言ってくれて私も作り甲斐があった。

 そんなこんなで投票日前日・・・。私はもちろん和気さんと一緒に最後のお願いを・・・。もちろん反応も返ってくる。



敵の候補とすれ違っても私はきちんと相手を称えて、「がんばってください!」って言う。もちろんこれは礼儀だと思っているから。



駅前にたってもちろん和気さんと一緒に最後のお願い。もちろん私だって候補者の妻としてマイクを取って最後のお願いをしたもの・・・。もちろん街頭に集まった人たちの暖かい拍手に囲まれながら、本当に最後、選挙事務所前で、集まった人たちに最後のお願いを・・・。手を取り合って有権者の頭を下げて、がんばってきたんだもの・・・。いい結果が出ると思うよ・・・。




ホントに長いようで短い選挙運動期間だった。



夜、久しぶりに同じお布団の中に入って、寝ちゃった・・・。夏のとても暑い時期だけど暑いというよりも和気さんに腕枕をされて眠って本当に幸せな夜だった。明日、結果が出るんだよね・・・。もしだめだったら?


「彩子、大丈夫だから・・・。俺たちいっぱいがんばったよね・・・。もし落選しても俺は悔いはないよ。ま、弁護士に逆戻りになるな・・・。ま、そういうことは考えないようにしようよ・・・。」




そういうと和気さんらしくキス・・・。もちろんそれ以上のことはなかったけどね・・・。でも私たちはそれだけで満足だったの・・・。


 朝はゆっくり寝させてもらった・・・。もう今日は運動しなくていいもんね・・・。昨日二階堂さんたちスタッフに言われたの・・・。来るのは昼過ぎでいいって・・・。ゆっくり体休めて夜の備えたらいいって・・・。



ホント久しぶりに和気さんとごろごろしてまぶしい太陽の光を浴びていたの・・・。



実はうちの事務所の前の会館は投票所なんだよね・・・。朝早くから続々と投票をしに来る人たち・・・。それをそっと窓から眺めながら、2人は緊張・・・。テレビをつけるとやはり総選挙の話題ばっかりで・・・。




「やっぱり気になるよ・・・。選挙事務所に行こう!!!」


って和気さん。もちろん私も気になる・・・。今日、私たちはスーツを着込んで地元事務所を出たの・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第8章 選活珍道中日誌 (3)選挙中盤での出来事
投票まであと数日・・・。さあ追い込みって時になんだか和気さんの表情がおかしい・・・。




「和気さん、大丈夫?」
「ん?大丈夫だよ・・・。心配しないで・・・。さ、がんばるぞ!!!」


元気そうに振舞う和気さん・・・。ちょっとふらついているのは私でもわかる・・・。

昼休みに戻ってきた和気さん・・・。

席について溜め息・・・。

私の作ったおにぎりを見つめながらも、手をつけないんだもの・・・。

やっぱり変だよね・・・。



私は和気さんの隣に座って和気さんの額を触ってみる。やっぱり熱い・・・。熱がある。こんな時に限って和気家の人たちはいなかった・・・。




「和気さん、熱あるよ・・・。ちょっと横になれば?」
「そんな時間はないよ・・・。そうだ、薬箱の中に解熱鎮痛剤が入っているから・・・。」
「とりあえず、何か食べてよ・・・。」


和気さんはなんとかおにぎりをひとつ口にほおばって、くすりを飲み、少しいすにもたれこんでいた。そしてふらつきながらも気合を入れて選挙事務所を出て行ったの・・・。



本当に私、心配で・・・いろんな後援会の人がやってきていろいろ話をするときも少し上の空・・・。



私は料理上手のお姉ちゃんにいろいろ精のつくメニューを教えてもらって地元事務所のキッチンで夕飯を作る。ちょっと食べることが出来るかどうかわからないけど・・・。あとあっさりしたものも作ったわ・・・。つるっと入るそうめんやデザート・・・。デザートはゼリーとかプリン・・・。ホント和気さんが食べることが出来そうなものを・・・。スタッフの人数分プラス後援会の方が来たときのための分数十人分・・・。相当時間がかかって、選挙事務所に運ぶの。



もちろん二階堂さんも和気さんの異変に気がついたみたいね・・・。薬局に走って栄養ドリンクや栄養補給ゼリーとかかって選挙カーに乗せて休憩時間に和気さんに飲ませてたって・・・。



本当に和気さんはこの1日気力で演説とかを乗り切ったみたい・・・。夜8時に帰ってくるなり、ソファーに倒れこんでしまったのよ・・・。


とりあえず私はスタッフの人たちにご飯を振舞って和気さんを連れて地元事務所に戻ったの・・・。




「ごめん、彩子・・・。いろいろ気を使わせてしまって・・・。」


何言うのよ・・・。夫婦なんだから当たり前でしょ・・・。

ホント和気さんは真っ赤な顔をしてはあはあ言いながら布団に入って眠っていた。熱を測ると39度以上。



今日一日ろくなもの食べていないし、これでは明日だめだと思って和気さんのお父様に電話したのね・・・。そうしたら急いで往診してくださって・・・。意識朦朧としている和気さんを診察・・・。




「風邪と過労だね・・・。点滴ににんにく注射液、抗生物質を入れておくよ。これで少しはもつと思うけれど・・・。また明日の夜同じものを点滴するから・・・。」


ホントにこういうとき、お医者様が身内にいるっていいことね・・・。特にお父様は内科の医師だから・・・。




「彩子さんもきちんと休みなさい。泰明はこれで一晩眠ったら楽になるだろうから・・・。また朝方こちらに来るよ。この点滴が終わる頃にね・・・。」


私はお父様にお礼を言ってお父様を車まで見送ったの。




「今夏風邪がはやっているから、彩子さんも気をつけて・・・。」
「はい・・。」


ホントに助かった・・・・。朝方には和気さんの顔色もよくなってぐっすり眠っているの・・・。熱もなんとか下がったのよね・・・。今日は私が横について鶯嬢をすることに決めたの・・・。そして選挙事務所はお母様に任せて・・・。和気さん無理しないでね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第8章 選活珍道中日誌 (2)出陣!!!!
朝5時起床!!!

私は1時間ぐらいしか寝てないよ・・・。

和気さんと二階堂さん、そして私はしっかり私の作った朝ごはんを食べて身支度を整える。



今は7月中旬・・・。やっと梅雨が明けて蒸し暑い・・・。



今日は後援会の人達がいっぱい集まっての出陣式だからもちろん夏用のスーツ。

私も爽やか系のスーツを着ていつものアナウンサーメイクじゃなくって薄化粧・・・。

今回から和気さんはメガネを取ることにしたの。もともとプライベートはしていないんだし・・・。もちろんコンタクト。まあいうイメチェン!!!髪型もさっぱりさせて着る服も私が選んだりした。



もちろんクールビズ!!!若い爽やかさをイメージしてみたんだけど・・・。どうかな・・・。まあ今日は出陣式だからスーツだけど・・・。



朝7時に選挙事務所につく。もうスタッフは30分前に揃っている。まだ出陣式1時間前だというのに、ずいぶん後援会の人たちが集まっているの・・・。



和気さんが選挙事務所に到着するなり、「がんばれよ!」って肩を叩いたり背中を叩いたりしてくれる・・・。和気さんも緊張しているみたい・・・。必勝達磨を見つめながら、溜め息をつく・・・。


「ああ!緊張する!!!」


といって和気さんは私の耳元でこっそりキスお預け宣言撤回をする・・・。

まあそれで緊張がほぐれてリラックスできるんなら構わないけどね・・・。ここではできないから、今日終わったらね・・・。


さ!ついに出陣式開始5分前!私は白手袋を渡し、和気さんの格好の最終確認を・・・。



やっぱり注目の代議士だから?地方局のテレビクルーや新聞社が入っている。もちろん私の局の系列局も・・・。



私は鶯嬢(?)兼候補者の妻・・・。時間が来ると、私が出陣式の司会をする。


「それではただいまより、衆議院議員候補和気泰明の出陣式を開始させていただきます!」


出陣式の開始!和気さんの演説、後援会の会長のご挨拶、そして私と和気さんが手を取り合って達磨の片方に目を入れる・・・。



出陣式が終わり、和気さんは選挙カーに乗り込んで出陣!!!

私は後援会の人たちにご挨拶をしないといけないから、手を振って和気さんを見送ったの・・・。


「がんばって!和気さん!」
「んん!行ってくるよ彩子・・・。」


和気さんも手を振ってくれて、車が動き出した・・・。

ホント前回の選挙と違う・・・。

前回は突然の出馬要請による嫌々の出馬・・・。

でも今回はなんて生き生きした目なんだろう・・・。



きっといい結果が出るよ。今まで一生懸命やってたんだから・・・。

信じあえばきっといい結果が出るに決まってるから・・・。

がんばってね!和気さん!

ときめきアナウンサー日記(仮) 第8章 選活珍道中日誌 (1)選挙運動開始!!!
 ついにやってきた選挙運動開始!

私は運動開始日の前日から休みを取り、和気さんの地元、兵庫にやってきた。



期限は7月29日選挙の次の日まで・・・。この日のために、有給を全部使い、休日返上の仕事・・・。なんと14日も取りました。もちろん条件あり。
局名を利用しない。無給(当たり前よ!)。そして8月1日からの局イベントに参加!!!!ホント7月に入ってから休みという休みはなかったのよね・・・。まあ旦那様の選挙活動のため!!!!休みをいただけただけでも良しとしなきゃ!!!


 和気さんは選挙ポスターの番号を取るために意気込んでいた。もちろん願うは1番!!!

もちろん今回も前回の選挙と同じく、与党、野党第一党、無所属の戦い。



和気さんはくじ運がいいのかな・・・。また前回と同じ1番くじ。

和気さんは選挙掲示板の1のところにポスターを貼れるのよ。



今回の選挙は県議会議員選挙も同日行われることになっているから、地域の有権者は騒がしくってしょうがないでしょうね・・・。


 選挙活動開始の前日。和気さんの選挙事務所の立ち上げ会。もちろん半月前には準備していたんだけど、明日の朝は後援会の人達がいっぱい集まって朝早くから出陣式。いろいろ大変・・・。


 選挙事務所のスタッフは平均年齢が若い。みんな同世代。

出陣式の前日スタッフ数十人が集まって私の手料理で一種の飲み会状態。明日は8時から出陣式をしたあと、選挙運動開始だから、早めにお開きになったから助かった・・・・。



もちろん事務所には和気さんのお母様、お兄様のお嫁さん、親戚の方々が入れ替わりお手伝いをしてくれることになっているから助かる。

私は候補者の妻・・・。

それなりに表に立って、和気さんの補助をしないと・・・。



前回同様東京比例選挙区で出馬している弐條のお兄さんは頃合を見て応援に来てくれるという・・・。もちろん弐條のお兄さんのお父様である元首相は芦屋の選挙区から出馬。そちらにも応援に行くらしいのよ。そうそう、私の母方の伯父様である首相も応援演説に来てくれるって・・・。もちろん県議会議員候補の人と一緒にだけど・・・。



ああ、はじめての選挙の手伝い・・・。

前回はまだ私たち結婚してなかったよね・・・。

結婚前提に付き合っていたけど・・・。

ああもうあれから4年か・・・早いな・・・。

ということは、来年のお正月で入籍4年か・・・。結構短い4年だ・・・。


 私たちは選挙期間中地元事務所で泊まりこみ・・・。もちろん執務室に布団しいて・・・。布団は2枚用意したけど、やはりなんだかんだ言って一緒の布団で寝てたりなんかして・・・。


「彩子、明日からがんばろうな!!!」
「うん。」


すると和気さんは長い長いキスを・・・。


「さ、これで結果が出るまでキスはお預けや!!!お休み!明日は5時起きやで!!!」


といって和気さんはすぐ眠ってしまった・・・。

私はというと緊張してやっと寝たのは朝方4時・・・。

やばいよね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第7章 柳生日誌 (下)あれ?!
 ああ、俺ははしゃぎすぎたのかな・・・。



あの結婚特集の収録の次の日、熱を出し欠勤・・・。次の日もまた次の日も・・・。

有休が~~~~って感じ・・・。

するとめずらしい人からの携帯がなる。


『柳生君?生きてる?』


この声は和気さんだ・・・。生きてる?って言葉は余計だよ・・・。


「何?」
『風邪?珍しいよね柳生君が休むなんて・・・。ちゃんと食べてるの?』
「ん?なんとか冷蔵庫のものとか缶詰とか・・・。」
『え?よくないよそんなものじゃ・・・。なんか食べたいものとかある?』
「温かいものが食いたい・・・。」
『電子レンジある?』
「んん・・・。」
『今日ね、部長に書類届けるように言われたからそっちに行くからね。夕方になるけどいい?』


え~~~!和気さんがうちに来るって???



俺は重い体に鞭打って、慌てて部屋を片付ける。

俺の壁には北野彩夏のポスター貼りまくりだし・・・。本棚には北野彩夏の写真集・・・。もちろん雑誌のスクラップブックも多いし・・・和気さんに見つかったら・・・。



でも体がダウン・・・。ポスターを剥がすのは無理だった・・・。また俺はベッドに倒れこむ。



ああ最悪・・・。



どれくらい眠ったのかな・・・。玄関のベルで俺は目覚める。時間は6時・・・。



やばいポスターが!!!



俺はふらふらしながら玄関へ・・・。ドアを開けると立っていたのは・・・。狭山紗希・・・。何でお前がくるんだよ・・・。眩暈がしそうだ・・・。


「和気さんは?」
「和気さんね急な取材が入ったの!それも柳生君の仕事よ!だから私が代わりに・・・。ちゃんといろいろ持ってきたのよ。入るわよ。」
「ああ・・・。」


狭山さんはいろいろ荷物を持ってきている。書類はもちろんクーラーボックスまで・・・。狭山は書類を俺に渡すと、荷物の開封・・・。


「この料理みんな彩子ちゃんが作ったんだからね・・・。それと、レシピもらったから、野菜スープを作るよ。キッチン借りるね・・・。」


狭山はエプロンをつけて、和気さんが書いたレシピを片手に料理をする。俺は和気さんが作った料理をひとつひとつ確認・・・。もちろん手紙付で・・・。


「柳生君へ。今日は急にいけなくなってごめん。いろいろ作っておいたから、冷凍庫に入れて、一食分ずつレンジでチンしてください。 和気」


中身は炊き込みご飯とか、煮物、焼き物いろいろ・・・。ホント家庭的なメニューで、やはり既婚者は違うななんて思ったんだ。



狭山の話によると、和気さんは局内の炊事場かなんかを借りて作ってくれたらしい・・・。それも昼休みや休憩時間を使って・・・。狭山は四苦八苦しながら料理をしている。でもなんとかできたみたいで、満足げに俺のところに運んでくる。


「最近彩子ちゃんにお料理を教えてもらっているんだ・・・。これはね、毎晩彩子ちゃんが旦那様の朝ごはん用に作っている野菜スープらしいの。彩子ちゃん朝早くて旦那様にご飯作れないでしょ・・・。彩子ちゃんところの朝ごはんはこれと、パンとコーヒーなんだって。今回は特別に元気になるようにニンニクを入れたらいいって彩子ちゃんが特別にレシピを教えてくれたのよ。」


和気さんのレシピか・・・。狭山の野菜の切り方はまだまだだけど、やはり和気さんのレシピ・・・味はうまい。ま、これが和気さんの手作りだったらもっと美味いかもしれないけどね・・・。



狭山は俺の部屋をじろじろ見ている。あまりじろじろ見んなよな・・・。部屋中北野彩夏のポスターだらけなんだからな・・・。

北野彩夏の唯一の水着のグラビアポスターや企業宣伝物のレア物まで・・・。

極めつけは多分和気さんは覚えていないであろう、JRAのイベントの抽選で当たった直筆サインつきの北野彩夏のキャンペーンポスター。あの時はちゃんと握手もしてもらって・・・。



案の定狭山は俺のほうをじっと見てにやけている。


「ああ、柳生君がアナウンサー試験をなんとなく受けた理由がわかっちゃった・・・。」
「なんだよ・・・。」
「お目当ては彩子ちゃんだったんだ・・・。でも残念だったね・・・既婚者だもんね・・・。」


狭山言うなよ・・・。わかってるって・・・俺は内定もらって浮かれている時に北野彩夏の入籍と結婚を知らされ、もう内定を断ろうかなんて思ったときがあったんだから・・・。


「和気さんには言うなよ・・・このこと・・・。」
「どうしようかな~~~~。美貴ちゃんに話したら笑うかもね~~~。美貴ちゃんも知りたがってたしね。口止め料ちょうだい!」


俺は熱のためか、どうしてか知らないけれど、狭山にキスを・・・。狭山は突然の俺のキスに顔を赤らめて固まってたんだよね・・・。


「風邪・・・移っちゃうじゃん・・・。」


なんていいながら狭山は俺にキスしてきた。そのまま俺は狭山を押し倒してたんだ。そして狭山を・・・。

ま、狭山は和気さんと同じくらいかわいいやつで・・・。結局体調の悪さから最後までって言うのは無理だったんだけど、朝、俺の横には狭山がいたんだよね・・・。



なんと朝になるとあれほど下がらなかった熱が下がっている。気分もだいぶん楽だ・・・。昨日のスープのおかげか、それとも・・・?気がつくと6時・・・。


「狭山、お前今日休みか?」
「今何時?」
「6時。」


狭山は俺のベッドから飛び起きて、服を着るんだ。


「きゃ!今日は定時出勤!!!柳生君、昨日の口止め料ありがとうね。でもわたしは・・・。」


なんて真っ赤な顔をして部屋を飛び出していった。

あれ?

俺って狭山になんてことをしたんだろう・・・。

なんとも思っていないはず・・・。



やはり男って弱っている時にやさしくされるとだめだね・・・。



俺はシャワーを浴びて昨日狭山が作ってくれた野菜スープの残りを食べて久しぶりに出勤したんだ。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第7章 柳生日誌 (上)おお!!和気さんの○○姿~~~ 
6月はじめ、番組企画の収録でいい体験が出来た。それは6月の結婚特集!!!6月といえばジューンブライド・・・。



ほんの10分程度の企画なんだけど、なんと今年の人気ドレスの発表の際に、和気さんがモデルになるんだ!!!

(狭山と新人の斉藤さんもだけどな・・・)



俺はタキシードを来て、彼女たちをエスコートする役目・・・。

ああ番組企画ものでも和気さんと・・・なんて打ち合わせの時に上の空・・・。もちろんプロジューサーやディレクターに怒られたのはいうまでもない。



和気さんたちはどのドレスがいいかキャッキャ言いながら選んでいる。

ま、俺は決まっているからいいんだけどな・・・。




「紗希ちゃんはこれがいいよ・・・。このプリンセスラインなんかいいよね~~~~斉藤さんはやっぱりAラインかな・・・・。」


やっぱり元カリスマモデルの和気さん。的確に2人の似合うタイプを選んでいくんだよね・・・。でも和気さんは何を着ようかと悩んでいる。俺はこれがいいんじゃないって和気さんに合わせてみる。




「マーメードラインかぁ・・・。ちょっとラインがねぇ・・・自信ないな・・・。ほとんどのタイプ着たしな・・・。」
「和気先輩、スタイルいいからきっとお似合いですよ!」
「そうかな・・・紗希ちゃんどう思う?」
「うん!彩子ちゃんは細いもんね・・・。いけるいける・・・。」
「ちょっと胸の露出がね・・・。肩が・・・・。ブライダルエステに行かないと・・・。」
「あ、わたしも!!!一度行って見たい。」


その話で、なんか知らないけれど3人はブライダルエステの体験をする企画が出来たらしい・・・。やはりこういうの男は蚊帳の外だね・・・。ま、俺は楽でいいけど・・・。




ついにきた!ドレス収録。俺は前日からなぜか緊張して眠れなかった・・・。和気さんのマーメイドラインのウエディングドレス姿を想像するだけでわくわくして・・・。



リハーサルの時はまだ着ていない状態で立ち位置とか、動き方などをリハーサル。

まずまずだな・・・。

本番が楽しみだ・・・。

 ついに本番、台本やリハ通りに進み最後は和気さんの出番・・・。

俺ははじめてここで和気さんのドレス姿を拝めるわけで・・・。

ついに出てきた和気さんのドレス姿・・・。



想像以上に綺麗で・・・。俺は和気さんの細い手をとり、エスコート。和気さんはほんのり顔を赤らめて、一歩一歩階段を下りる・・・。



やはり元モデルだよね・・・。歩き方や姿勢は完璧!!!つい俺は和気さんと結婚するんじゃないかと錯覚・・・。



やはり白い肌の和気さん・・・。ドレスが映える。そして大きすぎず小さすぎない丁度理想的な胸のライン・・・。そして背中から腰、そしてヒップのラインなんかたまらないって感じ・・・。もう・・・このまま奪い去りたい。




「何度着てもいいですね・・・。」


って言う和気さんの言葉・・・。

じゃあ俺のために着てくれって突っ込みそうになったよ・・・。



ま、それは無理か・・・。



でもこうして夢にまでみた和気さんのドレス姿・・・。

超嬉しかったよ・・・。

和気さんが代議士と挙式した時のドレス姿をみたんだけれど、やっぱりこっちのドレスが一番似合うよ・・・・。

和気さんじゃないと着こなせないって。

ホント運がいいよね・・・。

これも今年初めの福男効果かな?


ときめきアナウンサー日記(仮) 第6章 後輩! (4)風間美和の復讐!
 何で私がテレビ局じゃなくってラジオなのよ!!!

信じらんない!!!

何のためにパパに頼んで少し有利にしてもらったんだか!!!

きっとあのひとつ先輩の元タレント和気彩子もズルして入ったのに違いない!!!

だって超売れっ子タレントの上に、旦那が国会議員でしょ!!!きっと難なく入ったはずよ!!!

きっと私がラジオ局に飛ばされたんだって、和気彩子の差し金よ!!!

絶対復讐してやるんだから・・・。何がいいかしらね・・・。


 私はいろいろ考えたの。やはりあれしかないって!

和気先輩の大事なものをとっちゃうんだから・・・。

大事なものってわかるでしょ?

そう旦那の和気泰明代議士・・・。

ちょっと私の趣味には合わないけれど、与党内でおしどり夫婦として有名な二人を引き裂いてやるんだから!!!

見てなさいよ和気彩子!


 私は行動にでたの!うふふ・・・。


「ねぇ、パパ・・・。今度党の決起大会行ってもいい???」


もちろんうちのパパは一人娘の私に超甘いのよね・・・。これからの勉強のために行きたいって言ったら、もちろんいいよって・・・。うちのパパは今度4期目当選を目指す代議士・・・。何も官職がない代議士だけど、地道に活動しているのは確か・・・。



うちのパパ、第1期目当選で内閣総理大臣補佐官に抜擢された和気代議士を良く思っていないのは確かよ・・・。でもバックに有力幹部議員の文科省大臣平氏がついているからって親子ほど下なのにへこへこしてる。



そういうこともあったし、何もかも上手くいっている女子アナ和気彩子のことを私はよく思っていないわけ。


 決起党大会当日。私は友達以上恋人未満のカメラマン志望の男の子に言って決起大会会場前に待たせたの。


「いい?私とある男が出て来たら何でもいいから写真を撮るのよ!!!わかった???うまくいかないともうつきあってやんないからね!!!」
「わかったよ・・・。撮ればいいんだろ?」
「もちろん、はっきりきれいに撮るのよ!!!上手くいったらちゃんと御礼はするから!」


これで準備万端かどうかはわからないけれど、きっと私は和気代議士を誘い出して一緒にいるところを撮らせるんだから!!!


 ついに始まった総選挙の決起集会!いろいろお偉いさんの長いウザイ話が終わったあと、乾杯!乾杯の音頭は和気代議士・・・。すごい優遇・・・。乾杯のあと、立食形式の食事が振舞われて、選挙に関連する参加者はワイワイガヤガヤと話している。



ああつまんない・・・。

終盤になってチャンス到来!!!

和気代議士が私のパパに挨拶にやってきたの・・・。

どう聞いても社交辞令ばかりの内容・・・。まあ派閥が違うわけだから・・・。


「風間さん、そちらは?」
「娘の美和です。この春からラジオ局のアナウンサーをしています。確か和気君の奥さんもアナウンサーでしたよね・・・。」
「はい、FTVの女子アナ2年目でして・・・。」


すごい照れ方・・・。相当お熱って感じかしら?

すると携帯のベルが鳴るの。


「あ、失礼します・・・。」


メール・・・。


「あ、もうこんな時間・・・。申し訳ありません・・・ちょっと私的な事情でもう退席を・・・。」
「そう・・・。もう帰るのかね?」
「ええ・・・。では失礼します・・・。」


和気代議士は頭を下げて急いで会場をあとのするのよ・・・。私も行かなきゃ!


「パパ、私急用ができたから帰るね!!!ありがとうパパ!!!」


私はパパにハグ・・・。

ハグをするとパパはもう満足って感じで手を振って見送ってくれたの。



早く急がないと!!!

上手くいくかな・・・。


会場の玄関を出て、和気代議士は永田町の駅を目指している。

やっぱり思ったとおり・・・。



あまりタクシーを利用しない、もっぱら地下鉄ってリサーチは本当だった・・・。



私は予定通りの場所で声をかける。

「和気さん!」
「へ?」


和気代議士は振り返る。



あれ?

何でメガネを取ってるんだろう・・・。



メガネを取った和気代議士の顔、結構思ったよりもいい男かも?



私は振り返った和気代議士の胸に飛び込む。

突然の私の行動に、驚いたみたいで・・・。

固まっている代議士・・・。


「私実は和気さんのファンなんです!!!」


なんていって和気代議士の頬にキス!!!ちゃんと撮れた????


「何するんですか!と、突然!!」


動揺しながら私を引き離す。


「私和気さんが好きなんです!」
「お断りします・・・。私には妻がいますし、妻以外は興味がないから・・・失礼!」


そういうと真っ赤な顔をして永田町のほうへ走っていった。



ふうん・・・なんてかわいい表情をするんだろ・・・。

今までの男にこんなやついなかったわ。

ちょっと興味あるわこの男・・・。

和気彩子は趣味悪いって思ってたけど、なんかわかるような気がするかも?

母性本能をくすぐるっていうか・・・。



さ、後はばっちり撮れているかが問題よ・・・。


で、カメラマンに詰め寄ってみたら・・・・。綺麗に撮れてないじゃん!!!これじゃ和気代議士か判別できない!!!何のために好きでもない男と・・・・。



ああ、ついてない!!!

今回の計画は失敗!!!



もちろんこのカメラマンとの関係はバイバイってことで・・・。

今度こそぎゃふんって言わせてやる!!!!

ときめきアナウンサー日記(仮) 第6章 後輩! (3)風間美和の配属先
 相変わらずの猫かぶりよう・・・。もちろんそれは上司には見抜かれていたわよね・・・。


なんと彼女の配属先!!!!聞いて驚いたわよ・・・・。前代未聞かもしれない!!!新人なのに・・・・。

なんと系列のラジオに出向・・・。ラジオ局アナからのスタートってこと・・・。その理由を聞いて驚いたの・・・。


「テレビ向きじゃない。」


って、口ばっかりの女だったってことよ・・・。

口では言えても、研修ではカメラに映るための立ち位置とか表現とか、まったく出来なかったってことかしら?原稿読まないと読めないとか?実際どうしてかはわからないけど・・・・。ざまあ見ろって感じかしらね・・・。



彼女は信じらんないってぼやきながら、荷物を持ってラジオ局のアナウンス部へ出向して言ったわよ。それと入れ替わりで、私と同期の男性アナが入ってきたわけ・・・。


「俺のほうがかっこいいよね・・・。」


という柳生君。

ま、新しくやってきた武田君は同じ年と思えないくらい老けてるし・・・。

めがねかけて真面目そう・・・。

もちろん報道なんだよね・・・。

感じ的に言ったら和気さんに近いかもしれないけれど、でも和気さんのほうがかっこいいかも・・・。



和気さんは目も大きいし、二重・・・。

武田君は目が細めで一重・・・。がり勉クンっぽいところは似ているかもしれないけれど・・・。



でも違う・・・。


「彩子、紗希、柳生君聞いて!あの風間さんの正体わかったよ!」


何、何???


さすが情報通だね・・・美貴ちゃんは・・・。



なんとお父さんは和気さんとは派閥違いだけど与党の代議士さん。

お母さんは元国営テレビの女子アナ・・・。

だからああいう事だけは言えるんだね・・・。

ということは和気さんと同じ衆議院議員なんだね・・・。



さすが国会記者の美貴ちゃん!

もしかして特に私に対して敵意を持っていたのは、お父さんと同じ衆議院議員の和気さんが私の旦那様だから?

それも和気さんは天下の内閣総理大臣補佐官だからかな????



なるほどなるほど・・・。そうすれば筋が通るかもしれない・・・。うんうん・・・。

ああこれでのんびり通常通りの業務に戻ることが出来るわぁ・・・。

和気さんは通常国会終わったし・・・・。

これから怒涛の選挙準備が始まるね・・・。

だって選挙日が決まったんだもの・・・。



選挙日は7月28日。

あとひと月ちょっと・・・。



そういうことで私は7月15日あたりから早めの夏休みをもらえるように申請しておいたのよ・・・。



さ、6月末で朝の番組降板だし・・・。7月からは8時からの情報番組お天気担当が決まっている。



がんばらないとね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第6章 後輩! (2)猫をかぶった後輩・風間美和
 6月に入り、新人アナ研修も佳境に入る。



もちろん私が司会をする番組の収録見学もある。

今年の新人ってどうなんだろ・・・。

なんか私が新人の時と違うのよね・・・。なんとなく勘というか・・・。



収録が終了し、出演者全員にご挨拶をしたあと、アナウンス部へ戻る時、うちの局の後輩の横を通り過ぎる際、信じられない言葉を聞いた。


「あんな司会サルでも出来るわ・・・。」


何なの?この子???

聞き間違い???

いや違う・・・。確かに聞いた・・・。



私は台本ほとんど覚えて、アドリブもきちんとできて、笑顔だって・・・。模範的な司会をしてたつもりよ・・・。ひとつもかんだりしなかったわよ・・・。



私は言ってやったの・・・。


「じゃ、次はあなたがやれば?」


って微笑みながらね・・・。


「キッツい言葉・・・。いい気になってんじゃないわよ元カリスマタレントだからって・・・。」


ホント私は切れそうになったわよ・・・。ま、相手にはしなかったけどね・・・・。



アナウンス部に戻ると、紗希ちゃんが泣いてたの・・・。


「どうしたの?紗希ちゃん・・・。」
「彩子ちゃん!!!」


明るい紗希ちゃんが泣いて私に抱きつく。


「珍しい・・・紗希ちゃんどうしたの?」
「さっきね、うちの新人の子に馬鹿だって言われたの。最低の馬鹿、私みたいな女子アナがいるからって、うちの局は馬鹿アナばかりだって言われるんだって・・・。もう悔しくって・・・。」
「ホントあの子何様?私も言われたわよ。あんな司会サルでも出来るって・・・。放っておいたらいいのよ・・・。きっと罰が当たるわよ・・・。」


すると美貴ちゃんまでぷんぷんに怒って入ってくる。


「聞いて!あの風間って言う新人!私になんて言ったかわかる?」
「何、何?」
「あのね!国会記者アナして何が楽しいの?婚期逃すわよね・・・。だって!!!なんなの!!!」
「でもあのこって私たちより上の先輩にはへこへこしてたわよね・・・。」


私たちはキレまくり状態・・・。

ホント私たちだけ・・・・。

柳生君はどうなんだろ・・・・。



もう5時が過ぎ、新人2人はデスクに戻ってきた。と同時に柳生君がプロ野球の取材から帰ってきた。


「ただいま戻りました・・・。」


そういって私の隣のデスクに座る。するとあの新人アナが柳生君にお茶を・・・。


「お疲れ様でしたぁ。柳生先輩、お茶どうぞぉ。」
「あ、ありがとう気が利くね・・・。」
「そんなぁ・・・当たり前なことをしただけですぅ・・・。」


何なの?私たちと話すときと声のトーンが違う!!!

態度も違う!!!

やっぱりこの女、私ら先輩3人をターゲットにしてるんだ・・・。

もちろんこの態度の違いに紗希ちゃんも美貴ちゃんも驚いてたけどね・・・。

「柳生先輩って上智なんですね・・・。美和と一緒なんですねぇ。美和も上智なんですぅ。」
「そ、今仕事中だから話しかけないでくれる?」
「え~~~~。」


柳生君相手にしてないね・・・。無視して黙々と取材内容をまとめてるんだもの・・・。

私は思わずプッと噴出しそうに・・・。

それを見たこの新人は私をにらみつけるのよね・・・。

柳生君は自分のノートパソコンに何か打ち込んでいると思うと私のパソコンにメール・・・。


『和気さん、あの新人どうにかしてくれ。気持ち悪いぞ・・・。』
『あの子結構猫かぶっているのよ・・・。私や紗希ちゃん、美貴ちゃんの前では結構きついこというんだから・・・。無視が一番・・・。』
『え~~~~~~そうだったの???わかった無視しておくよ・・・。サンキュ和気さん。今日定時上がり?』
『うんそうだよ・・・・。何?』
『いや、何もないけどね・・・。俺は深夜まで仕事・・・。もうくたくただよね・・・。』
『お疲れ様です。じゃ、もうそろそろ帰るね・・・。』
『お疲れ~~~~また明日ね~~~~~といっても休みか・・・残念・・・。じゃあな。』


私は帰り支度。いつものように、「じゃ、失礼します!」っといって出勤表の表示を帰宅に変える。

そして明日明後日は休み(都内にいません。兵庫県宝塚にいます。)と書き加える。

もちろんこれは和気さんと地元に帰るわけで・・・。そろそろ選挙の準備をしないといけないからね・・・。

下準備のお手伝い・・・。通常国会が終われば和気さんはさらに忙しくなるもんね・・・。


 私は例の新人の後ろを通る。


「定時上がりに土日休み???いいご身分ね・・・・。」


無視無視・・・。あんた知らないでしょうけど、私は平日朝5時出勤なのよ・・・。

12時間半働いてるんだから・・・。何かない限りこの時間・・・。



ホントむかつく~~~~~~。



もちろん新人さんも定時上がり・・・。



あと一人の新人斉藤若菜さんはホントにいい子で、青山学院出のいいところのお嬢さん。おとなしくって気が合うのよね・・・。

自宅も恵比寿だから帰りはだいたい一緒で、恵比寿まで一緒に帰るの。



きっと同僚があんな子だから苦労してるよね・・・。

でもひとつも愚痴をこぼさない彼女さすがお嬢だわね・・・。



どうにかして欲しいわ・・・風間美和・・・・。



私と同じような仕事ならなきそうよ・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第6章 後輩! (1)後輩が入ってきた!!
 もうそんな季節なんだね・・・。

私が入社して1年・・・。

後輩が入ってきたの。



今年の採用は2人・・・。

女の子ばかり・・・。

柳生君は男の後輩がいないってぼやいてたけど・・・。

いいんじゃない?かわいい後輩が出来て・・・。



今はまだ同期入社の子達と入社研修の真っ最中・・・。ゴールデンウィーク明けにはこっちに配属されてくる。でも更なる新人研修なのよね・・・。懐かしいな・・・。


 私はいまだ朝のお天気お姉さん・・・。昨年末までの予定が好評だからと延長・・・。一応6月末までの予定になったの・・・。まあ嫌いなことじゃないからいいんだけど・・・。朝早起きが大変なんだよね・・・。

さらにこの4月からレギュラーが一つ増えちゃいました・・・。なんとバラエティーの司会・・・。クイズ番組の・・・。生じゃないだけましかもしれないんだけど、収録が伸びたら家に帰れないじゃない・・・。


私はこの春、有給休暇を使わなかったの。

なぜって?もちろん夏に予定されている和気さんの総選挙出馬のためよ・・・。

有給休暇をたくさん使って地元でお手伝いをするの・・・。

もちろん今から部長に言っておかないと・・・。




「あの・・・部長。」
「何?和気君・・・。」
「あの、8月中旬から末にかけてお休みを頂きたいのですが・・・。」
「どうして?」
「あの・・・主人の総選挙のお手伝いを・・・ですからはっきり日程はわからないのですが・・・10日間ほど休みを・・・。」


一応聞き入れてもらったんだけど、本当に休みがいただけるかわからない・・・。でももらえたらラッキーだよね・・・。


 実は今和気さんと夜寝る前一緒に体力づくり・・・。

ジョギングしてるの・・・。

やっぱり選挙は体力勝負・・・。

今のうちに体力つけておこうってことで・・・。

するとよく夜の眠れること・・・。夫婦で何かするっていいかもね・・・。



そのおかげかなんか知らないけど、春の系列局女子アナ運動会って言うスペシャル番組で優勝しちゃいました・・・。

商品は海外旅行・・・。

期限はいつだろ・・・。

本当なら和気さんと行っていない新婚旅行に行きたいなってとか思うんだけど・・・。



もう紗希ちゃんったら欲しい欲しいって・・・。

この夏で有給休暇を使っちゃうんだもんね・・・。

行けないような・・・。




 ゴールデンウィークが終わり、さあ後輩が入ってきた。目を輝かせて・・・。そういえば私もそうだった・・。ホントに可愛らしい感じの後輩・・・。柳生君は朝からなんだか落ち着きなし・・・。でも後輩達が研修に行った途端・・・


「大したことないじゃん・・・期待して損した・・・。」
「どうして?」
「俺の基準は、和気さんや狭山さんなんだ・・・。今年はもうひとつだな・・・。」




なんて・・・。紗希ちゃんなんて柳生君の言葉に大喜び・・・。いや~~~んなんて・・・。


「狭山、お前は相変わらず馬鹿だな。社交辞令に決まってるだろ。後輩に馬鹿にされないように気をつけろ。お前は抜けてるもんな・・・。さすが系列女子アナいちのドンくさい女子アナだな・・・。和気を見習え・・・。」


「ひど~~~~い!」




結構この2人ってお似合いじゃないの?って思いながら、二人の話を聞いてたんだ。



後輩が出来たんだから、がんばらないとね・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第5章 和気彩子の悩み (3)お互いの告白
同じ布団の中でいろいろ話したのよね・・・。

もちろんほとんどが和気さんが話す孔子の論語の話・・・。

すごく生き生きした目をして、話すんだもの・・・。

一番難しいことなのはわかっているよ・・・。偏らなくてまんべんなくできる政治って・・・。



そしていつの間にか私が誤解した話になって・・・。




「何で俺が浮気していると思ったの?言ったやろ、俺は嘘つかれへんし、彩子以外は愛せないって・・・。」
「それはそうだけど・・・。」
「で、俺が浮気していたらどうしてたわけ?現場に乗り込んで暴れるの?」
「そんなことはしないよ・・・でも愛人がいたっていいと思ったりすることもあったの・・・。でも秘密の愛人はいや・・・。」
「何で俺に愛人がいたほうがいいの?おかしいやん。普通奥さんはそんなの願わんやろ?」




ま、話したくないんだけど・・・私、和気さんのためを思って考えていたことなの・・・。きっと私といても子供が出来ないかもしれないでしょ・・・。それならほかの人との間に出来たほうがいいんじゃないかって・・・。


「どうして?彩子・・・。俺彩子しか愛せないのに?」
「きっと気が変わるときがあるよ・・・。」
「どうして?気が変わったりなんかしないよ。」
「でも私といたら・・・こども・・・。」
「え?何?聞こえないって・・・。」




言ったほうがいいのかな・・・。いってしまったら和気さんどう思うかな・・・。


「和気さんの子供出来ないかもしれない・・・。」
「え?何で?今年の秋からがんばろうって言ったやろ・・・。」
「私出来ないの・・・子供・・・。ずっと黙ってたの・・・。私の今の体じゃ・・・。」
「100%出来ないんじゃないやろ。1%でもあればできるよ。」
「ショックじゃないの?私、もしかしたら和気さんの・・・。」




和気さんは微笑んでいったの・・・。


「わかってるよ・・・出来にくいってことくらい・・・。」
「え?」
「一年位前さ、俺、超危険日に無理やりしちゃったことあったやろ?でも出来なかった・・・。まあ、俺も出来にくい理由があるんやけどな・・・。知ってるやろ、俺の姉貴・・・不妊治療で有名な産婦人科医やろ・・・。お義兄さんも・・・。俺さ、一度検査受けたことあるんや。昔おたふくかぜですごい熱出したことあるから・・・。そしたら案の定少なかったんやから・・・。だから俺、彩子とほんの数%に賭けてみようと思ったんだ・・・。」
「和気さん・・・。」
「まだ俺も彩子も若いし、何とかなるかもしれんやん。だから一緒にがんばっていこうよ・・・。まったく確率がないわけやないんやから・・・。な・・・。」




和気さんも私と同じことで悩んでいたんだ・・・。和気さんもすごく悩んでいたらしくって、お互い同じことで悩んでいたことを知って二人で笑ってしまったのよね・・・。

「今度選挙終わったら、俺の姉貴のところでがんばってみようよ・・・。きっと姉貴も協力してくれるって・・・。2人でがんばればきっといい結果が出るよ。信じていればきっとね・・・。」
「そうだね・・・。」




政治に関してもそうだけど、家族のことも二人三脚でがんばって行こうね・・・和気さん。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第5章 和気彩子の悩み (2)旦那様の疑惑の理由
 夕方、和気さんと私は地元周りを終えて事務所に帰ってきた。スタッフみんなが揃っている。

「今日一日ご苦労さん。もう帰っていいよ、明日は久しぶりに休んでいいから・・・。」

みんな和気さんに挨拶をして帰宅。もちろん二階堂さんは事務所に住み込みだから、ここにいるんだけど・・・。二階堂さんと和気さんは今日一日事務所に届けられた有権者の声を一つ一つ見ながら、まとめている。和気さんが毎週街頭演説とかをしているおかげで、和気さんは改めて地元の有権者の声というものを知ったらしい・・・。もちろんお褒めの意見もある一方、お叱りの意見も多い・・・。東京にいる和気さんが知りえない意見が随分集まったようなの。




「まあ、これで一通り集まったかな・・・。二階堂、またいろいろ有権者から電話とかかかってくると思うから、頼んだよ。まとめてメールしてくれ・・・。ふぅ、来期当選したら、これをどうにかしないとな・・・。」




和気さんは溜め息をつきながら要望データを見つめていた。もちろん全部が全部国にあげるわけにはいけないだろうけど・・・。出来ることからこつこつしようとしているのはよくわかる・・・。


「あ、どうしよう・・・彩子の宿泊先とるの忘れたよ・・・。」




そう私も忘れてたわよ・・・。気がつくともう晩・・・。夜ご飯さえ食べていない・・・。



作るの大変だからと近所の中華屋さんでいろいろとって3人で食べたのよね・・・。



和気さんは経費を抑えるため、執務室のソファーをベッド代わりにして寝ていたらしいの・・・。そのソファー実はベッドになることを知らないで・・・。二階堂さんに指摘されてそれに気がついた和気さん・・・。事務所に寝泊りがあるかもしれないだろうと、このソファーを購入したらしいの・・・。そのソファーベッドを広げると、セミダブルくらいの大きさ・・・。広いじゃん・・。




「ここに寝れば?俺は床に布団しいて寝るし・・・。」




なんて遠慮がち・・・。もう二階堂さんは自室に入っているのに照れ屋さん・・・。


「和気さんと一緒に寝たい・・・。」
「俺と?狭いよ・・・。」

私は和気さんに抱きつく・・・。

普通ならここでキスなんだけど・・・。

和気さんは私をはなして言うの・・・。




「ごめん・・・。今そういう気にはなれないんだ・・・。」




おかしいよ和気さん・・・。

今までこっちから求めないでもキスしてくれてたのに・・・。

私はつい涙が・・・。




「和気さんおかしいよ最近・・・。キスさえしてくれないじゃない・・・。どうして?」




和気さんは少し黙ってからボソッと言う・・・。


「あのさ、俺、欲を捨てることにしたんだ・・・。」
「え?」
「俺な、選挙に当選するまでは欲を捨てる・・・。私利私欲を捨てるんだ。」
「はあ???」
「政治家は私利私欲を捨てないと、国民のために働けないよ・・・。俺は孔子のように知恵で国を変えるんだ・・・。俺が政治家になろうと思ったのも、孔子の教えを読んでからだったんだ。中庸の徳・・・。わかるかなあ・・彩子には・・・。」
「いきなり何いってんの?」




そりゃ、国民のために働こうと思ったら私利私欲は捨てないといけないでしょうけど・・・でもね、プライベートは別にして欲しいわよ・・・。



よく話を聞くと、2月末、他局の番組収録で、超有名な占いのおばさんにいろいろ指摘されたらしいのよ・・・。名前聞いたらあああのうるさいおばさん?って感じで・・・。私も年末の番組でいろいろいいこと悪いこといわれたわよ・・・。そういうのに影響されるって?




「俺たちの出会いは正解だったんだよ・・・。一番相性いいって・・・。いい奥さん見つけたねっていわれてさ・・・。大事にしなよって・・・。でも、政治に関しては俺はまだ若いんだから、ちゃんと私利私欲を捨ててがんばんなさいって・・・。そしたらいい政治家になれるよって。でも地元の声も聞かないとって言われたし・・・。そういえばそうだよなって・・・。俺さ、補佐官になってから地元に帰って地元の人のために何も出来なかったんだから・・・。ああ全然地元のために働いてないって感じてさ、だから俺、地元の人の声を聞こうとこうして休み返上でがんばってたんだよね・・・。」




そういうところ真面目でいいんだけどね・・・。でも妻一人幸せに出来ないで地元の有権者を大事に出来ると思ってるの?そういうところ要領悪いというか・・・。ふう・・・。先が思いやられる・・・。


「あのねえ・・・和気さん。私、和気さん何も言わずに地元に帰っちゃうから、浮気してるんじゃないかって思ったんだよ・・・。急にキスもしてくれないくなっちゃったしさ・・・。きっと私のこともういらないんだって・・・。」
「何いってんの?俺が浮気するわけないやん・・・。俺は彩子以外の女に興味ないから安心しとけ。」


そういうと和気さんは我慢できなくなったのかな・・・。久しぶりにキスしてくれた・・・。

今日は私から和気さんを押し倒してキスの嵐・・・。ま、これ以上のことはできないけど(だってここは事務所・・・)。



なんとなく気が晴れたような気がしたのよね・・・。でも意外と変な和気さん。

結構和気さんって恋だの愛だのって言うのに超不器用だな~~~~。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第5章 和気彩子の悩み (1)旦那様の浮気疑惑
 2月下旬のある日、和気さんは通常国会本会議を終えてまっすぐ帰ってきた。いつもなら帰ってくるなり、キス魔に変身するんだけど、この日は「ただいま・・・。」って言ったっきり書斎に入っていったの。

そういえば朝から変だったんだ・・・。いつも私が出勤前に起きてくれてキスして出勤するんだけど、いってらっしゃいってベッドに横になったままで手を振っただけ・・・。

夜はいつも一緒に寝るんだけど、ずっと和気さんは私に指一本触れなかったの・・・。

それが何日も続いた週末の金曜日・・・。

和気さんは帰ってくるなり、ボストンバックに着替えを詰め始めたの。

「あれ?和気さん、どこかに行くの?」
「ん?これから週末地元に帰るから・・・。」
「どうしたの?いきなり・・・。最近変だよ?」
「そんなことないよ。仕事で帰るんだから、安心して・・・。彩子は朝早くから働いてるんだから、週末の休みは自宅でゆっくりしてなよ。」


まあ、その時は忙しいんだねってで済んだんだけど、それが数ヶ月続いたもんだから・・・。

もしかして地元に愛人ができたのかなって私は疑ったの・・・。

和気さんの実家に電話をかけても来ていないって言うし、地元の事務所にかけても外出中・・・。

もちろん携帯は留守電のまま・・・メッセージを入れても返事が来なかったの・・・。

変だよね・・・。

あのキス魔の和気さんがここ数ヶ月私にキスさえしてくれないどころか、一緒のベッドに寝ていても、背中合わせで寝るんだもん・・・。

おかしいよ・・・。

私は意を決して週末和気さんの地元へ行くことにしたの。

最悪の結果が脳裏のよぎったりしたけど・・・。

 私は和気さんが朝一の飛行機に乗るため、羽田に向かったことを確かめると、次の便の大阪伊丹空港行きの飛行機に乗った。そして着くとタクシーで和気さんの事務所へ急いだ。

事務所には地元私設秘書の二階堂さんのみ・・・。


「あれ?彩ちゃん・・・。どうしたの?」


この二階堂さんは私の元彼だから、誰もいないときは私のことを彩ちゃんと未だに呼ぶ。


「二階堂さん、和気さんは?」
「ま、寒いから中に入って・・・。お茶ぐらい飲んで・・・。」


私は中に入って二階堂さんと話す。


「どうして最近和気さんは毎週地元に帰るの?おかしいじゃない?ホントにへんなの・・・。理由を話してくれないし・・・。仕事だって・・・。もしかして浮気していないかなって心配になって・・・。」
「え?浮気???」


二階堂さんは笑いをこらえている。何か変なこと言った?


「和気が浮気なんてね・・・。あいつの辞書に浮気って言葉はないよ・・・。」


二階堂さんは時計を見るという・・・。

「じゃ、今和気がやっていることを見せてあげるよ・・・。」

二階堂さんは事務所に鍵を掛け、和気さんの車に私を乗せて近くにあるJR川西池田駅のロータリーに連れて行くの。

すると和気さんは寒いのに防寒着を着ないで、スーツ姿で立って演説している。土曜日の朝一番からよ・・・。

「和気はね、毎週選挙区内のいろいろな駅前に立って演説したり、昼間は老人ホームやいろいろな施設に行って有権者の生の声を聞きにまわっているんだ・・・。もちろん夕方もだよ・・・。本当は平日にしたいんだけど、国会があるし、官邸から出ることが出来ないだろ・・・。補佐官だから・・・。浮気する暇なんてないんだよ和気には・・・。ああやって演説したあと、党が作った選挙区内用のチラシを配っている。今うちのスタッフはね、手分けして選挙区内にチラシと、うちの事務所の連絡先を個別に配っているんだ・・・。」
「そうなんだ・・・。ありがとう二階堂さん・・・。で、お昼とかはちゃんと摂ってるの?」
「さあ・・・コンビニ弁当とか、ファーストフードじゃないかな?レシートたくさんポケットに入れてたしね・・・。」


お昼まで時間がある・・・。

「ねえ二階堂さん、事務所のキッチン借りていいかな?」
「え?別にいいけど?何で?」
「和気さんのためにお弁当を作るの・・・。それくらいしか和気さんのお手伝いが出来ないから・・・。」


私は近所のスーパーに行っていろいろ買い込むと、事務所のキッチンでいろいろ作り出したの。もちろん事務所のスタッフも食べることが出来るようにたくさんおかずも作って・・・。そして私は使い捨ての容器にいろいろつめた。時間を見るともう11時・・・。今はJR宝塚の駅前にいるらしい・・・。だって演説とかをしようと思うと警察に日時を申請しないといけないでしょ・・・。だから時間ははっきりわかるの。私は二階堂さんに送ってもらった。和気さんは丁度演説の準備をしていたの。

「こんなとこで何しているの?和気さん・・・。」
「え?」

和気さんはとても驚いた表情で、私を見てた。

「さ、彩子・・・なんでここに?」
「毎週何も言わずに地元に帰るから、もしかして浮気してるんじゃないかって思って来たの。ま、それは間違いだったけど・・・。」


和気さんは笑いをこらえながら、私を見つめている。私は和気さんにお弁当を渡して言ったの。

「これお弁当ね・・・。何か手伝うよ・・・。チラシ配ろうか?」
「彩子・・・。いいよ・・・仕事で疲れているのにさ・・・。」
「水臭いこといわないで・・・。私は和気さんの奥さんだよ。お手伝いくらいさせてよ・・・。」
「わかった・・・。じゃ、演説中にチラシでも配ってくれる?」


私は和気さんの演説中にチラシを配ったの・・・。

もちろん有名な代議士と、女子アナが街頭でこういうことをしているもんだから、驚く通行人・・・。

人だかりもできる。

見る見るなくなるチラシ・・・。

大反響で、演説時間を終えた・・・。



和気さんは無事終えたあと、腰掛けるところを見つけて、私の作った愛妻弁当をつつき、満足そうな表情で、私を見つめて微笑むの・・・。




「ごめんな彩子・・・。いろいろ心配かけたみたいで・・・。ま、今晩にでもゆっくり話すよ・・・。とりあえずありがとうな・・・。」
「いいよ、私たちは夫婦だもん・・・。いろいろがんばらないとね・・・。夫婦二人三脚で・・・。」
「そうだね・・・。これからは彩子にいろいろ頼まないといけないかな・・・。それでもいい?」
「うん、何でも言ってよ。出来る限りの事はするから・・・。」


私たちはなんだかさらに理解しあえたような気がする・・・。

本当に私たちは夫婦でよかったなってはじめて思った日でした・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (7)初めてのニュース読みの出来事
 1月のある日、シフトの関係で私ははじめてお昼のニュースを読むことになった。


「へえ・・・明日ニュース読むの?じゃ、俺官邸で見とくな・・・。」


って和気さんがいつもの優しい表情でいう。


「初めてなんだから・・・ニュース・・・。何着ようかな・・・。今からドキドキだよ・・・。」


和気さんは微笑んだと思うと一変険しい顔になった。


「明日、速報が入るから覚悟しておいたほうがいい・・・。」
「え?何で?」
「ん?すごいニュースがはいると思うよ・・・。それだけ言っとくわあ・・・。」


何?気になるじゃない・・・。そうして和気さんがそんなこというのかな・・・。政治関係のこと?突然誰か解任されるの?でもみんながんばっている人たちばかりよ・・・。


「ま、明日の昼前になればわかるからさ・・・。」


すると微笑んで私を抱きしめる。


「大丈夫だから・・・。」


って言いながら・・・。だから何?何が大丈夫なの?


 次の日いつもの時間に出勤・・・。ニュース用の服も持って・・・。いつものお天気お姉さんの仕事を終えて一息つくと、10時半ぐらいにお昼のニュースの原稿・・・。一通り呼んで11時半からのニュースの準備・・・。そして本番直前、トップニュースの差し替え原稿・・・。内容にさっと目を通す・・・・え!!

 内容は東証一部上場間近のIT企業社長高島巧の逮捕だった・・・。

高島巧・・・それは私の元彼・・・。

5番目の元彼で、東大の先輩・・・。

容疑は出資法違反・・・。

和気さんが言っていたのはこのことだったんだ・・・。


そういえば、以前六本木ヒルズの前で和気さんと高島巧が面と向かっていろいろ言い合ってたことがあったわ・・・。



その時和気さんは、高島巧は近い将来つかまるよって・・・。


本番私は冷静に原稿を読む・・・。

そしてなんとか本番が終わる・・・。

初めてのニュース番組・・・。



元彼の逮捕の原稿を読むなんて・・・。

いくら嫌いになった元彼だったとしても、知っている人の逮捕のニュースを読むなんて・・・。

ショックで昼ごはんがのどを通らなかった・・・。


「和気さんどうしたの?いつもランチはニコニコしながら食べているのにさ・・・。」
「柳生君か・・・。なんでもないよ・・・。」


もちろん逮捕されたのは私の元彼だなんていえないじゃない・・・。

途中で昼食をやめてデスクに戻る・・・。



すると和気さんからメール・・・。


『彩子、大丈夫?』
『うん大丈夫・・・。昨日のことってこれだったんだね・・・。』
『そうだよ・・・。昨日極秘に情報が入ってきてね・・・。昨日のうちに言ってやりたかったんだけど・・・・機密情報だし・・・。ごめんな・・・。』


わかってるよ・・・。

わかってる・・・。



「大丈夫だから・・・。」って言うのはきっとわたしが動揺すると思ったんだと思う。



なんとか本番はなんとか上手くいって、部長には褒められたけれど・・・複雑・・・。


ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (6)運か、それとも実力か?
 俺は1月10日、兵庫県西宮市のある西宮戎で行われる福男神事に超期待されて派遣される。

毎年うちの局から数人派遣されてるんだけど、いまだトップテンにさえ入った事はない。

俺は朝の番組の代表として行ってくれと番組プロジューサーや上司に言われたんだよね・・・。

スポーツマンの俺・・・。

剣道で名を上げたんだけど、陸上ももちろん得意!!!

大学時代陸上のやつに代わりに出ないかって誘われたこともあったんだよね・・・。


俺は1月8日から西宮に前入り・・・。うちの局や系列局の出場者といろいろ作戦を立てる。


「まずはくじ引きをなんとかしないとな・・・。」


と去年出た先輩アナ・・・。もちろんこのアナも元野球をしていたスポーツマン。この日のために毎日体力づくりをしていたらしい・・・。もちろん俺も毎日出勤はジョギング・・・。


前日からドキュメンタリー形式でこの福男神事を取り上げるんだ。

他局のレポーターもちらほら・・・。

みんなスポーツ担当だから面識はある。

違った意味で社運をかけた戦い・・・。

上司は他局のものには負けるなとプレッシャーを掛けられ、こうして打ち合わせをしている。


 1月9日、十日戎前日。俺は朝から福男選びが行われるルートをひとつひとつ解説しながら、レポート・・・。

いろいろ神社の職員さんと話しながらレポート。

狭い道筋・・・。

きついカーブ・・・。

滑りやすい石畳・・・。

邪魔な木。

そして最後の90度のカーブ・・・。



撮影が終わると近所の人かな?俺にいろいろ差し入れをしてくれる。


「いつもテレビで見てるよ。兄ちゃんでるん?がんばりなよ。」


なんて・・・。いろいろな人に声を掛けられる。俺もすごく有名になったな・・・。


 ついに夜1時。走る位置を決めるくじ引き!

ずらっと系列局の精鋭部隊5人と並んでくじ引きを・・・。

なんと俺だけ前方の108人の中に入る。

108とは人の煩悩の数・・・。

まずこれに入らないと上位に入ることは出来ません!!!



それも俺はラッキー7!なんだか縁起がいいよね・・・。

俺のラッキーナンバーは7なんだ。

誕生日も7月7日。

テレビ局から内定をもらった日も7のつく日。

何かいいことありそうだ・・・。



俺は系列局どころか他局を含めてもくじに当たるのは俺だけだった。

社運どころか全国のリポーター、アナウンサーの期待の星になってしまったんだよね・・・。



緊張!!!



もちろんこのくじ引きの様子もちゃっかり写されたんだよね・・・。



俺はロケバスで仮眠を取って、いざ!福男神事!



朝6時開門だから、5時に到着後、一応出陣前のレポート、そして周りにいる若者にインタビューをして、棄権を表明した同じ局の先輩にマイクを渡す。


「柳生!社運をかけてがんばれよ!!!」
「がんばります!!!!」


そしてついに始まった神事・・。

開門合図の太鼓が鳴ると開門!!!

一気に門が開き思いっきり走ってみる。

あれ?俺って先頭集団じゃん。それも3人で先頭を競い合っている。



無我夢中でルートを走る俺・・・。

そして最後の90度の角!

俺は去年の福男と争っていた。

すると手前で躓いた去年の福男・・・。

俺は見事1番福!!!去年の男は惜しくも二番福!!!



やった!!!



うちの局はじめての幸運。

俺ってやっぱり運だけで生きているのか???



さすがに終わったあとは足がガクガク・・・。

座り込んでしまったよ・・・かっこ悪いね・・・。



福男になった俺、もちろんいろいろ賞品をもらったよ。



そして朝一番のうちの局の番組に出演。番組中、先輩にすごく褒められた。

系列局どころか、他局の関係者にもみくちゃにされたよ・・・。もちろん他局の番組にインタビューを受けたのは言うまでもないけど・・・。



もちろんあとから見たら、他局の場合俺のことを会社員表示になっていた。



『福男 柳生弘(23) 会社員』


その日1日全国のニュースで俺が出る。もちろんうちの局、他局を問わず・・・。そしてスポーツ新聞にまで・・・。

俺の経歴や家系まで・・・。そこまで書かなくたっていいのにさ。


やっぱ俺ってすごい???


次の日、局に戻ると俺は超有名人。もちろん来年も出ろといわれる。そして俺のスポーツキャスターの地位は確立されたんだよね・・・。


これでもし和気さんが未婚だったらこの勢いでプロポーズなんかするんだろうけど、それは叶わないだろうね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (5)新年初仕事ですよ!
あれ?

どうしてここにいるんだろう・・・・。

昨日同期の新年会があって・・・。きちんとコートやマフラー、そして靴がきちんと置いてあった。そして起きないといけない3時に目覚ましまで???



私は顔を洗って、デスクへ急ぎ、着替えの準備を・・・。するともう起きている柳生君・・・。彼は私の出る番組で寒稽古の中継があるという。もちろん経験ありの剣道の寒稽古。




「あれ?着替えないの?」
「俺はロケバスで着替えるからいいんだ。でも和気さん昨日相当酔っていたけど大丈夫?二日酔いってしないの?」
「ん?べつに・・・。じゃ、着替えてくるね・・・。」


私はある楽屋を借りて着物に着替える。そしてヘアメイクを・・・。なんとか1時間ですべて終わった・・・。綺麗に着付けられたか心配・・・。何度も何度も鏡とにらめっこしながら、なんとか納得・・・。時間もぴったり・・・。私はデスクに戻って、必要な荷物をとりに戻るとまだいる柳生君・・・。柳生君は私の着物姿を見て固まっている・・・。




「なんかへん?」
「え?すごく綺麗・・・。自分で着たの???」
「うん・・・。もう行かないといけないんじゃないの?」
「あ!急がないと!!!」


柳生君はいっぱい荷物を持ってロケバスが置いてある駐車場へ・・・。

私も・・・。

私のロケ地は東京丸の内・・・。

ビジネス街・・・。

丸ビル前でのロケなんだよね・・・。ロケ地に着くとまずロケバス内で最終の打ち合わせ・・・。台本と資料をもらい一気に集中して覚えてしまう。



今日は番組初めから出番がある・・・。もちろん新年のご挨拶。いたるところのロケ地からのご挨拶。私はヘッドマイクをつけての中継・・・。



さあ番組が始まる。まだ薄暗い東京丸の内・・・。ライトを当てられ、中継開始・・・。





「東京丸の内の和気さ~ん!」
「は~~い。あけましておめでとうございます!!今年もよろしくお願いします!こちらは本日仕事始めの東京丸の内にやってきています!まだ早い時間ですので、まだ人影はありません。スタジオにお返しします!」


といって私は手を振る。

は~~~~~ひとまず天気予報まで一休み・・・。温かいお茶をもらってロケバスで一息つく・・・。

ここで私がロケをしているのを知ってかいつものようにカメラ小僧が集まりだす・・・。珍しいもんね私の着物姿・・・。



私はロケバスの中で、柳生君に寒稽古の様子を見る。はじめて見る柳生君の剣道着姿。結構かっこいいんだ・・・。さすがスポーツ担当アナだね・・・爽やかで・・・。女性ファンが多いわけだ・・・。子供たちと寒稽古している姿・・・。いつも職場と違う真剣な顔・・・。そして生き生きしてるのよね・・・。




 なんとかロケ終了・・・。いつものようにうまくいったかな・・・・。一週間ぶりみたいなものだし・・・。ロケのスタッフは満足げな顔でロケ撤収・・・。いつまで続くのかな朝の番組・・・。ふうって感じでロケバスに乗って会社に戻ってきたの・・・。戻ってきて即着替えたわよ・・・。きちんとたたんで、和装用のバックになおす。和装用の部屋メイクも普段のものに・・・。



はあ、今日のテレビ出演はひとまず終了・・・。あとは雑用のみ・・・。デスクに戻ってホワイトボードの私の名前のところをロケからアナウンス部表示に変えておく・・・。



椅子に座って一息つくと、私の前にコーヒーが・・・。そして下のコンビにかな?ドンと朝ごはん・・・。てっきり紗希ちゃんだと思ったんだけど、柳生君だった。

「お疲れ。朝飯まだだろ。よかったら食え。」




そして私の隣の柳生君の椅子に座って私を見て微笑むの。


「ありがとう・・・どうしたの?いつもの柳生君じゃないじゃん・・・。超やさしい・・・。」
「俺は優しい男だよホントは・・・。和気さんは俺のこと変な男だと思っているようだけどさ・・・。あ~~~あ和気さんの着物姿もうちょっと見たかったな・・・。」




そして一緒に朝ごはん・・・。



結構私たちのロケは好評だったよう・・・。



部長さんに褒められちゃいました・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (4)新年会のあとで・・・
1月4日新年会!

同期ばかりたくさん集まってお台場の居酒屋ですることになった。

アナウンス部や美術、技術、一般職などホントいっぱい!!!



仕事始めは明日なんだ。

俺はなんだかんだ言って年末年始は局内にいた。

はじめてニュースを読んだりしたんだよね・・・。

俺の憧れの人、和気さんは仕事は明日からなんだけど、今日は明日の打ち合わせのために出社。

明日から新しい年になって初の朝のお天気おねーさんをするわけだから、都内ロケを着物を着てやるらしい・・・。それの打ち合わせを夕方からしていたんだって。そして明日は着付けとかが入るからって局に泊まるって・・・。ロケだから早く行かないといけないもんな・・・。俺も実はスポーツ関係の早朝ロケで局に泊まることになっているんだ・・・。

仮眠室は何個かあるから同室ってことはありえないけど・・・。初夢のようになんかいいことないかななんてちょっと期待?蒲田にある自宅まで帰らなくていい分ゆっくり飲めるよな・・・。


打ち合わせを終えた和気さんは和気さんのデスクに着物一式をドンと置いて、何か考え事をしている。




「和気さん?どうかした?」
「別に・・・。ちゃんと着付けできるか心配になっちゃって・・・。着付け自分で出来ますって言わなきゃよかったよ・・・。ま、できるのは出来るんだけどね・・・。この着物、和気さんのお母様に買ってもらったの・・・。せっかくだから明日着ようと思って持って帰ってきたんだ・・・。」


着物を見せてもらったらなるほどすごくいい着物・・・。車1台買えるんじゃないかって言うような着物なんだ・・・。

さすがだね・・・。

着物好きの先輩女子アナもすごくいい着物だねって話していたんだ・・・。これを着た和気さんの姿を想像・・・。きっと綺麗なんだろうな・・・。

 さて待ちに待った新年会!!!メンバーの都合上開始は8時。みんながみんな集まることは出来なかったんだけど、総勢30人。久しぶりの飲み会に、みんな大騒ぎ・・・。和気さんも家に帰る必要がないから、結構飲んでる。大丈夫かって言うくらい・・・。明日二日酔いになっても知らないぞ・・・。


お開きになってみんなと別れる。和気さんは相当酔っているんだ・・・何かあったの?って言うくらい・・・。

「俺と和気さん、局に泊まるから・・・。俺が和気さんを仮眠室に連れて行くよ・・・。」
「私酔ってないって・・・。一人で行けるもん・・・。」


まあ意識ははっきりしているようだったけど、足元がね・・・。

「柳生!!送り狼になるなよ!!!」
「局内だぜ!そんなことできるか!!!」


俺はなんとか和気さんが使う仮眠室にたどり着き、ベッドに腰掛けさせる。ここまで来るまでに相当酔いがまわったのか、和気さんは真っ赤な顔をして放心状態・・・。

やっぱり飲みすぎだよ・・・。

しょうがないので、コート、マフラーそしてジャケットを脱がせて掛けておいた。そして靴まで脱がせてベッドに横にして布団を掛けた。

俺はドキドキモノだ・・・。

ジャケットを脱がした時ブラウスから見えた胸の谷間・・・。

俺はドキッとした。

俺の心の中の天使と悪魔が耳元でささやく・・・。

チャンスだって言う悪魔と、辞めろ、人妻だって言う天使・・・。

やはり俺は欲望に負けてしまったんだ・・・。

誰も入ってこないように鍵を掛け、俺はジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めると和気さんに覆いかぶさる。

そして和気さんの柔らかい唇にキスを・・・。

そして俺は・・・和気さんのブラウスのボタンに手をかけ一つ一つ外していったんだ。

やはり以前みた北野彩夏のグラビアそのものの体だった。

白い肌と大きすぎず小さすぎない胸・・・。

ああこれで俺の想いは成就できると思ったその瞬間!

和気さんは目覚めた。


「んん・・・和気さん・・・。」


和気さんは俺の首に手を回して、和気さんからキスをしてきたんだ・・・。

酔って俺を旦那と思っているみたいだ・・・。

チャンスだって思って勢いに任せてやってしまおうと思ったんだけど、和気さんが話し出したんだ。

「和気さん、彩子ね、ずっと黙っていたんだ・・・。和気さんは早く子供が欲しいってこの前言ったでしょ?選挙終わったらすぐにでも子作りしようって・・・。でも彩子・・・。ずっと黙って病院通いしてたんだ・・・。なぜだと思う?彩子、今不妊治療をしているの・・・。」


不妊治療???

「和気さんと結婚する前から、ずっと生理不順とかで病院に行ってたの。彩子ね、和気さんと一緒に暮らすようになってやっぱり子供を意識するじゃない?主治医の先生に検査してもらったら案の定・・・。うふふ・・・なかなか出来ないよ、この体じゃって・・・。治療したって別に確率が上がるわけじゃないのに・・・。だから子供出来ないかもしれないよ・・・。ごめんね和気さん・・・。ごめんね・・・。」


そういうと和気さんは眠ってしまったんだ・・・。

いつも朗らかで明るい和気さんが実はこんなことで悩んでいたなんて・・・。

内に秘めた気持ちを知ってしまったんだ・・・俺は。

俺は和気さんの体に手を触れることなんて出来なくなった。

俺は何もなかったように和気さんのブラウスのボタンを留めなおし、ベッドを出る。

そして目覚ましを三時に合わせて仮眠室を出たんだ・・・。
何不自由のない女子アナ生活をしていると思った和気さんの秘密・・・。
俺はこの日を境に和気さんをいろいろな障害から守っていこうと思ったんだ。

それが俺の和気さんに対する愛情だから・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (3)不純な新人アナ 柳生弘
 俺は柳生弘。やぎゅうひろむであってひろしじゃない。よく間違えられる。入社試験からそうだった。「やぎゅうひろし」といわれ、もちろん「ひろむです。」とアピール・・・。

それが印象に残ったのか、なんとなく受けたただ1社だけ受けた会社を見事受かった。

どうしてなんとなくアナウンサー試験を受けたって?動機は不純なんだよね・・・。実は俺、北野彩夏の大ファンで、北野彩夏がアナウンサー希望って聞いて一緒の職場なら恋に落ちるかも?なんて思ったりしてね、だめもとで受けたFTV。

きっと北野彩夏もここ受けると思ったんだ。そしたらドンピシャで、いたいた北野彩夏。その時は一時引退して、本名の和気彩子で受験してたんだけど・・・。

ああ俺の勘ってすごいって思ったね・・・。

その時和気さんは北野彩夏じゃない、そら似ですってあしらわれちゃったけれど、声だって顔立ちだってあれはまさに北野彩夏だった・・・。


最終試験で内々定もらった時も俺は和気さんにしつこく言い寄ったりなんかして、嫌そうな顔・・・。嫌われちゃったかなって思って悩んだ・・・。でもああこれで北野彩夏と同じ職場だ働けるって思ったら、わくわくしちゃってさ、早く入社したいなあなんて思った矢先!なんと彩夏ちゃんは代議士と入籍していましたって報道・・・。そして正式に挙式までしちゃって、ワイドショーやら、スポーツ新聞にバンバン幸せそうな挙式の写真が載っちゃって・・・。俺はショックだった・・・。本名の和気は、旦那の姓だったんだ・・・。俺の恋心は見事に玉砕!!!でも近くにいるだけでも幸せだろって自分に言い聞かせて、何とか入社。

入社式で一緒に挨拶した時驚いた。和気さんはあの長くて綺麗な髪をばっさり切ってショートになっていたんだ。でもすごく可愛い表情は俺が大好きな北野彩夏そのまま・・・。俺の理想の女性像である北野彩夏そのままだったんだ・・・。

研修中、みんなでわいわいがやがや言いながら食べるランチ・・・。すごくかわいい笑顔で笑う和気さん・・・。俺は彼女が既婚者であることを恨んだよ・・・。

ぱっとしないキャラの旦那・・・。俺のほうがかっこいいのになって思ったりなんかした。俺は何度和気さんの表情を見て顔を赤らめ、和気さんに対する想いを押し殺したか・・・。

 そしてチャンス到来!!若手アナウンサーで忘年会をしたんだけど、宴会でやる遊び、そう王様ゲームね。

「いくぞ!5番と12番はキスをする!」

5番は俺で、12番は・・・・和気さんだった・・・。ラッキーなんて思った・・・遊びとはいえ、和気さんとキス・・・。早くしろよと急かす先輩。よしって気合入れていざ和気さんの唇へ・・・。あれ?つめたい?和気さんは和気さんと俺の唇の間にメニューを挟んだ。先輩たちは大うけ!!!

「だめだよ、柳生君。私の唇は旦那様のものなんだから・・・。」

なんて酔った勢いでお惚気を言うんだよね・・・。いいじゃん別に・・・。減るもんじゃないし・・・。悔しい!北野彩夏はドラマで何度も超人気俳優とキスしてただろって突っ込む。

「だってあれは仕事だもんね~~~~べ~~~~~~~!もう私北野彩夏じゃないし!」

って和気さんも酔った勢いで断ってきた。ホント俺と和気さんのやり取りは先輩たちに大うけ・・・。俺のこの気持ちはどうなるんだ!!!

「柳生君、みっともないよ・・・。」

って言う安達さんと狭山さん・・・。なんとかその場は収まったんだけど、ホント俺の気持ちはどこにぶつければいいんだよ!!!!いっそのこと告って玉砕するかな・・・。ああなんて不純な俺・・・。未だ和気さんの隙を狙っている。最愛の旦那がいる事ぐらいわかってるさ・・・。

 俺は正月、局内の仮眠室にいた。そしてなんと初夢は和気さんと愛を語り合っていた。なんていい夢なんだろう、さあこれからって時に夢から覚めた。

「好きだよ」って言って和気さんにキスをしようとしたときに目が覚めるなんて・・・。

まだ俺の思いは叶わないってことだな・・・。

叶うわけないとは思うけど・・・。

正夢なら最高なんだろうけど・・・。

ああ夢でさらに高まった俺の想い・・・。

なんとかしてくれ!!!!

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (2)天然っ女子アナ!狭山紗希
 私は3年前のミス慶應。いろんな人にちやほやされて、やっぱりこれからもちやほやされる女子アナって決めたのは大学3年の春。きちんとアナウンサーセミナーも通って、準備万端で挑んだ入社試験。有名どころの局すべて受けて、受かったのは超ブランドのFTV。夢みたい!!!って思って、入社式に挑んだ私。

でも現実は違った。ちやほやされているのは元タレント北野彩夏こと、和気彩子さん。

旦那様は有名な政界のサラブレッドの内閣総理大臣補佐官、和気泰明代議士・・・。

ちょっと嫉妬・・・。

でも彩子ちゃんはそれを自慢にしないし、新人研修も一生懸命。実力で女子アナになったんだって思ったの。

ホント気さくで楽しい彩子ちゃん。家事も仕事もきっちりして、すごいって思ったのよね・・・。そして旦那様の話をする彩子ちゃんの顔は本当に幸せそうで・・・。うらやましくなって私はさらにがんばって素敵な旦那様見つけるんだって思ったのよ・・・。

うちの局は超ブランド、そしてここの女子アナって野球界でも芸能界でも人気だって聞いたから、ちょっと不純だけど、期待。

やっぱり将来の旦那様は一流のプロ野球選手でしょ!

うちの局から有名な選手と結婚した先輩はいるもんね・・・。

だから私はスポーツ担当を狙ってたんだけど・・・。結果はバラエティー・・・。何これって思ったんだけど・・・。

でもいろいろ夏のイベントとか、年末のイベントに借り出されちゃって恥ずかしい反面嬉しかったりするんだ。

最近特にロケが多いのよ・・・。

食べ物ロケが多いかな・・・。

「ねえ彩子ちゃん、どうして私って食べ物ロケとか多いのかな?」


すると彩子ちゃんは苦笑して言うの。

「紗希ちゃんはね、すごくリアクションが上手いし、もう食べ物ロケでおいしいものを食べている時の幸せそうな顔・・・。特に年末のスイーツ特集の時の幸せそうな顔ったら!!!もうすごいって思うわよ。私あそこまでできないよ・・・。」

え?そうなの?でも大変だったのよ、年末・・・。

食べ物ロケで太っちゃって・・・。

休みの日や仕事のあとの運動が欠かせなくなっちゃった・・・。


彩子ちゃんはやっぱり元タレント・・・。業界にいたから結構細かいところ見ているんだよね・・・。

元旦放送された系列新人女子アナの中でも一際目立っていた彩子ちゃん。

司会に芸人さんにいろいろ突っ込まれていたのをさらっとアドリブで返すところなんか本当に才能よね・・・。

私はただキャーキャー言っていただけなのに彼女はちゃんと抑えるところは抑えていたし・・・。

ホントは既婚なのに振袖着ていた事を突っ込まれたときの彩子ちゃんの「心は独身」のコメント・・・。そこが一番視聴率よかったらしくって、やっぱり人を引き付けるところが彩子ちゃんのすごいところかな。

見習わないと・・・。

「ホント狭山は天然だよな・・・。」


って言う柳生君・・・。

どこが?って思ったんだけど・・・。

「狭山はちょっと抜けたところがあるだろ、テンポ遅いっていうかさ・・・。そういうところマニア受けすると思うよ・・・。新人の頃はいいかもしれないけど・・・。もうちょっと和気さんを見習えば?そうじゃないと一生お笑い系女子アナで終わるぜ・・・。」


お笑い系って???癒し系って言って欲しいな・・・。

この柳生君、なんか気になるんだよね・・・。どうしてなんとなくアナウンサーになったのか?

時々行動がおかしいと思うところがあるんだ。

それがなんだかわからないんだけどな・・・。

へんな人・・・。

絶対彼氏にしたくないタイプだよね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第4章 新人アナウンサー日記 (1)安達美貴の成長
 私はずっと華やかなテニス界にいた。

物心ついた頃からテニステニステニス・・・。だってパパが日本有数のテニスプレーヤー。もちろんジュニアの頃からトップクラスで、そのままプロを考えていたんだけど、大学2年のときの大会中に怪我をしてしまったの・・・。靭帯損傷・・・。選手生命を奪われた。その時はショックでショックで・・・。寝込んでしまったわけ・・・。



でもどうしてもスポーツに関係する仕事がしたくって、いろいろ受けたんだけど、みんな華やかな時代の話ばっかりして内定はくれない・・・。そしてやっと頂いたテレビ局。



 面接で希望を言ってたんだけど、結局配属は報道局。それも国会、または官邸に入り浸り・・・。おじさんばっかりで難しい話ばかりの国会の取材・・・。いくら早稲田の政経を卒業したといっても私の専攻は経済・・・。畑違い・・・。



 毎日自宅、テレビ局、永田町をいったりきたりで、くたくた・・・。そして週末の休みはホント自宅で寝てばっかり・・・。



 私の同期の和気さんは、元売れっ子タレントだから、いつもちやほやされて、やりたい事を何でもやらせてもらっているって感じで、華やかな女子アナをエンジョイしている。そして彼女は実は代議士の妻・・・。東大卒の超才色兼備の彼女が選ぶような感じの旦那様じゃないのよね・・・。

背も、顔も、体形も普通で、代議士って意外は魅力を感じない・・・。きっと旦那様の和気代議士のほうから積極的にアプローチしたんだろうな・・・そしてきっと和気彩子さんは代議士の妻という魅力にとり付かれたんだと思う・・・。きっとそうだよ・・・。そうじゃなきゃ真面目で面白味の無い和気代議士と結婚なんか・・・。



私だったら、和気代議士の同じ内閣総理大臣補佐官の弐條雅和代議士のほうがいいな・・・。

背も高くて、かっこいいし、お父様は元総理大臣・・・。

でも残念な事に彩子さんのお姉さんの旦那様。

そして双子のお父さん・・・。子煩悩で休みの日は家族サービスって聞いたの・・・。

そういう人に憧れちゃう・・・。

 でも本当は違ってたの。

年末の党大会に取材に行ったとき、本当の和気代議士の姿を見てしまったのね・・・。

党大会終了後に、代議士と彩子さんが一緒にいるとき代議士の顔・・・。いつもの堅物のイメージじゃなくって、ホンワカして、すごく爽やかな感じがしたの。そして生き生きしていた。彩子さんもそう・・・。どう表現しらいいかわからないんだけど、いつもの彩子さんじゃなくって、二人は本当に相思相愛なんだなって・・・。幸せそうな夫婦像ってこんな感じかなって・・・。ちょっとうらやましい感じだった。

今まで彩子さんの事ちょっと嫉んでたりしたんだけど、和気代議士がいるからこそ、彼女は輝いているんだと思ったのよ・・・。私もそういう人と出会いたいな・・・。

 そして彩子さんに誘ってもらった和気家の忘年会・・・。ホントいろいろな人達がご招待されていて、びっくりしたのよ・・・。政財界はもちろん、医師会、そして有名著名人・・・。その中で彩子さんはいろんな人と挨拶をして忙しそうだった・・・。だって夏に総選挙を控えているからかしら・・・。ホントに華やかそうに見えて裏では大変なんだ・・・。身にしみてわかってしまったの・・・。

その会場で和気代議士と話す機会があって和気代議士は私に言ったの・・・。

「安達さん、最近ちょっと無理していませんか?研修中の時の安達さんじゃないと思うんだけど?なんていうのかな・・・。」

見抜かれてる!!!

そう私は先輩たちに追いつこうとして背伸びしているんだ・・・。
ちゃんと代議士は私の事を見てくれているんだ・・・。

「がんばるのと無理をするのは似ているようで似ていないから、気をつけないと体壊しますよ。彩子もそうだったんだ・・・。売れっ子カリスマモデルのときね、無理しすぎて自分を見失いそうになったんだよね・・・。だから俺は彩子に言ったんだ、がんばるのと無理をするのは違うよ、自分らしくがんばるのがいいんじゃないかなって・・・。安達さんも自分らしく仕事をしなよ・・・。」

本当にそうかもしれない・・・。

私は和気代議士の言う「自分らしく」って言う言葉をモットーにがんばっていこうと思ったの・・・。彩子さんがどうして和気代議士を選んだ理由がわかったような気がした・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第3章和気家怒涛の年末年始 (2)怒涛の年末年始到来!!!3
 朝食を済ませた後、お母様が着物一式を持って私たちの部屋へ・・・。そしてササッと着付けてくれたの。慣れているのかしら・・・すごいお上手・・・。全然苦しくなくって、これなら1日来ていても苦しくないかな?

「彩子さんは本当に細いわね・・・。」

っていうと、微笑みながら部屋を去っていくの。和気さんはすでにブラックスーツを着て、胸には議員バッチをつけて、そしてプライベートではかけない眼鏡・・・。もう本当に代議士モード・・・。私はというと、春カットした髪の毛がもう肩まで伸びていたから、簡単に髪をアップにして、お化粧も和装用に・・・。この前の年始用の録画の時に化粧の方法を教わったの。

「これでいいかな?」

って和気さんに私は問いかける。和気さんは顔を真っ赤にさせて見つめている。

「むっちゃ綺麗・・・。テレビの彩子よりも・・・。いこ、きっとみんな驚くで。」

和気さんは私の手を引き、集合場所の正面玄関へ・・・。
するとみんな私を見て驚いている。
特に和気さんの弟・・・。阪大病院に勤める研修医・・・。もともと私のタレント時代のファンだったらしいから、私の着物姿を見て真っ赤な顔・・・。
和気さんのお父様お母様も、すごく喜んでいるの・・・。
和気さんの小学生の甥っ子、姪っ子たちも、テレビで見るお天気お姉さんの私を見て驚いているわ。

「ねえママ、テレビで見るお天気のお姉さん、とても綺麗ね・・・。」
「そうね・・・。」

照れちゃうじゃない・・・。

和気さんは我が家の車の助手席を開けてくれて、私を乗せると、いざ神護寺へ・・・。高雄にある観光地の神護寺。たくさんの人・・・。やはり和気さんと私に視線が集中・・・。テレビで有名な代議士と、女子アナだもの・・・。ここは和気家の菩提寺ってことを知らない人が多いから、携帯写真の嵐って訳で・・・。
しょうがないよね・・・私たち公の人間は・・・。

なんとかお参りを済ませ、住職さんのありがたい説法をきいて・・・。やはり和気さんのお父様お母様は私達の子宝祈願をしていたみたいね・・・。最後に子宝祈願のお札やお守りを頂いたのよね・・・。和気さんはそのお札を見て嬉しそうな顔・・・。

「早く俺達の子供を見たいね。」

って・・・。今年の夏以降ね・・・それまでは家族計画しないとねって和気さん・・・。
そのあと、一家とわかれて、そのままの格好で、京都見物。

清水寺いったり、平安神宮いったり、本当に恋人同士のように手をつなぎながら歩いたの。
もちろんどこに行っても注目の的で・・・。

ああ、明日はもう私だけ東京に戻らないと・・・。
またすれ違いの生活が始まるんだね・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第3章和気家怒涛の年末年始 (2)怒涛の年末年始到来!!!2
 大晦日、和気さんの実家で年越しそばを食べた後、明日のために就寝・・・。のはずだったんだけど・・・。年越し夫婦生活?

「彩子・・・。いいやろ?」

しょうがないか・・・。和気さんとイチャイチャ・・・。気がつくともう2時・・・早く寝ないと・・・。明日は京都に行くのに・・・。

「泰明、彩子さん、そろそろ起きなさいよ・・・。」

っと、和気さんのお母様に部屋の外から声をかけられ、急いで起きる。キャ!9時!!!11時出発予定なのに・・・。私はベッドから出ようとすると腕を引っ張られる。

「和気さん、何?」
「おはようのキスは???」
「もう!いい加減にしてよ・・・。」

しょうがなくチュッとキス・・・。満足げな和気さんの顔・・・。堅物といわれている代議士のプライベートの素顔・・・。私だけが知っているキス魔の和気さん・・・。笑っちゃうわね・・・。

テレビをつけると、また録画の番組・・・。

私の勤めるテレビ局と系列局の新人アナばかり着物を着て、いろいろやったやつね・・・。

あの時私はなぜか振袖だった・・・。

一人だけ訪問着って言うのはおかしいからって・・・。
でも司会者のお笑い芸人にいじられたっけ・・・。
何で和気さんは振袖?おかしいよ、既婚でしょって・・・。

その時私は「心は独身ですから」って言ってやって大うけだったよね・・・。ちょっと勘違いされるような言い方かもしれないけれど・・・。でもその言い方が結構評判になってね・・・。その番組を着替えながら和気さんはじっと見ていた。

「ねえ、京都では着物着ないの?よかったら母さんか姉さんのを借りたらいいのに・・・。彩子の着物姿がみたいやん。ホンマむっちゃかわいいよな、この振袖姿・・・。何で俺の前では見せてくれへんの?」
「じゃ、和気さんは着物着るの?」
「嫌や、恥ずかしいやん。俺はブラックスーツでええんや・・・。」

 私たちは微笑みながら、身支度を済ませ、荷物を持って和気さん家族に新年のご挨拶。リビングで案の定同じ番組を一家が50インチ以上のでっかいプラズマテレビで見ている。そして和気さんのお母様が・・・。

「彩子さん、京都ではこれを着なさいね・・・。」

って、着物を持ってきたの。もちろんすごくいい着物・・・。

「実はね、この日のために私が新調しておいたのよ・・・。」

ってお母様・・・。もちろん着付けは出来るよ・・・。下手だけど・・・。お母様は明日の神護寺お参りで着なさいって・・・。着付けは手伝うからって・・・。

「彩子、むっちゃ似合うよこの着物。母さんありがとな。」
「お母様ありがとうございます。」

お母様はとても満足そうな顔・・・。代議士の妻だもん・・・これくらいのものは着ないとねって・・・。もちろんお母様の言葉・・・。

数台の車に分乗して一路京都へ・・・。嵐山の料亭旅館に泊まるわけで、高速は混んじゃいけないからって、能勢から亀岡を抜けるルート。山道コース。嵐山に入るとやはり元旦よね・・・。人、人、人・・・。なんとか旅館について、女将が総勢12人の一家を迎える。常連なんだね、すごく対応がいい・・・。仲居さんたちみんなでお出迎え・・・。ひと家族ずつ4室に別れる。とても素敵な純和室・・・。そして教育された仲居さん。すべてが整った旅館・・・。緊張・・・。

元旦の宴会の後、和気さんは相当飲んで、すぐに眠ってしまったの・・・。私は酔いを醒ますために嵐山の夜を散歩。横に和気さんがいれば・・・なんて思いながら、川沿いを歩く・・・。やはり元旦の夜・・・。周りはカップルばっかりで・・・。

部屋に戻って私は和気さんと同じお布団に潜り込む。暖かい・・・。冷え切った私が、和気さんのお布団に入ったからか、和気さんは目覚めて、抱きしめてくれたの。

「散歩でも行ってたの?起こしてくれたら、一緒に行くのにな・・・。」
「だって和気さん酔いつぶれて・・・。」
「明日早いから、早く寝ろよ・・・。」
「んん・・・。」

私は和気さんに腕枕をされながら眠る・・・。
初夢?なんだったかな・・・。
忘れちゃったけれど、すごいいい夢だったのは覚えてる。
正夢になったらいいなって・・・。

ときめきアナウンサー日記(仮) 第3章和気家怒涛の年末年始 (2)怒涛の年末年始到来!!!1
 なんとかお仕事の党大会の司会を終え、私は疲れきってたの。だって朝も早かったしね・・・。明日は朝早く起きなくてすむと思ったらどっと疲れが・・・。

明日は緊張の和気家のパーティーね・・・。なんか服あったかな・・・。もしなんだったら朝一で買いに行かなきゃ・・・。仕事用のスーツでいいかな・・・。

すると同期の美貴ちゃんが声をかける。そうだった、美貴ちゃんもこの党大会の取材で来てたんだった・・・。

「お疲れ!彩子・・・。大変だったね、新人なのに・・・。」
「ううん・・・ま、何とかね・・・。美貴はうまく行ったの?」
「うん、夕方のニュースで流れるんだ、私の取材・・・。」
「ねえ、いつ帰るの?東京・・・。」
「明日明後日と休みなんだ・・・。今日は大阪に泊まって、明日帰るの・・・。」

私は美貴ちゃんに言ったの!

「お願い!一緒に和気さんところのパーティーに出てくれないかな???一緒に出てくれると助かるんだけど!!!」
「え?何それ???」
私は美貴に詳しく話したの・・・。美貴は面白そうっていってついてきてくれる事になったの・・・。もちろん和気さんには許可を得たわ・・・。和気さんもそのほうがいいって・・・。

次の日の昼前、私と美貴ちゃんは指定されたホテルの前へ・・・。ここは和気家御用達の外資系トップクラスのホテル。ヨーロピアン調の内装が素敵なホテル・・・。ロビーには暖炉があって・・・。一度だけ和気さんと泊まったことがあるんだ・・・。そのホテルの宴会場・・・。和気さんは仕事が少し残っているからって、後から来る・・・。

受付を済ますと、中に入る。中に入るとちらほら知った顔・・・。半分は病院関係・・・。半分は政治・経済界・・・。総勢200人・・・。美貴ちゃんはすごく緊張している様子・・・。私と美貴ちゃんはいろいろ話しかけてくるおじ様方に名刺交換しながら、何気ない話を・・・。美貴ちゃんは私の姿を見て感心してたの・・・。

「なんで慣れてるの?」って・・・。

慣れてなんか無いわよ・・・。代議士の妻として当然の事よ・・・。特に来年は任期満了の総選挙。今から地盤を作っておかないと・・・。これくらいしか出来ないと思うのよ。だって選挙運動中休みが取れるかどうか・・・。

やっと和気さんと合流して、3人で挨拶回り・・・。おせっかいなおば様方の「子供はそろそろ?」の攻撃にひるむことなく、なんとかパーティークリア・・・。

最後の極めつけは和気さんのお母様・・・。

「彩子さん、年始の行事楽しみよ・・・。一緒に神護寺にお参りできるのですもの・・・。住職に泰明と彩子さんの子宝祈願をお願いしなくてはいけないわね・・・。ほほほ・・・。」

私は苦笑しながらなんとか解散・・・。大阪駅まで美貴ちゃんを見送って、和気さんの待つホテルへ・・・。

せっかくのイブなんだけど、疲れきってしまって、ダウン・・・。
和気さんとのロマンチックな夜もお預け・・・。
和気さんは残念そうな顔をして、私の枕元にクリスマスプレゼントだけをおいて眠ってしまったのよね・・・。
次の日だって私は朝早く大阪を発ってしまったから・・・。
風邪引いちゃってね、家でゆっくり休みたかったんだ・・・。
ごめんね和気さん・・・。

 大晦日の日、私はなんとか取れた朝一の飛行機で伊丹空港へ・・・。朝早くだったのに、和気さんは迎えに来てくれた・・・。そして連れて行かれる和気さんの地元事務所・・・。

「ごめん、今大掃除しているんだ・・・。俺の執務室で休んでてよ・・・。」

和気さんの事務所は宝塚の隣の市にある。空港から車で5分、JRの駅まで歩いて10分、幹線道路も近くにあるし、なんせ宝塚に比べて家賃が安い・・・。3LDK72平米で家賃は駐車場つき12万。さらに来客用に1台余分に借りている。
東京だとワンルームしか借りれないのよね・・・。
オートロックのお洒落なデザイナーズマンション・・・。
4階建てでもちろん南東向きの角部屋。
実は初めてこの事務所を訪れたの。
中に入るとすぐに左手にお風呂とトイレ、リビングは12畳ほど、キッチンも綺麗だし、和室に6畳の南向きの部屋、5畳の部屋、備え付けのクローゼットあり・・・。リビングは地元スタッフのデスクが並べられている。地元スタッフは私設秘書の二階堂さんと、アルバイト事務員2人の計3人。二階堂さんは一番北側の和室に居候している。そのほうが24時間事務所に誰かいるから助かるんだって・・・。もちろん家賃は割り勘・・・。
和気さんしっかりしているね・・・。
南向きの部屋は和気さんの執務室・・・。デスクの上にデスクトップパソコン。そして小さいけれど応接セット・・・。本棚の中には六法全書やいろんな本・・・。真ん中の部屋は資料保管室・・・。ホントにもったいないくらいの事務所・・・。

和気さんはせっせと仕事をこなしながら大掃除・・・。たまにしか使わない執務室・・・。だって補佐官になってほとんどこっちに帰ってきてないんだもんね・・・。もう仕事納めを過ぎているので、和気さん以外は掃除が終わり次第、家に帰っていったの・・・。二階堂さんも実家の京都に帰っていった。

今夜は和気さんの実家に泊まることになっている。和気さんはきちんと戸締りをして、駐車場に停めてある我が家の車へ・・・。品川ナンバーの真っ黒いアリスト。わざわざ和気さんは東京から、地元に乗ってきたの。そして当分この事務所に置いておくって・・・。まあうちに置いておいたとしても乗らないんだもん・・・。地元の移動手段の車は、和気さんところのベンツを使ってもいいんだけど、左ハンドルで気持ち悪いって・・・。やはり慣れた車がいいらしい・・・。
この事務所から車で10分くらいのところにある和気さんの実家・・・。
うう緊張・・・。
なんとか私はご両親に東京の手土産を渡し、和気さんの部屋へ・・・。

「ああ、やっと二人っきりになれる・・・。」
なんていいながら和気さんはキス魔に変身・・・。

和気さんは自分の部屋のテレビをつけると、さらに濃厚なキスを・・・。

もちろんクリスマスイブイブも、イブも、何も無かったから溜まってるのはわかるけど・・・だからって嫌じゃない?
慣れない和気さんの実家よ・・・。
「ごめんね・・・。きっと落ち着いたら夫婦生活を・・・。」
「やだ・・・。」
「お願いだから・・・。ね?」
「うう・・・・。」
二人で寄り添いながらテレビを見る・・・。
すると画面には私・・・。
もちろん前にとったものを流している。
変な感じ・・・・?
ここに私がいるのにね、テレビには女子アナの私・・・。2人で笑いながら見ていたの・・・。
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さくらと空 
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