4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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夢~高校編 最終章 別れと約束 (5)約束

「雅・・・。」


雅は俺のほうを見て立ち上がると、俺に抱きつき、気を失った。

「雅・・・?」

すごい熱だ・・・。


俺は驚いて駅員さんに救急車を呼んでもらった・・・。そして市民病院に運ばれる・・・。


雅は点滴をつけられ、ずっと眠っていた。驚いた父さんは制服のままで病院にやってきた。次の日、叔父さんとおばさんが慌ててやってきたんだ。怒られるかなって思ったんだけど、叔父さんは雅をよく探してくれたと褒めてくれたんだ。


でも雅はまだ眠ったまま・・・。


おばさんによると雅はここ数日何も口にしていなかったらしい・・・。その上無理して東京からここまで来たんだから・・・倒れたんだ・・・。


約束
それから2日後、雅は目覚めた。
側にいる俺を見ると雅は俺に抱きついた。

「孝博君に会いたかったの・・・。雅は恋に恋しているんじゃない。本当に孝博君が好きなの。愛してるの・・・。」

「でもさ、俺たちは従姉弟だよ。そして雅は宮様と・・・。」

「宮様嫌い・・・。あの人本当は誠実な人じゃないのよ。結構いい加減なの。実は何人も彼女いるの知ってるもん・・・。私は本妻として入るかもしれないけれど、浮気されるのは嫌いだもん。」

泣き叫ぶ雅を見て叔父さんは言ったんだ。

「雅・・・パパは知らなかったよ、雅がそこまで孝博君の事を・・・。そしてあの宮様がそんな男だなんてね・・・。そんな男のところに雅はやれない。雅が不幸になるだけだ。雅、パパのほうから宮内庁に辞退の申し入れをしておくが、宮様には自分の言葉ではっきり丁寧にお断りしなさい。いいね。しかし・・・孝博君が相手じゃねえ・・・。」

俺は叔父さんにはっきり言ったんだ。

「叔父さん、俺、雅の事好きだよ。雅じゃなきゃ嫌なんだ・・・。俺、防大出て、幹部候補学校、幹部学校を出たら、雅と一緒になっていいかな。もちろんそれは雅がそこまで俺の事を想ってくれているかが条件だけどね。あと十年も先だよ・・・。雅が俺の事10年待っていられるのなら。雅・・・いい?」

雅はうなずいた。叔父さんもそれならと許してくれたんだ。

「孝博君、幹部自衛官でなくても、政治家でもいいぞ。」

「いや、俺は父さんのような幹部自衛官になるんだ。それが夢なんだ・・・。夢が叶ったら雅を迎えにいくよ・・・。いい雅?」

「うん!」

俺たちは両方の親の前で約束をした。誰がなんて言おうが一緒になるんだ。従姉弟だって構わない・・・。


いいだろ?雅・・・。


(完)



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夢~高校編 最終章 別れと約束 (4)家出

家出 ある日俺の携帯に電話・・・。弐條の叔父さんからだ・・・。


「孝博!雅そっちに行ってないか???雅が家出をしたんだ!」

雅が家出???おばさんがちょっと買い物で留守をしたときに雅は貴重品だけもっていなくなったらしい・・・。東京中探しても見つからなかったので、俺の携帯にかけてきたみたいだ・・・。かき置きにはこう書かれていたらしい。

『雅は宮様と結婚しません。雅は孝博君が一番好きなの。孝博君が側にいないと雅は生きられないの・・・。ごめんねパパ、ママ・・・。雅は孝博君のことを許してくれるまで帰らないから。』

と・・・。きっと俺のところに向かっているに違いない・・・。俺は雅の携帯に電話をかけた。何度かかけてやっとつながった。

「雅、今どこにいるんだ!!!」

『北伊丹駅だよ・・・。孝博君・・・迎えに来て・・・。雅、雅・・・。』

いきなり電話が切れる。なんだかおかしい・・・。俺は自転車を走らせ、JR北伊丹駅へ・・・。


雅は駅の階段に腰掛けていた。雅はすごく痩せてしまって、あの元気で笑顔の可愛い雅の面影はない・・・。





つづく・・・











次が最終回ですよ^^;


シリーズはまだまだ続きますが^^;



夢~高校編 最終章 別れと約束 (3)偽装

 夏休み、俺と雅は別れた。まあ。俺の一方的な別れで・・・。


あの日のことで、おばちゃんに俺と雅が付き合っていたことがばれてしまったんだ。もちろん父さんには散々絞られ、雅ちゃんは強制的に東京に戻されてしまったんだ。雅は半狂乱になって、せっかく叔父さんのおかげで復学した学習院女子高を登校拒否。家に引き籠ってしまったんだ・・・。一度、家に宮様がお忍びで雅と面会するために来たらしいんだけど、会おうともせずに、さらに引き籠る。たいそう叔父さんは困り果ててたんだ・・・。俺の父さんは俺のためにわざわざ休みを取って、東京に行き、叔父さんに土下座・・・。叔父さんは父さんにしかりつけることはなかったんだけど、どうすれば雅が元の雅に戻るかを悩み悩んでいたらしい・・・。


俺は何もなかったように高校に登校・・・。もちろん雅を好きなことは変わりない・・・。そしていつもの光景・・・。偽装
朝一番に丹波由佳が俺の左腕に飛びついてくる。


「あれ???従姉弟は???」


「東京に帰ったよ。」


「ラッキー。これで源君を独り占めに出来る!」


おいおい・・・。俺はお前の彼氏じゃない・・・。彼氏か・・・。


俺に彼女が出来たと聞いたら雅は諦めてくれるだろうか・・・。


「源君、由佳、まだ好きだよ。源君のこと・・・。」


丹波由佳は俺に告る。


「俺も・・・。」


「え?何?良く聞こえないよ。」


「俺もお前の事好きだよ。付き合おうか・・・。」


丹波由佳は満面の笑みで俺の胸に飛びつく。


おいおい!みんな見てるぞ!!!言っておくがなこれは偽装なんだ・・・。もちろんお前なんか好きじゃない・・・・。


でも結構可愛い笑顔かも?


この日から俺と丹波由佳は手をつないで登下校・・・。傍目にはきっと恋人同士に見えるだろうな・・・。


これでいいんだこれで・・・。





つづく・・・






夢~高校編 最終章 別れと約束 (2)一方的な別れ方

 俺は無意識のうちに広尾の雅の自宅へ・・・。そしてオートロックの呼び出しをならす・・・。


「はい・・・。」

おばちゃんだ・・・。

「おばさん?孝博だけど、雅いる?」

「いるわよ、今開けるから・・・。」

オートロックの扉が開き、俺は雅ちゃんちの玄関前へ・・・。呼び鈴を鳴らすと雅が出てきた。

「孝博君・・・。どうぞ入って・・・。」

雅は真っ赤な顔をして僕を招き入れてくれた。俺は雅の部屋に入り、雅と話す。いつもどおりのお嬢様スタイルの雅・・・。やはり自宅では今時の高校生の服装はしないんだね・・・。


雅はニコニコしながらお茶を運んできてくれた。

一方的な別れ
「孝博君、会いたかったよ・・・。雅寂しくって・・・。受験勉強なんて出来ないよ・・・。」

そういうと雅は俺の側に寄り沿って、頭を俺の肩に・・・。そして俺の耳元でささやく。

「孝博君、キスして・・・。」

雅は本当に寂しかったのか、潤んだ瞳で俺に訴える。ああ!もう・・・。俺はそっと雅にキス・・・。

「雅、もうこれで終わりにしよう。」

「え?」

「やっぱ良くないよ・・・俺たち・・・。別れよう・・・。きっと雅は俺と恋愛ごっこしているだけなんだよ・・・。宮様との結婚から逃げたいから・・・。もし俺が防大に入って卒業して、幹部自衛官になったら・・・。そしてそれでも雅が俺のことを好きなんだったら・・・。もう一度・・・。ごめん・・わかって雅・・・。」

「恋愛ごっこじゃないもん・・・。本当に孝博君のことが好きなんだもん・・・。」

「でも俺たちは従姉弟だろ!雅は宮様との結婚が決まったようなもんだし・・・俺たちは別れたほうがいいんだ・・・。雅は・・・雅は恋に恋しているだけなんだよ!!!」

俺は雅の家を飛び出した。もちろん雅の大きな泣き声が・・・。



これでいいんだ。これで・・・。


夢~高校編 最終章 別れと約束 (1)相談

 雅ちゃんは少しして東京の自宅に里帰り・・・。俺もお盆に行く予定だった代官山の爺ちゃんちに早めに行くことにした。 まだ代官山の爺ちゃんは俺を政治家にすることを諦めていないらしくって、慶應か早稲田に入れというんだよね・・・。俺は防大に行くつもりで勉強しているんだ。もちろん防大は理系だもんな・・・。理系中心に勉強しているんだ。母さんは離婚後、少し経ってから、以前から興味あった雑貨のお店を始めたらしい。ま、母さんはセンスいいから、結構固定客が出来て繁盛とはいかないものの、満足のいく生活をしている。姉貴は相変わらずのほほんとお嬢様生活・・・。代官山の家はきちんと俺の部屋が残されていて、慶應義塾高の制服をかけてある。気が変わったら復学できるように用意してあるとみた。もちろんそんな気など一切ない。


「ちょっと出かけてくる。」

俺は電車を乗り継いで、南麻布へ・・・。


南麻布には法務大臣の泰明叔父さんの東京の自宅がある。もちろん叔父さんに遊びに行く連絡を入れ、遊びに行った。遊びに行ったといっても相談を・・・・。泰明叔父さんは弁護士の資格を持っているんだよね・・・。だから結構法律に関しては詳しいというかプロだ・・・。叔父さんは結構聞き上手で、俺はよく叔父さんに相談をしている。関西人気質で、結構庶民的な叔父さんは雅和叔父さんと違って親身になって相談に乗ってくれる。そして面白い。

「よう孝博君。どうしたん?」

「叔父さんちょっと聞きたい事が・・・。」

「んん・・・ま、入れ。」

7月に子供を産んだ彩子おばちゃんは、まだ宝塚の叔父さんの実家にお世話になっている。叔父さんは今一人暮らしのようなもの・・・安心して相談が出来る。叔父さんは俺によく冷えたジュースを出してくれた。

「聞きたいことって???」

相談
俺はホント叔父さんに言ってもいいものなのか、ちょっと悩んだんだけど、雅ちゃんの夢のために聞いてみたんだ。

「叔父さん、従姉弟って結婚できるの?」

「あ?いきなり何や?社会の宿題か?政経の宿題か?」

「ん?んん・・・。」

叔父さんは宿題か何かと思っているようだ。

「一応法律上出来るけどね・・・。医学上はあまりね・・・。なんなん?」

「ホント?結婚できるんだね!!!」

俺は顔を真っ赤にして話を聞いていたから、ピンときたのかな?

「孝博、お前もしかして???」

「泰明叔父さんだから言うんだよ。絶対雅和叔父さんや綾乃おばちゃんには言わないで・・・。」

「場合にもよるよ・・・。」

「俺さ、今雅ちゃんと付き合っているんだよ。もちろんキスもしたし・・・それなりのことは・・・。」

「待て!!!孝博は15やろ!何やってるんや!!!従姉弟の雅と・・・。」

泰明叔父さんは相当怒っていた。もちろん別れなさいって言った。別れないと雅和叔父さんに報告すると・・・。


俺はわかったふりをして叔父さんの家を出た。やっぱり俺は雅を諦めないといけないのか・・・。雅の気持ちは・・・・?


つづく



夢~高校編 第4章 関係 (8)夏の思い出

「ごめん・・・やっぱり・・・。」

俺はあと一歩というところで、雅ちゃんのベッドから出る。やっぱり脳裏に雅和叔父さんと綾乃おばちゃんの顔が浮かんだんだよね・・・。雅ちゃんは座って真っ赤な顔をしてタオルケットで体を隠していた。やっぱり雅ちゃんの体は、大人の体をしていた。俺なんかホントガキで、これ以上雅ちゃんの体を穢す事なんて出来なかった。


一線雅ちゃんのことを大切に想うからこそ、本当に最後の一線は越えないことにしたんだ。俺は服を着て、雅ちゃんの服をそっと手渡す。

「やっぱり私のこと嫌いなの?」

「そうじゃない。俺、雅の事好きだよ・・・。でも俺たちは従姉弟だろ?決して父さんも叔父さん叔母さんも俺たちの事許してくれないよ。」

「いくじなし・・・。」

ま、そう思われても仕方がないだろうね・・・。

 俺たちは夕飯を食べ、別れる。

「孝博君。今度の週末、2人で海水浴行こうね。きっとよ・・・。」

「うん・・・。」

 もちろん、2人で海水浴に行った。父さんには高校の友人とみんなで行くんだってうそ付いて・・・。雅ちゃんのセパレートの水着はホントに可愛くって、一緒にじゃれあいながら遊んだよね・・・。周りの人はきっと普通の恋人同士だと思ったに違いない。俺たちがいけない恋をしているなんて思っていないだろう。昔はよくみんなで湘南の海に海水浴に行ったよね・・・。ホント、久しぶりに楽しい海水浴だった・・・。


夢~高校編 第4章 関係 (7)一線を・・・

 一通り宿題を終え、俺はネットのサイトを眺めながら、雅と何を食べようか、悩む。結局ピザ。時間を指定して注文・・・。夕飯の時間まで時間があったから、俺と雅ちゃんは雅ちゃんのベッドにもたれて座り、テレビを見る。


(テレビはこの部屋にしかないんだもんな・・・。)


雅ちゃんは疲れたのかな・・・俺の肩にもたれかかっていつの間にか眠っていた。ああ、雅ちゃんのチラッと見える谷間と、ミニスカートから際どい具合に出ている太ももを見ると、ムラムラこない男なんていないだろう。

孝博のキス
俺はつい・・・雅ちゃんの唇にキスを・・・。

「んん・・・?」

雅ちゃんが目を覚ます。

「孝博くん・・・・?今・・・。」

「忘れろ。春のお返しだ。」

雅ちゃんは満面の笑みで俺を見て喜ぶ。

「孝博君にキスされちゃった・・・。うれしい!!!」

そんな顔で俺を見ないでくれよ・・・。それ以上のことを・・・。


ああああ!!!!もういっちゃえ!!!!我慢できない!!!


俺は雅ちゃんを押し倒していた。

「いいよ、孝博君・・・。初めての人が孝博君で・・・。私の今の夢知ってる?」

「夢?」

「私、孝博君の奥さんになるのが夢だよ。ずっと死ぬまで孝博君の側にいたいの。だから孝博君にあげてもいいよ・・・。私のすべてを・・・。」

 俺たちは従姉弟という一線を越えてしまった・・・。


もちろんそれは許されることではない一線を・・・。




つづく


夢~高校編 第4章 関係 (6)雅のこと

「私着替えてくるね。この前お友達と買ったかわいい服着てみたいの。みちゃだめよ。」

「誰が雅ちゃんのペチャパイを見るもんか・・・。」

「ペチャパイって・・・見たことあるの?私の体。」

「小さい時は一緒にお風呂入ったりしてたじゃん。」

「もう十年も昔のことでしょ。失礼しちゃうわ。」


そういうと、雅ちゃんはお気に入りと思われる服を持って洗面所の脱衣所に行き、着替えている。もちろんこれでも俺は一人の男。女の子の体に興味ないわけはない。高校の友人の家でビデオを見たり、本だってみたこともあるし、友人の中には中学の時に体験しているやつもいるから、いろいろ聞いているんだよね・・・。もちろん夏服の白いブラウスから透けて見える雅ちゃんの白い下着の線をみたとき、一瞬ドキッとした事だって・・・。そして理科室から見えた雅ちゃんのスクール水着姿・・・。もちろんペチャパイじゃない・・・。ちゃんと女の体をしている。ペチャパイって言ったのはまあいう照れ隠しみたいなもので・・・。


ああ、我慢できないよな・・・。


普通なら・・・。


俺はカバンから宿題を取り出して宿題をはじめる。洗面所のドアが開く音がし、素足で歩くペタペタという音。

「見てみて、孝博くん。これ可愛いでしょ。友達が選んでくれたんだ。」

雅ちゃんは今風の高校生って感じの服。膝上10センチ以上のミニスカートにキャミソール、半そでのフリルのついたかわいいデザインの白いカーディガン。そして髪の毛はアップにして髪留めで止めている。長く細い首筋がすごく強調されて、うなじの遅れ毛がなんとも・・・。

孝博照れる
俺は顔を真っ赤にして、目に行き場に悩むんだ。だって胸の谷間が・・・。おへそも・・・。今までこんなの着たことないよね、雅ちゃんは・・・。雅ちゃんといえば、清楚な膝が隠れるくらいのワンピースのほうが多いよね・・・。髪だって・・・ホントお嬢様って感じに結って・・・。ああ雅ちゃんがこんな格好をしているのを見たらきっと叔父さんは卒倒かも?こんなに雅ちゃんの胸って大きかったんだ・・・。だめだめ・・・俺は雅ちゃんの前で男になっちゃいけないんだよね・・・。


続く



夢~高校編 第4章 関係 (5)雅の家へ・・・

 家に戻ると父さんたちは出かける準備をしていた。俺は父さんに成績表を渡し、自分の部屋に入る。俺はショックだった。雅ちゃん、もうそんなことになっていたんだ・・・。俺は着替えて下に降りる。すると出かける前の父さんが言う。


「孝博、もしかしたら遅くなると思うから、夕飯は雅ちゃんと外食しなさい。お金はここに置いておくから、いいね・・・。」

「わかった。」

「それと成績オール10だったね、よくがんばった。」

「そりゃそうだろ。慶應とレベルが違うんだから・・・。」

「そうだね・・・お前は慶應でも上位だったしね・・・。」

そういうと父さんたちは家を出て行った。俺は雅ちゃんに電話をする。もちろん夕飯の話・・・。

「孝博くん、それならうちにおいでよ。デリバリーでもしてゆっくりね・・・。そのほうがいいよね・・・。」

「んん・・・昼から宿題も一緒にしよう。」

「わかった。待ってるね・・・。」

雅ちゃんの声は少し低かった。きっと雅ちゃんも宮様の言葉を聞いてショックを受けたんだろう。まだ返事していないのにも関わらず、お妃内々定だと聞かされて・・・。

 俺は学校で流した汗をシャワーで流し、冷やしそうめんを作ってお昼を済ます。雅ちゃんはちゃんと食べているかな・・・。雅ちゃんはちょっと食事が細いほうだから、もしかしたらショックで何も口に出来ていないかもしれない。


まだ時間あるから、冷蔵庫にあった卵と牛乳、バター、そしてフランスパンと砂糖を使って雅ちゃんの大好きなフレンチトーストを作ってみた。おいしいか自身はないけど、いつもフレンチトーストを食べるときの雅ちゃんの顔は笑顔なんだ。いつもの笑顔でいっぱいの雅ちゃんに戻ってくれるのかな・・・。


俺はフレンチトーストをお皿に入れラップをかけて、荷物を持って雅ちゃんのマンションへ・・・。

雅の家
呼び鈴を押すと、まだ制服のままの雅ちゃん・・・。目は真っ赤で、腫れぼったい。相当泣いたのかな・・・。

「孝博くん・・・。ごめんなさい・・・まだ着替えてないし、お昼も・・・。」

「そうだと思った。これ食え!」

俺は雅ちゃんに俺が作ったまずいかもしれないフレンチトーストを手渡す。雅ちゃんは喜んで、俺を招き入れてくれた。雅ちゃんは嬉しそうに食卓の上に俺の作ったフレンチトーストを置き、食べ始める。

「初めて作ったからおいしいかどうかわかんないけど・・・。雅ちゃんが作っていたのを見よう見まねで・・・。」

「おいしいよ。とっても。ありがとう孝博くん。」

雅ちゃんはいつものように可愛い笑顔で俺の作ったフレンチトーストをペロッと食べた。俺は雅ちゃんの笑顔を眺めながら、勉強道具を取り出す。





つづく



夢~高校編 第4章 関係 (4)雅の婚約者?

 校門の前に黒塗りのハイヤー・・・。どうせ教育委員会とかそんなえらいさんが来ているんだろうね・・・。俺と雅ちゃんが校門を出た途端後ろのドアが開いて、きちっとした格好の男が出てくるんだ。婚約者
雅ちゃんは一瞬止まったんだけど、下を向いてその男の前を通り過ぎようとする。するとその男は雅ちゃんの腕を引っぱって言うんだ。




「弐條雅さん。今から東京へ戻って私の父に会ってください。もちろんお父様の承諾済みです。」

「宮様・・・。私・・・。」

み、宮様????じゃあこの男が例の雅ちゃんに求婚してきた・・・。20歳の高雄宮(成人を機に新しく宮家をもらった。)康仁王???結構宮家の人間にしてはいい男じゃないか!!!背も高くて、スタイルもいい。顔も爽やか系で・・・。

「申し訳ありません、離して下さい・・・私は・・・私は・・・。」

「今まで返事がなかったということはいい返事じゃなかったのですか?もう宮内庁では私の妃としての選定も終了し、内々定が出ているのですよ・・・。来春、あなたの高校卒業と同時に内定の発表が・・・。」

「え・・・。でも私・・・ほかに好きな人が・・・。だから・・・。」

俺はハッとして反対側の右の雅ちゃんの腕を引っぱった。




「雅!行こう!!走るぞ!!!」

「うん!宮様、ごめんなさい!!!」




俺は雅ちゃんの手を引きその場を走る・・・。SPの人かな・・・俺たち2人を追いかけようとしたんだ・・・。




「待ちなさい!また改めて・・・。ひとまず帰りましょう・・・。」




そういって宮様は車に乗り込んで学校を立ち去ったんだ・・・。






息を切らしながら、俺と雅ちゃんは走った。


そして俺は雅ちゃんを部屋まで送り届けて、家に戻った・・・。


夢~高校編 第4章 関係 (3)終業式

 今日は終業式だ。ということは明日から待ちに待った夏休み。


 先日彩子おばさんは元気な男の子を産んだ。15歳も離れた従兄弟の誕生。和気家待望の子供の上、男の子だったから、爺ちゃんはたいそう喜んで、おばさんがお世話になっている和気叔父さんの実家に今日出産祝いを届けに行く。もちろん父さんも非番だから爺ちゃんを車に乗せていくって行ってた。行くのは俺が学校から帰ってきてからだって。一度爺ちゃんたちは出かけると帰ってくるのが遅い。特に今日は和気家で出産祝いの会食をするって言ってたからきっと遅いんだろう。法務大臣の泰明叔父さんはこれで後継者が出来て安心だろうな・・・。この前の新聞にもでかでかと、社会面に載っていたよ。スポーツ新聞は一面だったらしい・・・。法務大臣の叔父さんと、人気女子アナの間に結婚17年目にしてやっと生まれた待望の子供であって男の子だったから・・・。名前は泰孝。叔父さんは俺の「孝」を使ったらしい・・・。


ま、叔父さんのお宅のことはこれくらいにして、今日はきっと夕方辺りまで一人でいないといけないんだよね・・・。夕飯なんかどうしよう・・・。

終業式
 俺はいつものように下駄箱で雅ちゃんと待ち合わせして帰宅する。雅ちゃんは夏休み期間中東京広尾の家に帰るといった。僕も本当は代官山の高橋家に顔を出しに行く約束をしていたんだよね・・・。盆正月ぐらいは代官山に来いって高橋の爺ちゃんとの約束・・・ま、実の爺ちゃんには違いないんだし・・・。俺は雅ちゃんと夏休みの予定とかを話しながら、校門に向かう。

「ねえ、孝博くん。今度の週末、海に行こうよ。須磨に常康お爺ちゃま所有のリゾートマンションあるの知ってるでしょ。そこを拠点に海水浴にイコ!」

「んん・・・。お泊りはなしだよ。日帰りならいい・・・。」

「絶対よ。この前友達と可愛い水着買ったんだ・・・。きっと孝博くん気に入るよ。」

「そうだ、友達も呼んだら?俺も人数揃えるよ。そのほうが楽しいよキット・・・。」

「んん・・・そ、そうだね・・・。そうしよっか・・・。」

雅ちゃんはきっと僕と2人きりでの海水浴を期待していたんだろうね。残念そうな顔をして下を向いている。


俺たちは恋人同士じゃなくってあくまでも従姉弟だから・・・。



夢~高校編 第4章 関係 (2)綾乃叔母ちゃんと丹波由佳の父の再会?

 無事試験が終わり、間もなく夏休み。終わったものから順々に戻ってくる。


様々な教科の先生は俺の成績を褒める。またまたトップ成績。ほぼ満点。間違ってもひとつやふたつ。はっきり言ってうっかり間違いってわけ・・・。以前俺を自衛隊君といって冷やかしていた連中は俺の成績にビビり、何も言わなくなった。成績優秀、スポーツ万能の俺。友達もたくさん出来た。


今日は3者面談。ちょうど俺と雅ちゃんの時間帯が同じ。変わらず、父さんは予定時間ごろになると、総監部を抜け出して、制服のまま面談らしい・・・。


(おい!)


校門で綾乃おばちゃんに出くわしたらしくって、仲良く話しながら、校舎に入ってきた。俺は雅ちゃんと下駄箱のあたりで父さんとおばちゃんを待っていた。

再会
来た来た・・・って思ったら、俺の横を丹波由佳の父親が通り過ぎ、立ち止まる。そして綾乃おばちゃんも・・・。なんだか気まずい雰囲気・・・。

「お久しぶりです。弐條綾乃さん・・・。」

「あ・・・・。こんにちは・・・。丹波さん。私はこれで・・・。」

ただの友達って感じじゃないよね・・・。


それよりもおばちゃんが一方的に嫌がっているというか・・・。丹波由佳の父親はふっと苦笑して校舎を出て行く。


おばちゃんは雅ちゃんと3年生の教室へ・・・。そして俺は、父さんと担任の待つ教室へ・・・。ややこしい関係・・・。ほんとにさ・・・。



夢~高校編 第4章 関係 (1)ややこしい関係

 何も発展することもなく、もう夏がやってくる。相変わらずあの勘違い娘・丹波由佳が、毎朝のように校門で待ち構え、俺の左腕にしがみつく。そして俺は振り払う。毎日こういう繰り返し・・・。きっと周りの生徒たちは俺と丹波由佳が付き合っているんじゃないか勘違いしていることであろう・・・。昨日はいつも行くスーパーで商品を雅ちゃんと吟味している時、俺の肩を誰かが叩く。


「源君。偶然!!!」

あちゃー。


丹波由佳・・・。相変わらず雅ちゃんの顔を見るとベ~~~~っと舌を出し、にらんでいる。側にはお父さんかな・・・。結構背が高くてチョイ悪おやじ系モデルのような体形・・・。その男はじっと雅ちゃんのことを見て言った。


「綾乃ちゃん・・・?いやそんなはずは・・・。」

何で雅ちゃんを見て叔母さんの名前が出る?男は雅ちゃんの顔を見て話しかける。

「君、名前は?」

「私、弐條雅ですけど・・・なんですか?」

「弐條・・・?もしかしてお母さんは綾乃?」

「はい・・・。母と何か?」

「いや、昔ね、慶應義塾大学で出会ってね・・・・。お母さんにそっくりだね・・・。」

雅ちゃんはいや~~~な顔をして目を逸らす。

由佳の父
男はふ~~~んと言うような表情で、雅ちゃんを見つめている。


おばさんとこの男なんかあるなって直感的に思ったよ。


「行こう、雅。爺ちゃんが待ってるから。」

「うん。」

ホント、丹波由佳といいあの男といい、変な家庭だな・・・。

 明日は期末試験最終日だから、勉強勉強。中間試験はトップ成績を取ったから、今回も維持しないといけないよな。雅ちゃんも成績いいほうだし・・・。


試験中俺と雅ちゃんはリビングで一緒に勉強した。雅ちゃんはもうそろそろ進路を決めないといけない。来週から個人3者面談があるから、綾乃おばちゃんがわざわざ東京からやってくる。

「雅ちゃんは進路どうするつもり?」

「ん?孝博君と出来るだけいる事が出来るところがいいな・・・。」

「俺は防衛大学校を受けるから・・・。こっちの4年制大学受けてもね・・・。」

「そっか・・・そうだよね・・・博雅おじ様と同じ道に進むんだものね・・・。じゃ、短大でもうけるかな・・・。そうしたら一緒にいる事が出来るでしょ。」

雅ちゃんのような成績で短大はもったいないと思うよ。東京の大学を受けるといいのにさ・・・。


なんとなく時間が過ぎて、雅ちゃんは勉強道具を片付けると、夕飯の支度。これは毎日のこと。毎日夕飯の支度して一緒に食べて、自分のマンションに戻っていくというパターン・・・。雅ちゃんは夕飯を作りながら、いう。

「実はね・・・パパと約束したんだ・・・。高校卒業したら、東京に戻るって・・・。それが条件でこっちに来たんだよ・・・。孝博君が、代官山に戻ってくれたらいいのに・・・。」

「もう母さんのいる高橋家には戻らないよ。もう決めたんだから。」

「静ちゃん寂しがってたよ・・・。」

「姉貴は高橋を継ぐんだからいいじゃん。どうせ政治家の息子と見合いさせて婿養子もらうんだろ。姉貴は姉貴、俺は俺だしね・・・。もう母さんと父さんは修復不能だしね・・・。」

「雅ちゃんだって、従姉弟の俺と一緒にいるよりも、例の宮様とお付き合いしたほうがいいんじゃない?」

俺はきっと宮様に返事済みだと思ってた。

「私ね、孝博君の側にいたい反面、宮様から逃げたかって言うか・・・。実はまだ返事していないの・・・。孝博君のこと好きだから、返事なんて出来ないよ・・・。」

俺は何も言えなかった。雅ちゃんがいとこでなければ、恋敵が宮様でなければ・・・俺はきっと雅ちゃんの気持ちを受け入れて、自分の気持ちを雅ちゃんに言うだろう・・・。


2歳年下だなんて関係ないよ。


つづく・・・








夢~高校編 第3章 高校生活の開始 (4)板ばさみ

 雅ちゃんの家ってホントに俺の家のまん前だった。斜め前の単身世帯向きのマンション。1LDKの新目・・・。父さんも驚いてたよ。一言も聞いていなかったわけだし、雅ちゃんの初登校の日、叔父さんは校長に会った後その足で隣接した総監部の父さんにアポなし面会したわけだから、総監部も大騒ぎ・・・。なんせ叔父さんは防衛大臣。自衛隊のトップといっていい。きっと正面門にいる警備官はさぞかし驚いたことだろうね・・・。


 雅ちゃんは超お嬢様育ちといっても綾乃おばちゃんが家事の完璧な人。その遺伝なのかな、雅ちゃんもひとりで生活できるくらいの腕を持っている。料理も上手いから、父さんが仕事で遅い時なんて雅ちゃんがうちに来て家事一切をしてくれる。爺ちゃんは雅ちゃんの料理を食べて綾乃おばちゃんの味と同じだって言うんだよ。ホントに手際よくておいしい。きっといつも綾乃おばちゃんと料理していたんだろうね・・・。

 毎朝、雅ちゃんは俺を迎えに来る。ま、目の前のマンションだからできるわけで・・・。見た目は普通のきれいな女子高生の雅ちゃん。この子があの華麗なる一族、弐條家の長女、そして防衛大臣の娘だなんて誰も思わないだろうな・・・。まあこちらから言う必要ないし・・・。

「はい、孝博くんお弁当。」

「んん・・・。」

もちろん父さんの分も作っている。ああうれしいな・・・。


雅ちゃんは俺の一歩後ろをついていく感じで毎朝の登校。傍目にはいい雰囲気の恋人同士に見えるのかな・・・。でも俺たちは今あくまでも従姉弟同士。ま、雅ちゃんが俺に対する気持ちは知っているけれど、俺は雅ちゃんに今のところ気持ちを伝えるつもりはない。伝えて一線を越えるなんていけないことだし・・・。ああ俺はこういうところ初心なんだろうか・・・。普通男なら好きな女がいればモノにしたいと思ったりするんだろうけど・・・。従姉弟だし、きっと父さんも、叔父さん叔母さんも許してくれないもんな・・・。


昨日だって、一緒にスーパーに買い物行ったときに言ったんだ。


「私は孝博くんの側にいるだけでいいの。こうして2人で買い物行ったり登下校したり・・・。きっと孝博君は私のこと従姉弟のお姉ちゃんにしか思ってないよね・・・。」

ま、俺はそれでもいいと思ったからこうして一緒にいるわけで・・・。でもいまだに雅ちゃんがしてくれたキスの感触が残っている。ホント俺は女々しいかもしれない・・・。思い出すたび顔を赤くしながら慌てて何かをする。男としてまた雅ちゃんと・・・・って思ったりしたんだけど・・・。ああ葛藤の日々・・・。

2人の女の子
 また校門の前で丹波由佳が待っている。
俺の顔を見るなり、走ってきていつものように俺の左腕につかまり、後ろを歩いている雅ちゃんの顔をにらみつけてベ~~~ってする。

「やめろ、丹波。俺はお前の彼氏じゃない。」

「いいじゃん。同じ関東出身のよしみで・・・。私、源君のこと好きだよ。」

おい待て!こんな人がいっぱいなところで告るなよ。特に後ろには雅ちゃんがいる・・・。俺の好きな雅ちゃんが・・・。


雅ちゃんは怒ったのか俺の右側を通り過ぎ、校舎に走って行った。

「雅!!!」

俺は初めて雅ちゃんのことを呼び捨てにした。それを聞いた雅ちゃんは振り返り、手を振り微笑んで校舎内へ・・・。

「なんなの?あの人・・・変なの?従姉弟同士なのに・・・。」

俺は丹波由佳の手を振り払い、雅ちゃんを追いかける。


そうだ、俺は雅ちゃんが好きなんだ。好きなことには違いない・・・。



夢~高校編 第3章 高校生活の開始 (3)丹波由佳と転校生

 毎日丹波由佳は校門で待ち伏せしている。


「おっはよ~~~源君。今日由佳ね、源君の分もお弁当作ってきたんだ。一緒に食べよ。」

「断る。俺は学食で十分だ。去れ。」

俺は丹波由佳と付き合っていないのに何で一緒に弁当食べないといけないのか?

「ああ、そういう源君の態度好きだよ。」

そういって丹波由佳は俺の腕に飛びついてくる。これじゃ恋人同士じゃないか・・・。

 すると今日に限って校門前が騒がしい・・・。大きな黒塗りの車が校門前に止まる。そして黒尽くめの男が降りてきて、後ろのドアを開けるんだ。どっかでみたことある車に男たち・・・。ここにはいるはずないと思ったからはっきり思い出せなかったんだけど、一人の中年男性と女の子が降りてきて誰かとわかった。

転入生
(え~~~~~~~!!!雅和叔父さんと雅ちゃん!!!何で雅ちゃんはうちの制服着ている
んだ???)

雅ちゃんは俺の姿に気がつくと手を振りながら、こっちに向かってくる。

「孝博くん!!!」

(やばい!!!)

俺は丹波由佳の手を振り払い雅ちゃんのほうを見て苦笑・・・。

「雅ちゃん・・・?」

すっごい可愛い笑顔で俺の顔を見つめる雅ちゃん・・・。

「あのね、私、転校してきたの。どうしてもこっちに住みたかったから・・・。パパにお願いして、近所のマンションに一人暮らしするの。ホントに孝博君の家の近くよ。」

「転校???せっかくの学習院女子をやめてかよ!!!」

「いいの。どうせ大学はこっちの大学に行くから。」

すると叔父さんがやってくる。

「おはよう孝博くん。えらい雅がここの環境を気に入ってしまったようでね・・・。一生のお願いといわれたんだよ・・・僕も雅には甘いな・・・。芦屋から通わすわけにもいかないからこのあたりのマンションを借りたんだ。だから、孝博くん、雅のこと頼んだよ。さ、雅、校長先生に会いに行こう。」

「うん!!!」

雅ちゃんは俺を追いかけてきたのか?そんな馬鹿な・・・。

「ねえ源君、誰?あの子・・・3年生のようだけど?」

「俺のいとこ。弐條雅。」

「そっか、いとこか・・・安心した。」

何が安心しただよ。俺はお前よりも雅ちゃんが好きだ。俺は無視して校舎に入る。何で雅ちゃんがこの学校に転校してくるんだ?もしかしてまだ俺のこと想ってくれてる?今頃宮様に返事をして女として幸せな人生を歩もうとしていると思っていたのにさ・・・。



夢~高校編 第3章 高校生活の開始 (2)俺のあだ名

 まあ何とか入学式は終わり、父さんは急いで隣の総監部に戻っていったんだ。父さんのおかげで俺のあだ名は自衛隊君になったよ・・・。もともと俺は標準語しゃべるから、関西弁の中に入ると目立つんだよね・・・。やばいな、気をつけないといじめのターゲットだよね・・・。父さんが関西弁のイントネーションだからきっと俺もちょっとしたら関西弁になるのかな・・・。


「おい自衛隊!、東京から来たらしいな。」

「ああ・・・。だから?」

「慶應の制服着て受験してたやつってお前だろ?」

「んん。」

「何で普通の公立にきてるんだ?」

「親が離婚したから。そして俺は父さんについてきただけだ。」

「慶應行ってたやつが公立なんかにくんなよ。ええとこの子が行く学校ならたくさんあるやろ。頭いいんやったら灘高とかあるやろ。」

「家が近所だからここにしただけだ。俺の家は父子家庭だから、贅沢はいえない。これでいいだろ。」

ホントに皆俺のことに興味津々らしいな。同じようなことを女の子にも聞かれる。


ウザイ・・・。

 授業がはじまる。はじめのうちは皆出身校同士でつるんでいる。俺の場合は一人。俺は休み時間も参考書片手に勉強するしかない・・・。

丹波由佳
「自衛隊君・・・。」

「俺は源だ。きちんと名前はある。」

「ごめんなさい・・・・。」

同級生の女の子が俺の前を立っていた。

「源君は東京から来たんでしょ。私は神奈川からなの。」

「そう。だから?」

「それでね、私のパパは陸上自衛隊阪神病院に勤務しているのよ。自衛隊君ってあだ名だからお父さんは自衛官なの?」

「ああ、幕僚副長だよ。その前は富士学校にいたんだ。」

「すごい!!!総監部のトップ3じゃない!!」

なんか一人で盛り上がっているこの女・・・ウザイ。


でもよくみるとかわいいんだよね・・・。名前を言えよ!名前を・・・。別に興味はねえけどな。


「で、君は誰?」

「え~~~同じクラスの丹波由佳(よしか)よ~~~~。パパはね自衛隊病院のお医者様よ。内科医なの。」

「じゃ、防衛医科大学卒かよ・・・・。」

「ううん、慶應だよ。」

「ふうん・・・。(慶應ねえ・・・。)」

ま、この日はそれ以上話さなかったんだけど、この女がしつこい女だとは知らなかったよな・・・。



夢~高校編 第3章 高校生活の開始 (1)入学式

「悪い!孝博、父さん入学式の日休み取れんかった!!!」


いまさらいうなよ、いまさら・・・。もうあさってなのに・・・。いいよ爺ちゃんに出てもらうからさ・・・。アーア、初めて父さんが入学式とか公式の行事に来てくれると思って楽しみにしていたのにさ・・・。ずっと仕事で幼稚園から中学の卒業に至るまで運動会さえ来てくれなかった。ま、遠い赴任先から来いって言っても無理な話で・・・。


「時間に間に合うように抜けてくるから許せ!!」


父制服姿
え?抜けてくる???
もしかして制服で来るって言うんじゃないよな・・・。


あの制服に白手袋とかしてくるわけ?


やめてくれよかっこ悪い・・・。


俺の父さんは自衛官ですって言っているようなものじゃないか・・・。


俺は父さんの自衛官姿は好きだけど、知らない地での知らない高校に入学する当初からそんなカッコで来られたらいい迷惑だ。


4月某日、県立高等学校の入学式の日だ。俺はちゃんと顔を洗い歯を磨いて真新しい制服を着る。これから大きくなると思うからちょっと大きめ。髪の毛もちゃんとかっこよく整えた。


自分で言うのもなんだけど、慶応義塾中等部では他校の女子生徒から結構もてた。


放課後、校門前に待ち構えている子も多かった。


そして中等部の卒業式にはどこで仕入れたのか、遠い兵庫に引っ越す情報が流れ、制服のボタンは無残なもの・・・。


しょうがないから、高校入試のときは彬君のお下がりを着て受けたんだよね・・・。


やはり有名な慶応義塾の制服を着ての受験だったから、注目の的だったんだけど・・・。


ま、主席合格だったらしいから、今日の入学式では新入生代表として挨拶をするんだよね・・・。


昨日夜遅くまで爺ちゃんと原稿を書いていた。何とか形にはなったけれど、こういうのは苦手だから、ドキドキものだよ。






俺は雅ちゃんからもらった時計を腕につけ、爺ちゃんと一緒に高校へ行く。


歩いて5分圏内。ホントに自衛隊の真横にある県立高校。






早速クラスを探す。


1年1組だ。


俺は爺ちゃんと別れ、校舎に入ろうとすると・・・。




「孝博!ああ間に合った・・・なかなか抜け出せなくってね・・・会議だったから・・・。」




あちゃーやはり父さん制服のままで来るなよ・・・。


注目の的だ・・・。


普通の制服じゃいけないからって、律儀に白手袋。


せめてロッカーに入れてある礼装の上着ぐらい着れば?


あ、そうか上官の許可が要るのか・・・・。



夢~高校編 第2章 初恋 (3)雅ちゃんの気持ち

雅ちゃんは黙ってしまったんだ・・・。何を言われたんだ?


「だからどうしたの?」

「あのね、お付き合いしてくださいませんかって言われたの・・・。」

弐條家って言えば、大昔の公家で、今まで何人か天皇家に入っているって聞いたよ。家柄的には申し分ないんだろう。政治家一家だし・・・。

「いいんじゃないの?別に・・・。」

「孝博君ってわかってないね・・・。お付き合いしてくださいイコール結婚してくださいだよ。私あの宮様のことなんとも思っていないのによ。」

「女として光栄なことじゃないの?雅ちゃんはきれいだし、家柄だって申し分ないだろ。華麗なる弐條家の一族なんだから・・・。」

雅ちゃんは涙を浮かべて、何か言いたそうな目で俺を見る。きっと言ってほしいことと俺が言った事が違っていたのかな・・・。なのに俺は・・・。

「好きにすればいいじゃん。俺には関係ないし。」


ファーストキス
すると僕の唇に暖かい感触・・・。
それは雅ちゃんの可愛いい唇だった・・・。


「私ずっと孝博君のこと好きだったのに・・・。そういう言い方しなくったっていいじゃない!!!」

え・・・・。雅ちゃんが俺のこと好きだったって????ちょっと待て!!!俺たちいとこだろうが・・・・。

「私、孝博君が代官山からこっちに引っ越すと聞いて、とても悲しかったんだ。とても寂しくて・・・。そして気がついたの。私孝博君のこと好きだもん・・・。」

そういうと雅ちゃんは部屋を飛び出していった。俺の気持ちなんて聞かないで・・・・。


両思いだったっていうのはうれしいけれど、いとこだし・・・。

俺はみんなのいるリビングへ向かった。すると雅ちゃんの声・・・。

「あのね、パパママ、叔父さん叔母さんお爺ちゃん、そして博雅伯父様聞いて。私この前斑鳩宮康仁様にね、お付き合いを申し込まれたの。私決めたの。康仁様とお付き合いするの。」

「み、雅!どういうことを言っているのか知っているのか?!」

「知っているわ。パパ。結婚を申し込まれたことくらい・・・。いいの私・・・。宮様のこと嫌いじゃないから・・・。そう・・・嫌いじゃない・・・。」

雅ちゃんの爆弾発言にみんな驚いていたよ・・・。俺は何にも言わずに立ち尽くしていた・・・・。


これでいいんだ・・・。


ほんとにこれで・・・。


そのほうがきっと幸せになれるよ雅ちゃん・・・。俺は身を引くよ・・・。





夢~高校編 第2章 初恋 (2)従姉・雅ちゃんの相談事

雅
「孝博くん!」


振り向くと俺の後ろには雅ちゃん。


「何?」

雅ちゃんは後ろに何か隠しているみたいだ。顔を真っ赤にして俺のほうを見ている。そして後ろに隠しているものを俺に手渡す。

「これ、入学祝。パパと一緒の時計なんだけど・・・。そんなにいいものじゃないのよ。普通に高校生が使っているようなものなの・・・。使ってくれるかな・・・。」

「あ、ありがとう・・・。嬉しいな・・・。開けていい?」

雅ちゃんは微笑んでうなずく。開けてみるとGショックの定番もの。こういうもののほうが嬉しいんだよね・・・。

「気に入った?普通はこういうのを使うんでしょ。パパったら、時計好きだから・・・。馬鹿よね、高校生がオメガなんて持てないわよ・・・。」

「ありがとう。こういうのが欲しかったんだ。よかったら部屋見に来る?」

「うん!」

いとこじゃなかったら・・・。きっと雅ちゃんは僕がいとこだからこういうのをくれたんだろうな・・・。いとこだし幼馴染だし・・・。


俺は部屋に招きいれて、もらったものを勉強机の上にそっと置く。雅ちゃんはじっと部屋中を眺めながら、言った。

「孝博君らしい部屋ね。きちんと整頓しているし、弟とは大違い。弟は乱雑というか・・・。あれが制服?」

雅ちゃんはかけてある俺の制服を取って僕に合わせてみる。

「孝博くんかっこいいよね。へえ、こういう制服なんだ。」

ホント相変わらずお姉ちゃん面をする雅ちゃん。雅ちゃんはきちんと制服をかけなおして、僕を見て微笑む。勘違いしそうな微笑。でも雅ちゃんは俺のこと弟だと思っているんだろう。

「あのね、相談があるんだ・・・。これは内緒よ。彬にもパパやママにも言っていないんだから・・・。」

雅ちゃんは座って下を向いていった。

「あのね、私の学校の友達に宮様がいるじゃない?」

「ああ、あの斑鳩宮幸子女王?」

「うん・・・。この前幸子さんのお誕生会に行ったのね・・・。知っているかな・・・幸子さんにお兄様がいるの・・・。」

「なんだったかな・・・。康仁王だよね・・・。20歳で、今年成人式で話題になったよね・・・。」

「今までお邸に何度か遊びに行って何度もお会いした事があるんだけど・・・。この前声をかけられて、言われたの・・・。」

「なんて?」





つづく・・・







夢~高校編 第2章 初恋 (1)華麗なる一族・弐條家と和気家の訪問
 華麗なる一族といっても某小説やドラマのことではない。 俺の綾乃叔母ちゃんが嫁いだ弐條家。代々政治家一家・・・。
 叔父さんのお父さんもおじいさんも歴代の総理大臣。

叔父さんも一番総理大臣に近い人物。そしていとこの彬は後継者として慶應義塾高校で英才教育中。

きっと俺の初恋の君、2歳年上のいとこ雅ちゃんはお見合いなんかしていいおうちに嫁いちゃうんだろうな・・・。

ホントに絵に描いたような華麗なる一族、弐條家。


 今日はお客さんがやってくる。朝から父さんは大忙し。俺も買い物に付き合う。車で10分もかからない阪急百貨店へいろいろ買出し。後から気がついたんだけど・・・・。配送してくれるんだった・・・。そういうところ父さんはマヌケだよね・・・。先が思いやられる・・・。近所の酒屋さんにいっぱいお酒やらジュースやら注文して、持ってきてもらった。

弐條家も、和気家もお抱えの運転手さん(秘書かも?)付の車でここまで来るんで、1台分の駐車場しかないうちは近所の自衛隊官舎の駐車場を借りることになっている。俺はその誘導係も指示された。


早速、表が騒がしくなり、玄関の呼び鈴がなる。まずは一番ここから近い和気泰明叔父さん。車で15分ぐらいのところに実家がある。そうさっきまで行っていた阪急百貨店の近く。俺は玄関を開け、泰明叔父さんと彩子おばちゃんを招きいれる。

「父さん!彩子おばちゃんたち来たよ。」

父さんは急いで玄関にやってきて、彩子叔母ちゃんたちをリビングに招きいれる。俺は彩子叔母ちゃんの所の車を官舎の駐車場まで誘導しようとしたんだけど、実家が近いというから、車は帰っていった。家に入ろうとすると今度は弐條家ご一行様。ホントご近所さんは何事かと、ちらほら出てきているんだよね・・・。車がそっと止まると、叔父さんが先に下りてきて、ドアを開けて綾乃叔母ちゃんを降ろすんだ。そして雅ちゃんと彬君が降りてくる。ホントに雅和叔父さんと綾乃叔母ちゃんは相変わらず仲がいいよね・・・。ホントいつも新婚さんみたいだし、レディーファースト。さすが留学経験のある叔父さんだよね・・・。特に2人とも初恋同士の結婚らしいからうらやましい。俺と雅ちゃんは目が合い、雅ちゃんが微笑む。ホントに可愛いよな・・・。叔母さんの若い頃に似ているらしいよ・・・。相変わらず無口な彬君。いいやつなんだけど、ちょっとつんとした態度が気に入らなかったりするんだよ。俺は叔父さんに挨拶をして叔父さんのところの車を駐車場まで誘導。運転手さんも一緒に俺の家に入るんだ。

綾乃叔母ちゃんは俺や父さんを手伝ってくれて、それをみた叔父さん連中もお手伝い。

大臣の叔父さん連中がだよ。ま、彩子叔母ちゃんは妊婦さんだから、椅子でゆっくりしてもらってた。

楽しい雰囲気で久しぶりのお食事会。爺ちゃんはとても喜んで楽しそうにしているんだ。

「綾乃、例の物を・・・。」

「はい。」

綾乃叔母ちゃんが俺に何かをくれる。もちろん泰明叔父さんも。

「ほら開けてごらんよ・・・。」

まず弐條家からもらったもの。開けると結構いい腕時計・・・。和気家はたくさんの結構いいブランドの服。父さんは笑って言う。

「弐條さん、和気さん。うちの孝博は公立の高校に行くんですよ。そのような高価のものを・・・。」

ホントにそうだ。学習院とか、慶應ならまだしも、普通の公立高校に進学するんだから・・・。

「ありがとう!大事にするね。」

「ま、好きな人が出来てデートの時とかに身につけたらいいよ。」

「そうそう。」

叔父さん連中は満足そうな顔をして笑ってたんだよね・・・。俺はもらった入学祝を部屋までなおしに行くんだ。

夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (6)爺ちゃんはすごい?

 散歩中、ちょうど俺と爺ちゃんが総監部正門前についた頃、黒塗りの車が出てくる。そして爺ちゃんの前で止まるんだよね・・・。

防衛大臣・総監部前
 するとなんと雅和叔父さんが降りてきて、爺ちゃんの前で頭を下げる。


「ご無沙汰しております。お義父さん。明日、綾乃や雅、彬と一緒のご自宅に伺います。あ、孝博、大きくなったな・・・。」

防衛大臣の叔父さんは俺の肩を叩いて微笑んだ。


本当に忙しい人だから久しぶり・・・。


周りにいる警護の自衛官たちは爺ちゃんと叔父さんの関係に首をかしげていた。


「この御老体は15年前陸上幕僚長をされていた源将直元陸将だよ。そして私の義理の父だ。」

周りにいる若い自衛官はいつも散歩しながら注意をする変なじじいが元陸上幕僚長ということを知って驚き、そして爺ちゃんの元部下である中部方面隊総監が走り寄ってきて、挨拶をしていく。爺ちゃんは微笑みながら、俺と散歩の続きをするんだよ。

「ホント爺ちゃんはすごいよな・・・。みんな頭下げてたよ・・・。」

「もう昔のことだがね・・・。孝博も博雅を見習って自衛官になりなさい。きっと孝博は博雅に負けない自衛官になるよ。博雅も孝博と同じような子だったからね・・・。」

「爺ちゃん、高校卒業したら自衛隊に入っていい?」

「高卒の自衛官はなかなか幹部にはなれないよ。せめて防大を出なさい。それから幹部候補学校、幹部学校を出たら、この私や博雅のように出世できるよ。」

「ふうん・・・。そうなんだ・・・。じゃ、俺防大目指してがんばるよ。」

爺ちゃんは俺の決意に微笑んで応援してくれるといった。


15歳にして俺は爺ちゃんや父さんのような立派な幹部自衛官になることに決めた!


ホント俺は高橋の爺ちゃんのような政治家には向いてないんだもんな。


高校入ったらがんばらないとね・・・。


4月にはいればすぐ入学式。ホント今から楽しみだよね。





夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (5)俺の爺ちゃんは変な人?

 3月最終週の金曜日、弐條家と彩子叔母ちゃんがやって来る予定。


彩子叔母ちゃんは今産休中。結婚して17年。子宝に恵まれず、ずっと不妊治療していたらしいんだけど、もう子供は諦めようと思ってのんびり2人の生活をしていた途端、妊娠発覚。高齢出産になるわけだけど、待望の赤ちゃんがあと3ヶ月で生まれてくるってことで、2月末付けで産休を取ってアナウンサー業を一時休業している。


彩子叔母ちゃんはニュース番組の女性キャスターとして有名。そしてバラエティーもこなす。数少ない万能女性アナウンサー。昔モデルやタレントをしていたと聞いたときは驚いたね・・・。どおりでスタイルがいいわけだ・・・。


まあ今日は雅和叔父さんが総監部や第3師団とかの公務があるから、綾乃叔母ちゃんと雅ちゃん、彬君は芦屋のお爺ちゃんの所へ行くし、彩子叔母ちゃんは泰明叔父さんの実家のある宝塚に行く。


ああいとこ同士で遊ぼうと思ったのにさ、残念。


父さんは防衛大臣が視察に来るからって張り切って朝早く家を出て行った。


朝から総監部周辺は自衛隊警備部の人たちでいっぱいだ。


俺が様子を伺おうと金網にへばりついていたら怒鳴られた。


「こら!そこのくそガキ!何しとるんや!!!」

そういって殴られそうになったのをお爺ちゃんが助けてくれた。

「ほう、中部方面隊も落ちたものだな・・・・。こんな子供に手を上げるとわな・・・。私がここにいた頃はこのようなことは許さなかったが・・・・。まあいい、帰るぞ、孝博。お前が悪い。博雅に言っておくからな・・・。」

おじいちゃんは毎日この辺を散歩している。


根っからの自衛官だったしね・・・。


いまだに自衛隊の事が心配でたまらないらしい。

爺ちゃんの現役時代
15年前、自衛隊トップだったからしょうがないか・・・。


もちろん俺を殴ろうとした自衛官はおじいちゃんのことなんて知らないだろうけれど・・・。


知っているのは40代50代の幹部くらいかな・・・。


爺ちゃんはもともとこの総監部で幕僚副長していたんだって。


お爺ちゃんと散歩していると面白いんだ。


態度の悪い自衛官を見つけると、注意したり、怒鳴ったり・・・。


ここに引っ越してきて一月経たないうちに変な爺さんだと有名になっているから、父さんは呆れているんだ。


75歳の爺ちゃん。


背筋もぴんとして若々しい。


どう見ても60代前半だよ。


夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (4)俺の初恋の人

 週末、お客さんがたくさんやってくる。爺ちゃんの誕生日だ。そして引っ越し祝いも兼ねて・・・。


東京から綾乃叔母ちゃん家族と、彩子叔母ちゃん、泰明叔父さんがやってくるんだよね。


叔父さん連中は平日国会本会議中だって言うのに、くるって言うからよっぽど暇なんだろうな・・・。


あとさ、この俺の入学祝もしてくれるらしいんだよね・・・ちょっと楽しみなんだ。


 防衛大臣の雅和叔父さんは中部方面隊総監部と第3師団の視察だと理由をつけて、金曜日にこっちにやってくるんだよね・・・。


防衛大臣といえば、自衛隊のトップだし・・・。最終的な指令権を持っている。父さんの義理の弟にあたるわけだけど、上下関係に厳しい父さんは、頭が上がらないのは確かなんだ。

弐條雅
 春休みに入った従兄弟の弐條彬君、雅ちゃんもやってくるから楽しみなんだ。


特に雅ちゃんは俺の初恋の人だったりする。


従姉弟でなければ告白したいところなんだけど・・・。


小さい頃から当たり前のように遊んでいたんだよね・・・。雅ちゃんにはよくいじめられた。有栖川宮記念公園内でブランコから落とされたり、ボール投げつけられたり・・・。ま、それは本当に小さい時の話で・・・。


雅ちゃんの幼稚園は彬君や俺と同じ学習院幼稚園で、そのまま学習院初等科から学習院女子中等科を経て現在は高等科に在籍している3年生。


代議士の娘だから、結構お嬢様育ちで、学友には宮様がいたりするんだよね・・・。


俺と彬君は慶應義塾幼稚舎から中等部。彬君はそこの高校3年生。


そう、彬君と雅ちゃんは二卵生の双子なんだ。


雅ちゃんと俺の姉ちゃんは同じ学校の同じクラス。


誕生日まで同じなんだよね・・・。


従姉妹でもあり親友なんだけど・・・。


ホント楽しみなんだよね・・・。


告白しちゃおっかなあ・・・なんて・・・。



夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (3)高校進学準備

孝博
3月下旬のある日。


非番の父さんと共に俺は制服を取りに行った。そして教科書も買いに行く。


ほとんどみんな母親と来ているんだよね・・・。


うちの場合は父子家庭だ。


でもほんの一月前までは母さんと住んでいたわけだから、ちょっとうらやましかったりする。


別に俺は母さんが嫌いじゃない。


父さんがいないときの母さんはとても優しいし、下手だけど受験勉強中は夜食も作ってくれた。


母さんは小さい頃から箱入り娘として育ち、父さんと見合い結婚するまで家事など一切出来なかった。新婚当時はこの伊丹に住んでいたらしいんだけど、姉ちゃんが生まれてすぐに東京に転勤になって、官舎住まいだったんだ。


お嬢様育ちだったからか官舎に馴染めず、ノイローゼになって代官山の高橋の爺ちゃんちに住むようになったんだよね・・・。


ホント俺からみても主婦としてできの悪い母さんだったけど、とても俺のことを可愛がってくれたんだ。


これから男三人の生活になるんだけど、父さんは家事全般出来るわけだし、何とか生活できそうだ。


特に父さんのアイロン技術はすごいと思うよ。


毎晩寝る前にきちんと制服にアイロンかけて寝ているんだ。


なんと迷彩服、作業服にまでアイロンかけている。


ま、最近こんな服を着ることはなくなったんだけど・・・。


昨日おじいちゃんに言われたんだ。「働かざるもの食うべからず」と・・・。


ということは家事を手伝えということか・・・。


ま、料理に関しては嫌いじゃないし、ここにくるまでに料理上手な綾乃叔母ちゃんにレクチャー受けてきたから何とかなると思うよ。









夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (2)俺の家系

 父さんは中部方面隊転勤を機に総監部から自転車で数分のところに家を買った。


そんなに立派な家ではないけれど、父さんと俺とお爺ちゃんの男3人が住むには丁度いい家。


もともとじいちゃんは神戸に住んでいたんだけど、その家は神戸北野にある明治時代に出来た洋館。維持費にもお金がかかるし、文化財クラスの洋館だったから、そういうものを管理できる企業に売って、父さんと一緒に老後を過ごすことになったんだよね。


そして父さんは母さんと離婚


もともと冷え切った夫婦だった。


俺は慶応義塾高校には進まず、新しい自宅から歩いて数分の総監部に隣接した県立高校に進学を決めたんだ。


姉ちゃんの静は母さんが引き取って高橋姓になった。高橋の爺ちゃんは俺が父さんについてく事を相当反対したんだけどね・・・・。

俺の家系って凄まじい。


源家自体は代々軍隊出身なのはいいんだけど、父さんの妹の綾乃叔母ちゃんは防衛大臣弐條雅和氏の奥さん。


某テレビ局の人気アナウンサー彩子叔母ちゃんは法務大臣和気泰明氏の奥さん。


叔母ちゃん連中は皆政治家に嫁いで行ったんだよね。


和気&弐條
特に綾乃叔母ちゃんの嫁いだ弐條家は超有名な政治一家。


華麗なる弐條家。


雅和叔父さんのお父さんは二度も総理大臣を経験しているし、そのお父さんも総理大臣経験者。叔父さんもあと何年かしたら総理大臣になるんじゃないかなって言われている。さらに戦後最年少の総理大臣、いやもしかしたら伊藤博文の記録を更新するかもしれない。


叔父さんは政治家歴17年。まだ42歳というのにすごい人なんだけど、実際会ってみると結構楽しい人。


もちろん、もう一人の叔父さん泰明叔父さんも、政治家歴17年で、43歳。雅和叔父さんの次に総理大臣に近い人物。


2人とも新人議員時代に内閣総理大臣補佐官をしたんだよ・・・。


すごい人物・・・。



夢~高校編 第1章 俺は源孝博  (1)新しい生活

父博雅と息子孝博
 俺は父さんの転勤で兵庫県伊丹市に引っ越してきた。


ここには父さんの転勤先、陸上自衛隊中部方面隊総監部がある。


父さんは49歳にして陸上自衛隊富士学校普通課部長から幕僚副長としてやってきたんだよね・・・。





もともと父さんはこっち出身で幹部学校を卒業後、中隊長としてここに派遣されたから、地元の方面隊に戻ってこれて嬉しいらしいんだけど、代償は大きかった。





もともと父さんは俺が生まれる数年前から、母さんの実家に住んでいたんだ。


爺ちゃんは政治家。最終官房長官までなった政治家。


もともと昔から政治一家だったから、一人っ子だった母さんを離さなかったんだよね・・・。


父さんはマスオサン状態で、母さんの実家にいたんだけど・・・。長男である俺が生まれて、爺ちゃんはとても喜んだんだ。





そして俺を爺ちゃんの後継者として小さい頃から英才教育。慶応義塾幼稚舎に無理やり入れられ、将来は爺ちゃんの母校、慶応義塾大学法学部政治学科に入れるプランを立てていた。








その頃かな・・・父さんと爺ちゃんの仲が悪くなったのは・・・・。もちろん母さんとの仲も良く無く、父さんは転勤族だから、単身赴任で全国の方面隊を行ったり来たり。





もちろん父さんは実家が代々軍隊出身で、お爺ちゃんも元陸上自衛隊幕僚長という陸自トップにまでなった人だから、父さんも当たり前のように俺を防大に入れて、末は父さんのように自衛隊幹部になってもらおうと思っていたみたいだ。








だから教育方針の違いで、母さんの高橋家と、父さんの源家は仲が悪くなったんだ。


ほんとは俺自身、小さい頃から制服姿の父さんに憧れ、父さんが望むような自衛官になろうと思ったんだよね・・・。





源家の血が流れているって言うのかな・・・。


政治家って言うよりも自衛官って言うほうが性に合う。


次回更新作品のご案内
先ほど更新した四神降臨の続編「復活編」は今アメブロ(とmixi)にて連載中のため、ほかの作品を更新して行きます。

これもアメブロのブログで発表していたものですが、共同発表ブログでした。

題名は「夢」。高校生編、防衛大学校編、航空会社編があります^^;
内容は四神降臨と違い恋愛ものです。従姉弟同士の淡い恋というんでしょうか・・・。以前こちらで発表していたシリーズものの続編となっております。


弐條雅和と綾乃の娘・雅と、綾乃の兄の長男・源孝博との恋愛のお話。
途中に色々番外編もありますけどね^^;

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全3編のイラストを掲載してみました^^;
実はこの続きもあったりして^^;
でもこれはまだ連載中^^;
そのひとコマ^^;
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ということで「夢」の終了後、四神降臨続編を開始する予定です^^;
ではさいなら・・・。

四神降臨 最終章 黄龍降臨 総集編③~戦国・安土桃山時代編完結

「東宮様はどうなされたの?」

麻耶姫は西斗に詰め寄る。西斗は首を横に振り、悲しげな顔をする。

「姫様、落ち着いて聞いてください。黄龍出現のためには生贄が必要であると陰陽の秘伝書に書かれておりました。あのまま龍哉様は食われてしまうのかは・・・・。わかりません・・・。とりあえず、魔王は黄龍に任せないと私たちの力ではなんとも・・・。」

 魔王も黄龍同様に大型化し、魔王と黄龍は向かい合ったまま時間だけが過ぎていく。最初に仕掛けたのは魔王こと暗黒龍・・・。黄龍のクビに噛み付き、離そうとはしない。しかし黄龍はびくともせず、反対に強い力で暗黒龍は飛ばされ、倒れこむ。力の差は目に見えてわかる。黄龍にとって暗黒龍は赤子のようなもの。

「お前の正体はわかっている。」
「ふ、わしの正体だと???」
「この神獣の長、黄龍にわからぬものなどない。お前の本体は数千年前に反乱を起こし、龍族から追放された黒龍族!魔族に寝返った黒龍族!そうであろう!神獣に属する龍族にも関わらず・・・。恥を知れ!恥を・・・・。」


魔王と黄龍はぶつかり合い、激しい波動が起こる。


「力の差がわからぬか?神獣いちの聖なる力を誇る黄龍にかなう者などいない!!!」


黄龍から聖なる波動が放たれ、魔王を包み込む。


「ギャーー!!!!」


魔王はなんとか仁王立ちしながらも、苦しむ。


「おのれ!黄龍!!!!」
「黒龍よ!まだわからないというのか!」

黄龍はさらに強い光を放つ。
黄龍の聖なる光により倒れこんだ魔王であったが、最後の力を振り絞り、立ち上がると、黄龍めがけて飛び掛る。黄龍は魔王の喉元に噛み付き、力を加える。

うぐぐぐぐぐ・・・・。

魔王は泡を吹き力尽きる。黄龍は魔王を離し、魔王は地面にたたきつけられる。魔王は白目をむき、虫の息。


「黒龍を、深海奥底に封印する!」


黄龍が魔王に呪文を掛けると、魔王の体から3つの光の玉が飛び出す。赤、白、黒・・・。光の玉が飛び出したあと、魔王の体は元の黒龍の姿に戻る。黒龍の体が浮かび上がり、光を伴いながら、どこかへ飛ばされたである。

 黒龍の姿が消えた後、都の空は晴れわたる。戦い終えた黄龍の前に浮かぶ、3つの光の玉。


白い玉は西方へ、

黒い玉は北方へ飛んでいった。

赤い玉は黄龍の戦いを見つめていた朱央の前に現れ、その玉は朱雀の形になる。


「朱央・・・・。」


さらに朱雀は女性の姿となる。


「朱央・・・。このような立派な姿に・・・・。」
「あなたは?」


と朱央が問いかける。


「私は朱雀王妃。あなたの母です。」
「母上?」


朱雀王妃は微笑みながらうなずく。

「朱央を人間界に逃がしたのは間違いではなかった。黒龍に国を襲われ、王をはじめ皆別れ別れとなったのです。私だけが黒龍につかまり、喰われてしまったのです。王の機転で前もって朱央を逃がした。ありがとう朱央・・・。これで国を復興できる・・・。もし王が国に戻らなかった暁には朱央、あなたが王となり、復興を・・・・。」


朱央は首を横に振る。


「きっと父上は生きておられます。そして私はここに残り、育ての親とともに生きます。人間として・・・。」


朱雀王妃は悲しそうな顔をしたが、別れの言葉を交わすと、朱雀の姿となり、南方の空に消えていった。


「朱央様。よろしいのですか?」


と西斗が問う。朱央は苦笑し、南の空を見つめて言う。


「ずっと人間として生きてきた。いまさら朱雀の皇子として生きてもしょうがないだろう。子供のいない育ての親たちはどうなる?私が世話をしなければね・・・・。」
「そうですか・・・・。」


西斗も空を見上げて苦笑した。

 ふと麻耶姫は気がつく。


「黄龍様!!!東宮様いえ龍哉様はどこ???もしかして生贄に???」

黄龍は麻耶姫に向かって言う。

「焦るな・・・。青龍の皇子の心が清ければ清いほど、みなを愛する心があればあるほど、皇子は無事に戻るであろう。あの青龍の皇子は清く、強く、みなを愛する心を持っている。私の姿が消えたとき、必ず戻ってくる。」
「では、そのような心ではなければどうなるのですか?」
「その時はこの私に喰われ、吸収されるであろう。まあ、あの皇子はそのような心を持ってはいまい。安心なさい・・・・。さて、私はまた深い眠りにつくとする。再び魔王復活のとき、出現するだろう。」

黄龍は都を見回して言う。

「魔王のおかげで都は壊滅状態・・・。このあと、鳳凰が現れ、魔王によって壊された物を元通りにし、人々の記憶を消し去るであろう。」
「私たちの記憶までですか?」
「そこまでは私にはわからないが・・・・。」

そういうと黄龍は金色の光を放ち、姿を消す。

姿を消したあと、青白い光に包まれた龍哉が横たわっていた。
龍哉は気を失い、意識がない。麻耶姫、朱央、西斗は駆け寄り、龍哉に声をかける。


「東宮様!!!」


朱央が龍哉の体を起こし、麻耶姫が龍哉に声をかける。


「東宮様・・・。起きて・・・。東宮様!!!」


龍哉は確かに生きている。何度も何度も麻耶姫は龍哉に声をかける。


「リンビョウトウシャカイジンレツザイゼン。」


と、西斗が手刀で四縦五横に九字を切る。すると龍哉は目覚める。


「ここは???」


龍哉はゆっくり立ち上がると、胸元の4つの勾玉に気がつく。そして不意に空を見上げる。


空には聖天子出現の後この世に現れるといわれる瑞獣・鳳凰が現れ、清い光を放ちながら、都中を飛び回る。魔王との戦いによって壊されたモノが、徐々に元通りになる。

もちろん聖天子とは龍哉のことである。

その光は龍哉、麻耶姫、西斗、朱王に降り注ぐ。

鳳凰が消えた後、今までにない初夏の空になる。もちろん都の者達がみた事のないきれいな初夏の空。四人はみな微笑んだ。
「終わったね・・・。これで国は乱れることはないだろう・・・。乱れたとしても、再び四神が出現するほどではないと思う。」


そういうと龍哉は東宮御所の御殿に戻って行った。


 何もなかったように時間が過ぎていく京の都。本能寺の変を起こした光秀は三日天下に終わる。信長に代わり、正親町帝の新しい後見人は秀吉。正親町帝は東宮の婚儀の後、譲位を決意する。


 魔王との戦いの記憶が消えることなくいつものように東宮御所にいる四人。違うのは守護龍龍磨と、式神白狼の白老がいないことのみ。四人と龍哉の母宮以外は、龍磨と白老の存在の記憶はない。



「東宮様、麻耶姫様。明日は婚儀ですね。」


龍哉と麻耶姫は見つめあうと、赤い顔をして微笑む。母宮も二人の表情を見てうれしさのあまり涙を流す。


 婚儀は滞りなく行われ、龍哉と麻耶姫は夫婦となった。いつも寄り添い、幸せそうにする様は東宮御所中を和ました。もちろん祖父である正親町帝も、二人仲のよさに微笑む。

「あ、そうだ・・・これを皆に返すのを忘れていたよ・・・。」

と龍哉は立ち上がると、厨子に置いてある黒い塗りの箱を持ってくる。龍哉はふたを開け、一人一人に勾玉を返していく。

「多分、今までのような力はないと思うけど、お守り代わりとして持っておくといいと思う。」

みなはうなずくと、今までのように勾玉を首にかける。もちろんあの戦いのあと、西斗と麻耶姫の四神の力はなくなっている。

「東宮様、もう私には癒しの力はないのですね・・・。」

と麻耶姫は悲しそうな表情で龍哉に言う。

「麻耶、あなたにはきちんと力がありますよ。あなたが側にいるだけで、この僕は癒される。立派な癒しの力ではありませんか・・・・。」

麻耶姫は扇で真っ赤になった顔を隠し、照れ笑いをする。龍哉の麻耶姫に対する惚気話に、西斗と朱央は微笑みながら退出する。

龍哉は麻耶姫を引き寄せると、抱きしめる。

「東宮様。」
「何?麻耶。」
「麻耶は懐妊いたしました。」
「え?」
「ですから、麻耶は、東宮様のお子を懐妊しました。このおなかに東宮様との赤ちゃんがいるのです。」


龍哉は驚き、真っ赤な顔をしてマヤの顔を見つめると、満面の笑みでさらに麻耶姫を抱きしめ、麻耶姫にくちづけをする。

 国は平和になり、都は活気付く。そして青龍の皇子・龍哉と、玄武の姫君麻耶姫は末永く幸せに過ごしたのです。


四神降臨~戦国・安土桃山時代編(完)

四神降臨 最終章 黄龍降臨 総集編2

 大きな爆発音とともに、今まで味わったことのない邪気が東宮御所めがけて襲ってくる。





 この邪気に龍哉をはじめ、不思議な力を持つものたちは震え上がる。しかし、それと反対に龍哉の体は知らず知らずのうちに覚醒へ着実に向かっている。



『龍哉様、ついに時が来たようです・・・。私も覚悟を決めなければ・・・。龍磨もだぞ!』


と、白老は龍哉、朱央、西斗、麻耶姫の前に仁王立ちする。


『白老、わかっているとも・・・。俺も変化し、少しでも龍哉様が覚醒するための時間稼ぎをしないとな・・・・。』
『若造、お前も成長したな・・・。』




白老と龍哉は最高の力を注ぎ、東宮御所に結界を張る。




『どこまで我らの力が通用するか予測不能だが、この命が燃え尽きるまで、守護しようぞ!龍磨!』
『おお!』




白老と龍磨の結界は襲い掛かる魔物たちを跳ね除ける。




「西斗、我らで未だ覚醒していない龍哉様を守護しよう!!!」
「わかっています。朱央様。」




やはり白老と龍磨には限界があるのか、どんどん結界に力が弱まってくる。力の強い魔物の一部は結界を抜け、龍哉のほうへ襲い掛かる。何も出来ない龍哉は呆然と守護する朱央と、西斗を見つめることしか出来なかった。




『何故四神に関するものが揃ったのに、何も起こらんのだ???』





と白老がいう。


「やはり未だ龍哉様が覚醒しないからではないか!」
『もう限界だ!!!どんどん魔族の力が増強されていく!!!!ううううう・・・・。』
「俺もだ・・・でも・・・で・・・も・・・・龍哉様をお守りしなければ・・・・。」





しかし白老と龍磨の力は限界に達し、結界が破られ、白老と龍磨は魔族の力で飛ばされてしまったのだ。





「白老!!!!龍磨!!!」





龍哉は叫び、飛ばされて動かなくなった白老と龍磨に駆け寄る。麻耶姫も駆け寄り、行き絶え絶えの白老と龍磨に癒しの力を与えようとする。





『麻耶姫様・・・・。癒しの力を一度使った者にはあまり・・・効力は・・・ございません・・・・。まして・・・・前回は・・・・死ぬ一歩手前・・・でしたから・・・。いらない力を使うのは・・・いけません・・・・。』
「そうです・・・麻耶様・・・・。私たちは主を守護するために生まれてきたもの・・・・。主のために命を落とすことなど・・・・それが本望でございます・・・・。」





徐々に息が弱くなる白老と龍磨。龍哉は龍磨を抱き、白老を麻耶姫が抱きしめる。





「龍磨!僕が覚醒するまで一緒にいるっていったじゃないか!!!まだ僕は覚醒していないんだ!龍磨!僕の前からいなくなることは許さん!!!!」
「白老さん・・・せっかく仲良くなったところじゃない・・・。あなたがいなくなったら西斗さんはどうすればいいの?」





龍磨が最後の力を振り絞り、龍哉に申し上げる。





「龍哉様、麻耶様・・・。末永くお幸せに・・・・。私は必ず・・・転生してまいります・・・・。龍哉様・・・。」





白老と龍磨は力を失い、白老は白狼の絵の書かれた札となり、白い炎とともに燃える。一方龍磨は灰状になり、風に流されていった。



「どうして・・・。どうして陰と陽は敵対しないといけないのか?もう嫌だ・・・。こんなの・・・。」
「東宮様・・・。」





龍哉はどんよりとした空を見上げ、涙を流した。



 龍哉はうなだれながら、御殿へ戻ろうとする。


「東宮様!!!」





龍哉は振り返り、麻耶姫に言う。





「今の僕には何も出来ない。まして龍磨がいないと僕は・・・。ただの人に過ぎない・・・・。まだ覚醒していないのだから・・・・。」





すると天から声がする。





『いい事を聞いた・・・・未だ青龍の皇子は覚醒していないとはな・・・・。』





その声の主は魔王。魔王はそこまできていたのだ。





「きゃ!」





魔王は人型に変化し、麻耶姫を羽交締めにする。魔王の人型は金色の髪に白い肌、そしてブルーの瞳を持つ男である。





『青龍の皇子、龍哉よ・・・。お前の大事な姫君を返して欲しければ、お前の力を食わせていただこう・・・・。』





龍哉は引き付けられる様に魔王のほうへ近づく。





「東宮様!!!来てはいけません!!!東宮様!!!!」





龍哉が魔王の手の届くところまで近づくと、魔王は暗黒竜の姿になり、龍哉の頬をぺろりとなめる。





「東宮様!!!!だめぇ~~~~~~~!!!」





麻耶姫の叫び声とともに、麻耶姫と龍哉の勾玉が光る。その光は大変まぶしく、魔王は一瞬怯んだ。その隙に麻耶姫と龍哉は魔王の側から離れ、朱央の「烈火」と、西斗の「疾風」が合わさった火の渦に包まれる。







龍哉はふと我に返り、魔王からさらに離れる。




 「魔王かなんか知らないけど、あなたは龍でしょ?どうして龍同士仲良く出来ないの?人を傷つけて、苦しませて、何が楽しいの?同族だけではなく、生きている者がどうしていがみ合わないといけないの?そんなのだめだよ・・・。」







麻耶姫は涙を流し、魔王に訴えかける。







『やかましい!!!癒しの力しかない玄武の姫が!!!どけ!!!!あと一神・・・あと一神・・・青龍の力をこの手に・・・・。』







魔王は麻耶姫に襲い掛かり、麻耶姫も飛ばされる。壁に打ち付けられた麻耶姫はぐったりする。もちろん朱央も西斗も動けない状態である。



「よくも!僕の大切な姫を!!!僕の大切な仲間を!!!よくも!!!!」




龍哉の体は青く光る。

龍哉の目は獣の目となり、青い光は龍の形をしている。

龍哉は覚醒したのである。




龍哉は両手のひらを魔王に向け叫ぶ。




『水龍波!!!』




龍哉の手のひらから激しい勢いで龍の姿をした水が勢いよく飛び出し、水の渦が魔王を襲う。







『こんなもの痛くもかゆくもないといっただろう・・・・。』







龍哉はふっと笑い人差し指を天高く指して叫ぶ。







『雷(いかずち)!』







激しい雷が水の渦に落ち魔王は感電する。







『ギャー!!!!』







魔王はなんとか脱出し、よろけながら仁王立ちする。







『これぐらいでわしは倒せん・・・・。わしを倒せるのは伝説の五神目!黄龍のみ!!!!!』







魔王は竜巻を出し、龍哉を巻き込み、吹き飛ばす。








『おのれ~~~~~~このようなもの痛くも痒くもないわ!!!わしの体内には朱雀、白虎、玄武の力が備わっておる。あと青龍の力さえ食えば!わしは魔族最強の暗黒黄龍となるのだ!!!!』





魔王は炎の渦を振り払い、西斗と朱央に襲い掛かる。もちろん二人は飛ばされる。





「やめて!!!」





麻耶姫は叫び、朱央と西斗に駆け寄った。




 地面にたたきつけられた龍哉は痛みに耐えながらも、立ち上がる。もちろん西斗、朱央、麻耶も同じである。


『あと一神・・・・。あと一神の力・・・喰わせろ・・・・・・。』



龍哉は魔王を睨みつけると仁王立ちし、呪文を唱える。


『臨・兵・闘・者!・・・・』


すると龍哉の体は光り、足元に五行星が浮かび上がる。そして4つの勾玉が龍哉に集まる。


『出でよ!四神!!!!』


4つの勾玉は四方に飛び、激しく光る。光が弱まると現れたのはまさしく四神。

東に青龍、南に朱雀、西に白虎、そして北には玄武が現れた。四神は啼き、龍哉の次の言葉を待つ。魔王は叫ぶ。


『しまった!!!四神が降臨してしまった!!!早く青龍の皇子を倒さなければ黄龍が!!!!』









龍哉に向かって襲いかかる魔王。しかし、四神に守られた龍哉はびくともせず、黄龍降臨の儀式を続ける。


『四方を守りし神よ!乱れし国を守るため、我が体を生贄とし、御願い奉る。出でよ!黄龍!!!!』


再び四神は四色の眩い光と変わり、龍哉めがけて降り注ぐ。眩い光と爆発音。まぶしさのあまりみなは眼を背ける。光がおさまると皆は龍哉のいた方向を見る。




龍哉のいたところに仁王立ちする黄龍。その大きさは計り知れない大きさである。


『我は黄龍。清い心を持つ選ばれし青龍の皇子の願い聞き入れる。』


黄龍は金色の光を放ち、魔王をはじめとする魔族をにらみつけるのである。

四神降臨 最終章 黄龍降臨 総集編1

 謀反の計画が練られている同じころ、寝所にいる龍哉は胸騒ぎに襲われる。どう寝返りを打っても眠れないのだ。


龍哉は小袖の上に着物を羽織り、表の廊下に出て、しとしとと降る梅雨の雨を眺めている。




「龍哉様、どうかいたしましたか?」


不思議に思った守護龍・龍磨は龍哉に声をかけた。



「ん?なんだか胸騒ぎがするんだ。それがなんなのかは定かではないんだけど・・・。龍磨は感じないのか?いつもどんよりしている都がさらに重苦しい。龍磨はいいね・・・。」




龍哉は龍磨を眺め微笑む。




「どうかなさったのですか?」
「僕だけだよね・・・。何も力がないのは・・・。先日朱央は朱雀に覚醒したし、西斗は昔から陰陽道に精通している。麻耶姫は癒しの力・・・。僕だけが中途半端なんだよね・・・。」




龍磨は溜め息をつき申し上げる。




「龍哉様、龍医師が申していたように、着実に覚醒に向かっていると・・・。朱央様のように何かの引き金で一気に覚醒するかもしれません・・・。安堵なさいませ。」
「龍磨、久しぶりに馬に乗り、都を見てまわりたい・・・。そうすれば気が晴れるかも・・・。」
「それはいいかもしれません・・・。そのように手配いたしましょう・・・。明日すぐにとは・・・。まずは寝所にて体をお休みになられては?」


龍哉は微笑んで寝所に入っていく。
しかし、どうしても激しい胸騒ぎを覚える龍哉だった・・・。




 東宮御所の庭に馬が用意される。麻耶姫のみ東宮御所に残し、龍哉をはじめごく側近の3人と、白老のみがお忍びという形で馬に乗り、御所を出る。久しぶりの京の都は武士達が徘徊し、物々しい雰囲気であった。





「今日は特に武士たちが多いね・・・。また戦でも始まるのかな・・・。」





と龍哉は朱央に聞く。





「昨日から元右大臣、織田様が本能寺に滞在とか・・・。今備前のあたりで戦が始まると聞いております。そのためではないかと・・・。」
「そうかまた始まるのか・・・たくさんの民衆がまた苦しむんだね・・・。」





本能寺に近づくほど、武士、特に足軽の数が増える。そしてなぜかおかしな雰囲気。邪気とかそういうものではなく、今からここで戦でも起こるのではないかというような雰囲気というべきか。道に武士が溢れ、なかなか前に進めなかった。





「東宮様、私が道をあけるように命じてまいります。」
「いや、いい、朱央。僕は忍んできているわけだから、遠回りでもするよ・・・。」
「しかし・・・。」





すると遠くから馬が走ってくる。





「どけどけどけ!!!!」







馬に乗った武士は龍哉たちと鉢合わせになる。





「道を譲らんか!このくそ公家ども!!!」





朱央はその言葉に反応して武士に言う。





「無礼者!!!ここにおわす方は東宮和仁親王様であられる!」
「朱央!もういい・・・。別に僕達は急いでいるわけではないから譲ってやろう・・・。」


その武士は東宮であることを知ると、馬を降り、平伏する。

「そなたに聞きたいことがある。どうしてこのように兵が多いのか・・・。物騒で困る。」
「は!よくはわかりませんが、続々と兵が本能寺周辺に集まっていることは確かであります。しかしこれは戦が始まるときにはありふれたことで・・・・。」
「もういいよ、急いでいるのでしょう。早く行きなさい。」





武士は立ち上がると頭を下げ、再び馬に乗り先を急ぐ。





やはり龍哉の胸騒ぎは収まらないようで、御所に戻った後も、脇息にもたれかかって、考え事をしているのである。

 龍哉のお忍びから数日経とうとしている深夜。龍哉はとてつもない胸騒ぎに襲われ、飛び起きる。





「龍哉様、どうかされましたか?」
「龍磨、今日は何日だ・・・。」
「六月二日未明でございます。あと一刻ほどすれば夜が明けましょう・・・。」





そのあと龍哉は床につき、眠ろうと試みるが、どうしても眠ることが出来ない。もちろんこの感覚は龍哉だけではない。




東宮御所内の麻耶姫、左近衛府にて宿直中の朱央、そして自宅にて就寝中の西斗も同じであった。




龍哉はさっと直衣に着替えると表へ出る。すると南の空は赤く染まっている。これは朝焼けではない。龍哉は宿直中の朱央を呼び、何が起こっているのかと、調べさせた。




この騒ぎに麻耶姫がおきてきて、不安そうな表情で、龍哉に寄り添う。


「東宮様・・・。」
「姫、今朱央に調べさせているから・・・。」
「今夜は新月・・・。私の嫌いな新月・・・・。たくさんの者達が死に、そして魔族が活発に動き回る新月・・・。怖いのです。」


龍哉は不安そうな表情の麻耶姫を抱きしめ慰める。


「大丈夫です。」


泣きたくはないのに涙を流す麻耶姫。

龍哉はじっと赤く染まる空を見つめ、朱央の知らせを待った。

次第に内裏は騒ぎ出し、この騒ぎで西斗が急いで出仕してくる。


「東宮様!こちらに出仕の道中でこの騒ぎの真相を耳にしました!」
と龍哉の前で西斗が申し上げる。
「どうした?何が起こっているというんだ?」
「謀反でございます!本能寺にて謀反でございます!」
元右大臣が滞在していると聞いている本能寺でも謀反。

朱央も龍哉の前にやってきて詳しく申し上げたのである。

 一方本能寺では元右大臣織田殿の家臣、光秀が謀反を起こしていた。もちろん光秀自身これは勅命だと思ってのこと。





「この謀反は勅命である!我が君主信長の首をとれ!!!」





と1万強の兵の陣頭指揮を執る光秀。

百分の一しかいない本能寺の衛兵を蹴散らし、本能寺中心部へ向かう。





「いたぞ!」





その声に光秀は反応し、声のするほうへ向かうが、目にしたものは残忍な光景であった。

信長のいるはずの寝所には数々の兵の遺体・・・。

そして数々の魔物が居座りその中心に信長が立っている。魔物の姿に驚き後ずさり兵たち。


「何をしている!やれ!!!」
光秀の兵は意を決し立ち向かうものの、一人残らず魔物に襲われ食い尽くされていく。

次第に、信長の姿は次第に魔物へと変化していく。


「信長様?????」
光秀は魔王に変化した信長を見て驚き腰を抜かしてしまうのである。


『お前のような雑魚にはようはない!わしの欲しいものは青龍の力のみ!!!』


魔王は爆発音とともに、姿を消す。


魔王が向かうのは・・・・。そう青龍の皇子のいる東宮御所・・・。
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