4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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一途 (53)どうしたの?
 今日は参った参った・・・。
飛行中に点灯していないといけないランプがついていなかったんだから一瞬焦ったよ・・・。後から聞いたら、ランプ部分の接触不良かなんからしいんだけど・・・。なんだそれだけかい・・・。でもまあなんかあった後では遅いから、最善の処置だよって機長は言ってたけどねぇ・・・。



 そのおかげで変則乗務。もちろんうちの会社は混乱したさ。欠航がなかっただけましだけど、遅れが随分出たらしい。まあいう機材が・・・って言うものさ。運よく1機点検終了すぐの機体があったから即それを運用できて、代替便を飛ばすことが出来たんだよね・・・。やはり主要空港はこれがあるから安心だ。地方なら欠航するところだった。ホントいい迷惑だろうね・・・乗務変更させられた運行乗務員は・・・。俺だってそうだよ。本当なら夕方五時台の羽田からの便で乗務終了だったのがもつれ込んで最終の便で終了。始発から最終便までだぜ!15時間の拘束・・・。辛い・・・。



 ロッカールームで制服から着替え、腹減ったって思いながら、会社を出る。もう重いからフライトバックはロッカーに入れっぱなしにしてきた。久しぶりの国内線は疲れる。一日に何度も離着陸をするんだもの。神経をすり減らす。だからって国際線が楽というのではないけどね。自動操縦と言ってもレーダー見たり、計器を見たりしないといけない。決して遊んではいないよ。狭いコクピットに十何時間もいるわけだから、閉所が苦手な人には無理な仕事だねえ。



 溜め息をつきながら、会社を出る。よかった、明日はシフトの関係で休み。ゆっくり休める。昨日は雅と美咲が来てたから狭くてゆっくり眠れなかった。だってワンルームだろ?ベッドだってシングルだし・・・俺は床にねたんだ。肩こって肩こって・・・・。
 会社を出ると誰かが待っていて、俺の姿を見つけると歩み寄ってくる。雅なわけないよな・・・誰?暗がりで初めわからなかったが、あとからわかる。


「遥・・・・?」


そう、俺の愛人遥・・・。もう会わないと決めていたのに・・・なんかあったのか?遥の胸には抱っこホルダーで眠っている孝志。遥は涙を流して俺に抱きつく。




「会いたかったの・・・。同期の子に孝博さんが転勤になったって聞いて・・・。来てしまったの。家知らないからここで待っていたら会えると思って・・・。」




何時間待っていたのか?




「孝博さんが操縦する最終の便で来たの。」




ああ、そういえば言うよね最近。機長はだれだれ、副操縦士はだれだれって・・・。




「でももし、早番だったらどうするつもりだったの?夕方には会社を出るよ。」
「なんとなくこの便だと思ったの・・・。私の勘かなあ・・・。」
「飯は?」
「まだ・・・。」




今夜はコンビニで済ませようと思ったけれど、近くのファミレスへ入る。生後三ヵ月の孝志を連れてよくここまで来たよね。ホントどうしたの?って感じ・・・。

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一途 (52)転勤後初乗務
 私の夫、弐條孝博は某航空会社の国際線勤務から期間限定で国内線大阪伊丹空港支店へ転勤になり、初めてのフライト。娘の美咲がパパの操縦する飛行機に乗りたいというから、しょうがなく孝博が乗務する伊丹空港発羽田空港行きの始発に乗ることになった。転勤後初のフライトというのに、孝博は私たちの搭乗手続きまでしてくれたの。孝博はパイロットだから、家族は無料で搭乗できる。でも条件があるの。予約が出来ない。空席がないといけないの。




「羽田行きの1500便空席あるかなあ・・・。家族が乗るんだけど・・・。」




そういって孝博はIDを見せ、搭乗手続き。まあなんとか私と美咲の分の席が空いてたから、荷物のチェックを終えたあと、荷物を預けるまで全部してくれた。さすが入社すぐこういうことをしていただけある。手際がいい。




「じゃあ美咲、パパはこれからフライトだから・・・。いい子でいるんだぞ。」




そういって美咲を抱き上げ、頬にキス。美咲も孝博にお返しのキス。そしてバイバイ・・・。孝博は腕時計を見てギリギリなのか急いでフライトバックを持って運行乗務員部へ走っていった。




この1500便は7時20分発。ホントビジネスマンばかり。早く起きた美咲はプレイルームで眼をこすりながら機嫌よく遊んでいたの。7時前かな・・・美咲は眠い目をこすりながら、孝博が操縦するB777-200を見つめてニコニコ顔。パパ、パパ、パパと言って運行前点検をしている孝博を指差しながら見ていたの。仕事モードの孝博。機長と話しながら運行前点検チェックをしている。搭乗準備が整い、搭乗開始となる。席は後ろのほう・・・。小さな子供連れだから最後のほうに機内へ入った。そのころには美咲ったら眠ってしまっていたのよね・・・。重い美咲を抱きかかえて座席へ・・・。飛行機が飛び立つまでは私の膝に乗せないとねぇ・・・。定刻どおりに飛行機は飛び立つ。シートベルトのとサインが消え、私は美咲を座席に座らせ、まだ眠っているからベルトをかける。乗務員が美咲のためのおもちゃと毛布を持ってきてくれたの。ホントいい天気だから気流は安定・・・。




ドリンクサービスのころかなあ・・・。前から太いマニュアルと懐中電灯をかかえた孝博が後ろにやってくる。何??気がついたお客様はざわつく。だって操縦士が客室までやってくるって珍しいじゃない?私と孝博は目が会う。孝博は苦笑してさらに後ろへ・・・。私も気になるじゃない?立ち上がって後ろへ・・・。もちろん私は客室乗務員に止められるわよ・・・。




「お客様・・・。今はちょっと・・・。」




私はIDを見せてなんとか孝博のもとへ・・・。孝博は配線盤を開け、マニュアルと照らし合わせながら懐中電灯を当ててみている。




「孝博・・・。」
「ん?雅か・・・。悪いちょっと懐中電灯を当ててほしいんだけど・・・。」




孝博はごそごそ配線をいじりながらぶつぶつ言っている。




「どうかしたの?」




と私は小声で言う。




「ちょっと飛行中につかないといけないはずのランプがつかないんだ・・・。飛行は安定しているから関係ないと思うんだけどねぇ・・・。」




いじったあと、近くの機内電話を使い、機長と話している。




「キャプテン、点灯しましたか?今のところ異常は見当たらないのですが・・・。はい、はい・・・了解しました。そのように管制塔に・・・。今すぐそちらへ戻ります。」




孝博は配線盤を締め、マニュアルを閉じる。




「どうなるの?」
「万が一のことを考えて、伊丹に引き返すか中部国際空港へ緊急着陸する。今機長が管制塔と話しているから・・・。まあ安心してよ。大丈夫だからさ・・・。」




そういうと孝博は操縦室へ戻って行ったの。B777がこういうことを起こすって珍しいんだけど・・・。(でも最近うちの会社って多いのよねえ・・・。)私は席に着き、座ると機長から客室にアナウンス。




「当機機長の高島でございます。お急ぎのところ申し訳ございません。当機は安定飛行をしておりますが、コクピット内のランプに異常が見受けられました。万が一のことを考え、ただいまより点検のため大阪伊丹空港へ引き返すことにいたしました。到着後、代替便のご用意を手配いたしましたので、ご安心ください。本当にお急ぎのところ申し訳ございませんでした。」




続いて孝博が詳しい説明を・・・。




「当機副操縦士、弐條でございます。先程点検に参りましたが、異常が発見されず、誤作動の可能性がございます。異常ランプは運行上支障はございませんが、万が一のことを考え、点検のため引き返す判断を機長と共にいたしました。お急ぎのところ誠に申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。」




ざわついていた機内が孝博の言葉で静まり返る。

運行上大丈夫なランプだって、時には他に支障をきたすことがあるかもしれないし、他に原因があるかもしれないという最善の決断なんだと思う。もちろんそれは機内のお客様もご理解したらしくって、このあとすぐに引き返し、無事すうっと無駄な揺れなく伊丹空港に着いたの。着いたら着いたでとなりの搭乗口にすでに代替機が用意され、荷物が続々と移しかえられた。お客様をおろしたあとの機体はすぐに点検のために運ばれていった。孝博はあとの報告とか処理があるから、代替便には乗務せず、他の便と交代になったのよね・・・。




私はやっと2時間遅れで羽田についた。まあ早め早めの対応で、できるだけ早く着いたんだろうけど・・・・。ホント孝博ってこういう手のことが多いよねえ・・・。訓練生の時の胴体着陸といい、新婚旅行の時に乗った飛行機のキャプテンの急病、この引き返しといい・・・。そういう運命なの?孝博は・・・・。二度あることは三度あるって事かしら?

一途  (51)転勤
 俺は休みを利用して伊丹空港近くのマンションを探す。すると運よく空港側、歩いて通勤できるところにワンルームマンションを発見!もちろんそこを契約。うちの会社の借り上げという形で4月1日に引っ越すことが決まった。まあ荷物はあまり必要ないから、引越しは簡単だった・・・。やはりいいね、家具つきのマンスリーマンションは・・・。どうせここは寝るだけのところになるんだし・・・。ホント悲しいよ・・・。また雅や美咲と離れ離れ・・・。でも仕事だからしょうがないよね・・・。とほほほ・・・。




 雅はなんとか4月1日前後に休みを取って引越しを手伝ってくれた。買わないといけないものを買い足し、俺が使いやすいように整理もしてくれた。




「明日からフライトでしょ?ちゃんとメールぐらいはしてよ。あと、浮気なんかしたら承知しないから。」
「はいはい・・・。」
「はいは1回でいいよ。」
「はい、東京泊まりの時はちゃんと自宅に戻るから・・・。」




俺は美咲を抱きしめて、別れを惜しんだよ・・・。

4月1日の昼間、荷物が届いているか出勤して確認を・・・。きちんと届いている。もちろんロッカーを与えられて、制服一式をしまいこんで、新しいIDと、名札を受け取り、明日からのフライトスケジュールを受け取る。さすが人手不足・・・土日休み無しのびっちり。休みはど平日の飛び休。まあ週休2日で助かる。辛いなあ、朝一の東京羽田行き。7時20分発だぜ・・・。たまに関空発のB747は便数少ないから、乗る数は少ないけど拘束時間が長いのがネックだ・・・。7時発に乗って帰ってくるのが夜の9時だぜ・・・。B777の場合は比較的らくだ。まあほとんと777だけどねぇ・・・。早番遅番・・・。公休は火曜日と木曜日・・・。変な取り合わせ・・・。変則運行が入れば休みがないに等しいことも・・・。はぁ・・・。早く国際線に戻りたいよ・・・。




この予定表を見て雅は驚いていた・・・。今月はまったく東京の自宅には戻れないからねぇ・・・。さあ明日からのフライトはどうなる?ああ、籐華会のことも考えないとな・・・。

一途 (50)春の人事異動

 同窓会から半月経った頃・・・そろそろ人事異動が内々的に知らされる。何とか私は異動はなかったんだけど・・・。ニューヨーク便から帰ってきた孝博はなぜかうなだれている。




「雅・・・。転勤だ・・・。」




転勤???まだここに転勤になって2年しか経ってないのよ・・・。早過ぎない?で、どこの支店?って聞いて驚いた。




「大阪伊丹空港支店運行乗務員部・・・。前部署に戻されてしまったよ・・・。」
「何で?」
「理由を聞いたらわけわかんないよ・・・。期間限定異動らしいけど・・・。最近うちの会社リストラが激しいだろ?結構国内線で希望退職者があって、人員不足らしい・・・。不足を補うための訓練生が入るまでの期間限定なんだ・・・。わけわからないだろ?他にも色々副操縦士がいるのにさあ・・・。成田支店で俺だけだよ・・・。羽田支店転勤ならわかるけど、伊丹支店とは・・・。はぁ・・・どうする?雅・・・。俺は単身赴任か???4月1日付での転勤だから、新居を探さないとねぇ・・・。社宅ってわけにもいかないし・・・。」




私はピンときたわよ。実朝の言葉・・・。

人事異動を楽しみにねって言葉・・・。

これか?




もちろん私は実朝の電話番号を調べて電話をしたのよ。案の定、実朝の策略だった。




「どう?寂しい?旦那が大阪へ転勤になって・・・。雅さんは辞めたくても辞めることはできないよ・・・。ちゃんと手はまわしてあるからさ・・・。気が変わった?かわったのなら今すぐにでも取り消してもらえるけど?」




もちろんお断り!離れ離れになるのは寂しいけど、別に慣れてるもん。ひどいことするのね・・・実朝・・・。




 最近また孝博の引き抜きの話があって移ろうかなあなんて愚痴ってる孝博・・・。そういいつつも残るのよねえ・・・。




「まあいいか・・・。期間限定だし、また国際線に戻れるらしいから・・・。今年は籐華会の件もあるからずっと日本にいるのはいいことだね。海外転勤よりはましか・・・。」




楽観的な孝博・・・。

筆頭株主の九條実朝の策略だなんて知らないんだもんねえ・・・。
はぁ・・・絶対許さないんだから実朝!!!
ホントかわいそうな孝博・・・。

一途 (49)情報源
 「知らないかなあ・・・僕は雅さんたちが勤めている会社の個人筆頭株主なんだよ・・・。雅さんがそこに就職してからずっと少しずつ株を買い進めて、今は35%持っている。」
「だから何よ・・・。」
「僕の息がかかっている者がさ、旦那の情報を仕入れてきたわけ。知ってる?労組でそういうプライベートなことを扱っている部署があるの・・・。そこで調べさせた・・・。その情報を元にさ、色々調べたら、でてきたんだよねえ・・・すごいことが・・・。」
「すごいこと?」
「この先は教えない。この封筒に詳しいことと写真が入ってるよ。」
「じゃあ、それ渡しなさいよ!」
「ただじゃ渡さない。」
「じゃ!いくらよ!」
「お金は要らないよ・・・。お金には不自由していない。ひとつお金では手に入らないものがあるんだ・・・それが欲しい。」
「何よそれ・・・。」
「それは君。雅さん。僕はずっと雅さんが好きだったんだもんね。でもいくら経っても振り向いてくれないしさ。」




私はじゃあいいわよって言って部屋を出ようとしたの。




「ホントにいいの?じゃ、春の人事異動楽しみにしていてよね。まあ、君のために、これは封印しておくけど・・・。気が変わったら言ってよね・・・。ホントびっくりする内容だから。離婚を考えてしまうかもね。」




人事異動???誰の?私?それとも孝博???離婚を考えてしまうほどの内容って?何よそれ!

一途 (48)下心
 同窓会がお開きになったころ、実朝がやって来てこっそり私に言うの。




「旦那の秘密を教えて欲しかったらさ、ここにおいでよ・・・。ゆっくり教えてあげるからさ。来なかったら、旦那に何かあるかもしれないよ・・・。雅さんのお父さんはこのことは知ってるのかな?きっとびっくりすることだから・・・じゃあ待ってるから・・・。」




なんていって、カードキーを渡す。

ちょっと待ってよ!

ここのカードキーにメモで部屋番号・・・。5303?53階って・・・最上階じゃない・・・。クラブスイート???一度孝博と結婚記念日にここの最上階に泊まったことがある。この部屋じゃないけど・・・。




「なになに?」




って静ちゃん。




「もう下心見えみえ!行く必要ないよ!雅は人妻なんだから。九條君に何ができるっていうの?航空会社の人事部じゃないしねぇ。」




でも気になるのよねえ・・・。孝博の私の知らない秘密?何よそれ!もう孝博の愛人問題は解消済みよ!他に何かあるって言うの?パパには孝博が一時期浮気してたってことなんて知らないし・・・。どうする?反対する静ちゃん・・・。絶対行っちゃだめよって言い残して、静ちゃんは自宅に戻って行ったの・・・。でも気になって・・・。




私はクラブスイートのある52階53階行きのエレベーターに乗り込む。普通のエレベーターなんだけど、この階に止まるためには、ルームカードキーが必要なの・・・。なって言うのかなあ・・セキュリテイー万全というのかなあ・・・。聞き出して逃げ出そうなんて・・・。ちょっと甘い考えかなあ・・・。私は部屋の前に立ち呼び鈴を押す。少しするとニコニコ顔の実朝が顔を出す。




「よく来たね・・・どうぞ・・・。」
「孝博の話を聞いたらすぐ帰るから・・・いい?」
「まあまあそんなこといわないで・・・。」




実朝は私の腕を引っ張って部屋に入れられる。




「はやく孝博のこと教えなさいよ!」
「相変わらず、気が強いね・・・。その表と裏のギャップがたまんないんだけど・・・。」




実朝は私を抱きしめて、キスしようとしてくるの。

もちろん私は思いっきり実朝の頬をたたいてやったの。




「私は軽い女じゃないの!あんたの相手にするような軽い女じゃないよ!」
「じゃあ、雅さんの旦那はいいわけ?女遊びしている旦那なのに?たくさん愛人作っていたくせにさ・・・。」
「それは去年のことでしょ?」
「ふふん違うんだなあ・・・聞きたい?もっと詳しく・・・。旦那のことを調べたらすごいことを見つけてしまったんだよねえ・・・。」




実朝は封筒をちらつかせて私に迫ってくる。


一途 (47)幼等部(小学校)の同窓会
ある日、従姉妹で義理姉妹の静から電話・・・。




「ねえ、雅。幼等部の同窓会に出る?」




そういえば案内が来てたわねえ・・・。何年かに一度あるのは知ってるけど・・・。行った事なかったな・・・。同窓会は3月。静は産後間もないのに行くって・・・。だから一緒にどう?ってことね・・・。まあ久しぶりに同窓生に会うのもいいかな・・・。会場は某超一流ホテル。大体のフライト予定を見たら大丈夫そうだったから、行くことにしたの。急に変更があればわからないけどね・・・。




 そして来た来た当日。孝博はフライト中だから、留守。しょうがないから美咲は公邸に預ける。美咲ったら、お婆ちゃまがいるから大喜びで、お気に入りのぬいぐるみを持って、公邸に入って行ったの。ホント大きくなったわよねえ・・・。今年で3歳だもの・・・。来年は幼稚園・・・パパとママったら、もちろん学習院幼稚園に入れるわよって・・・まあ私も孝博も出身幼稚園だからいいんだけど・・・。お受験ねぇ・・・。




 私は静と待ち合わせをして会場へ・・・。もちろん静と彬の子供、「ひかり」ちゃんは孝博のお母さんに預けたらしいわ・・・。久しぶりの顔ぶれ。女の子たちはずっと学習院女子で一緒だから覚えていたりよく会ったりするし、何人か私と同じ職場にいた子もいる。幼等科まで共学だったからな・・・。




「みてみて!!雅!今日の幹事、誰だと思う?」
「さあね・・。」
「ほらほら、雅の初恋の。」




ああ、そういうのがいたわね・・・。九條実朝。籐華会のメンバーよね・・・。ま、この人が嫌いで籐華会なんて滅多に行かないけど・・・。だって、お爺様ったら私が二十歳の時にこの人と勝手に縁組しようとしたんだから・・・。昔はよかったけど、今は軽そうで、なんだか好きじゃない・・・。来るな来るなって思っていると来るもんね・・・。実朝・・・。



「あ、久しぶり!雅さん。最近籐華会に来ないけど、仕事忙しい?」
「まあね・・・。これでも欧州便のCAだから・・・。」
「そういえば弐條姓に戻ったんだね。もしかして離婚でもしたの?例の源孝博と・・・。」




知ってるくせに・・・なんでそういういい方するの?孝博が婿養子に入ったことぐらい籐華会のメンバーなら知ってるはずよ・・・。




「何が言いたいわけ?」




すると実朝はくすっと笑って言うのよね・・・。




「いやあ・・・ちょっとね・・・。色々雅さんの旦那の情報が入ってくるもんだから・・・。じゃあまたね・・・。」




なにそれ・・・。わけわかんないじゃない。




「相変わらずだね、九條君って・・・。」
「何?何が相変わらずなの?静・・・。」
「そっか・・・知らないんだ・・・。ずっと同窓会に来てなかったもんね・・・。」
「毎回毎回九條君たら、弐條雅を落とす!なんか言ってね・・・意気込んでいるのよ・・・。ずっと雅のこと好きだったらしいわよ。まあ雅は、孝博に夢中だから、関係ないけどね・・・。気をつけたら?九條君は事情通らしいから、いろんなところから情報集めてくるのよねえ・・・。孝博の情報って何かしら?」




孝博のこと?もしかして以前の浮気?それとも何?気になるじゃない!


一途 (46)籐華会の当番
 なんとか正月には回復して、うちの家族3人と、雅のご両親一家、そして彬で芦屋の本邸に行ったんだ。そこにはご高齢だけど健在な雅のお爺様が住んでいる。まあフライトのない盆正月の時は必ずといっていいほど、ここに顔を出さないといけない。本来なら彬は家族で来るはずだったんだけど、クリスマスイブに子供が生まれて、まだ生後間もないから、彬だけここに来た。




「なあ、雅和。今年はなんの年か知ってるか?」




ってお爺様がお父さんに問いかける。




「ああ、例の籐華会の当番年ですね・・・。」




ああ、例の籐華会ね・・・。俺は出たことはないけど、噂には聞いている。旧五摂家の一條、弐條、九條、近衛、鷹司家の集まりね・・・。




「そこでだ、孝博君が次期当主なわけだから、忙しい雅和にかわって取り仕切ってみてはどうかと思うのだが・・・。」




え!そんなの無理だよ・・・。出たことがない俺に何をやれって言うのか???彬ならまだしも俺は・・・。




「お爺様、孝博は出たことがないのよ。弐條の人間になってまだ半年経ってなのに・・・。」
「でもいずれ、弐條家を継ぐものとしてやらないといけないよ。判らないことは雅や彬に聞けばいいことだし、次期当主のお披露目としていい機会じゃないか・・・。うまく言ったらこの邸の名義を変えてやる。生前贈与だよ、孝博君。」




はあ?だれがここの固定資産税を払うんだ?年収1200万の俺には払えないよ・・・。まあ当分はお爺様が払ってくださると断言したけどね・・・。弐條家の総資産っていかほどだ?




籐華会かあ・・・6月に開催予定らしいよ・・・。堅苦しそう・・・。


一途 (45)なんでこうなるの?
 何でこういうときに限ってインフルエンザになんかなるんだ?今までかかったことがなかったのにさ・・・。雅までクルーからはずされて、俺の看病。早めにタミフルを飲んだから、随分楽になったけど、相変わらず節々が痛い。今度からきちんの予防接種を受けることにするよ・・・。




「こういうときに悪いんだけど・・・。」
「何?」
「タバコやめたら?」




まあ俺はヘビースモーカーではないけど、フライトの前後や、朝起きたとき、夜寝るとき1日に5本くらい吸う。健康上よくないのはわかるし、弐條家で吸うのは俺くらいだもんな・・・。まあ雅の実家では吸わないけど、体に匂いがついているのは確かで・・・。この前、年に一回の健康診断でも引っかかりかけた。美咲や雅にもよくないのはわかる・・・。




「わかったよ少しずつでもやめるよ・・・。」




はぁ、俺の楽しみの一つが失われたよ・・・。まあこれはいいとして、なんというヘマだ・・・。重要な任務でこういうことになるんだもんな・・・。




 成田に着くと、案の定入管の医務室で検査される。まあ普通のインフルエンザでよかったけど・・・。本当なら、このあと乗務員や関係者と会議があるんだけど、俺は先輩副操縦士に俺が書いた報告書を手渡し、先に自宅に戻ったのは言うまでもない・・・。ホントに初めてだよ・・・。明日からは長期休暇をもらえることになっていたのにさ・・・このままじゃ家にいないといけないよね。はぁ、絶対マイナス評価だよねえ・・・。




 自宅に着くと、着替えてベッドに横になる。やはり疲れがどっと来て、また熱が上がる。最悪な年末年始になりそうだ・・・。雅は美咲を預けて帰ってきたんだ。雅の両親が、美咲にうつってはいけないと配慮してくれた。美咲は半べそかきながらも、納得して、当分じいじとばあばのいる首相公邸泊まり。雅は疲れているにも関わらず、荷物の整理と、俺のご飯を作ってくれた。やはり雅の飯は美味かった。それが例え雑炊であっても・・・。タバコを吸う気力さえないもんだから、もしかしてこれがいい禁煙の機会なのかと思うんだよね・・・。ああしんど・・・。

一途 (44)乗務停止命令
 ホテルに帰った途端孝博は熱を出して横になったの。測ったらすごい熱!明日日本に帰るフライトなのに・・・。もしかしてインフルエンザ???こんなんじゃ乗務出来ないよね・・・。




とりあえず解熱鎮痛剤を飲ませたけどだめで、パパに電話したら、同行しているお医者様を派遣してくれたの。そしたら案の定インフルエンザ・・・。丁度流行っているってことでタミフルを処方してもらって、様子を見ることに。もちろん操縦はドクターストップ・・・。今日孝博の側にいたパパやママ、彬達に予防としてタミフルが配られた。




「ねぇ、緊急時はどうしたらいいの?」
「んん・・・。フライトバックの中の資料にさあ・・・・連絡先があるだろう・・・。そこの外務省関係者と、防衛省関係者、あと運行責任者へ・・・電話を・・・。」




そういうと孝博は眠ってしまった。もちろん夜遅かったけど、連絡。急遽航空自衛隊のパイロットが孝博の代役をすることに。そして孝博は予備機にて帰国することになった。予備機には一部のマスコミ関係者と、政府関係者、航空会社の関係者が搭乗している。人数的には一番少ない。もちろん私もそっちのクルーに変えてもらったの。ファーストクラスを使用していないから、孝博はそっちへ隔離。私がすべて孝博の荷物をまとめたり、出国手続きをしたりと大忙し・・・。そしてなんと私までクルーからはずされる。



 まあタミフルが効いたのか、ふらふらしているものの、自分で歩ける状態の孝博・・・。荷物を預けて、税関を通ると、待合室で待ったの。




「ああ、初めての乗務停止だなあ・・・。それもこんな大事な役目をもらっていたのにさ・・・。」
「まあまあ・・・。ゆっくり休んで、日本についたら、税関の医務室に一応行かないとね・・・。」




椅子に座ってぐったりしている孝博・・・。私服のスーツ持ってきて正解だった・・・。制服で搭乗っていうのもおかしな話だから・・・。もちろん胸には政府関係のIDつけて・・・。




はぁ・・・。

かわいそうな孝博・・・。


一途 (43)そろそろどう?って???
 ついに最終日のお食事会・・・。はぁ、緊張・・・。美咲は外務省の女性職員に預けてきた。俺と雅は正装をしてタクシーに乗ってサボイに着く。正面玄関で彬が待っていた。そういや、彬のうちにも赤ちゃんが生まれた。女の子。母さんは落胆。ホント高橋家は女筋・・・。生まれたのはイブの日・・・。孝志と同じかあ・・・。




「遅いぞ、姉ちゃんに孝博!」
「しょうがないだろう、雅のお洒落に時間がかかった上にこの渋滞。クリスマスなんだから・・・。」
「彬、昨日生まれたんだって???官房長官とこのこの一緒じゃない。あっちは男の子だったらしいけど?」
「そうだよ。女の子。おかあさんったらさあ、男の子を期待していたから落胆してさ・・・。ま、色白の可愛い女の子らしいよ。」
「しょうがないだろ。あそこの家系は女筋だ。さ、時間がないんだろ。」




俺たち三人はメインダイニングへ急ぐ。いくら非公式とはいえ、イギリスと日本の首相の食事会。警備が厳しいし、マスコミも多い。会食が始まるまではなんだかんだ言ってマスコミ対応に追われている。俺は一般人だ・・・。一応・・・。マスコミ陣を追い出して会食開始・・・。ずっと英語だもんな・・・。いくら俺、英語が堪能だといってもねぇ・・・。




「あれ?孝博、飲まないの?」
「明日フライトだろ?アルコール残ったらやばいからもうやめておく・・・。」




その話から、俺の中心の話になる。もちろん英語でだ・・・。




「ほう、弐條さんの息子さんはパイロットですか・・・。」
「ええ、今回の正機の副操縦士をしているんですよ。もちろん私の乗る。」
「色々あなたの腕に関して耳にしますよ。ブリティッシュエアに移ってこられては?」




俺は微笑みながらいうんだ・・・。




「何度か共同運航という形でそちらの機材を運行したことがありますが・・・。」
「政府専用機に雇いたいくらいですよ・・・。」




また引き抜きの話???まあ適当にはぐらかしておいたけど・・・。




すると今度はうちの子供の話・・・。もうそろそろどうって話になって、雅と照れ笑い・・・。まあ美咲は2歳だし・・・。雅もそろそろいい歳だしね・・・。あと一人くらいはね・・・。男の子が欲しいかな・・・。一応この俺が弐條家の跡取りになっている。次期当主ってことか・・・。やはり男一人くらいは・・・。なんとかお開きになって、会場をあとにしようとすると、お父さんが俺たちに言うんだ。




「今晩は美咲こっちに預かるから、二人でゆっくりしなさい。」




って・・・。

え?

子作りしろって言うのか???

はあ・・・。

もちろん雅も困り果てた顔でお父さんを怒ってた。




「パパ!明日は孝博大事なフライトよ!何言ってるの???」
「まあまあ、雅。パパはお前たちにゆっくり時間をやろうと思ってるんだよ。決して男の孫が欲しいなんて思っていないよ・・・。彬のところが女だからって言ってもね・・・。さあさあ早く帰って・・・。」




はははは・・・。
でも、ちょっと風邪引いたかな???体が重い・・・

一途 (42)メール
 日本ではクリスマスイブの朝かなあ・・・こっちはまだ夜・・・・。雅の携帯にメールが入る。




「孝博!ねぇ覚えてる?後輩の遥、赤ちゃん生まれたんだって!!!!男の子よ!男の子!!!きっとお父様は大喜びでしょうね・・・。そういえば同行していたはずよねえ・・・官房長官・・・。」




そうか・・・遥、出産したんだ。予定日に・・・。雅は出産祝い何にする?って俺に聞いてくる。その子は俺と遥の子なのにさ・・・・。




「年明けたら、休暇とお祝いを兼ねて遥のホテルに泊まりに行こうよ!遥の子、見たいのよ。きっとかわいい男の子でしょうね・・・・。」
「そうだね・・・。」




どちらに似ている?

俺に似ていたら、バレバレだよね・・・。




雅はさっそく遥にメールを返信していた。そして泊まりに行きたいって・・・。俺はいけないよなあ・・・行ったことあるし・・・何度も遥と近所を歩いてたりなんかしていた。雅だけ行ってきたらいいのに・・・。そうそうクルー仲間と行けば?っていってみた。すると雅は喜んでそうするって・・・。




「孝博は大変だもんね・・・・。わかった。同僚といってくるね。」




はぁ・・・助かった・・・・。俺は入れ違いで遥の子を見に行こうと思う。




俺はこっそり遥にお祝いメール。

すると息子の写メが送られてきた。ああ良かった!

俺似じゃなかった。少し面影があるかなって程度・・・。遥にそっくりの男の子だった。似ているのは口元かなあ・・・。ひとまず安心かな・・・。

(何がだよ^^;)

あ、そうそう、遥のお父さんに、隠れてお祝い電話をかけておいた。相当喜んでいたし、皆にたくさんお祝いされたって・・・。いくら不倫の末に出来たことはいえ初孫だからねぇ・・・。そして最愛の遥に似ていると聞けば、かわいくてしょうがないだろう。また爺馬鹿の誕生だね・・・。

一途 (41)欧州へレッツゴー

 なんとかアジア外交を終え、次は俺の庭、欧州だ。まずはフランスに飛ぶ。フランスでの会談が終わると、ドイツ、イタリアなどを回り、最終目的地イギリスへ・・・。実は空便。主要な政府関係者はユーロスターに乗ってロンドンに入る。ここまでばたばた長い外遊だったけど、イギリスではゆっくりだ。二泊三日滞在。もちろん自由時間あり。いつもの系列ホテルに着くと、彬が美咲を連れてきていた。




「孝博遅いぞ!」




美咲は俺と雅の姿に気がつくと、走り出した。




「パパ!ママ!」




そうだよな・・・いくら同行しているといっても、乗務員としてだし、なかなか会えない。ま、雅の場合は客室内で会っているけど、美咲はわきまえているのかなあ・・・。機内ではママ、ママとはいわなかったらしく、じいじとばあばに甘えていたらしい・・・。今日、両親は歓迎の式典や何やらで、一緒にはなれないけど、最終の泊まりの日は、一緒に食事に行くことになっている。もちろん俺達がお父さんたちが泊まっているホテルまで足を運ばないといけないわけ・・・・。お泊りは由緒正しいサボイホテル。きちんと正装していかないとなあ・・・。もちろんスーツは持ってきているよ。超高級ホテルだから緊張する。超ご令嬢の雅だってそうなんだから、俺なんか・・・・。その上後から聞いた話、これは非公式の食事会らしいよ・・・。イギリスの首相とお父さんは30年来の友人だから・・・。家族ぐるみで付き合っているんだって・・・。ホントお父さんは世界中に政治関係の友達が多いから付き合い大変そうだ・・・・。感心している場合じゃない・・・・。



明日はクリスマスイブだぞ・・・。イギリスさえ終われば日本に帰れるんだ・・・。一応ね・・・。


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さくらと空 
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