4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第92章 堀川邸への行幸
 鈴華の出産から3日後、非公式ではあるが鈴華の見舞いを兼ねて堀川邸に行幸する。今まで清涼殿を抜け出したことは多々あるが、このようにたくさんの者たちを連れての行幸は始めてである。

白の御引直衣を着た帝は堀川邸の寝殿中央に座る。堀川邸の寝殿は錦で敷き詰められ、簀子には左手に四位や五位の側近たち、右手に左大臣、右大臣、内大臣などが居並んでいる。非公式とはいえ、関白は最高のおもてなしをし、行幸と中宮の出産祝いを兼ねた宴を催す。もちろん、鈴華の妹である承香殿女御や、皇后も帝の近くに同席している。そして最近謹慎が解かれた土御門の尚侍も女官のひとりとして同行していた。招待をした関白太政大臣は、帝の右手に座り、挨拶をする。帝は微笑んで関白にいう。


「双子の皇子を見るのがとても楽しみなのです。本当でしたら数人の者たちでこちらにお邪魔しようと思ったのですが、前回の中宮出産の折、勝手に内裏を抜け出していろいろな者たちに叱られてしまいました・・・。今回は関白殿の顔を立てて・・・。」


帝は苦笑して、関白と話をする。関白は近くにいる女房に合図をすると、少しして二人の乳母に抱かれた若宮たちが入ってくる。若宮たちはまったく見分けがつかない位、うりふたつであり鈴華によく似ている。帝は可愛らしい若宮たちを見つめると微笑む。


「どちらがどちらかわからないね・・・。見分け方なんてあるのですか?」


と、帝は関白にいう。


「中宮によりますと、はじめに生まれた皇子には肩にあざが、次に生まれた皇子には首もとにあざがございます。見た目には本当にわかりませんね・・・。でもとても可愛らしい若宮たちでございます。」
「関白殿、中宮から名前の件は聞いたのですか?」
「はい、三の宮を『雅博』、四の宮を『雅盛』と申しておりましたが・・・。」
「ええ、それでいいのです。名前の件はすべて中宮に任せましたから・・・。御七夜には親王宣旨をしましょう。」


帝は一人一人抱き、鈴華によく似た可愛らしい顔を心に焼き付ける。


「関白殿、この若宮たちも篤子と同様に後宮にて養育してもいいでしょうか・・・。もちろん藤壺の隣、梅壷にて養育を・・・。」
「はい、それはそれで構いません。私も、若宮様のためにとても良い女房や女童などを揃えましょう。」


帝はほっとした様子でいう。


「関白殿は結構お堅い方だと思っていましたが、若宮を身近に養育する事が出来、感謝します。本当に慣例だと言って断られると思いましたよ。これで安心して中宮は後宮にいる事が出来ます。ありがとうございます。」


若宮たちは生まれてすぐであったが、しっかりした顔つきで健やかに眠っていた。そして帝は同行している皇后や承香殿女御にも若宮を見せる。皇后は自分の子供のように若宮を抱きうれしそうに微笑む。


「帝、東宮のこれくらいのことを思い出しましたわ・・・。なつかしい・・・。女御様の姉君のお子様をご覧になられたらいかが?」


女御はチラッと見ただけで、後ろに下がった。


「あら、御抱きになられたらよろしいのに・・・。小さすぎて怖いのかしら・・・。」
「はい・・・。」
「本当に承香殿様は口数が少ない御方ね・・・。いずれ御子が授かったらこの可愛さがわかりますわ。」


皇后は若宮たちを乳母に返す。帝は関白に伺う。


「宴を抜け出して中宮の見舞いに行ってもいいですか?」
「はい、そういわれると思い準備をしております。中宮も帝にお目にかかるのを心待ちにしているようです。」


帝は立ち上がって、宴を抜け出し鈴華のいる部屋に向かう。向かう途中、すれ違う女房たちは口々に帝にお祝いの言葉を述べる。帝も一人一人に会釈をする。鈴華はまだ寝所にて横になり、体を休めている。鈴華の部屋の表が騒がしくなると、帝が現れ、鈴華の寝所の前に座る。帝は女房たちを下がらせると、話し出す。


「鈴華、とても可愛らしい双子の若宮だったね・・・。ありがとう。」


鈴華は起き上がろうとするが、帝は止める。帝は鈴華の側に座りなおすと、鈴華の手をとり帝の頬に当てる。


「本当に鈴華の言うとおり双子の皇子だったね・・・。疲れただろう・・・。あとひと月堀川邸にお世話になるといい。ゆっくり体を休めて戻っておいで。若宮たちは、梅壷にて養育させるようにする。もちろん関白殿も承知してくれた。」
「雅和様・・・。私こそ感謝いたします。このようにわざわざ堀川邸まで行幸していただけたのですもの。鈴華はとても幸せ者です。」
「気にすることはない・・・。大事な妃なのだから・・・。」


帝は微笑んで、鈴華を見つめた。


 帝が寝殿中央に戻ると、皆は宴を楽しんでいた。様々な趣向を凝らし、贅を尽くしている。帝は鈴音を呼び、言う。


「承香殿、丁度いい、当分こちらのお世話になってもいいよ。」
「え?」
「心配しなくていいのですよ。なかなかご実家に帰れないでしょうから、好きなだけこちらで羽を伸ばしたらいい。最近承香殿は何か思っているのか、以前のように笑顔が少なくなってきているように思うのです。実家でご両親に甘えてはいかがですか?丁度姉君も里下がり中です。」
「はい・・・。」


帝は微笑んでいう。


「これからも可愛らしい笑顔を見せて、この私を元気付けてください。あなたの笑顔は私の元気の源ですから・・・。」


鈴音ははじめ、後宮を追い出されるのかと思ったのですが、帝の優しい心遣いに感謝して納得し、当分こちらでお世話になることにした。もちろんこれを機会に鈴華と鈴音の仲は以前のように仲良くなったのです。


 宴がお開きになると、関白は帝の行幸に来ている者たちに贅を尽くした禄を一人一人に配った。帝はたいそう喜んで内裏に戻っていった。



《作者からの一言》

帝の行幸はとても大変です^^;迎えるほうも大変なのです・・・。迎えるほうは引き出物として来てくれた人みんなに衣など配らないといけません^^;今考えると相当の財がないと出来ないことです^^;
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