4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第7章 右大臣家の姫君
 祭の日の夜、宇治の姫君こと綾姫は、宇治の君の落馬が心配でならなかった。夜もまぶたを閉じればあの時の光景が何度もよみがえり、うなされてしまい、ずっと泣き暮らしていた。三年間続けていた御妃教育そっちのけで、部屋に籠ってしまうので、事情を知らない右大臣はたいそう心配になり、朝晩姫の様子を伺いに来る。
「萩、どうして姫は祭の日から様子がおかしいのだ?たいそう嫌だといいながら続けてくれていた御妃教育も先生たちを遠ざけてしまう始末。祭の日に何かあったのであろうか。もうそろそろ主上に東宮妃としてうちの姫を候補に入れていただけないかと、申し上げようとした矢先にこのような物の怪が付いたようになっては・・・。」
萩は黙ってしまっていたので、右大臣は話を続けた。
「内大臣め、罰が当たったのだ。大事なひとり息子が祭でのあのような失態。今日内裏では噂で持ちきりだったよ。いまだ意識が戻らんと聞く。」
すると寝所の方から姫が飛び出してくる。
「宇治の・・・いえ右近少将様の容態はよろしくないのですか?父さま・・・。私は・・・。」
「うむ、明日あたりが山だと聞く。」
そういうと姫は泣き叫んだ。
「お父様は大嫌い!それだからお母様の病がよくならないのです!」
「もういい!これから出仕だ。早くよくなって貰わないと困る!」
右大臣はたいそう立腹した様子で部屋を出て行き、内裏に参内した。更に籠ってしまった上、食も進まないという姫を心配した右大臣は、早退してまた部屋にやってきて愚痴をこぼしになる。
「少将は今日意識が戻ったようだが・・・。しかし今日は昨日と一転、またあの内大臣の自慢しいが始まってなあ・・・・。困ったものだ・・・。何でも都中の高貴な姫君からお見舞いの文や贈り物が山のように届いたらしく、その中から選りすぐった姫と縁談を進めると威張っておったわ!主上も回復の兆しにお喜びになられて、使者を送られたそうだよ。すごく可愛がられているからな!そこが更に気に食わん!絶対あの少将とはだめだからな!お前はそれより東宮妃として入内してもらわないと困る!わかったな!早く元気になられよ!」
一方的にぺらぺらとしゃべったあと、右大臣は姫のために用意した唐渡の気付け薬を萩に渡して立ち去った。そして姫は萩以外の女房を退かせて話し込む。
「ねえ萩。宇治の君は私のことなどきっとお忘れになったのだわ!私はあれからずっとお慕い申し上げていたのに・・・。」
「しかし姫様。一度しかお会いしたことがないのに、姫様のこと覚えておられるのかしら。あのようなお方ですもの、きっとほかに・・・・・」
「そうかしら・・・あの時の宇治の君の顔・・・。そういえばお母様が裳着の日におっしゃっていらしたのよ・・・。私がどこの姫かとお聞きになったと・・・。お母様のことだから、お父様と宇治の君のお父様のことをよくご存知だから、詳しくいってないと思うけど・・・。ねえ萩、宇治の君がどこで養生されているのか、調べてくれないかしら・・・。どこかに右大臣家と繋がりがある人っている?」
「そういえば、新参者の女房の中にいたような・・・。そう!桔梗ですわ。姉か何かが内大臣家の側室の姫君にお仕えしていると聞きました。少将様の妹君といわれる四の姫様だったかしら・・・。一番の末の妹君の・・・。」
「ここに桔梗を呼んで、聞き出させてちょうだい!」
その日のうちに桔梗を使って宇治の君の居所を調べさせ、姫は桔梗を呼んだ。
桔梗の姉からの文を読み姫は落ち込んだ。
『お伺いの件ですが、四の姫様も、その母君様も、よくご存知ではないようで、北の方様の縁の別荘におられるとしかわかりませんでした。度々使いのものがやってきて、大臣様にご報告されるだけで、どのような怪我の状態かさえわからないご様子です。四の姫様の兄君を静かに養生させよという大臣様からのご命令のようで、これ以上はわかりません。でもどうして右大臣家に入ったばかりのあなたが、このような文をよこすのか不思議でなりません。少将様は都中の憧れの的のお人ですので、お仕えの姫様に頼まれたのでしょうけれど・・・。また私に出来ることがあれば、文をください。』
という内容であった。
「だめだと思うけれど、今から書く文を内大臣家の少将様宛てに送ってちょうだい!」
姫はすらすらと何かを書き終えると、葵を文に添えて萩に託した。萩はそれを抱えて、内大臣邸に向かう途中、見覚えある男を見かけた。
「ちょっとあなた!」
「え?何か?」
とその男が振り返る。その男は、網代の主を探している晃であった。
「あなたは以前宇治でお会いした方のお付きの人じゃ・・・」
「え?宇治・・・・?私は右近少将藤原常康様の・・・」
すると萩はその男を引っ張り、通りの端に引き寄せた。
「やはり!少将様が元服前に宇治におられた時に一緒にいた橘晃という従者でしょ!」
「そうですが・・・・。もしかして・・・綾姫様の・・・」
「これを少将様に・・・姫様からの御文です。あなたに会えてよかったですわ。姫様はたいそうご心配で、塞いでおりますの・・・。遅れましたが、私は右大臣家三の姫様にお仕えする萩と申します。直接少将様にお渡ししてくださいね!」
「わかりました!必ず若君のお渡ししますので、安心してくださいとそちらの姫君にお伝えください。助かりました。丁度若君の使いで姫君の乗った網代を探していたのです。」
そういうと萩に晃は頭を下げて走り出した。萩はうれしそうに姫の待つお邸に戻った。するとばったり右大臣と廊下で出会ってしまった。
「萩ではないか・・・。姫があのような状態でどこに行っておった!ずっと付いておるように言ったであろう!」
「申し訳ありません・・・。姫様の使いで・・・。」
「使い?何の使いだ!」
「御文を・・・・」
「誰に渡してきたというのだ!あれほど私の許可なしに!誰のもとに送ったというのだ!男か!」
「いえません!」
「やはり男だな!どこのどいつだ!」
そういうと、右大臣は萩を引っ張って姫の部屋に向かった。
「どういうことなのか姫!誰に文を出したというのだ!」
「姫様申し訳ありません!」
「いいのよ萩、ちゃんと言うから。お父様、私右近少将様にお見舞いの文を出しただけよ!あの祭の日、うちの網代の前で右近少将様が落馬されたから・・・・。」
「お前は東宮妃候補の一人だぞ!勘違いされて変な噂が立ったらどうするのだ!萩、これからは一切の文などの取次ぎは禁止する!いいな!」
「お父様!」
右大臣は立腹し、寝殿のほうに戻って行った。姫は萩の胸元にしがみついて泣き叫んだ。
「姫様、このようなときに言っていいものかと思いますが、あの文は宇治で出会ったときそばにいた従者の方に直接お渡しするように託しましたので、ご安心ください。」
「そう・・・でも・・・」
「これからは桔梗を通じて文のやり取りが出来ると思いますわ。」
「うまくいくかしら。」
「任せてくださいませ!きっとうまくいくようにしますから姫様は元気になられて大臣様に気づかれないようにされないといけませんわ。」
「そうね・・・。」
晃に託された姫君の文は夜遅く少将の枕元に置かれた。
《作者の一言》

どうしてここまで内大臣と右大臣がいがみ合うのかはよくわかりません^^;後々にも出てきませんけれど・・・。やはり同じ摂関家の流れをくむというだけでいろいろあるのでしょうね・・・。あの宇治でのおてんば姫が、三年の月日が経ち一応姫らしくなりました^^;やっと少将と姫はつながりが出来ました。あとはどのように会うかです^^;それはこの次ということで・・・・。もちろんまた東宮の邪魔が入るのですが・・・・。
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Comment

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● 山高帽子さんへ
コメントありがとうございました^^
へたくそですが、読んでいただけるなんてうれしいです^^

また遊びに行きますね^^
nao^^ | URL | 2006/12/07/Thu 23:25[EDIT]
● 
お邪魔しています、先日は拙宅(?)にお越しいただいたうえ、企画にも参加くださりありがとうございました。
お預かりしたお名前の設定など企画記事の追記に書いておきました、お気に召せば幸いです。

先日からちょこちょこと読み進めております、平安時代版の明るいロミオとジュリエットって感じですね、これからどう物語が展開していくのか楽しみです。

山高帽子或いは山紅葉 | URL | 2006/12/07/Thu 22:55[EDIT]
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