4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第104章 帝の決断 【第3部序章⑤】
 夕刻になると内大臣に扮した帝が二条院にやってくる。もちろん内大臣の直衣と、冠をつけ、内大臣家の車でやってきた。右大臣は帝を出迎え、寝殿に案内する。二条院に入ってしまえば、内大臣になりすます必要はない。二条院では内裏内の帝の表情ではなく、雅和親王の朗らかな顔になる。


「母宮の体調はいかがなのでしょう・・・。」
「女王はご機嫌が悪い。手がつけられないのですよ・・・。」
「もう1年以上会っていないからね・・・。昨年は綾乃の看病で内裏を出ず、勅使を送っていたから・・・。」


帝は苦笑して母宮和子の待つ寝殿内に入る。すると母宮は帝の顔を見て言う。


「雅和、こちらに座りなさい。」
「はい、母宮・・・。」


帝は渋々母宮の前に座る。


(この母宮の顔は説教の顔だな・・・。母宮の説教は長いからな・・・。)


帝は苦笑して母宮を見つめると、母宮は急に微笑んで言う。


「雅和、やっと来てくれましたね。母はずっとあなたの事が心配でしたのよ。殿が毎日綾乃様を亡くされた日からのことを詳しく言ってくださった。雅和、あなたは帝なのですよ。思ったことを言えばいいのです。思ったようにすればいいのです。群臣や周り者たちのことをよく考えて行動する優しさはあなたのいいところです。でも悪いところでもありますよ。あなたはどうして自分を犠牲にしたがるのかしら・・・。殿から聞きました。せっかく殿がお膳立てした縁談をお断りになったそうですわね・・・。本心でもなかったということも聞きました。殿をはじめ、内大臣様、右大将様はあなたのためを思っていろいろしてくださっているのに・・・。元の雅和に戻って欲しいからです・・・。あなたが和むのであれば、あの綾乃様によく似た姫君を側において大切にされてもいいではありませんか・・・。その姫君が苦しむというのであれば、あなたが一身にお守りすればいいのでは?いい?雅和。本心を母の前で言いなさい。」


帝はうつむくと、少し考えて母宮の前で言う。


「母宮。もちろん私は綾乃に似た姫を側に置きたい。誰がなんと言おうとも・・・。中宮や女御が反対しようとも・・・。でも、あのようにのびのび育ってきた姫君を後宮に入れてしまったら・・・。」


母宮はため息をついて言う。


「ですから、あなたが姫君をお守りしなさい。いつも言っているでしょう・・・あなたはあなたらしくと・・・。もうあなたの気持ちは固まったはずでしょう。彩子姫を・・・。」
「入内させます。右大臣家の姫として・・・。でもひとつ条件があります。あの姫を出世の道具になどしないでください。少しでもあの姫を堅苦しい後宮の中であってもおおらかに暮らせるように・・・。」


母君と右大臣はうなずくと、右大臣は小宰相を呼ぶ。小宰相は帝の前に座り一礼すると、彩子姫について言う。


「帝、あの姫をこのまま後宮にお入れすることはできません。最低限のお妃教育をしなければなりません。後宮はしきたりが多いのです。」
「お妃教育にはどれくらいかかる?」
「2年・・・いえ早くて1年はかかるかもしれません。彩子姫様の努力次第でしょう・・・。この数日彩子姫様の実力を見てまいりましたが、後宮入りするにはまだまだでございます。あの綾乃様でさえあそこまでの教養を付けるのに十年はかかりました。でも恥ずかしくない程度の教養を何とか身に着けさせますので、お任せください。何とか飲み込みも早そうな感じです・・・。」
「小宰相頼んだよ・・・。」


小宰相は一礼すると、寝殿を退出する。すると帝は苦笑して言う。


「まだまだ側には置けないのか・・・。先は長いな・・・。早くて来年末って事か・・・。」


すると右大臣はあることを提案する。


「内裏からこの二条院は程近い・・・。月に一度くらいはこのようにお忍びで参られたらよろしい・・・。」
「そうですね・・・。でも兄上にご迷惑がかからないでしょうか?」
「それは少しぐらいあるかもしれませんね・・・。内大臣がこちらに来られるという事が摂関家の者たちの目を欺くかもしれませんから・・・。もちろんこのことは内大臣了承のことです。」


帝は心配そうな顔をして右大臣を見つめる。すると右大臣は思い出したように言う。


「そうそう・・・。この邸に彩子姫がいますよ。昨日右大臣家の養女として迎え入れましたので・・・。早速会っていかれますか・・・。」


帝は微笑んでうなずき、右大臣先導のもと彩子姫のいる部屋に入る。彩子姫は帝の姿に気が付くと、満面の笑みで迎え入れる。帝は思わず彩子姫を抱きしめるという。


「私は決めました。あなたを私の妃として迎えます。そしてお守りします。入内までにはまだまだ時間はかかりますが、私はあなたの入内を待っています。いいですか?あなたの入内の件は入内間近まで内密にしてください。そうではないと、いろいろ騒ぎが起こります・・・。」
「はい・・・。」


彩子は真っ赤な顔をしてうつむくと、帝は言う。


「本当にいいのですか?後宮に入っていただけて・・・。」
「はい構いません・・・。私が身代わりの入内としても・・・。私がんばります!」

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