4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第106章 内大臣の噂と意外な宣旨 【第3部序章⑦】
 夕刻になると月に何度も内大臣が二条院に行くというので変な噂が立つ。案の定右大臣の養女のお相手は内大臣ではないかということだ。もちろんこの二条院に向かっているのは内大臣の姿をした帝であるのだが、誰もそのことを知らないのである。

皆はもう好き勝手に噂を都中にばら蒔いている。もちろんこの噂は内大臣の北の方の耳に入ってきており、内大臣が自宅である一条院に戻ってくるとたいそう機嫌が悪いのである。


「殿、昨晩はどちらに?私はてっきり宿直だと・・・。もう内大臣になられたのにも関わらず・・・。」
「結子、私は中務も兼任しているのですよ。帝のご命令で側にいることもあります。」
「さあ、どうでしょうか?お隣の二条院によく出入りされていると聞きましたが?」
「ああ、それは帝のご命令で、帝のご生母様のご機嫌伺いに・・・。」
「さあ、それはどうだか・・・。お目当ては和子女王様ではなくて、右大臣家養女の姫君ではなくって?側室にされるという噂を聞きました。」


内大臣は困った様子で、人払いをすると意を決していう。


「結子、これは恐れ多くも帝に関わることであるから、内密に・・・。実は二条院に通っているのは私ではないのですよ。」


内大臣は北の方に一から説明をする。なぜ帝はお忍びで行かないといけないかから始まり、その姫が亡き皇后に生き写しであること、そしてまもなく入内宣旨が下ることなどを、詳しく丁寧に説明をすると、北の方は納得したようで機嫌を良くした。


「殿、それならそうと早く言ってくださればよろしいのに・・・。そうしたらこうして要らない心配や嫉妬をしなくて済んだものを・・・。」


北の方は微笑んでいうと、内大臣はほっとした表情で安心した。


 様々な噂が飛び交う中、春が訪れる。内大臣が右大臣家の養女を側室に迎えるという噂のおかげで、帝が密かに彩子を女御として迎える準備を摂関家の者たちに知られることなく着実に整えられていた。知っているのは中務省の一部の者や、右大臣、内大臣の縁の者のみ。入内予定の三ヵ月前を切ると、そろそろ帝は太政官の者たちに女御入内の件を話そうと思った。帝は内大臣と右大臣を呼び、人払いをすると、二人に詫びて話す。


「兄上、右大臣、いろいろご迷惑をおかけしてすまないね・・・。やっとここまで内密に事が運べたのはあなたたちが色々していただいたから・・・・。特に兄上は群臣たちに色々噂されて心苦しかったでしょう・・・。なんてお詫びをしたらいいか・・・。義姉上もさぞかし心を痛められたことでしょうから・・・。」
「いえいえ、妻はちゃんと話すとわかってくれたのでいいのです。これで帝に昔の恩返しができます。」
「恩返し?」
「帝は私が東宮をやめたいと願ったときに色々していただけた・・・。あの時体がまだ治りきっておられなかったのにも関わらず、自分を犠牲にして一生懸命私のために尽くして入れた上に、快く東宮譲位を承諾してくれた・・・。あのときを思えば、このような噂など・・・。」
「あれは弟宮であり、当時中務卿宮であったから当然のことをしたまで・・・。そこまで兄上は・・・。今まで色々私の心の支えになってくれたではありませんか・・・。それだけで十分であったのですが・・・。」


帝は苦笑して、内大臣にいった。すると、右大臣は帝に言う。


「そろそろ例の件まで三ヵ月を切りました。もうそろそろ表立った準備をしないと間に合いません・・・。今日当たり他の太政官に・・・。」
「そうですね・・・。もうそんな時期なのですか・・・。兄上に水面下で入内の準備をしていただいた・・・。もちろん右大臣殿もそうです・・・。わかりました。今からこちらに関白殿、左大臣殿、あと諸々の太政官を集めてください。今から話します。もちろん反対は許しません。」


右大臣や内大臣が下がり、少し経つと続々と太政官が集まってくる。大臣たちをはじめ、中宮職の者たちや宣旨に関わる者たちも呼ばれる。帝は内大臣兼中務卿宮である兄宮に、彩子姫入内に関することが書かれた書状を、侍従を通して渡すと内大臣は集まった者たちにゆっくり聞こえやすいように読み上げる。


「これは帝のご命令である。もし異議を唱える者は処分されると心得よ。」


皆の者は何事かとざわつくと、内大臣は皆を静め、静まったことを確かめると読み上げる。


「『七月吉日、正二位右大臣源朝臣将直卿の養女彩子姫を女御として入内させる。御殿は弘徽殿。婚礼の儀の日取りに関しては後ほど。以上。』とのご命令です。すぐに女御入内宣旨を下せるように・・・。いいですか?」


摂関家の者達は渋い顔をしながらも、帝の命に従い、頭を深々と下げる。その日のうちに中務省では宣旨の案を検討し、帝や大臣たちの承認を得て次の日正式に都中に女御入内宣旨を下した。もちろん右大臣邸には勅使が出向いて右大臣、和子女王、そして彩子に女御入内宣旨を読み上げる。もちろん彩子は正式に入内が決まったことで安心して帝に文を書く。そして右大臣を通して帝に渡され、帝は彩子に返事を渡した。


『これからは公になったのですから、堂々と文の交換が出来ます。公になったといっても、そうちょくちょく会いには行けませんが、入内の日を心待ちにして最後のお妃教育の仕上げをがんばってください。私もあなたがこちらに来られるを心待ちにしております。』


彩子は帝の文を抱きしめて微笑むと、小宰相と共に最後のお妃教育の仕上げを行った。


 宣旨が下ってからは着実に彩子の入内の道具や衣装などが揃っていき、今まで彩子が見たことのないようなものもたくさん用意されていく。続々と揃っていく豪華絢爛な入内の準備品を見て、彩子はだんだん宮中に入内するという実感がわいていくのである。


あっという間に三ヵ月が過ぎ、滞りなく彩子の入内が終わり、そして婚儀の正式な日取りが決まってく。後宮内での女御お披露目の宴も無事に終了する。何とか後宮内でうまくやっているという報告を小宰相から聞いた帝は安心した表情で婚儀の日を心待ちにした。


【作者からの一言】
さ、これで序章は終わりです。次からは第3部彩子&和気泰明編に入ります。まだ次は和気泰明は出ませんが、そろそろ・・・。この3部で終了となります。今まで帝や後宮がメインだったのですが、これからは大和国や典薬寮がメインになりますよ。彩子と和気泰明の運命の歯車が狂いだします。
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