4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第109章 三輪明神参詣
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三輪明神のある三輪山は古都平城京から飛鳥に伸びる大和路の途中にある。山自体が御神体であり、別名大神神社といって、日本最古の神社に値する。もちろん皇族縁の官幣大社である。

崇神天皇七年に天皇が伊香色雄に命じ、大田田根子を祭祀主として大物主神を祀らせたのが始まりとされ、祭神は大物主大神の他、配神として大己貴神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)が祀られている。一説では大物主大神は大国主神(=大己貴神)の和魂(にぎみたま)ともされている。大物主神(または三輪明神)は蛇神であり水神または雷神としての性格を持ち、稲作豊穣、疫病除け、酒造り(醸造)などの神として篤い信仰を集めている。また国の守護神である一方で、祟りなす強力な神ともされている。大神(おおみわ)祭、鎮花(はなしずめ)祭、 三枝(さいくさ)祭が朝廷のお祭りとして絶えることなく斎行され、 臨時の奉幣も多かったほど、朝廷と深くかかわりのあるところである。丁度帝が訪れる日は秋の大神祭りにあたりいつもであれば、勅使によって奉幣を納めるのであるが、今回は帝が直接参って納めることになった。


 朝、帝は礼服を着ると、輿に乗って大和守の先導のもと東大寺の東南院を発つ。もちろん彩子は唐衣を着て車に乗り込んだ。大和路にはいるとすぐに帝は弟宮である兵部卿宮を呼ぶ。


馬に乗った兵部卿宮は帝の輿の側に馬を寄せる。


「兵部卿宮、どうしてあなたをこの御幸に同行させたかわかりますか?」
「いえ・・・。」
「そうだと思いました。大和路などの主要な路は兵部省管轄になりま
す。何かあればこのような道を使って兵を動かすのですよ。よく見ておきなさい。現地に赴いて見聞するのもいいものです。」
「はい・・・。」


兵部卿宮は腹違いで十歳年の差がある弟宮である。三年前に元服し、御歳十八歳。兵部卿となって三年になる。本来であれば、御幸に同行させる必要のない宮を、こうして大和路を見せようと連れてきたのである。同腹である内大臣と違ってあまり利発ではなく、のんびりしていて、坊ちゃんタイプである。兄宮たちが優秀すぎるため、この宮はやや軽んじられている。今回の御幸同行も、院から頼まれた節もあった。帝はあまりにも頼りない弟宮を見て溜め息をつく。


(どなたに似たのであろう・・・。先が思いやられる・・・。)


昼ごろに三輪明神の車止めのつくと、帝はそこで輿を降りる。大和守をはじめついてきたものたちは頭を深々と下げ、女御である彩子が車から降りるのを待つ。三輪明神の宮司が出迎え、先導をする。帝のごく側近以外はこの車止め前で帝の参詣が終わるのを待つことになっている。参道を歩くと、深く生い茂った木々が不気味に感じられるところもあるが、こちらに入る前よりもやはり空気は違い、爽やかに感じる。帝は一歩一歩踏み込むに連れて、少しずつ身が軽くなっていくように思えた。彩子もこうしてこちらに来るのは久しぶりのことでとても緊張していたが、山の奥にある神殿に近づくにつれて緊張がほぐれていった。拝殿前のお手水で身を清めると、帝は拝殿に入り宮司と共に神事を行った。拝殿内は静まりかえり祝詞などの声が山中に響き渡る。拝殿にて神事が終わると、勅旨殿に通され、一休みをする。


「お父様、帝に例のものを・・・。」


と彩子がいうと、大和の守が、あるものを渡す。


「帝、これは華鎮社の薬井戸の御神水でございます。この霊泉は万病に効くと古くから伝えられております。ぜひ帝にこのご神水をと思いまして、先程供の者に汲ませて参りました。さあ、皆様も・・・。」


帝は彩子から御神水を受け取ると飲み干した。帝は微笑んで、彩子にお礼を言った。宮司と様々な話をしながら、楽しそうな顔をしている帝を見て、彩子は安心した表情で見つめた。


(早く帝の御子が授かればいいな・・・。)


と彩子はなんとなく帝の表情を見て思った。すると宮司が彩子に話しかける。


「彩子様、この度はご結婚おめでとうございました。大和の国から女御様が出られるとは・・・とても喜ばしいことでございます。今まで大和の民に精一杯のことをされたからでしょう。きっと神のご加護がございます。勝手なことかと存じましたが、子宝祈願もさせていただきました。きっと良い御子がお生まれになるよう願っております。本当にお転婆で大きくなられたときにどうなることかと心配しておりましたが、帝にふさわしい姫君になられました・・・。また大和にお帰りの際は、こちらにお参りください。また、ご懐妊の際は私どもが祈願させていただきます。」
そういうと深々と頭を下げ、退出していった。


「さあ、麓に参りましょう・・・。」


と、帝は彩子に微笑んで言う。こちらまで帝とやってきた数人の側近は帝とともに立ち上がってゆっくりと参道を下り、車止めまで向かう。帝はふと参道真ん中あたりで立ち止まるという。


「彩子、とても気に入ったよ。本当にこちらに来てよかった・・・。また何かの折にこちらに来よう・・・。」


帝は微笑んで、彩子の顔を見る。とても爽やかな顔をしている帝を見て、右大臣をはじめ帝のごく側近たちは安堵の表情を見せた。帝はもうちょっとこの三輪の地に滞在したくなったが、やはり帝という地位のためか、断念した。帝は車止めまでやってくると、振り返ってもう一度三輪山に向かって一礼をする。その後、彩子の手を引くと彩子の車に乗せ、帝は自分の輿に乗ってきた路を大和守の先導で戻っていく。行きはとても緊張のため大和路の風景などゆっくり見る事が出来なかったが、帝は輿の御簾を半分上げさせて、一面に広がる田畑や点在する村、そして緑豊かな山林を眺める。丁度、米の収穫時期に重なってか、民たちは米の刈り入れをしている。帝ははじめて見た都以外の里の風景に感嘆して、思った。


(譲位した際にはこのような長閑な所に院をおいて彩子とともに余生を過ごしたいものだな・・・。)


帝は本当にこの御幸に来て良かったなと思うのでした。



《作者からの一言》

本当に三輪はのどかでいいところです。大神神社に入ると、なんだか過去にタイムスリップしたような感覚です。とても空気が張り詰めています^^

当時この宮は一般信者でも入ることの出来ないところでした。朝廷にかかわるもののみ入山出来たのです。

彩子は小さいときより大和守に連れられて、参詣をしたのです。

ちなみに頭のイラストは雅和と彩子です。最近買ったお絵かきソフトで書いてみました。本と雅和はぼおっとした顔になっちゃいましたね^^;あははは。もうちょっと勉強します^^;
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