4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第9章 吉野にて
そのまま少将は吉野の縁の寺に謹慎に入った。姫を忘れようと、毎日写経三昧の生活。
 内大臣の北の方からの文によると、その日のうちに噂が流れ、内大臣はお倒れになり、床に伏しておられる。今のところ、帝の少将に対するお言葉はないが、これ以上噂が広まると謹慎ではすまない、出仕停止どころか、罷免もありえるという。一方姫は右大臣家の一室に閉じ込められ、身動きできないという。内大臣の北の方が、姉上の皇后に文を出し、何とかお許しを獲ようと働きかけているようなのですが、まだなんともいえないようで、このような文が届いた。
『まだ例の姫は正式に入内の宣旨が下ったわけではないので、最悪な事は起こらないと思うのですが、東宮が異常なまでに立腹され、ある事ないこと帝に言っておられる確かです。皇后も例の姫とあなたの仲を許されてはどうかと、帝や東宮に申し上げられているようですが、あなたの名前を出す度に東宮はお暴れになられるそうです。姫との仲の件では問題はあまりない様に思われますけれど、一番問題なのは、東宮との言い争いにあるようです・・・。私もあなたのためにできる限りの事はして差し上げるつもりです。でないと姉上に申し訳なく・・・・。決して思い余って出家や自害などなさらぬよう。』
という文を読んで少将は、まだ都には戻れないと悟る。
 夏が過ぎ、吉野の山が真っ赤に染まる頃、宇治の姫君の入内宣旨が下ったという噂が吉野にまで届いた。もう手の届かない存在となってしまったと、少将は嘆き悲しんだ。
 今のところ都では例の騒ぎは収まり、結局少将にはお咎めがなかった。再三内大臣から都に帰郷するようにと文をもらったが、断り続け、物思いにふけている。吉野の山を毎日のように散策し、村の者とも仲良くなった。村の子供たちを呼び寄せては、いろいろな遊びをして気を紛らわせた。しかし宇治の姫君のことを忘れようとしても夢に出てくるほど忘れられず、自分に苛立ちを覚える。
「若君!申し上げます!」
「なに?晃。」
「北の方から急ぎの文が・・・。」
少将は文を受け取ると、庭先で座って読み出す。
『今すぐ帰郷なさいませ!あなたに大事な話があります。馬を用意させましたので、急ぎ内大臣家へお帰りください。』
少将は立ち上がって、橘晃に言う。
「母上がせっかく馬まで用意して頂いたのだから、帰らなければならないな・・・。住職に挨拶してくるから、帰郷準備を・・・・。」
少将は住職に長い間お世話になったお礼と、贈り物をして、晃と共に馬を走らせた。
吉野から京までは結構な距離がある。途中何度も馬を換え、飲まず食わずで、やっとのことで、内大臣家へ着いたのは翌日の早朝であった。
 久しぶりの都は相変わらずの賑わい様である。急ぎの馬が内大臣家の前についたことで、その場にいた都人が驚いて、集まって様子を伺う。
「開門!内大臣家ご嫡男右近少将様のご帰宅である!早くここをあけよ!!」
と橘晃が門衛に言う。門衛は急いで表門を開け、急いで車止めまでたどり着くと、騒ぎで出てきた女房たちが少将を出迎えた。
「少将様、お帰りなさいませ。さ、大臣様と北の方様が夜も寝ずにお待ちです。」
「近江、この格好では・・・・。」
「急ぎ寝殿へお連れするよう申し付けられています。」
「わかった。」
息を切らしながら少将は寝殿に向かう。
《作者の一言》

田舎に籠もれば済む問題ではないのですが、何とか東宮の気を静めようと吉野に籠もる。吉野から京まで結構距離があります。車でも何時間かかることか・・・。見当もつきません^^;謹慎を付き合わされた橘晃も大変だな・・・。本当なら元近江守の坊ちゃんなのですけど、母親が少将の乳母だということで、身分相当の官位を頂いていながら少将の従者としてついています。もの好き?将来は結構出世しますけどね^^;
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © ねぇね2人と双子っちのママのお部屋。別館. all rights reserved.
さくらと空 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。