4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第123章 新生活のはじまり
 まだ正式に婚儀を行っていないが、泰明と彩子の新生活が始まる。彩子は出仕の準備をする泰明を手伝い、蘭姫と共に見送る。蘭姫は彩子を母のように慕い、仲良くやっているのをみて、泰明は安堵の表情で車に乗り込んで邸を出る。典薬寮に到着すると、早速殿上して帝の健康診断を行う。

「和気殿、香を変えられたのですか?」
「いえ?」
「覚えのあるいい香りがします。昨日は典薬頭と共に休みを取られたが、何かいい事があったのですか?」
「・・・。」

新帝は泰明の邸に彩子が移ったことを知っていて嫌味を言う。

「和気殿は幸せ者ですね。私にさえ叶わなかった父上のご寵愛の妃を手に入れられたのですから・・・。」
「・・・。帝、やはり帝位に就かれたばかりで少々お疲れのようですね。最近持病の発作もないようですし、もう完治されたかもしれませんね・・・。では私はこれで・・・。」

そういうと泰明はさっさと御前を下がっていく。

(ああやはり帝の嫌味が・・・。未だ彩子を想っておられると見た・・・。毎朝の殿上を誰かに変わっていただこうかな・・・。)

泰明は溜め息をついて、典薬寮に戻る。典薬寮の自分の部屋に入り、昨日休んでいたときの報告書や書状、そして今日の帝の診察日誌を書き留める。泰明は急に立ち上がって隣の典薬助丹波の部屋の前に立つ。

「和気泰明でございます。少しご相談が・・・。」
「泰明殿か・・・。入りなさい。」
「失礼いたします。」

泰明は典薬助の前に座ると、ちょっと気まずそうな顔をして言う。

「あの・・・帝の朝の診察を交代していただけないでしょうか・・・。二日に一度、いえ四日に一度で構いません・・・。」
「どうかしたのか?朝の診察は泰明殿の役目・・・。別に構わないが・・・。理由は?」
「あの・・・なぜか帝に嫌味ばかり言われまして・・・。別にお役目をサボるとかそういうのではありませんので!」
「ああ、わかった。帝がどういわれるかは責任持たないぞ。明日は私が行く。その代わり五日に一度、宿直を頼んだよ。」
「代わって頂けるのなら、喜んで・・・毎日でもいいくらいです。」
「それはちょっと言いすぎだろ。まずは明日・・・交代しよう・・・。」

泰明は丁寧に挨拶をすると、あちらこちらの侍医に声をかけ、何とか三日に一度の間隔で帝と顔を合わさない日を作る事が出来た。

(院にご相談するのもな・・・。)

泰明は大変疲れた表情で邸に戻る。彩子は泰明の着替えを手伝うと、二人で薬草園を散歩した。

「何かあったの?」
「ん?んん・・・。明日は宿直だから・・・昼過ぎに出仕して帰らないよ・・・。」
「珍しい・・・。泰明が宿直なんて・・・。何かあったのね・・・。」
「帝が彩子のことで嫌味を言われるんだよ・・・。」
「まあ・・・。」
「いつまで続くのかな・・・。今日、帝に言われて胸の辺りがしくしく痛かったよ・・・。」
「でも泰明、帝から逃げてはいけないわ・・・。大事なお役目を放っておくなんて・・・。あなたらしくない。」

泰明は苦笑して言う。

「早く正式に結婚したら帝もお諦めになられるだろう。それか院にご相談するかだ・・・。まあ当分様子を見ます。」

彩子は泰明に寄り添い、綺麗な夕日を眺める。

次の日は宿直があるので遅めに起き、彩子や蘭と楽しげにしゃべる。蘭と彩子は手遊びをしながら、楽しそうに遊んでいるのを見て、微笑みながら出仕と宿直の準備を整える。

蘭は彩子のことを母と呼ぶ。こちらに来てもう一年となるので、こちらの言葉も堪能になり、宋国の姫であることなど、誰も忘れているほどである。

「母様、いつ父様と結婚するの?」
「え?父様にお聞きなさい。蘭姫はこの彩子が母でいいのかしら?」
「うん。蘭は母様が大好きよ。母様はいろいろなことを教えてくれるから。」
「なんて可愛いのでしょう。ねえ泰明。」

泰明は準備の手を止めて微笑みうなずく。

「ねえ父様、いつ母様は蘭の母様になるの?蘭ははやく治子おば様のところの都子姫のように妹か弟がほしいもの・・・。」
「気が早いね蘭は・・・。すみません・・・。」

彩子は顔を赤らめ微笑む。

「さあ、もうそろそろ出仕します。蘭、今日父様は帰らないから、母様と一緒に寝なさい。」
「うん。行ってらっしゃい。」

蘭は手を振り、女房達と部屋で遊ぶ。彩子は泰明の仕事道具を持って、車の前まで送るという。

「泰明、六年前のように思い余ったようなことはやめてね・・・。」
「何を言うのですか・・・。もう私には守るべき者がいるので、あのようなことはいたしません。」

彩子は心配そうに荷物を渡すと、泰明はその手を引き彩子を引き寄せ抱きしめる。

「あなたと蘭がいるから大丈夫です。」
「ホントかしら・・・。」

泰明は彩子のくちづけをすると彩子から離れる。

「これはお約束の証です。では行ってまいります。」

彩子は顔を赤らめて手を振り、車を見送る。

じっと車が見えなくなるまで見送っていると、後ろから声がする。

「まあ、結婚もまだなのに昼間っから仲のよいこと・・・。」

彩子が振り返ると、典薬頭の末娘で、蘭がおば様と呼ぶ治子が立っていた。治子は泰明と同じ歳で、六年前典薬頭が泰明をこの治子の婿にしようと思っており、結局泰明が失踪して諦めたのである。もともと治子は泰明を一目見たときから気に入り、慕っていた。泰明が失踪後、やむを得ず、他家に嫁ぎ出産のため里帰りをしている。もちろん治子は彩子が気に入らない。彩子が元女御であることも知っているのだが・・・。

「泰明様が先帝から褒美として賜らなかったら、きっとお父様はあなたのような方とはお許しにならなかったでしょうね・・・。元女御様であっても田舎の姫なのに。」

彩子はこの手の嫌味には慣れている。散々元中宮の女官達に言われていたからである。この手の嫌味には無視が一番。何か言うと、喧嘩になる。それでもちょっかいをかけてくるのなら別であるが・・・。彩子は無視して部屋に戻ろうとすると、治子はまたちょっかいをかける。

「都中の姫君はあなたのことを噂しているわ。あなたの産んだ東宮様は後二条院様の子ではないってね・・・。どこかの地下人との間に出来た御子ではなくて?よく静養だとか言ってお里の大和に帰られていたし・・・。だから院は寵愛されていたあなたを手放されたとね。」

彩子はやんわり言い返す。

「あの宮は院のお子ですわ。噂は噂・・・。そのような噂を信じておられる治子様、どのような育て方をされたのかしら・・・。きっと今を時めく泰明様を独り占めにしている私に対する勝手な噂かしら・・・。そのような噂では私は引き下がりませんわ・・・。では失礼・・・。」
「彩子様、泰明様に浮気されないようにね・・・。みんな泰明様の隙を狙っているわ。おきをつけになって・・・。」

二人は寝殿の前で別れ、それぞれの部屋に戻っていく。もちろん部屋に帰った治子は悔しさのあまり、女房達に当り散らす。彩子は部屋に戻ると、溜め息をつく。

(覚悟をしていたけれどね・・・。どうして女ってこう噂を面白がるのかしら・・・。まあ東宮の父が院じゃないってことは真実だけど・・・。でもばかばかしいわね・・・。)

 一方典薬寮についた泰明は、典薬助に呼ばれすぐ殿上するように言われる。またかというように泰明はうなだれながら殿上し、帝の前に座る。

「泰明、今日はどうかしたの?朝、丹波がきたけれど・・・。」
「いえ、宿直とかわっていただいただけで・・・。なにも?」
「例の姫とけんかでもした?」
「いえ。」
「おかしいね。今まですすんで仕事をしていたのに・・・。浮かれてる?」

泰明は苦笑して言う。

「いえ。御用がなければこれで・・・。明日の朝はきちんと参りますので・・・。御前失礼いたします。」
「ああ、例の姫にもよろしく・・・。まだ結婚していないのだろう。」

この一言に切れそうになったが、帝であるため泰明は我慢した。

 泰明は内裏で、彩子は和気邸で毎日のように嫌味を言われる生活をしている。しかしこれは一時的なことであると二人は我慢した。

 医博士も兼ねている泰明は医師養成施設にも出入りをする。地方から出てきた医学生を指導しているのである。泰明は宋で身に付けた医術をわかりやすく教えるので、他の医博士たちよりも人気がある。もちろん女医博士にも混じって女医学生にも指導に当たることも度々ある。泰明は何でも得意ではあるが、特に脈診に関しては飛び抜けて優秀であり、脈診についての指導を任される事が多い。今日は帝の朝の診察後、この養成施設に入り浸っている。もうそろそろ退出時刻となるので、帰り支度をすると、典薬頭がやってきて泰明を引き止める。

「泰明、ちょっと来なさい。」
「伯父上、何か?」
「いいものをみせようと思ってな・・・私の車に乗りなさい。」
「はい・・・。」

泰明は言われるまま、典薬頭の車に乗り込むと、賀茂川沿いに車を進め、和気邸に行く道を少し外れる。こちらも下賀茂の閑静な地域である。下賀茂神社に近く、環境も良い。和気家の車はある邸の前に止まり中へ入る。この邸は新築のようで、新しい木のにおいが心地よく感じられる邸である。

「伯父上、ここは?」
「もともとここに本邸が建っていたのだけれど、私が若い頃に老朽化で壊して今の上賀茂に移ったのだが、あなたが養子に入られてすぐに建て始めたのですよ。ようやく完成した。大邸宅とはいえないが、泰明と彩子姫、蘭姫そして生まれてくるであろう子達が住むにはちょうどいい大きさだと思う。」
「え?」
「ここなら出仕するにも本邸より近い。便利なところであるし環境も良い。泰明にやろうと思ってな・・・。将来ここを和気家の本邸にすればいい。材木は大和国吉野から取り寄せた。大和守も彩子姫のためにと随分協力してくれたよ。思ったよりも安く立派にできた。」
「え、この私にこのような立派な邸を?」
「結婚を先延ばしにしていたのも、この邸の完成を待ってのこと・・・。やっと完成したのだから、もう泰明と彩子姫の結婚の日取りを決めてもいいだろう。こちらを新居にしなさい。」
「伯父上・・・。なんと感謝したらよいか・・・。」
「いやいや・・・。」

 師走に入ってすぐ、先に彩子が入居することになった。彩子は寝殿の北側の部屋に入る。調度類も新しいものが揃えられ、彩子の婚礼の衣装なども置かれていた。

「彩子、いい邸でしょ。ここなら気の使うものはいないし・・・。この調度や衣装はすべて父君の大和守が彩子のためにと揃えてくださったらしい・・・。そしてこの私のものまで・・・。」
「そうね・・・。お父様に感謝しなきゃ。」
「私達の婚礼も三日後に決まったし、やっと落ち着ける。」
「ええ、お庭も綺麗ね・・・。なんか大和の景色を見ているみたい・・・。」
「そうだね・・・大和守が石やら木やらを手配してくださった。東の桜は吉野から、持ってきていただいたらしい・・・。」

ふたりは寝殿のすのこ縁に座り、庭を眺める。

「婚礼が済んだら、親しい人を呼んで、邸と婚礼披露の宴をしよう・・・。そんなに盛大にはできないけれど・・・。」
「そうね・・・。」

彩子は微笑みながら泰明に寄り添う。

「下働きのものや、従者、女房の数人を大和から呼び寄せたよ。知っているものもいるのではないかな・・・。」
「大和から?」
「そう、今からその者たちを呼ぼうか・・・。」

泰明は従者に指示し、新しく雇った者たちを庭に集める。やはり知っているものばかりで、彩子は驚き、微笑んだ。そして中には小さな子供が一人含まれていた。

「あの子は?」

泰明は微笑んで彩子に言う。

「その子は私の甥、兄上の子だよ。兄上がぜひ、都で医術を学ばせたいというのでね・・・。まだ七歳だけど、兄上に似て賢いのです。今から私が指導すればきっと立派な医師になるでしょう・・・。さあ、智也おいで・・・。」

甥の智也は走って泰明のところにやってくると、彩子にお辞儀をする。

「でもね泰明、こんなに小さな頃から親元から離れて大丈夫かしら・・・。よくお姉さまが許したわね・・・。」
「まあいい顔はしなかったけれど、兄上がどうしてもというし、蘭がいるから・・・。智也は蘭と仲がいい。蘭の遊び相手にもいいんじゃないかなって思ってね・・・。」
「そう・・・。」

泰明は蘭を呼び寄せて、智也と遊ばせる。

「でも泰明、あなたは大体昼間のお役目が多いのでしょ?いつ指導するの?」
「宿直を増やすことにした。帝もご承知だ・・・。そうそう今晩は宿直だから・・・。あと三日後から三日間お休みも頂いた。その分働かないとね・・・。」
「そう・・・。」

泰明は婚儀の日に休みを頂くためにせっせと働く。もちろん残業もし、急な宿直も引き受ける。着替えに帰ってきてもまたとんぼ返りで典薬寮に戻っていく日が三日間続いた。婚礼の日の昼前、疲れた様子で宿直から帰ってきた泰明は、遅い食事を済ますと、横になった。

泰明は必ずと言っていいほど、邸では典薬寮での話をしない。彩子が何を聞こうとも話をそらせ、違う話をするのだ。彩子はきっと邸では典薬寮での仕事を忘れたいのではないかと、思うようにした。

 今日は婚儀の日、いくら再婚同士とはいえ、慣例どおりの婚儀を行うことにした。しかしこの婚姻は普通の婿入り婚とは違うので、その点が逆であり婚儀の方法は宮中の婚儀と少し似ているところがあった。二人は寝所に入ると、向かい合いながら照れ笑いをする。今夜は別に二人にとって初夜ではないが、なんとなく正式の婚姻というだけで緊張しているのである。

「彩子、こっちにおいで・・・。」

泰明は彩子を引き寄せ、抱きしめるとくちづけをし、彩子を横にする。二人は見つめあい再び泰明が彩子にくちづけをしながら、彩子の小袖の帯を解く。そしてこれからという時に泰明つきの女房が表から声をかける。

「申し上げます。ただいま内裏より使者が・・・。」

泰明は彩子に単を被せると、自分の小袖を調え、上着を着て表の扉を開け女房に聞く。

「何?今日、取次ぎはお断りといったはずだよ・・・。」
「いえ、帝直々に参内せよとのご命令が・・・。」
「わかった・・・今から参内する。用意を頼む。」

泰明は顔をしかめて参内の準備をする。

(誰かが帝に婚儀のことを漏らしたな・・・。あれほど内緒にしようと思っていたのに・・・。)

「彩子、聞いた?今から参内してくる。早めに切り上げてくるから・・・。待っていてください・・・。きっとつまらないこと・・・。遅いようでしたら先に・・・。」

泰明は別室で衣冠に着替え、すぐに車に乗って参内する。案の定帝は眠れないから話し相手がほしいだの、これはどうしたらいい、あれはどうだろうとつまらない話につき合わせる。

「帝、本日から三日間お休みを頂いたのです・・・。特に、夜に呼び出すなど・・・。」
「あ、ごめんごめん・・・。今日はこ・ん・ぎの夜だったね・・・。邪魔して悪かった。さあ帰ったらいい。麗しい彩子姫が待っているよね。早く帰れ。」

帝は嫉妬もあるが、泰明をからかうのが面白いからか、未だに彩子のことでちょっかいをかけてくる。そのためか、決して仕事場ではプライベートのことについては一切口にしないのである。泰明は二時間ほどして帰ってきた。彩子は寝所に横になり、待っていた。泰明は溜め息をつきながら、衣冠を脱ぎ、小袖姿になると彩子の側で横になる。

「ただいま彩子・・・。予想通りだった・・・。ただの帝の暇つぶしにつき合わされた・・・。ごめん・・・。もう寝る?それとも・・・。」

もちろん二人は婚儀の続きを選ぶ。次の日に呼び出しはなかったものの、最終日に三日夜餅を二人で食べて寝ようとしたときに今度は緊急の呼び出しがかかる。今回は帝のいたずらではなく、典薬寮の医師、侍医すべてが招集される。衣冠に急いで着替えると、典薬寮に入る。典薬寮では、典薬助が典薬頭に代わり召集内容を言う。

「休みを取っているものたちまで集めて悪かったね・・・。ここのところ典薬頭は宇治に詰めておられるのは知っているであろうな・・・。もちろん先々代の帝であられる宇治院のお体の調子がお悪いのは皆知っているだろうが、先程、早馬で相当お体が悪いとの報告があり、この中の何人かで組んで宇治院の治療を行ってほしい。さて、まず第一団として、侍医和気泰明殿、医師和気直安殿、医師丹波輝定殿、医師丹波継貞殿、この四名で治療を・・・。泰明殿、あなたが指揮をとり、宇治院の治療にあたられよ。今から泊り込みの準備を・・・。わかりましたね。」

泰明は典薬助の指示通り、準備を整える。あとは着替えを邸に取りに戻るだけ。とりあえず邸に戻ろうとしたときに典薬助が声をかける。

「泰明殿、今日のような日に呼び出して悪かったね・・・。また埋め合わせをする。5日したら第二団と交代だから辛抱を・・・。」
「しかしなぜ私が・・・?」
「先帝の後二条院様のご指名だよ。お断りしたがどうしてもといわれたからな・・・。」

泰明は急いで邸に帰り荷物を整え、馬に乗ると宇治院の住む宇治に向かった。一番乗りだったらしく、とりあえず泰明は宇治院のいる寝殿に行き、典薬頭と会い病状について詳しく聞く。その後、宇治院の寝所に入り脈診やらいろいろな方法で、どのような状況なのか、確かめる。

険しい表情で別室にて宇治院の妃、後二条院、典薬頭と話をする。泰明は険しい表情のまま、現状を包み隠さず、申し上げる。

「残念ながら、たいそう御弱りのご様子・・・。院は御年ですし、治療しても治る見込みは・・・。延命程度にしかなりません・・・。御覚悟ください・・・。病名は・・・」

泰明はわかりやすく詳しく申し上げると皆は納得して診断結果を受け入れた。泰明も出来る限りの事はしようと、三日三晩寝ずに診察治療したが、その甲斐も空しく、院は崩御したのである。もちろん縁のものは泰明の努力を認め、院の死を受け入れる。

師走の忙しい時期に院が亡くなった事で、祝賀の意味を持つ儀礼はすべて取りやめになり、先代の帝や帝は喪に服した。やっとのことで邸に帰ってきた泰明は疲れきり、飲まず食わず眠り続けた。彩子は心配して泰明の側に寄りそう。泰明は体調が良くなるまで休みをもらえることになった。


《作者からの一言》
新生活の始まりです。
やはり都中の憧れの的である泰明の婚約者である彩子は都中の姫君や宮中の女官たちに僻まれ、あることないこと噂にされ、もちろん嫌味な文なども届いたことでしょう。泰明も泰明で、宮中では帝に嫌味を言われ、内裏では殿上人たちに先帝の女御を賜ったことで嫌味を言われたりで散々な目に遭います。婚儀一日目は途中に帝に呼び出され、最終日は宇治院(この連載の始めの主人公)の診察で呼び出されたりで・・・・。どうして山あり谷ありなのでしょうこの二人は・・・・。
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © ねぇね2人と双子っちのママのお部屋。別館. all rights reserved.
さくらと空 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。