4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第10章 出生の秘密
 急いで戻ってきたせいか、着ていた狩衣は乱れ顔は薄汚れていた、寝殿に向かう途中顔を拭き狩衣を整え烏帽子をかぶりなおして寝殿の扉の前に立った。
「少将様、ただいま到着になられました。」
「うむ、近江。寝殿に誰も近づけるな頼んだぞ。」
「かしこまりました。大臣様」
少将はすのこ縁に正座をし、今までのお詫びを内大臣に申し上げた。すると北の方が声をかける。
「常康君、いいのですよ、中に入りなさい。」
中に入ると内大臣、北の方のほかにもう一人いた。
「常康殿、お久しぶりですね。あの件はとても驚きましたのよ。まじめで堅物と知られているあなたが。まあ・・・残念な結果になりましたが・・・・。あの件で帝はたいそう心配されています。ですからこうして後宮からこちらに来ることが出来たのですから。こちらにいらっしゃい。」
もう一人の方とは、皇后であった。常康は大臣の横に座り、深々と頭を下げる。
「皇后様がおいでになられているのにこのような姿で申し訳ありません。今すぐにでも着替えに・・・。」
「いいのですよ、今日はあなたに大事なことをお伝えに参りましたのよ。まぁ田舎に半年ほどいらして随分鄙びてしまわれて・・・。そしてずいぶんお窶れに・・・。あの時そのまま育てていればこのような事はさせなかったものを・・・・。」
「え?」
すると内大臣が続けて言った。
「今までこの私も気づかなかったのだが、昨晩皇后様と北の方に聞いて驚いてしまったよ。はじめは冗談かと思ったのだけれども、亡き先の関白殿の遺言を拝見して真実だと・・・。この事は帝もご承知でおられる。」
少将は何がなんだかわからない様子で座っている。すると大臣は遺言状を少将に見せた。
『一の宮と二の宮の行く末が気がかりで死んでも死に切れない。今でも帝をだましているということが胸に刺さり、常康を親王としてお育てすればよかったと悔やんでいる。常康はきっとこの先自分の身分について気づく時が来ると思う。その時はすべてを打ち明けてこのような行いをしてしまったお詫びを伝えて欲しい。』
亡き関白の遺言を内大臣に返し一息つくと少将は言う。
「どういうことですか?この私が・・・親王ということですか?」
すると皇后が一息ついて言った。
「実はあなたと東宮は双子の兄弟なのです。生まれて直ぐ、体の弱かったあなたを、妹に託したのですけれど、それがいけなかったのです。そのせいであなたと東宮が憎みあうことになるなんて・・・。親王として育っていれば・・・ごめんなさい・・・・。」
「でもどうして今頃・・・。」
「打ち明けなければならないことが起こってしまったのです。先日東宮が病に倒れたのです。薬師にみせたのですが、不治の病と・・・。この事は帝や一部の者しか知らないこと・・・。帝には東宮のほかに親王がいらっしゃらないのはお分かりでしょ。東宮にもまだお子がおられないし・・・。あなたしかいないのです。あなたが唯一の親王なのです。」
「でも・・・」
「今すぐ参内して、帝に会ってほしいのです。帝もあなたを待っています。」
少将はすぐに束帯に着替えると、内大臣や皇后とともに参内し、帝の御前へ参上した。するとすでにほかの殿上人などが集まっており、何が行われるのか、不思議そうにざわついている。帝付の女官たちが、少将を帝の御前に案内した。
「右近少将様参内されました。」
その言葉に殿上人はさらにざわついた。
(吉野に謹慎していた少将が・・・・)
(いまさら殿上人を集めて何をするというのだ・・・)
すると内大臣が言葉を発する。
「黙りなさい、これから主上より重大な言葉を賜る。帝・・・右近少将が参りました。」
「うむ。ここでみなに言っておかなければならない。今まで内密にしていたのだが、東宮の病が思わしくなく、いつ身罷ってしまうかわからない状態である。私には今まで親王が東宮だけと思っていたのだが、理由があり、この内大臣の嫡男として育てられたのだ。少将、いや常康親王、こちらに来なさい。」
緊張した眼差しで、少将は殿上人の前に座る。
「本日より、この右近少将を親王として扱うよう!もし、東宮に何かあった際には、この常康親王を立太子させる。わかったか。この親王の後見人は、当分この内大臣とする。」
殿上人はみな少将に向かって深々と頭を下げる。少将はやはりまだ状況を飲み込めていないようで、キョトンとしていた。
「右近少将、吉野から戻られてすぐにこのようなことになったことは、そなたもさぞかし驚かれたことであろう。帝であるこの私も信じられなかったのだが、このような事態では疑ってもいられない。見ればわかるように、出仕して来た頃に比べるとこの私の若い頃に似てきているではないか・・・。皇后というよりもこの私に・・・。間違いない。この私の子である。皇后、よく打ち明けてくれた。」
「いえ・・・そのまま親王としてお育ちになっていれば、吉野に篭られる様な事はなかったでしょうに・・・・。この私が悪いのです・・・。この子のことなど考えてなかったのかもしれません。いつ身罷るかわからないような親王を生んでしまった罪悪感から、逃げてしまっていたのかもしれません・・・。」
「まあよい、このようにまじめで立派な公達として育ったのだから。まあ例のことはこの私でも驚いたのだけれども・・・。恋は人を変えるというが・・・まさしくその通り・・・右大臣殿。」
右大臣は焦りながら答える。
「今このような場所でする話題ではありません。もう終わったことですので・・・。」
帝は改めて右大臣に言う。
「そなたの三の姫入内の件だが、東宮がこのようになってしまったから、延期とする。この親王に関しても口外無用。さて、右近少将、今から東宮のところへ見舞いに行こう。他の者はこれで・・・。」
殿上人達は再びざわめきだした。驚くもの、今までよく思っていなかった者が自分の娘を・・・と思うもの。さまざまな言葉が飛び交う。
飲まず食わず夜通し馬で京まで帰ってきた少将の疲れは緊張も合わさって最高潮に達しており、少しふらつきながらも、帝の後についていった。
《作者からの一言》

ついに少将と東宮の秘密が???普通ならこのようなことはありえないでしょうね^^;いくらなんでも・・・。帝には兄弟がいなかったの???いますよ実は・・・。でもいろいろあって忘れられる(たい)存在なのです。この話は後ほど・・・。そりゃ今まで少将と思っていた若者が実は親王で、突然継承順位に入るってのを聞いたらびっくりするでしょうね^^;
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