4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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縁~えにし ①昔話
 私の名前は小夜って言います。
縁~小夜

お父様はもともと典薬寮で頭をしていた名医といわれた人なんだけど、元服間際の帝に変わって院政をしている院の覚えがめでたくて、正四位下参議の位を賜ったの。もちろんお父様は医術一筋の人だから、はじめは参議になることをお断りしたそうなのだけど、院がどうしてもって仰せだったらしいので、しょうがなく引き受けたらしいわ。もちろん参議をしながら、うちにたくさん住んでいる医学生を教えたりしているの。(たまにはお医者様らしいこともしているわ。だってなんだかんだ言ってお医師道具は毎日持参している・・・。)

 お母様はとてもややこしいのだけれども、はじめは院の女御をしていたのね。そのあとお父様と結婚して、なぜか院の皇子である先帝の皇后になったの。でも今の帝に譲位された後にまたお父様とお母様は再婚したのよ。だから本当にややこしいのだけれど、院との間に伊勢斎宮になられた宮様と、最近元服されてある醍醐源氏の養子に入られた宮様。先帝の間には今上帝と、東宮様。そしてお父様との間には東宮様より一つ年上のお兄様と私がいるわけ。お母様は帝と東宮様の御生母として公達の人から崇められているみたいだけど、いつもは普通の(もしかしたらそれ以下かも?)殿上人の北の方をしているわ。まあ度々帝や院に召されて参内することはあるけど・・・・。ホントにややこしいとつくづく思うわ。

私には七つ年上の異母姉妹のお姉さまがいるの。お姉さまはなんて言ったかな・・・遠い遠い国の王女様との間に生まれた姫なんだけど、最近お父様のお婆様(私の曾お婆様ね)が摂関家出身の方らしくって、帝の元服の際の副臥に選ばれちゃって、養女としてなんていったかな・・・東三条摂政家?に取られちゃって、お父様もお母様も大変嘆かれたの。お父様の気苦労が増えるってことね・・・。

なんか今日は珍しくお父様は出仕を取りやめになって、薬草庫に籠もったと思ったら、お兄様を呼んでいつものようにお使いを頼もうと思ったみたいなの。お兄様はまだ元服していないけれど、元服前の身でありながら典薬寮に入って典薬助で侍医の大叔父様和気直安様の助手として修行しているんだけど、妹の私が言うのもなんだけど、大叔父様も驚くくらいの腕を持っているらしいわ。(まあお兄様は小さいころから才覚を表して神童なんて騒ぐ馬鹿がいるけど?)もちろん院の覚えもめでたくて、ちょくちょく院政をされている二条院や東宮のおられる東宮御所を出入りしているの。私も何度かついていった事があるから知っているけど、本当に東宮様はお母様に似て可愛らしい顔立ちの宮様なのよね。私よりも二歳年上の十歳になられたの。

まあお兄様のことはこれくらいにして、お父様はお兄様をお呼びになったんだけど、もうすでに出仕してしまっていてね、困り果てたお父様は私に頼んだのよ。

「小夜、お前一人での使いは始めてだが、行けるかな・・・。作法は良く知っているからそれは心配ないが・・・。」




本当にお父様は心配した表情で私に言うのね。それなら頼まなきゃいいじゃんと思ったけど、お使い先に行けるような人達が出払ってしまったようで、しょうがなく私に頼んだみたい。

「お父様が行けばいいじゃない?」

お父様は苦笑して言ったのね。

「今から行ってもらう所は、父は苦手でね・・・。」
「どこに行けばいいの?誰にお渡しするの?」
「宇治にある先帝の後宇治院様のところだよ。お妃安子様のお体の調子が良くないみたいでね、お邸に詰めている女医にこの薬草を渡して欲しいのだよ。はじめていくところだけど大丈夫かな?」

私は喜んだの。別に先帝の邸に行くからじゃなくって、宇治に行きたかったのよね。あの源氏物語とか、いろんな物語の舞台になった宇治よ。一度行ってみたいと思っていたのよ。

「本当に大丈夫かな?まだ八歳なのに・・・。」

お父様は何言っているのかしら。お兄様がこれくらいの時にはガンガン行ってたじゃない。出仕もしてたし・・・。ホントにお父様は心配性・・・。それでよく以前典薬頭をしていたものよね・・・。

お父様は私のためにお父様の車を使わせてくれた。

先帝って言ったら、お母様の前の旦那様よね。二年程しか一緒にいなかったって聞いた事があるけど、それ以外は誰も教えてくれないのよ。でもなんでお兄様より年上の先帝の皇子である帝が生まれたわけ????それがちょっと納得できないんだけど・・・・。まあ私には関係ないし、お使いさえ終わればゆっくり宇治見物でもしようかなって思っているの。

お父様に見送られて宇治に向かったの。結構な距離があるのね・・・。車酔いしちゃった。やっとのことで到着したらもう宇治見物なんていいわって思ったわ。到着して私はすぐ女医を探したんだけど、見つからなくってお邸の人に聞いたらお妃様のお部屋にいるって聞いたのね。急いでお妃様の部屋に行ったら先帝や他のお妃様そして女房達が勢ぞろいしていてびっくりしちゃった・・・。

「おや、可愛らしい子が来たね・・・。誰のお使いかな・・・・。」

私は驚いて言葉が出なくなっていたのよね。まだ三十くらいの院だなんて・・・。(じつはもうちょっと歳とってると思ったんだ・・・。)とても優しい笑顔で話しかけられたんだけど、どうして早々小さな東宮に譲位したのかなって思ったわ。あとこの人がお母様の前の旦那様なんだって・・・・。でもなんとなく引き付けるものがあったのね・・・。その時は気が付かなかったんだけど・・・。院の女房か知らないけれど、私に声をかけて我に返ったのよ。

「あの・・・こちらの女医様に薬草を・・・・。わ、わたし参議和気泰明の娘、小夜と言います。お父様に頼まれてお兄様の代わりにこの薬草を持ってきました・・・。」

院はなんとも言えない表情で私を見たわ。やはり元皇后であるお母様の娘だからかしら・・・。

女医がやってきたから薬草の入った包みを渡して帰ろうとしたんだけど、院が突然言ったの。

「せっかく来たのだから、ゆっくりしていきなさい。誰かに菓子を持ってこさせるから・・・。」

本当に満面の笑みで私に言われるもんだから、恐縮してしまって帰るに帰れなかったわよ・・・。院は私を前に座らせて、女房が持ってきた水菓子やら、見たことのない豪華な菓子を私にくれたの。さすが隠居されているといっても先帝よね・・・。院の顔は二条院におわす後二条院によく似ておられて、私を見て微笑まれるお顔は姿形のいいお父様(昔は結構モテテいたとか・・・お母様が言っていたのよね)がいる私でもドキッとしたわ。

「和気殿の妻は一人しかいないから小夜姫の母君は彩子というのでしょ。」
「はい・・・。私のお母様は彩子って言います。」

私はお母様とこの院の詳しいことを聞きたくってお母様がこの院の皇后だったって言うことを知っているのを隠したわ・・・・。

「彩子殿は元気にしているのかな・・・。」
「はい・・・。」
「小夜はやはり面影が彩子殿に似ている。私に姫宮がいればこういう顔だったのかな・・・。」

私は黙ったまま院の話を聞いたのね。そしたら出るわ出るわ・・・。でも確信はつかめなかったのよね・・・。残念・・・。でもなんか引っかかるのよね・・・。


《作者からの一言》
本編の続編です。
本編で彩子のお腹にいた姫です。
本編をご存知の方はわかりますよね・・・。この小夜は誰の子か・・・。
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