4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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縁~えにし (3)お迎え

(3)お迎え

あんな事があってからどれくらい経ったかな・・・。年明け早々5日に帝の元服があるってことで、師走に入った途端お父様は一番上の蘭姉さんの副臥役の準備のため、朝早く出て行ったと思ったら、夜遅く帰ってくるようになったのね。お母様も御年十二歳の帝の元服の準備のためになんだか知らないけどよく後二条院様に召されて内裏に参内するんだよね。


まあ、宇治にいる帝のお父様後宇治院様は、だいぶん前に後二条院様のお怒りをかって、絶縁状態だって噂で聞いてまったくと言っていい程宇治から出てこられないそうだから、親代わりとして後二条院様が取り仕切って、加冠役は後二条院様の歳の離れた弟君である内大臣源博雅様がされるって言うしね・・・。もちろん蘭姉さまは摂関家の姫として副臥役をするから、もう都中は祝賀ムードいっぱいってわけ。蘭姉さまは帝よりも三歳年上だからそのまま入内して立后されるんだって。だから下賀茂にあるうちのお邸は朝早くから夜遅くまで両親の不在な事が多いわけ。


お父様はここんとこお忙しいから、いつもがみがみ(一生懸命といっておくわ^^;)と教えてくれる医術の勉強を後回しにしてくれて勉強嫌いの私には嬉しい限り・・・。だって優秀すぎる泰大お兄様といつも比較されるのだもの・・・。たまったもんじゃないわ。宿題として薬草の名前を覚えなさいって言われたけれど、そんなの後回し・・・。毎日家司の子とか、下働きのおうちの子とかと庭を走り回っているの。だって蘭姉さまはおうちを出て行ってしまわれたし、お兄様は毎日出仕してるんだもん。そういえば来年の春、お兄様は元服するって聞いたな・・・。


すると意外なところから御文が届いたのね。もちろんこの私によ。立派な御料紙を品のいい文箱に入れてきたの。誰だと思う?後宇治院様のお妃、安子様からの御文だったの。とてもきれいな筆跡で見とれてしまったわ・・・。安子様は内大臣様の妹君であられるからさすがよね・・・。ということは後二条院様の妹君ってことね?ホント血縁関係って難しいわよね・・・。まあ余談はこれくらいにして、内容はこう・・・。


『小夜姫 随分前になりましたけれど、お約束を覚えていますか?毎日家族が出払ったお邸で一人いるにはお寂しいでしょう。良かったら遊びにいらして。同じ院の妃であられたお母様の姫様だから私たちの子供と同じようなもの・・・。泊まられてもいいですよ。必ずお父様に一言言ってから来なさいね。楽しみに待っていますよ。  安子』


あとから聞いたんだけど、お母様と安子様って、同じ源氏を祖に持つ一族で、亡き安子様のお父様と、私のなくなった大和のお爺様は従兄弟らしいから、なんとなく似てるって・・・。安子様の若くしてなくなったお姉さまは私のお母様になぜか瓜二つだったって言うから不思議よね・・・。まるであの有名な物語のようだわ・・・。


まあ血縁の話はややこしくなるからやめておくこととして、この手紙を珍しく早く帰ってきたお父様に見せたのね。そしたら困ったお顔をされて、お母様にお聞きなさいって言うのよ。お母様に聞いたら、大変疲れているのか内容を十分確かめないでいいわよって言ってくれたの。


「本当にいいの?お母様。」

「いいわよ。ずっと寂しい思いをしていたものね・・・。安子様は同じ先帝の妃同士だったのですが、後宮ではお友達のようにお付き合いをしていたから・・・。もし泊まることになったら必ず連絡するのですよ。」

「はい!じゃあお返事書くね・・・。」


私はあまりきれいな字じゃないけど、一生懸命これ以上はないという字で返事を書いて安子様の文箱にお手紙とお庭に咲いている椿の花を入れて家のものに持って行かせたわ。


小夜正装

するともう次の日の朝早くに宇治からお迎えの車が来たのよね。私は急いで東宮御所や二条院へお使いで行くときに着るとびっきりの汗衫(かざみ)を着て私の女房に髪をきれいに整えてもらって、物忌みもお衣装に合う色のものをつけてもらってね、蘭姉さまが持っていた衵扇(あこめおうぎ)を借りてお迎えの車に乗って出かけたの。


やはりいいおうちの車は違うわ。あまり揺れないし、内装もきれいに装飾してあって、見ているだけでも飽きなかった。 (別にお父様が甲斐性なしというわけではなくって、家柄の違いかな^^;和気家は由緒正しいお医師の家系よ・・・。)


あっという間に後宇治院の御在所である邸に着いたの。着くとたくさんの女房たちがこの私を迎えてくれて、安子様のいるお部屋を案内にされたの。そうしたらね、お部屋いっぱいに貝合わせとか、珍しい絵巻物とかお人形とかがあってびっくりしちゃったわ。


「まあ、小夜ちゃん。この前の姿とは違ってなんて可愛らしいお衣装を着ているの?普段の格好でよろしかったのに・・・。」

「お父様が安子様のところに行くのだからって正装しなさいって・・・。」

「本当に可愛らしくって、色合わせもきちんとしてあるわ。ますます可愛らしくなって」


私はホントここまで褒められたってことないから 相当恥ずかしかったわね・・・。私はお父様に言われた通りきちんと安子様にご招待のお礼を述べて頭を下げたの。そしたら安子様はそこまでしなくてもよろしいのよって大変恐縮されてね・・・。


この前はあまり安子様のお顔を見ることはなかったけれど、今回はまじまじと見る事が出来たの。三十路近くの品のあるお顔は年を重ねられてもやはり高貴なお姫様って感じで、美しいと評判だったという大和生まれ大和育ちのお母様に比べたらやはり育ちが違うって感じだったわ・・・。


まあ私もそんなお母様から生まれたから、都では色々噂にはなっているそうだけど・・・。まだ裳着も済ませてないのにちらほら縁談話が入ってきていてお断りするのが大変だってお父様は嘆いてたのを覚えている。(なんか自慢しちゃったみたいね・・・。)蘭姉さまの養父である東三条様は、私が東宮様と同腹の兄妹でなければ蘭姉さまみたいに養女に迎えて東宮様に入内させるのにって嘆いてたわよ。まあ東宮様とは2歳しか違わないから、いい歳の差かもしれないけど、兄妹じゃね・・・。そりゃ東宮様は利発でお優しくて何でもこなすいい方よ。特にお爺様の後二条院様に手ほどきを受けた龍笛などを演奏されたらもうびっくりするほどすばらしいの。即興で舞いも披露されるし、お歌も完璧。私にとって理想なんだけどね・・・。兄妹じゃなかったら入内を考えたわ。


安子様は私と色々遊びたかったらしくって、あれやこれやと遊び道具を出してきて一緒に遊んでくれるの。ちょっと遊びつかれて、眠たくなってきたから(だって朝がむちゃくちゃ早かったんだもの!)うとうとしてきたら、安子様は私を寝所まで連れて行ってくれてお昼寝させてくれたの。安子様は私を本当の子供のように見つめて私が眠るまで横についてくださったの。


「安子様はどうして私をまるで自分の子供のように可愛がってくださるの?」

「本当は院のお子が欲しかったのだけど、出来なかったのよ。院と私は叔母、甥の関係だけど、院の母君は私の父方のお姉さまだし、父宮は母方の私のお兄さま。あなたのお父様和気殿が言うとおり、血縁が深すぎて子供を諦めたのよ。だから小夜ちゃんがまるで私の子供のように思えてきて・・・。つい可愛がってしまうのですよ。」


(ふ~~~んそういう事があったのか・・・・。だから血縁ってややこしくってわかりづらい・・・。)


いつの間にか私は眠っていたのね。でも私は夢を見ているんだけど、私の側で何か話し声が聞こえるの。


この声は誰?

一人は安子様・・・。

あと一人・・・なんだか聞いているだけで心が温かくなっていく懐かしいような、なんか血が・・・。

この感覚は何?誰???誰なのよ!



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