4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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縁~えにし (5)縁結び

(5)縁結び  


私は後宇治院と共に院の車に乗って、私の家がある下賀茂に向かったの。下賀茂は平安京の北東のはずれにあるでしょ、結構時間がかかるのよね。お忍びとはいえ、先帝が都入りするって言うんで、車には結構護衛が付くのよ。車の中で、院は何か考え事をされていたんだけど、私がじっと見つめると慌てて苦笑されるのよね・・・。





「小夜姫どうかしたのですか?」


「あの、私のような身分でお伺いするのはとても恐れ多いのですが、どうして後二条院様と院は仲が悪いのですか?親子であられるのに・・・。」


「ん?んん・・・。私を嫌うのは父上だけではないのですよ。ほとんどの群臣が私を嫌っていると思う。小夜姫のお父上もそうだよ。本当に帝位についていた頃は皆にひどいことをしてしまっていた。特に父である後二条院、和気殿、そして特に小夜姫のお母上にね・・・。」





詳しく聞きたかったんだけど、後宇治院はそれ以来何もおっしゃらなくなってしまわれたから、私もそれ以上聞かなかったんだ。こんなにお優しい方なのにどうしてみんなが嫌うんだろう・・・。





都に入ったころ、また後宇治院様は話し出されたの。今度はお父様の話・・・。





「本当に和気殿には命を助けていただいた恩があるのに・・・。」





後宇治院様はもともとお体が弱いところがあったらしいのよ。だからみんなに幼い頃から大変大事にされてお育ちになられたそう・・・。特に十歳の頃に最愛のお母様を亡くされて病気がちになったらしくって、どんな典薬寮のお医師様、侍医様が治療してもなかなか治らなくって、典薬寮にお医師として配属されたばかりの二十歳位の時のお父様がなぜか主治医に選ばれてね、色々民間療法とか何とかで見事に治したらしいのよ。お父様がいなかったらこの院様はこの世にいなかったかもしれないって院様は言っておられた。それなのに院様はお父様にとてもひどいことをしたんだって・・・・。そんなことするような人には見えないけど・・・。





「若気の至りではすまない自分勝手なことをしてしまったから皆に退位を迫られたのですよ・・・。もう私はあの時の私ではない・・・。それを皆わかってくれないのだよ。わかってくれるのは私の二歳年上の叔父上、源博雅殿のみ・・・。叔父上は暇を見つけては宇治まで足を延ばしてくれて、話などしてくれるのです。本当に助かります。」





私は考える暇なく、院様に言っていたの。





「後宇治院様はひどい人じゃない!私わかるもの!心の中はホントにあったかい人だって!私も後宇治院様の味方だよ!」





院様は驚いた表情を見せたあと、微笑んで私の頭を撫でられたの・・・。





「ありがとう・・・。本当にありがとう可愛い姫君・・・。私にこのような姫がいれば心強いのだけど・・・。」


「じゃあ院様!今からこの小夜と二条院に行きましょう!きっと後二条院様は話せばわかっていただけます!だって後二条院様は情深い優しい方だもの・・・。小夜が付いてるから!小夜は院様の味方だよ!」





院様はありがとうって微笑まれて私を抱きしめてくれたの。丁度二条大路の入ったところだったから、私は車を止めてもらって飛び降りて院様に言ったの。





「院様、ここで待ってて!小夜、二条院様にお会いしてくるから!いい?」


「小夜姫!勝手に入れないよ!」


「いいの!私後二条院様に可愛がられているからいつも入れてもらえるのよ!」





院様は車の御簾をめくって心配そうに見つめていたの。もちろん二条院は顔パス!にこって笑って「和気小夜で~~~す。」って言ったらすんなり入れてくれるんだ。もちろん後二条院様がそのように衛門の者に言ってくれているからなんだけど・・・。私は仲のいい後二条院の侍従さんに面会を頼んだのね。そしたら丁度公務が一段落したらしくってすんなり合わせて頂いたの。私は後二条院様の部屋に通されていつものように御簾の中に入れてもらって挨拶するんだよ。





「おや?小夜。お父上は先程客人が来るって言うから急いで帰ったよ。入れ違いだね・・・。」


「小夜は後二条院様に御用があってきたの。小夜ね昨日後宇治院様のお邸にお泊りしたのね。」





そういうと、後二条院様のお優しい顔が一変、険しい顔になられたの。ああ拙かったかなって思ったんだけど、やっぱり後宇治院様の誤解を解いて仲のよい親子に戻して差し上げようと思ったから意を決して言ったのね。





「あのね、小夜、後二条院様と後宇治院様が、仲が悪いって、親子なのにおかしいと思うの。昨日安子様に呼ばれて宇治院に遊びにいったの。夕刻、小夜ね、お庭で迷子になってないてたら、後宇治院様が探して助けてくださったのよ。この前初めて会った時も、小夜においしいお菓子をくれたり、楽しいお話を聞かせてくれたりしたの。まあそれだけじゃないんだけど、ホントにお優しい、まるでお父様みたい・・・・・。」





(んんんん?お父様???)





そうよ、後宇治院様の私を見る眼差しはまるでお父様のような優しい眼差しだった・・・。何か引っかかるのはこれだったんだって気づいたのよね。ただの優しい眼差しではなくって、温かくって見守ってくれているような優しい眼差し・・・。うちのお父様やお母様と同じじゃない!





え~~~~~~!





「小夜、どうかしたの?」


「あのね、後二条院様!小夜ってお父様に似てるの?安子様はお父様に似ていないって言うのよ・・・。本当に小夜はお父様とお母様の子なのかな?」


「たぶんそうだろうね・・・。予定よりも二月いや三月早かったと聞いたが、そんなに早く生まれて育つのだろうか・・・。医学のことはよくわからないが、お祝いに行ったときは結構小夜は大きかったからおかしいなって思ったけれど・・・。」





何言ってんのよ!二月三月の早産で生きてる例って今まで見た医学書とかにも載っていなかったわよ!!!私って後宇治院様の姫ってこと???だから後宇治院様は養女のことを切り出したのかな・・・。





「とりあえず後二条院様!小夜のお願い聞いて!表に後宇治院様が待っているの!少しでもあってあげてよ!もう以前の院様じゃないと思う!だって小夜わかるもん!だって小夜、後宇治院様の姫かもしれないんだもん!!!!」





後二条院様は目を見開いて私の顔を見たのよ。そして後宇治院様と面会することをお許しになったの・・・。もちろん私は遅くなるからって、後宇治院様の車にひとり乗せられて、下賀茂のおうちに戻って行ったの。お二人はどんな話をしたかまではわからないけれど、おうちに帰った私は心配していたお父様に抱きしめられて、お父様のお部屋に連れて行かれたの・・・。





「遅かったじゃないか・・・。後宇治院様は一緒じゃないのか?」


「うん。二条院までは一緒だったの。小夜ねどうしても後二条院様と仲直りして欲しかったのよ。だから小夜、後二条院様にお会いして、お二人を引き合わせたのよ。お父様は後宇治院様を誤解しているわ。とっても優しいいい方よ。もう許してさし上げたらいいのに・・・。ねえ、お父様。小夜、後宇治院様のお気持ちがなんとなくわかるの。とってもお優しいけれど、寂しいの。若いときに色々してしまったっておっしゃっていたけど、それはきっとお寂しいからよ。だからお父様、これ以上後宇治院様を憎まないで・・・。」


「小夜・・・。」





気が付くとお母様がお父様の後ろに立っていたのよ。とても悲しい目をしていたの。今までお母様が見せた事のない悲しそうな目・・・。なぜ・・・?もしかして私がお父様の子じゃないかもしれないって気が付いたからかな・・・。





そのあと私は夕餉を食べて早く寝所に入ったの。でも厠に行きたくなってお父様の部屋の近くで聞いてしまったの。お父様とお母様の話を・・・。




縁~彩子&泰明


「泰明・・・。小夜はもしかして気づいたのかしら・・・・。あなたの子じゃないってこと・・・。」




(え~~~~~~~。)




「かも知れないね・・・。あの子は結構勘のいい子だから。あそこまで後宇治院をかばうなんてね・・・。辻褄をあわすために、早産で生まれたと報告したが・・・。やはり無理があった・・・。」


「このまま放っておくべきかしら・・・。」


「ああ、そのほうがいいかも知れない・・・・。きっと本当のことを知るときがくるから・・・。でも、私はあの子を本当の娘と思っているのを忘れないで欲しい。彩子が蘭を自分の子のように可愛がって慈しんでくれたように・・・。いくら憎い後宇治院の姫だとしても・・・。私は彩子を再び和気家に迎えたとき決めたのだから・・・。彩子のおなかの子は私の子として育てようと・・・。だから私はこれから小夜がどう選択しようとも私の娘には変わらない。これからずっと・・・。」


「ええそうね・・・。」




私は真実を知ってしまったの。でも、不思議と冷静にいられたのはなぜだろう・・・。やはりこれが縁というものなのかな・・・。ああやっぱりそうだったって・・・。私はお父様のお部屋を遠ざかって自分の部屋の寝所に入って眠ったの。



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