4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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縁~えにし (6)真実

(6)真実  





 年末で忙しいのと、蘭お姉さまの副臥&入内で大忙しの我が家・・・。相変わらずお父様はおうちにいないし・・・。忙しすぎてあのことなんて忘れてたわ。相変わらず、お父様は私のことをかわいがってくれるし、お母様もいつもどおり・・・。あれって夢かなんかなのかなって思うようになってきたのね・・・。夢であったらいいのになんて思ったこともあったっけ???





 私はというと、きちんとお父様の言うとおり、習字とか黙ってやっていたのよ。でも最近のお父様の口癖は「お前は才能ないなあ・・・。」だもん。もちろんどうしてかなんてわかるでしょ。お父様の子じゃないから・・・。私、医学書を読むよりも物語や和歌集を読んでいるほうが楽しいのよ。この前東宮御所に遊びに行って、東宮様や東宮御所の女房たちに舞とか、お歌とか、お琴とか教えてもらったのね。そしたらみんな飲み込み早いって言ってくれて、嬉しかったなあ・・・。やっぱり私は和気家の人間じゃないんだって思ったの。でもお父様がだいすきだから、ちゃんと医学書なんか引っ張り出してきて読んでみたりするのね。そのおかげかわからないけれど、難しい漢字くらいは読めるようになったわ。





あっという間に年が明けちゃって、私はひとつ歳とって9歳なったの。9歳になったって言っても別に変わったことなんてないけどね・・・。でもお父様なんか、私の将来のことを考えるようになってこの前も女医の養成施設に入れるか悩んでいたのよね。お兄様はもう私の歳でこの施設に入っていたし・・・。元旦早々お父様ったら、出仕前に私の肩に手を置いて言うのね。





「どうしよう・・・。女医として学ばせるのであれば早いほうがいいが・・・いろんな医学生を見てきた父様が見てもお前の才能はこれっぽっちもない・・・。いやいや学ばせるよりも殿上人の姫らしいことをさせたほうがいいのではないかな・・・。でもお前は母様に似てじっとしていられない性質だから姫として部屋に籠もるなど・・・・。」





お父様は溜め息をつきながら出仕して行ったのね。お母様もお父様の言うことにうなずきながら私を見ていたの。





「お母様、小夜、お医師にならないから。小夜には才能がないし・・・。小夜はお姉さまの女童で出仕できないかな・・・。そうしたらいろんなこと勉強できるもん。」


「そうね・・・その方がいいかもしれないわね・・・。右大臣様にお文を書くわ・・・。きっと人手が足りないだろうから、喜ばれるかもしれないわね・・・。ちゃんとお行儀よくできるかしらね・・・。まああなたは東宮御所とか二条院によく出入りをしているから、心配ないと思うけど?」





早速お母様は右大臣様にお文を書いたの。そしたらすぐに返事を持ったお父様が帰ってきたのね。





「右大臣様から直々に小夜を蘭の女童として同行せよといわれたよ。どういうことだ?」


「お父様、小夜が行きたいとお母様に頼んだのよ。小夜はお医師にならないから。宮中で動き回ってお仕事するほうがいいもん。」


「んん・・・。それだけじゃない。後二条院様が小夜を帝の元服式に参列させよと仰せなのだ。詳しい事は当日話すと仰せで、訳がわからん・・・。急いで参内の準備を整えないと・・・。」





この日からお父様は私のことでさらにお忙しくなったのよね・・・。お衣装はすぐにたくさん用意できないから、始めのうちは内大臣様の大姫のお衣装をお下がりしてもらうことになったんだけど・・・。ホントにお母様に礼儀作法とかを突貫工事のように教え込まれて気が付いたらもう一月五日の朝・・・。さすがお母様は長年宮中で生活していたから良く知ってるわ・・・。知らない一面を見てしまったって思ったのよ。(やっぱり宮中では猫を被ってるんだね・・・・。家では結構性格大雑把なのにさ。)





私は一応今年新調してもらった女童装束を着せてもらって、きれいに髪も整えてもらってね、お母様のお部屋に行ったのよ。するとお母様ってやっぱりきれいよね・・・。とっても品のいい唐衣を着て、きれいにお化粧して・・・。三十七歳でいままで六人子供を産んだようには見えないって・・・。ほんとに感心しちゃうよね・・・。やっぱりお父様がとってもお母様を愛しているからなのかな・・・。やっぱり女って愛が大切よね・・・。





まず後宮に入って、お姉さまのいる承香殿に挨拶に行ったの。やっぱりお母様は後宮に入ると、緊張しているのかお淑やかなのよね・・・。おうちでは結構走り回っているのに・・・。やはり熟女っていうのか、いい雰囲気があって、後宮の女官たちが振り返るのよ。やっぱり清涼殿あたりから承香殿西廂が見えるじゃない?その辺りにいたときに清涼殿のほうから視線を感じたのよね・・・。振り返ったら数人の公卿達がお母様を見ていたのよね・・・。私じゃないのは確かよ。だってまだお子ちゃまですもの。





やはりお姉さまのいる承香殿は大忙しだったのよね。昨日こちらに入ったばかりだからかもしれないけれど、お姉さまは大変疲れた様子で座っておられたの。久しぶりにお姉さまにお会いしたんだけど、やっぱり綺麗よねって思ったの。




縁~蘭姫


蘭姉さまのお母様はとても綺麗な姫君だったってお父様は言ってたし、お父様も姿形のいいほうだもん。色白で、すっきりして、ちょっと違った感じのお顔つき(だって宋国と倭国の混血児なんだもの。)がいいように綺麗さを際立たせているのね・・・。蘭姉さまは私の顔を見ると微笑んで、側に呼んでくださったのね。そして私を撫でてくれたの。




ちょうどその頃、紫宸殿で帝の元服による臨時の除目があって、紫宸殿の隣にある御殿だから、結構騒がしかったわ。




除目が終わったのか、その足でお父様はこちらの御殿に来たの。蘭姉さまは大変喜んで満面の笑みでお父様をお迎えになったのよ。お父様は複雑な表情で蘭姉さまの前に座って除目についていったのよ。




「位階は変わっていないが配置換えがあってね・・・。私は宮内卿になったよ・・・。まあ典薬寮は宮内省の管轄だから配慮があっての事だけど・・・。後二条院に伺ったら、これで表立って医師の仕事も出来るでしょうと仰せになった。まあ私は事務的な仕事よりも医師として動き回っているほうが性に合うのだが・・・。」


「泰明、院は他に何か仰せではなかった?」


「彩子、ここではいえない・・・。今から弘徽殿で後二条院からお話があるから、小夜と一緒に行こう。」




お父様は何やら真剣な顔で、私とお母様を連れて弘徽殿にいったの。弘徽殿に入ったら元服式前の帝(実は初めて会うんだ・・・。)と、東宮様、そして後二条院様がお待ちになっていたの。帝はとてもお父様の後宇治院にそっくりで、驚いたけど・・・。帝は私を見るなり、おっしゃるの。




「この子が僕の妹小夜姫だね・・・。お父上やお爺様から聞いたよ。先日八年ぶりに父上と対面してね・・・。色々小夜姫のことは聞いたよ。本当に東宮によく似た姫だ・・・。」


「東宮様に?」




私は東宮様を見たの。東宮様は黙ったまま微笑まれていたの。お母様はなぜか焦った顔をして私を見るのよね。




「母上。」


「はい、帝。」


「この子は本当に母上に似て可愛らしい。すました感じは父上に似ているのかな・・・。そう思わない?東宮。」


「そうですね兄上。」




お母様はさらに慌てて帝に申し上げたの。




「帝、小夜は和気殿の子ですわよ。なに冗談を・・・。」




やっぱり私は後宇治院様の姫なんだわ・・・。お父様は下を向いたまま黙っていたの。私はお母様に私の知っていることを言おうと思ったの。




「お母様、小夜は後宇治院様の姫なんでしょ。なんとなくわかったんだ・・・。隠さなくってもいい。」


「小夜・・・。」




すると後二条院様が話をしだしたの。




「小夜が悟ったのであれば話は早い。まさしく小夜はわが息子後宇治院の子だ。先日小夜に言われて息子に会ったのだが、あの者もそうではないかと言っていたのだ。そうだよね彩子殿。」




お母様はうなだれて頭を縦に振ったの。すると後二条院様はお母様に言ったの。




「先程和気殿にも申し入れ、内々的に承諾を得た。この子の将来を考え、先帝の内親王として院宣する。その方が嫁ぐときもよい家に嫁げるであろう。」




じゃあ私は養女に出されるってこと???そんなのやだ。後宇治院様はだいすきだけど、今のお父様お母様と離れたくないの。やっぱりお母様は悲しそうな顔をするのね・・・。私は悲しくなってせっかくのお衣装が濡れるくらい泣いちゃった。




「お父様!小夜は宇治に行かなきゃいけないの?下賀茂にいたいよ・・・。お父様の側にいたいの。」


「ありがとう小夜。これからのことはまたゆっくりと話そう・・・。とりあえず、今日元服式の前にお前の内親王院宣があるから、お前もお式に呼ばれたのだよ。泣かないでおくれ。父様も悲しくなるよ・・・。この院宣はお前の将来のことを思ってのことだよ。いいね・・・。」




そのあとお父様は何も言わないまま、じっと式が始まるのを待っていたわ。お母様はというと、やはりすごくショックだったようなの・・・。






作者からの一言


イラストは和気泰明と宋国の姫との間に出来た蘭姫。中国系にしようと目を小さめにしました。泰明は目が大きい設定ですので^^;書き分けできていますか?


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