4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第13章 東宮と東宮女御
 参内すると、慌しい様子でいろいろな役人が動き回っている。右近少将(まだ少将の身分なので)は右近衛府に立ち寄って上司である大将と面会する。
「今まで長い間私のわがままで仕事を疎かにいたしました。まことに申し訳なく・・・。」
「うむ、例の噂はこの私も度肝を抜かれたが、少将殿の潔い行動には感心いたしました。まああなただからこそあのような事になったのかもしれません。真面目な方ほど、急に予想もできない行動をすることもありえることで。あの頃の想い人はまだ宣旨が下っていなかったからこれで済んだのかもしれません・・・。そうそう噂なのだが東宮妃入内を白紙にされたらしい・・・・。これで何事もなく通えることができますな・・・。」
「え、白紙に?」
「ご存じなかったのか?それはそれは・・・・。」
すると左近少将が入ってくる。
「右近殿、こちらにいたのですか。主上がお呼びのようですよ。早く行かれないと・・・。」
少将は大将に頭を下げると急いで、内裏の主上の御前に急いだ。しつこく左近少将がついてくる。そして昨晩の事をしつこく聞いてくる。
「左近殿、申し訳ないのですが、あなたの妹姫とは何もなかったのです。これでよろしいでしょう!」
「おい!そんな言い方はないだろう!義理の兄弟になるかもしれないのに!」
少将はプイッとして左近少将を引き離す。
「あなたは今、許されてないのでしょう。ではここで。」
「あとでゆっくり教えろよ!右近!」
困り果てた様子で帝の御前に上がった。
「すっかり疲れは取れましたか?右大臣家で昨夜はお世話になったようで・・・。」
「主上までこの私をおからかいに・・・・。」
帝はくすっと笑っていたが、一変して険しい表情で少将にいう。
「東宮の件だが・・・護衛としてあなたがお供してくれないか・・・。廃太子と立太子の宣旨を下す予定の半月後まで東宮のそばでいてやって欲しいのだ。つらいだろうが、そのほうが常仁親王もゆっくり療養できるというもの・・・。」
「主上、今日私も申し上げようと思っていたのです。私もできる限りのことをして差し上げたいのです。」
「それは良かった。以前常康に対する東宮の悪い行いがあったので、きっとうらんでおると思ったのだが・・・・。あと、そなたの位の件だが、立太子までそのままにしておく。直系の親王でありながらこのような位の例はあまりないのだがそなたに見合う位が埋まってしまっていてね・・・・。」
「いえ、少将のほうが兄いえ東宮の護衛としてお世話できるというもの・・・。感謝しております。ところで今日はなぜ大極殿辺りがいつになく騒がしいのでしょうか。」
すると内大臣が帝の代わりに言う。
「それはあなたの親王の宣旨を皆に報告するためだよ。内大臣家の嫡男が東宮に上がるわけにはいかん。まず正式に親王宣旨を下さないといけないのだ。あなたは出席しなくて良いので、その間東宮御所に行かれて東宮様の看病に当たられたらいかがか。」
「はい・・・。」
そういうと、少将は東宮御所の東宮の寝所に向かった。やはり日に日に弱っているようで、少将が部屋に入っても眠っている。
(明日の移動は東宮の負担にならないだろうか・・・。休み休みの移動のほうが良いかもな・・・。)
東宮のそばにいる薬師を呼び、容態を聞く。やはり思わしくないようで、どのような薬を処方してもよくならない。手のほどこしようがないという。やはりもう助からないのか。すると女官が声をかける。
「あの・・・少将様。東宮様がお目覚めに・・・。少将様を呼んでいらっしゃいますけど。」
「わかった。」
再び寝所に入ると、東宮は座っていて少将の顔を見ると、しっとりと微笑まれる。
「父上に聞いたよ。僕の代わりに東宮になってくれるのだってね・・・。明日も一緒に・・・。」
「護衛として半月ほどでございますが、ご一緒に・・・。」
「そうだよね。半月たつと、僕は廃太子宣旨を受けて、もう護衛など要らない身分となるのだし・・・・。君は立太子の宣旨を受けてここに入ることにね・・・。今日は調子がいいのだ。やはり廃太子願いを承諾していただけたからかな・・・・。今までの振る舞いはやはり東宮という堅苦しさからというか・・・・。元々君と違ってじっとしていることに耐えられない性質であった。」
「きっとすぐに廃太子の宣旨を下さらなかったのは、帝の気持ちだと思いますよ。何かの失態ですぐに廃太子になるのとは違いますし・・・。今まで病ということをふされていたことですし、東宮にとっての吉日に宣旨を下されるそうですので、きっと少しでも幸せに余生を過ごしていただきたいという親心なのでしょうね。」
「そうだな・・・僕としては今すぐにでも廃太子したいのだけれども。廃太子になる以上ここにいる女官の中でも元服前からいてくれる者だけ連れて行くことにしたよ。良いことに私には女御はいても、子がいなくて良かった・・・。女御も出家して私の元に最後までいてくれるといってくれた。女御が私のことをそこまで思ってくれていたなんて・・・。気づかなかった・・・。だから私は寂しくはないのだよ。」
すると几帳の後ろですすり泣く声が聞こえた。そういえば女御は内大臣家の長女で、正室の子ではなかったが、側室は旧宮家出身の方なのでこうして東宮が元服の副臥し役よりそのまま入内されて女御としてずっと東宮の側におられた。東宮よりは七つも年上、内大臣家で元服したときには入れ替わりで入内されたお方なので、面識もなかった。
「そこにおられるのは姉上でございますね。」
「少将様、今まで姉弟として育ってきました。あなたはずっと先の関白家でのお育ちで、面識はなかったのですが、出仕されるようになり、こちらによく宿直にいらっしゃったでしょ。」
「ええ、春宮坊の大夫も一時期兼ねておりましたし、帝から直々に警護を・・・。」
「ずっと弟としてお慕いしていましたのよ。今回の件も、本当はお父様が実家のほうに帰ってくるようにといわれたのですけれど、東宮をお慕いしていましたし、このまま内大臣家でお世話になっていても・・・そこで私は東宮についていくことに決めましたの。出家して、東宮の看病をし、少しでも長く御幸せにお過ごしできるように仏に拝もうと・・・。」
「それなら姉上に東宮のことをお任せして安心ですね。」
「ええ・・・。」
「このことで、女御と私は本当の夫婦になれたと思うよ。今までお飾りとしてしか思っていなかった私は恥ずかしいよ。いろいろ感謝しないとね。」
というと、女御に支えられながら薬湯を飲むと、横になった。
「明日、頼むよ・・・。嵯峨野の別荘は亡き先関白であるおじい様の縁の別荘だし、内大臣の北の方である叔母上が譲り受けたものだから。あそこの冬は雪、春は桜・・・とてもお庭がきれいだそうだね・・・。楽しみだよ。」
「はい、東宮の様子を見ながらゆっくりお連れします。」
「ありがとう感謝するよ。そばには女御の春姫がいるしね・・・。」
薬が効いてきたのか、東宮は再び眠りについた。
「この薬湯がないと痛みで眠れないのです・・・。痛くないようにお振る舞いなのですが、多分相当いたいのですわ・・・。ひとりになられると痛みでうなっておられるので・・・。年が越せるかどうか・・・・きっと私が少しでも長く・・・・。」
といって女御はホロホロと泣く。本当にこの女御は東宮を想われているのだと少将は感じた。
少将は宇治の姫君もそのような姫であるといいなと思った。最期まで看取ろうとお考えの女御を羨ましく思うのである。
《作者から一言》

東宮には元服時から奥さんがいたのです^^;副臥し役は皇族の坊ちゃんが元服の時に一緒に夜を過ごす姫君。そのままお嫁さんになることがあるらしいのです^^;もちろん、東宮の初めての人はこの女御ということです^^;ちなみに少将は元服当時親王ではなかったので、副臥し役はおりません^^;東宮御所でこうしている間に、少将は親王宣旨されて、無事親王となりました。もちろん公達たちは驚いたのは言うまでもありませんが・・・。
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