4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第14章 東宮の御静養
 朝早くに出立予定なので、夜が明けきらない時間に参内した少将は、出立準備走り回った。昨日に親王宣旨が下ったからか、いつものように軽々しく声を掛けてくる公達はいなくなった。昨日帝より、東宮の行列の責任者を任じられ、昨日は打ち合わせのため、各役所を走り回っていたためか、内大臣邸に戻ったのは日が変わってからのことであった。家に帰ったら帰ったで、自分の準備をしなければならない。内大臣の北の方の別荘といっても、半月居なければならないので、相当な準備が要る。しかしながら、晃が機転を利かせて、前もって女房達に指示をしていたので、確認のみで済んだ。足りないものは随時内大臣家から届けてもらうことになっているので、最小限の荷物で済んだようである。
 ほとんどといってもいいほど、寝てないのだが、今日は特別な役割ということで、気を引き締めて動き回っているのだ。至る所で、少将は何かしら「右近少将の宮」と呼ばれるのに嫌気が差したが、そのようなことは言っていられないので、てきぱきと指示を飛ばした。そろそろ出立の刻となると、少将は東宮御所の寝殿まで網代を寄せると、東宮と女御を迎えにいった。
「東宮、そろそろ出立の刻ですが、御用意のほうは・・・。」
すると女御が代わりに言う。
「準備はできておりますわ。」
東宮は少将の肩を借り、ゆっくりと網代に乗り込もうとすると、ある女官が言う。
「まあ網代に東宮をお乗せするの?びろう毛の車とかの車じゃなくって?せめて唐車で・・・」
女御はその女官に、
「失礼ですよ!これは東宮の思し召しなのです、あなたは黙っていなさい!」
というと東宮が言う。
「春子、そう怒らなくても、あの女官が言うのも無理はないよ。しかしこの私には東宮の車はもったいない。」
と、少し微笑みながら女御に言った。
少将は東宮と女御が乗り込んだのを確認すると、一同に合図をする。
「出立!」
内裏を出ると、少将は用意された騎馬に乗り込み、東宮の車の真横に付き、警護をしながら一同の指揮に当たった。
気分が悪いといわれると少将は列をとめ、少し休憩を取り、良くなられたと同時に動き出すという繰り返しで、ようやく嵯峨野の別荘についたのは夜になってからになった。少将は最小限の者以外を共に内裏に戻り、帝に到着の知らせを報告するとすぐに馬に乗って嵯峨野の別荘に帰ってきた。
「女御様、今戻りました。」
「ご苦労でしたね。右近少将様。あなたは昨日も遅くまで今日のことで走り回っていらっしゃったのだから、お疲れでしょう・・・先にお休みになって・・・。」
「御前失礼します。」
というと、少将のために用意された対の屋につくとふと輝いている月に見とれてしまう。この嵯峨野の別荘は別荘といっても結構広く、御邸と間違うくらい大きな庭と建物が建っている。そこの東の対の屋を少将は頂いた。東は春の間と言われており、梅や桜と言った春の草木が植えられているのだが、初冬の今は多分東宮の居る西の対の屋、秋の間といわれる庭の方がもみじなどの草木が美しい。前回来た時は、祭の事故の時。その時この対の屋は葉桜がとてもまぶしく、初夏の心地よい風が心と体を癒したものだった。今はなんと言うか寂しい庭であるが、月の美しさに心を奪われ、庭の寂しさなど気にしなかった。
『あなたと私の場所は違うのだけれども、きっと同じ月を見ていらっしゃるのでしょう。こんなにきれいな月をいつかあなたと見たいものです  右近少将常康』
東宮の静養についてきているにもかかわらず、ついこのような歌をススキにくくりつけ、晃を呼びつけ、宇治の姫君に渡すように頼んだ。すると一時がたつと返事の文が返ってくる。
『場所は違うとあなたは言うけれど、心の中では一緒のはずよ。だから同じ月を一緒に見ているのと同じことなのに・・・   綾子』
と言うような歌が書かれた文をもみじにつけて送ってきた。このもみじは、先日の客間近くに植えてあるもみじである。と言うことは、先日のことは覚えていますか?忘れないでくださいねと言う意味もあるのだと、少将は感じ、ついつい顔を赤らめるのです。
 東宮がここに来られてから、御所の重々しい空気に触れていないためか、以前のように日に日に弱っていかれることはない様で、痛みはあるものの、楽しそうに女御とお話になっている。体を起こす時間も以前と比べて長いようで、庭を眺めながら、女御や少将と共に、話す機会も増えているようである。食欲も出てきたようだが、確実に体を病が蝕んでいるのには違いなかった。時折顔をしかめて痛みに耐えられている様子が見受けられるが、以前に増して、女御とは仲睦まじく、楽しそうに静養されていた。少将はこのお二人にお子様がおられればもっと楽しく幸せに違いないと思うようになるが、無理に違いないと思ったのである。しかしこの時、女御は東宮の姫を懐妊されていた事など、お気づきにならず、廃太子の宣旨が下る前日まで、三人で楽しくお過ごしになったのです。

《作者からの一言》

以前と比べて、仲良くなった双子の兄弟・・・。でも着実に兄宮の時間は少なくなっています。

少将はやはり一人きりになると綾姫の事を思い出してしまう・・・。人間臭い?

将来生まれてくる姫は結構山あり谷ありの人生かもしれません^^;それはまた後ほど・・・。
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