4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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うれしはずかし恋愛生活 東京編 (15)大惨事の成田エクスプレス
 あたしは雅和さんが帰ってくる当日の朝から、雅和さんのマンションを掃除したり、買い物行って夕飯の支度をしているの。さっき無事成田についたって電話あって、6時半までには帰って来るっていうからあたしは雅和さんの好きなものばかり作って、後は帰ってくるのを待つだけの状態で、ソファーに座って再放送のテレビを見ていた。

 あああと1時間で渋谷に着くなって思ってそろそろ準備再開しようと思った途端、ニュース速報が入ったの!

『17時過ぎ、成田国際空港発大宮行き成田エクスプレス32号脱線転覆事故発生。詳しい情報が入り次第・・・・』

え!確か雅和さんが乗るって言ってた特急!ちょっと待ってよ!あたしは急いで雅和さんの携帯に電話をしたの。でも何度かけても呼び出し音だけで、出ない!

テレビでは緊急報道番組で事故現場の映像が流れている。原因はわかっていなかったけれど、マジで脱線転覆!3両目までぐしゃぐしゃだった。4両目以降に乗っていることを私は願ったんだけど、その願いは叶わなかった。

あたしの携帯が突然なってきっと雅和さんだと思ってでたら違ったの。

「雅和さん?!あ、お父様・・・。」

それは雅和さんのお父さんからだった。あたしはお父さんの一言に絶句した。

『雅和は1両目に乗っているんだ!とりあえず公邸に来なさい!』

あたしは早速広尾からタクシー拾って総理公邸まで急いだ。私はパパに電話をかける。

「パパ!雅和さんが!雅和さんが・・・。脱線した特急に乗っているの!それも一両目!どうしようあたし・・・・。今から雅和さんのお父様に呼ばれて公邸に向かっているの・・・。」
『弐條君がか!パパも今、防衛庁から救援命令が出て今現場に向かっているところだ。パパが陣頭指揮を執ることになったから見つかったら電話する!』
「お願い助けて!」
『わかってる。落ち着いて・・・。』
ayanoNEX
やはり雅和さんが事故に巻き込まれた情報が流れているのか、公邸前は報道陣でいっぱいだった。あたしの乗ったタクシーは報道陣のいっぱいいる公邸玄関前で止められ、あたしはタクシーから降りる。あたしにたくさんのフラッシュがたかれる。あたしは待っていた橘さんに支えられながら公邸内に入ったの。

あたしは公邸内の大きなテレビの前で、雅和さんのお父さんと一緒に報道番組の映像を見ながら、連絡を待っていた。公邸内どころか、官邸内も関係者が走り回っている。

「綾乃さん、大丈夫・・・。きっと雅和は見つかる。雅和は昔から運のいい子でね・・・昔いろいろあったけれど、傷ひとつ負わずに生きてきた子だ。現場には綾乃さんのお父様もいることだ。お任せするしかない。」

あたしは雅和さんのお父さんに抱かれながら泣いていたの。続々と死傷者が運ばれていくんだけど、まだみつからない。

「総理!1両目からご子息のスーツケースが!」
「そうか!やはり乗っているんだな・・・。ほかは情報はないか?!」
「いえ・・・。1両目は損傷が激しいためなかなか手をつけられないとの報告が・・・。」

やはり混雑時の特急列車。時間がたつにつれて死傷者の数が増えていく。テレビでも続々と亡くなった人の名簿や運ばれた人の名簿が発表されている。もちろん乗っていると思われる行方不明者の名簿も発表された。もちろん先頭には雅和さんの名前。報道番組でも総理大臣の次男が行方不明であると報道され始めたの。

陸上自衛隊の救援部隊と消防庁レスキュー隊が少しずつ事故車両を重機で解体していき、人が見えると重機が止められ手作業で解体し、救助されていく。やはり一番ひどい1両目の前のほうは生存者が極端に少ない様子で、死者数が増えていく。

雅和さんのお父さんは橘さんを現地に派遣して、あたしのパパの側にいるらしい。あたしのパパの指示がきちんと通っているからか、2両目から3両目までは救助が終わり、最後は一番ひどい1両目を残すだけとなったの・・・。

あと何人残っているんだろう・・・。

満席としてあと20人ほどだという情報が流れる。本当に情報が錯綜しているの・・・。

夜が明け、第二班と交代し、制服を着たパパが、たくさんの荷物を持って公邸を訪れる。もちろん報道陣はパパを取り囲み、様子を伺う。

「総理のご子息は?」
「まだ行方不明のままです。今発見された荷物をこちらに持ってきただけですから。」

パパは報道陣を振り切って公邸の中に入っていく。公邸の一室に雅和さんのものと思われる荷物を運び入れ、雅和さんのお父さんは中身を確認する。

「スーツケースは名前が書いてありましたのでこれだと思うのです。あとかばんも見つかりました。カバンのほうはパスポートと携帯電話が入っておりましたのでこれであると・・・。」

カバンの中にはパスポート、携帯、財布、大学に出すレポート、そしてあたしの写真とお土産・・・。確かに雅和さんのカバン・・・。中は無事だったけれど、外はどう見ても血でいっぱいだった・・・。パパはあたしに言ったの。

「綾乃、覚悟しておいたほうがいい・・・。あの状況では・・・。だから・・・。」

あたしはパパの言葉に絶句する。もちろん雅和さんのお父さんも・・・。

「こうしてカバンも見つかったのだから、きっともうすぐ見つかるはずだ・・・。いいね・・・綾乃・・・。」

その時雅和さんのお父さんの携帯が鳴る。橘さんからのようだ・・・。

『総理!発見されました!今搬送中です!』
「橘君!本当か?!どこの病院だ!」
『新宿区東京医科大学病院救命救急センターです!』
「わかった。今から向かう!」

パパは市ヶ谷駐屯地に戻ってから病院に合流の約束をする。パパはあたしをぎゅっと抱きしめたあと、一緒に来ていた部下の人と車に乗って市ヶ谷駐屯地に向かった。あたしは用意された車に雅和さんのお父さんと乗り込んで病院に向かう。 病院にはまだ雅和さんは到着していなかった。

続々と雅和さんよりも先に助け出された乗客が運び込まれている。やはりここも大変混雑している。ここに総理大臣が来ている事さえ皆気がつかない・・・。まだ雅和さんが到着しないうちにパパも急いでやってきた。

「まだ到着していないのか!現場はもう救出活動は終了し、現在は国交省に引き継ぎました。現場検証をしています。あのような惨状はこの私でも・・・。とりあえず救出活動が予想より随分早く済みましたので、なんとか最悪の事態は免れたと思います。」
「そうですか・・・。さすが源さんですね・・・。レスキューと災害救援部隊が協力し合って出来たんだと思います。このような時は結構行き違いなどで活動が遅れる場合が多いが・・・。さて雅和の様態はどういう程度かが問題だ・・・。」

やはりいつも冷静な雅和さんのお父さんはこの時ばかりは大変苛立っているの・・・。続々と病院の表は報道陣が集まってきている。すると救急車が到着するのか、看護師と医師が表に走っていく。

「最後の負傷者です。名前は弐條雅和さん、年齢21歳、男性、学生、程度は・・・・。」

看護師と医師のやり取りする声が聞こえる。やっと到着したみたいなの・・・。

ストレッチャーにのせられ、首には災害時にかけられる負傷の程度が書かれた札がついている。意識はなく、酸素マスクをかけられていた。やはり体中は血でいっぱい・・・。あたしは見ていられなくなって、パパの胸に顔をうずめた。ここまで付き添っていた橘さんが雅和さんのお父さんに状況説明をしている。雅和さんのお父さんは椅子に座り込んで溜め息をつく。相当危険な状態らしい・・・。あたしはショックのあまり気を失って倒れたの・・・。

気がついた頃には雅和さんは峠を越え、なんとか命には別状ない状態だと聞いた。でもまだ面会謝絶状態は続いているの・・・。雅和さんのお父さんは公務があるからとしょうがなく病院を離れ、あたしは救命センターのロビーで夜を過ごす。

一度雅和さんの家に戻って、片づけをしたり、着替えを用意したりしたぐらい・・・。やはり相当頭を打っているのかまだ意識は戻らないらしい・・・。そのほかはなんとか怪我の程度は軽く、切り傷、打撲と骨にひびが入っている程度という。不幸中の幸いというか、あの状態でこれくらいで済んだことが奇跡に近いといわれたの。だって雅和さんの周りのほとんどの人は即死状態か、助け出されたとしてもショック状態のため、続々と息を引き取っていく。でもまだ意識が戻らないということが、主治医は気がかりでしょうがないという。

「CT、MRI、脳波と、すべて検査しました。脳内出血等は見られません・・・しかし意識が戻らないとは・・・。何かほかに原因があるかもしれません。もう少し詳しい検査を行ってみます・・・。そのように総理にお伝えください。わたくしたちは全力を尽くして治療いたしますので・・・。」
「はい・・・。」

あれから何日経ったんだろう・・・。毎日病院を行ったり来たりで、日にち間隔も曜日間隔もまったくなくなってしまったの・・・。まあ今は夏休みだからしょうがないんだけど・・・。

あたしはこの前、雅和さんのお父さんの代理として大学の学生課や国際交流センターに書類を届けに行ったの。もちろん大学はあたしが雅和さんの婚約者であることを知っているから、いろいろ心配してくれる。あたしは雅和さんの休学届けと、留学後に関する書類を全部提出して家に戻ってきた。雅和さんは帰国前に書類をすべて揃えていたから、留学中の単位認定は可能であると、先生たちは言っていた。もちろんあっちの大学でも結構優秀な成績であったと、報告があったらしい・・・。

意識は戻っていないんだけど、事故から1週間で一般病棟に移ることになったの。相変わらず面会謝絶だったけど、あたしだけは病院の配慮で病室に寝泊りするの・・・。

いつまで眠っているつもり?早く目覚めて「綾乃おはよう・・・」って言ってよ!お願いだから・・・。いつものように優しい微笑であたしを見つめてよ・・・。

あたしは毎晩雅和さんの手を握りながら椅子に座って眠ったの・・・。手のぬくもりはいつもの雅和さんと同じ・・・。

雅和さんのお父さんによると脱線原因はやはり鉄道会社にあるようで、詳しい原因はよくわかってないんだけど・・・。毎日のように鉄道会社の社長や取締役達が公邸にやってきて土下座してお父さんに謝って帰っていくらしい・・・。お父さんはやはりいろいろ言いたいらしいけれど、やっぱり総理よね・・・。

「うちは最後でいいから先に他の遺族や被害者に謝罪を・・・。」

と・・・。もちろん記者会見でもそう言ってた。もちろん公の場以外ではすごく落胆して泣いていらっしゃるんだって・・・。

ある日あたしはいつものように雅和さんの手を握ってじっと雅和さんの顔を眺めてた。そしていつものように、雅和さんに声をかける。

「雅和さん・・・起きて・・・愛してるから・・・起きて・・・。」

するとなんだか手を握り返してくるような感覚がしてもう一度握ってみるの。やっぱり気のせいではなかった・・・。あたしは看護師を呼び、確認してもらう。やっぱり気のせいではなかったの。すぐに公邸に電話してお父さんを呼んだのね・・・。お父さんは公務を切り上げてすぐに病院までやってきたの。やっぱり意識が徐々に戻ってきたのか、お父さんが声をかける・・・。

「雅和、聞こえるか?父さんだ、わかるか?」
「ん・・・んん・・・。」

まだ意識が朦朧としているのか、反応は鈍い。主治医の先生はこれで大丈夫ですと言ったの。

「弐條さん、弐條雅和さん。聞こえますか?聞こえたら手を握ってください。」

するとすぐに握り返してくるというので、もうすぐ意識がはっきりしてくるでしょうといい、病室を出て行った。

「よかったね、綾乃さん・・・これで雅和は大丈夫だ・・・。これからも雅和のことを頼みましたよ・・・。」
「は、はい!」

あたしは嬉しくてたまんなかった・・・。早くあたしの顔を見て「綾乃」って呼んでくれないかな・・・。でも・・・。 でも違ったの・・・。少し経って先生の言うとおり意識がはっきりして目を開けてくれた・・・。

「雅和!気がついたか?どうだ、気分は?」
「父さん・・・?公務は?」
「お前の意識が戻りそうだと電話があって、公務を切り上げてきたんだよ。ほら側には綾乃さんがいてくれているぞ。ずっと心配して側にいてくれたんだ。」

すると雅和さんはあたしの顔を見て不思議そうに言ったの・・・。

「綾乃・・・?綾乃って誰・・・?この子は?」
「何言ってるんだ、お前に最愛の婚約者じゃないか・・・。」
「婚約者?そんな人いたの・・・?」
「おい!こんな時に冗談を・・・・まさか・・・。」

そう雅和さんはあたしのことだけを忘れてた。記憶喪失ってことかな・・・。ホントにあたしに関することをすっかり・・・。ちゃんと大学に進学して、ワシントン大学に留学して帰ってきてNEXに乗ったことまでは覚えてるらしいけれど、事故の直前あたしに電話したことも、1年ちょっと前に結納したことも、高校で運命的な出会いをしたこともすっかりあたしのことは記憶になかった・・・。先生は多分一時的なショックによる記憶の欠如といっていたけど・・・。でもなんであたしのことだけを忘れるんだろう・・・。パパの名前と職業はわかっていても、どのような関係なのかがわからないというしね。あたしはショックだった・・・。

なんとか事故から一月後、無事退院して、自宅療養となったの。依然あたしの記憶は戻らないまま・・・。あたし達の関係はどうなってしまうんだろう・・・。あんなにあたしのことを愛してくれていたのに・・・。あたしは悔しくて悔しくてたまらなかった・・・。

自宅療養中あたしはパパに許可をもらって雅和さんのマンションに住み込むことになったの。もしかしたら一緒にいて思い出すかもしれないって・・・。あたしも休学しようかと思ったけれどそれは反対されて、9月末から始まる大学生活の再開をこうした形で迎えなければならないと思うと、ホントに悔しくてたまんないよ・・・。 本当にいつになれば以前のようになるのかな・・・。あたしは祈るような気持ちで雅和さんとともに広尾のマンションに戻ったの。


【作者からの一言】
何とか命が助かった雅和。しかしその命の代償は大切な記憶・・・。この2人の関係は終わってしまうんだろうか?
今回のNEX画像はキハ28号 さんからご提供いただきました^^スペシャルサンクスでした^^

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