4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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うれしはずかし恋愛生活 東京編 (16)記憶の欠如と変化

 僕はアメリカ留学から帰国し、成田から乗った特急電車の事故にあい、奇跡的に助かった。九死に一生・・・。助かった原因はいろいろあったそうだけど、やはり眠っていて変な力が入らなかったこと、偶然狭い隙間に入り込んで挟まれずにすんだこととかいろいろな偶然が重なって周りの乗客が命を落とす中、僕は奇跡的に助かった。


でも命の代償は大きい。僕は記憶の一部をなくした。父さんによると僕の人生の中で一番大事な記憶をなくしたらしい・・・。それは僕の身の回りのことをしてくれる「綾乃」っていう女の子のこと。とても可愛くていい子なんだけど、彼女がどうして僕の側にいるのか、そして彼女が誰なのか一切思い出せない。それなのに彼女は文句ひとつ言わずに僕の側に寄り添って身の回りの世話をしてくれる。 彼女は僕の婚約者らしい・・・。親が勝手に決めたんじゃなくって、僕が父さんに頼みこんで決めた最愛の女の子らしい・・・。


「あたしは雅和さんに無理に思い出してほしいなんていわないよ。思い出せないのなら、1から私を好きになってくれればいいから・・・。」


と、彼女は僕に無理を言わずに微笑みながら話してくれた。


今日から彼女は昼間大学に行くらしい。朝早くにおきて、きちんと朝食と僕のために昼食の準備をしていく。


「雅和さん、お昼テーブルにおいてあるから、レンジでチンして食べてね。今日は講義が始まるから、帰り買い物して帰るね。雅和さんの大好物作るから、楽しみに待ってて・・・。じゃあ行って来るね。」


「どこの大学?」


「慶應だよ。今三田のキャンパスにいるのよ。」


そういうと、彼女が連れてきた犬、マックスの頭を撫でて鍵を掛けて出て行く。


彼女は本当に料理が上手で、気が利く子。いつも笑顔を絶やさずに朗らかに生活しているんだ。僕はマックスを抱き上げて、撫でてやると、服従のポーズをしてじゃれてくる。 僕は勉強部屋に入って机に向かう。机に並べてある写真たてにはいっぱい思い出写真が並べてあったが、まったく記憶にない。もちろん自分がいるのはわかるんだけど、どうして彼女が横にいるのかがわからないんだ。


一応頭がなまってはいけないと思って、本棚からいろいろ政治学の本を取り出し、はじめから読んでみる。もちろんこの本を講義でやった記憶はばっちりある。いろいろ本棚を漁ると、アルバムを見つけた。


「なんだろこれ・・・。」


表紙には「結納式」と書かれ、中には着物を着た彼女と幸せそうに微笑んでいる写真が何枚もあった。そしてぱらぱら見ているうちに封をされた封筒を見つけたんだ。その表書きにはこうかかれている。


『源綾乃の20歳の誕生日にこの婚姻届を区役所に必ず出すこと  弐條雅和』


婚姻届???


僕ははさみで封を開けてみると本当に婚姻届だった。提出日は来年の1月15日になっている。そして後は提出するだけの状態。表書きはもちろん自分の筆跡。このとき彼女は本当に僕の婚約者であると確信したんだけど、でも記憶が戻らないんだ。 僕は昼を食べて後片付けをしたあと、パソコンをいじっていた。久しぶりにメールを確認する。いろいろなフォルダーの中に彼女からのメールがぎっしり入ったフォルダーがあった。そのフォルダーを開け、読もうとしたら玄関のベルが鳴る。のぞき窓から見るとそこには懐かしい顔を見える。


「桜ちゃん?」


「雅和さん、パパに住所聞いて来ちゃいました。源さんはいないようね・・・。」


雅和×桜
僕の幼馴染、土御門桜は僕に抱きついてくる。


「なに?」


「いつまで好きでもない婚約者といるの?もともと私は親が決めたあなたの婚約者だったのに・・・。」


もちろん桜ちゃんは20歳になって大学生だからか、以前に比べてとてもきれいで色っぽい。なんていうのかな・・・。彼女(綾乃さん)は清楚な感じで、僕の後ろを歩くような古風な感じなんだけど、この桜ちゃんは現代的で派手って感じかな・・・。遊んでるって感じ・・・?小悪魔って感じ?超いいとこのお嬢さんなのに・・・。


桜ちゃんは僕の肩に手を回して、いきなりキスを迫ってくる・・・。


「悪い・・・今日は帰って・・・。そんな気にはなれない・・・。」


「私がこうしてわざわざ来たのよ!」


「お願いだからかえって!」


この小悪魔は僕の顔を見てむくれると、こういって家を出て行った。


「まあいいわ。私この近くの聖心女子大に通っているから、ちょくちょく顔を出しに来るわ。もちろん源さんがいないときにね。また携帯に電話するわ。」


もちろん桜ちゃんは僕が彼女の記憶をなくしているのをお父さんに聞いたんだろう・・・。今の段階では彼女のことはなんとも思っていないつもりなんだけど、さっきの婚姻届といい、結納の時の写真を見る限り、記憶をなくす前の僕は彼女の事が好きで好きでたまんなかったんだろうと思う。


僕は彼女のどこがよかったんだろうと疑問に思うときがある。どうして桜ちゃんを選ばなかったんだろう・・・。タイプは違うけれど、どちらもきれいな子なのに・・・。僕はどっちがいいんだろう・・・。


僕はいけないことを考えてしまった。もしかしたら、桜ちゃんと付き合ったら、僕が婚約者である彼女の良さがわかるかもしれないと・・・。まあ世間で言う二股をかけてみることにしよう。もちろん婚約者である彼女には秘密で・・・。


夕方になると、買い物袋をかかえた彼女が帰ってきた。


「雅和さん、おなか空いたでしょ。今から夕飯作るね・・・。」


「んん・・・。」


彼女は満面の笑みで僕を見つめながら自分の部屋に着替えに戻ると、エプロンをかけてキッチンに立つ。


「今日はね、雅和さんが大好きなトマトソース味のロールキャベツだよ。ちょっと時間がかかるけど、待っててね・・・。」


彼女は手際よくロールキャベツを作っていく。ホントに彼女は家庭的だ。一切惣菜なんて買ってこないし、きちんと手をかけて夕飯を作ってくれる。そして美味い。下手なレストランに行くよりも美味いんだ。彼女はたくさん作って、密封容器に入れると、きちんと毎日近くに住む彼女のお父さんのために食事を運んでいる。今時珍しい親孝行のいい子かもしれない・・・。もしかしてそういうところを好きになったのかな・・・。


「ホントにたくさん作っちゃったね・・・。たくさん食べてね。残ったら明日の昼にでも食べてよ。」


「ん、んん・・・。」


彼女は僕が食べ始めるまで一切手をつけず僕を見つめて微笑んでいる。


「久しぶりに作ったからまずいかな・・・。」


「ううん・・・おいしいよ。ホントに君は料理が上手だね・・・。」


「よかった・・・。明日は和食にするね。中華がいいかな???」


なんて朗らかで純粋な子なんだろう・・・。僕は彼女にだんだん惹かれていることには気づかなかった。 僕は彼女がいないときは桜ちゃんと会い、桜ちゃんがいないときは彼女と過ごすという二重生活がはじまる。もちろん桜ちゃんと関係を持ったのは言うまでもないが・・・。


桜ちゃんを抱きながら、僕はすごく心が痛む。どうしてだろう。婚約者の彼女のことなんてなんとも思っていないはずなのに・・・。


この二重生活を親友の響貴に知られてしまったのは言うまでもない・・・。もちろん怒鳴られてしまったけど・・・。


「雅和、お前は何考えているんだ!あれ程綾乃ちゃん一筋だったのに・・・。あんな高飛車桜と二股かよ!綾乃ちゃんはお前の前ではすごく明るくしているけど、大学ではしょっちゅう泣いているんだ。それを見て綾乃ちゃんに言い寄るやからが増えたんだよ。このままだったら誰かに持っていかれちまうぞ!早く厄介なことになる前に、桜と別れろ!そして綾乃ちゃんを大事にしてやれって・・・。あんなにいい子はいないぞ。」


「え?」


彼女は僕の前でなんともないように振舞っていたんだ・・・。そうだよな・・・。一番大事な人から忘れられて・・・悲しまない人なんていないだろう・・・。


もちろんこのひと月桜ちゃんと付き合ってみて、だんだん彼女と桜ちゃんの違いがわかってきたんだ。やっぱり彼女は家庭的で、僕のことを一番に思ってくれている。


すると響貴は僕にこういったんだ。


「桜と別れないのなら、俺は綾乃ちゃんをお前から奪う。いいか!綾乃ちゃんを泣かせるお前を許せないんだ。俺は高3の頃から綾乃ちゃんを想っていたんだからな!お前に隙があれば、いつでも奪ってやろうと思ってたんだよ!」


僕は無意識のうちに響貴を殴っていた。なんとも思っていないはずなのに・・・。


僕は桜ちゃんに別れを告げる事にした。もちろんそう簡単には別れることはできなかったけれど・・・。でもなんとか別れる事が出来た。


11月末。毎年恒例の三田祭の季節・・・。僕は響貴に連れられて参加することになった。休学中とはいえ、いろんな先生や学生たちの声をかけられる。みんな僕のことを心配してくれるんだ。もちろん記憶の一部以外はもうなんともない。出来ることなら今すぐ復学したいくらいだ。


「雅和、4月には復学するんだろ?」


「ああ・・・。」


「俺はなんとか3月に卒業できそうだけど・・・。先に出ちゃってごめんな・・・。」


「いいよ。しょうがない。秋の卒業式には卒業するよ。」


僕は久しぶりにキャンパスライフを味わった。すると特設ステージが騒がしくなる。


「ああ、始まった!行こう雅和。」


ステージは恒例のミスコンが始まるようだ。


「雅和、驚くなよ・・・。今年は綾乃ちゃんが出てるんだ・・・。綾乃ちゃんは嫌がったんだけど、結構推薦が多くてね・・・。大学いちの美人だし・・・。清楚な感じが男子学生受けをするんだよな・・・。今年は綾乃ちゃんに決まりだな・・・。ほら出て来た。」


衣装であるウェディングドレスに身を包んだ彼女は最後に司会者に呼ばれ、誘導役の男子学生に手を引かれ、はずかしそうに出てくる。彼女が出ると、男子学生からの黄色い声援が・・・。


「・・・・。」


彼女は緊張のあまり言葉を失っている。すると僕は無意識で彼女に向けて叫んでいた。


「綾乃!ガンバレ!!」


みんな僕のほうを振り返る。僕は恥ずかしくなってその場を急いで立ち去った。もしかして徐々に彼女のことを無意識に思い出してきたのかな・・・。最近になって特にそうなんだ・・・。もちろん彼女はミス慶應に選ばれたらしいんだけど・・・。僕はなぜか機嫌が悪い。


「あれ?雅和、焼いてるのか?綾乃ちゃんがミスに選ばれて・・・。これでますます綾乃ちゃんは大学の人気者だよな・・・。」


「べ、別に・・・。」


「今年は今日、ミスターも決めるらしいぞ。雅和が休学していなかったらきっと選ばれるだろうに・・・。残念だよね・・・。ミスとミスターに選ばれたら明日なんかあるそうだよ・・・。」


「実行委員は誰だよ!実行委員は!」


「さあね・・・。あれ?雅和、綾乃ちゃんのことなんとも思っていなかったんじゃないのか?」


「う、うるさい!」


僕は気になって会場に急ぐ。もうすでにミスター慶應は決まってしまって、選ばれたのは医学部4年の丹波というやつ・・・。こいつはなんとなく知っている。


「やっぱり丹波がなったのか・・・。信濃町キャンパスの丹波、三田キャンパスの弐條というくらい有名やつだ。ホントにお前が出ていたら一騎打ちだったよ・・・。丹波の家は代々医者だよ・・・。江戸時代には徳川家の御典医・・・。もちろん綾乃ちゃんとこみたいに古くは平安時代以前から続く名家だよ。どうする?雅和・・・。あいつは結構遊び人だ。」


なんと最終日に二人はスポンサーが行うファッションショーで模擬結婚式をするらしい・・・。すると丹波が僕のほうにやって来て言うんだよ。


「弐條。明日、お前の婚約者の唇を奪わせてもらうぞ。じゃあな。」


「丹波・・・。」


ホントに丹波は嫌味なやつだ・・・。本当に僕はイラついた。家に帰ってもイラつきはおさまらなかった・・・。




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