4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

うれしはずかし恋愛生活 (23)成田エクスプレス事故から1年・・・
 毎日が忙しすぎてあっという間に過ぎた日々・・・。気がつくといつの間にか、くそ暑い夏になっていた。無我夢中で官房長官の公設秘書をして何とか周りについていけるようになった。いろいろな代議士の公設秘書先輩にも可愛がられている。もちろん総理大臣の息子だからって特別扱いはなしだ。バシバシ先輩秘書や代議士たちに鍛えられているのは言うまでもない。

 僕は官房長官の窓口的な仕事を受け持っているので東京と官房長官の地元である宮城を行ったりきたりしている。毎日残業はざら・・・。休みもほとんどないに等しい・・・。

 綾乃と入籍して半年以上が過ぎた。綾乃はこんな僕に文句ひとつ言わずに毎日送り出してくれるし、夜遅くなっても起きて待っていてくれるんだ。ホントに綾乃と一緒になってよかったと思っているよ。だから僕は毎日綾乃のために一生懸命がんばっているんだ。

 僕は未だに電車が怖い。最近になってやっと東京-仙台間で移動のために新幹線を利用できるようになったものの、必ず先頭車両には乗らない。ど真ん中を押さえる。どうしても精神的に乗れないときは自費でも飛行機に乗ったり、自分で車を運転して行ったりするんだ。

 脱線転覆事故から1年になる・・・。 もう1年か・・・早いものだ。一応僕は被害者だから、被害者の会というものには登録している。父さんも本来なら入りたいらしいけれど、やはり総理大臣という立場上そうはいかない・・・。よく考えてみてよ。もと国鉄といわれた鉄道会社とそれを管轄する国交省が絡んでくるんだから・・・。でも未だにごたついている補償問題を父さんはなんとか上手くいくように水面下で行動しているのは確かな話・・・。しかし今まで過去に起こった事故補償の例を無視できないから、それも難しいところだ。

事故原因は鉄道会社にあったという見解は真実だからね・・・。車両の整備不良やいろいろな原因が重なって起きた事故だったんだ・・・。まあ綾乃のお父さんがすばやい指示でレスキューと陸上自衛隊災害派遣部隊を迅速に動かして、最低限の死者で済んだ評価は未だに高い。以前起きた脱線事故ではレスキューと自衛隊の意思疎通が上手くいかずに手間取り、生きなければならなかった人たちまで亡くなったという教訓があるんだ。

「レスキューも自衛隊も関係ない!早く救助を!生きるべき乗客を早く助けろ!」と綾乃のお父さんは消防庁から派遣された隊長さんに怒鳴って、自ら陣頭指揮をしながら現場で救助を行ったという・・・。やはりすごい人だ・・・。あれ以来お父さんを悪くいう人はいなくなったって聞いたよ。

やっと事故後1年、お父さんは功績が認められて陸将補から陸将に昇格して、今度定年退職で空席になる東部方面総監に任ぜられることに決まったらしい。誰も文句いう人なんていない・・・。

事故が起こった日、僕は休みを取って慰霊祭に出かける。もちろん父さんは遺族会や被害者の会にお願いされて、出席し挨拶することになった。もちろん僕は最後に助けられた被害者として挨拶をするんだけど・・・。(はじめは断ったよ・・・。)言葉を考えるのに結構徹夜したし、父さんと言葉が重ならないように打ち合わせもした。 綾乃のお父さんは当時の派遣部隊を代表して出席している。もちろん公の慰霊祭だから、礼服に飾り緒、そして帯剣という最高の礼装で出席する。
雅和 成田1年

 まず父さんの挨拶から慰霊祭が始まり、国交省大臣やら鉄道会社、遺族、そして僕が被害者代表で挨拶をした。そして事故が起きた時間に全
員で黙祷をし、献花が行われる。父さんは献花が終わると公務があるから官邸に戻って行ったけど、初めて事故以来事故現場に訪れた僕はなんともいえない気分で関係者が献花しているのを見つめる。

はっきりいって僕の場合は全然覚えてないんだけど・・・。事故前は熟睡してたし、事故後気がついたのは1週間後だったし・・・。救助を待つ間の出来事なんて覚えているはずはない・・・。ホントは挨拶は断ったんだけど・・・。ホント複雑・・・。僕よりももっと苦しんでいる人がいるに違いない。

 僕は慰霊祭が終わっても椅子に座ってうなだれていた。綾乃のお父さんは僕の横に座って肩を叩いていった。

「雅和君・・・。いろいろあって大変だったろうね・・・。君は程度的にも軽いほうかもしれないが、綾乃の記憶を失ったって言う辛い経験もしている。綾乃に聞いたよ、未だ電車に乗るのをためらうそうだね・・・。それをばねにしてがんばって行ったらいいじゃないか・・・。そして君が政治家になったときは被害者の立場になれる人物になったらいい・・・。」
「そうですね・・・お父さん・・・。」

本当にお父さんはいいこと言う。そうだよ、僕が政治家になって同じような事が起こったら、被害者の立場に立って何とかできるように・・・・。
スポンサーサイト

Comment

 秘密にする

Track Back
TB*URL

Copyright © ねぇね2人と双子っちのママのお部屋。別館. all rights reserved.
さくらと空 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。