4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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朧月夜の恋~さくらの木の下で (1)さくらさくら・・・
 私は退屈だった。毎日が窮屈で・・・。

 父は仙台でも有名な代議士で、私の家系自体が政治家ばかり・・・。そのおかげで私は生まれてすぐに婚約者が決められ、その人と結婚するために堅苦しい生活をさせられている。小さい頃から、茶道、華道から始まり、着付けや日舞、政治家の娘、そして政治一家に嫁ぐ娘として教育されていた。ずっと小さなころからお嬢様学校で、毎日車での送り迎え。私の友達といったらみんな父から与えられたようなお嬢様ばかり。清く正しく美しくって感じで・・・。学校のみんなが好きな人ができても私はそんなことは許されなかったの。それどころか出会いさえない。

 私の近くにいる異性と言えば、父と、二つ年上の兄、そして婚約者のひとつ年上の弐條常康さん。常康さんのお父様は総理大臣。私の父と元戦友で、あちらの家庭も代々ずっと政治家筋。親同士で勝手に私と常康さんを婚約させたのね。そのほうが都合がいいから・・・。

 常康さんはとてもいい方よ。今は慶應義塾大学に通いながら、お父様の後継者になるために学んでいる。誠実でおやさしいし、そしてお顔も整っているの。この人と結婚するのが当たり前だと思っていたから、ときめくっていう感情なんてないのよね・・・。この人と会うと言っても私は仙台で、彼は東京に住んでいるから、年に数回ほど・・・。

 今日は私の誕生日。今日から私は20歳。父は家に政治・経財界で有名な人たちをたくさん呼んで、私のための誕生日パーティー。もちろんこの日のために常康さんもご招待。私の誕生日だと言ってもまるで懇親会のようで、主役の私は蚊帳の外。はじめのうちは私にいろいろ話しかけていただけるんだけど、すぐに父と何か話すの・・・。

「綾子さんは二十歳になり、本当にお綺麗なご令嬢になられましたね。」
「そうだろ、私の自慢の娘だ。今すぐにでも弐條家に嫁がせてもいいくらいだよ。しかし今はまだ大学生だからね・・・。大学卒業と同時に嫁がせる予定なのですよ。常康君も理想的な後継者になるだろうしな。お似合いだろ、うちの娘と常康君は。」

本当にみんなと同じことばかり・・・。私は父の政治の道具にしかないの。

「綾子さん・・・。」
「常康さん・・・。」
「今日のお着物、似合っていてよかった・・・。」

そうこの着物は常康さんが私の20歳のお祝いにくださった白地にさくらの模様が散りばめられた上品な振袖・・・。本当に私の生まれた春の花、さくら・・・。そして私の大好きなさくら・・・。きっとそれを知っていて常康さんが選んでくださったんだと思うの。

「綾子さん、今日はもう帰らなければならないのです・・・。すみません、もう少しゆっくりしていこうと思ったのですが、明日大事な用事が入ったので・・・。」
「そうですか・・・。」

今日はこちらに泊まっていかれるって父が言っていたから、ゆっくりお話でもしようと思っていたの。いつも常康さんが話してくださる東京のお話が、楽しみでたまらなかったのに・・・。

ますますこのパーティーがつまらなくって、退屈・・・。

私は常康さんを玄関前の車まで見送ったの。

「綾子さん、また来ますね・・・。今度東京に遊びに来てください。うちの両親が会いたいと・・・。」
「はい・・・また・・・。」

私は常康さんの車をお辞儀して見送ったあと、その足で邸を抜け出したの。

もう日が陰っていて、辺りは暗い。今日は満月なんだけど、うす曇の朧月夜・・・。

着物姿のままでトボトボと近所にある大きなさくらの木へ・・・。私はここのさくらが大好き。よく邸を抜け出してさくらを眺めるの。

4月に入ってやっと咲いた仙台のさくら・・・。
満開とはいえないけれど、朧月夜に照らされたさくらがとても綺麗で・・・時間を忘れてじっと私は見つめていた・・・。
20070108100908.jpg


ここのところよく邸を抜け出して眺めているのよね・・・。
何度見ても飽きないのよ、このさくら・・・。

「あなたはさくらの精ですか・・・?」

(つづく・・・)


【作者からの一言】

これはずっと連載していたものの番外編です。実は一番初めにサイトで発表した平安小説の50章あたりで頭中将源将直と、皇后藤原綾子のしてはならない恋を書いたのです。もちろん2人の間には綾乃姫という姫が生まれ、雅和帝に入内します。2人が最後、別れ際に交わした言葉、「来世は必ず一緒になりましょう・・・。」という言葉・・・。それが現代版の流れであり、そしてこの話は来世である1000年後に出会った2人を書いたものです。平安版も、現代版も、実はつながっているんです。本編主人公弐條雅和と源綾乃の出会いも、和気泰明と源彩子の出会いも・・・。今書いている本編のひとコマに和気泰明が和気家の菩提寺神護寺にお参りにいった際に変に懐かしい感覚に襲われ、昔の夢を見てしまう・・・という場面が出てきます。ですから平安版=現世、現代版=来世という感じなんです・・・・。

もろネタバレですね・・・。
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