4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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朧月夜の恋~さくらの木の下で (6)家族三人の生活&(7)10年ぶりの帰郷

(6)家族三人の生活


 春、将直さんは無事幹部学校を首席で卒業したの。


次の派遣先は彼の実家がある兵庫県の中部方面隊。そこの第3師団の中隊長として働くことになりました。もちろん住まいは官舎。




将直さんは彼の実家に私を連れてご両親を紹介してくださったの。神戸北野にある古い素敵な洋館。将直さんのご両親は私を快く迎えてくださって、まるで私を娘のように可愛がってくださったの。将直さんは一人っ子・・・。突然連れて帰ってきた妻であるのに、お母様は嫌な顔ひとつせず・・・。




そして私のおなかの中には将直さんとの愛の結晶・・・。もう随分大きくなって、臨月に入っていたのね・・・。私は兵庫県川西市にある自衛隊阪神病院で可愛い将直さんによく似た男の子を産みました。名前は博雅。将直さんのお母様はわざわざ私のために神戸から出てこられて、私の身の回りの世話をしてくださったの・・・。本当に感謝で・・・。そして私にこういってくださったの。




「綾子さん、あなたたちはまだ結婚式をしていないらしいわね・・・。博雅ちゃんが少し大きくなったら、写真だけでもいいから撮りなさいね・・・。きっといい思い出になるから・・・。」


「お母様・・・。」




私たち夫婦は博雅が少し大きくなった頃、将直さんのご両親のご好意で、写真だけ撮ることにしたの。


朧月夜6


私はお母様が用意してくださったドレスを着て、将直さんは礼装制服。博雅は可愛い赤ちゃん用のタキシードを着て三人で記念撮影・・・。実はその写真をこっそり焼き増しして仙台の母に送ったの。一言手紙を添えて・・・。




『お母様。私は母親になりました。将直さんによく似た男の子、『博雅』といいます。先日将直さんのご両親のご好意で結婚写真だけ撮りました。本当に彼のご両親は私のことを本当の娘のようにかわいがってくださり、幸せです。だからお母様、私のことは心配いりませんので、ご安心ください。 綾子』




もちろん住所は書かなかったけれど、きっと私のことを心配していると思ったの。でも本当に幸せなの。




このときから私はことあるごとに博雅の写真を母に送っていたの。もちろん返事はないけれど、きっと母はこの手紙を見て安心してくれていると思うの。




 ある日私は新聞で元婚約者弐條常康さんの衆議院議員選挙当選の記事をみた。側には奥様かな・・・。とても幸せそうな顔をして万歳をしている写真・・・。そして小さな男の子を抱っこして・・・。幸せなんだ・・・。よかった・・・。私は心に痞えていたものが綺麗さっぱりなくなったの・・・。






(7)10年ぶりの帰郷




 将直さんと出逢って11年後の春、私は彼の転勤で仙台に戻ってきた。




丁度将直さんと駆け落ちした日、同じ官舎に戻ってきたの。




あの時二人だった家族が4人家族になったの。この年の1月に生まれたばかりの綾乃。綾乃は私によく似た可愛い女の子。博雅は9歳になってこの春から仙台の小学校4年生。やんちゃだけどとても思いやりがあって、妹の綾乃をとても可愛がってミルクを与えたり、おしめを換えてくれたりしてとてもいいお兄ちゃんになりました。




 博雅の初登校日、私は綾乃をベビーカーに乗せて博雅の小学校へ・・・。通学路の途中には私の実家・・・。そして思い出のさくらの木・・・。博雅は新しい学校に喜びながら私の前を歩くの。




「お母さん!ここの家でっかいね!!」


「そうね・・・。」


「どんな人が住んでるんだろ!うちの官舎と大違いだよね。」




ここは私の実家・・・。このあたりでも一番大きな家。家の端から端まで100m以上あるかしら・・・。正門を通り過ぎた頃、門が開き黒塗りの大きな車が出てきたの。そして私たちの横を通り過ぎた。ああ、あれはお兄ちゃん・・・。お兄ちゃんも代議士になったのよね・・・。優しかったお兄ちゃん。元気そうでなんとなく嬉しかった・・・。




 博雅を学校まで送ったあと、私は綾乃を連れて思い出のさくらの木下へ・・・。ベンチに腰掛けて、綾乃をあやしたの。ほんとここだけ変わらない。ここだけ時が止まったよう・・・。もう10年経っているのに将直さんと出会った夜のことをつい昨日のように感じるの。綾乃はつい涙を流してしまった私を見て不思議そうに眺めている。この10年、幸せだったけれど、それ以上にいろいろ苦労もしたわ。何度実家に帰ろうとしたか・・・・。でもいつも将直さんが助けてくれて、我慢できた。




「綾乃、帰りましょ。」




私は綾乃をベビーカーに乗せて帰路につく。知っている人に会ったらどうしよう・・・。10年経っても私のことを連れ戻すのかな・・・。きっと父はいまだ許してくれていないだろう・・・。だって父の期待を裏切った娘だもの・・・。




 綾乃が生まれてすぐの頃、将直さんは私にこう言ったの。




「綾子、もう10年経ったよね・・・。そろそろ綾子の実家にご挨拶に行ったらどうかな・・・。綾子、私は知っているよ。時折綾子は私に隠れて泣いていることを・・・。結婚してすぐから・・・。やっぱり仙台に帰りたいんじゃないの?もし、仙台に転勤になったら、綾子の実家にこの結婚の許しをもらいに行こう。もう遅いかもしれないけれど・・・。」


「いいのよ・・・きっと父はあなたに会ってくれないわ。私だってそう・・・。親不孝な娘だもの・・・。婚約者がいたのにも関わらずあなたと駆け落ちして・・・。」




あのあとこっちに転勤になった時は驚いたの。もしかして将直さんが希望を出してくれたのかな・・・。少しでも実家の近くに住めるようにかな・・・。そして思い出のさくら・・・。

朧月夜7


 あれから何度将直さんとこのさくらの下に来て実家に行こうとしたか・・・。


でもできなかったのよ。


やっぱり親の反対を押し切って駆け落ちした罪悪感からかしら・・・。


行こう行こうと何度もここに来たけれど、結局実家に行くことができず、また転勤・・・。


後ろ髪を引かれる思いで仙台を離れたの。
























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