4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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ドリーム・クエスト  (10)病み上がりの混乱とPKO派遣

 僕は朝、目覚めて電話をかける。


「和気さん、今日から一緒に行きませんか?」


もちろん今日から東京メトロで行くことにしたから、近所に住んでいる和気さんと行くことにしたんだ。和気さんは毎日メトロ通勤。広尾駅から霞が関まで出て、乗り換えの後、永田町に向かう。一人で行くよりも仲のいい和気さんと行くほうがいい。


「あれ?綾乃、新聞は?」


「今日は休刊日よ。」


そうだ今日は休刊日だったんだよね・・・。駅で買うしかないかな・・・。


僕は綾乃の作った朝ごはんをしっかり食べて、身支度を整える。きちんと綾乃はスーツをクリーニングに出してくれていたみたい。きっちりとアイロンがかかった、スーツに袖を通し、綾乃は代議士のバッチをつけてくれる。


「いってらっしゃい。お薬きちんと持った?乗車証は?」


「うん、行ってくるよ。」


僕は結婚して三年だけど、まだまだ新婚みたいに出勤前のキスは欠かせない。綾乃の頬にいってきますのキスをして綾乃からカバンを受け取って、家を出る。そして歩いて数分の広尾駅改札前で、和気さんが待っていてくれる。


「おはようございます。」


「弐條大丈夫?」


「ええ、まあ・・・。これから薬を飲まないといけないのですが・・・。」


2人で乗車証を駅員に見せ、中に入る。そしてちょうどホームに入ってきた電車の飛び乗る。ラッシュにもまれながらも、何とか霞ヶ関に着く。


「弐條、ここから歩こう・・・。いろいろ話したい事があるし・・・。電車苦手だろ・・・。」


「そうですね・・・。」


霞ヶ関から地上に出て、永田町方面に向かって歩いた。


「なあ、弐條、どうするんや・・・。」


「え?何がですか?」


「何がって・・・。お前のお父さんをはじめ、うちの伯父さん、前官房長官の藤原さんとか、前内閣で、弐條派のメンバー6人が離党したんだよ。これからももっと増えるかもしれない。伯父さんは俺には残れって言うんだけど・・・。このままじゃ弐條派は解散だよ・・・。」


そんなの聞き初めだった・・・。強行採決による対抗措置だという。もちろん美月さんのお父さんである前防衛大臣も・・・。知らなかったよ・・・。同じ派閥の和気さんが悩んでいるんだから、僕はどうすればいいんだろうか・・・。もちろんうちの父さんのことだから、今は残れというんだろうな・・・。


 議事堂内に入ると、やはり大騒ぎ・・・。僕もマスコミに取り囲まれ、離党するかそのままいるのか聞かれる。そんなこといわれたって、さっき聞いたところなのにわかるかい・・・。まあこういうことは父さんに理由を聞いてから決めることにして・・・。


綾乃ったらそんなこと一言も言っていなかった・・・。


昼休み、父さんに呼ばれて近所のホテルの個室で昼食を摂りながら話を聞く。案の定父さんはまだ今の段階で離党しなくていいと言った。


「雅和、突然なことで悪かったね・・・。綾乃さんにくち止めしたのもこの私だ。実はいろいろ計画があってね・・・。派閥6人のほかにも離党したいというものも出てきているが、お前と同様に留まって貰っている状態だ。」


「計画って?」


「今は言えんが、ま、鍋島君の先は短いんだよ。だからあいつは実績を作りたいがために焦っているんだ・・・。」


「短い?」


父さんはそれ以上は話さなかったけれど、父さんに従えば間違いないだろうから、従うことにしたんだ。そしてこの日の帰ろうとすると、党本部から呼び出され、どうするのかと聞かれたことは言うまでもない。とりあえずいるとは言ったけどね・・・。造反組の息子だから、追い出されるのかなって思ったけれど、あっち側にも残って欲しいといわれたからなんとも複雑な気分だよ・・・。もちろん弐條派は大混乱。やめるやめないでおおもめだったんだけど、うちの父さんがとどまってもらうよう説得した。もちろん何かやるのではないかという期待感は党内であるのは確かだ。


 何とか6人と離党だけで済み、国会内は平穏無事のように感じられる。父さんは裏で何を計画しているんだか・・・・。もう年度末・・・来年度の予算編成も終わり、あと3ヶ月で会期も終わる。


PKO問題以来平穏すぎて、暖かくなってきているからか、そこら中で歳いった代議士達がうたた寝をするんだよね・・・。一番前に陣取っている新人議員は眠たくても寝れるわけない。隣同士の僕と和気さんは眠気さましに足を蹴ってみたり、手をつねってみたりして半分遊んでいる。そして先輩に怒られる。


(もちろんその先輩は居眠りしているくせに・・・。)


2月はじめの混乱が嘘のようだ・・・。


 4月にはいるとPKO派遣部隊が編成される。第一陣は東部方面が担当するようで、各連隊から決められた数だけ派遣されることになった。もちろん綾乃のお兄さんは自ら志願して、後方支援部隊連隊長として派遣が決まった。


(もちろん立場上断れなしね・・・今年初めに謹慎処分受けてしまったし・・・。)


そして訓練を受けた上、月末に派遣されることになった。もちろん陸自のトップである、綾乃のお父さんは複雑な気持ちで送り出すことになる。お父さんも若いころ、一度派遣されて様々な困難があったそうだから、本当なら行かせたくなかったそうだ。しかし陸上幕僚長の息子だからって特別待遇はありえないもんなあ・・・。


 3月にお兄さんは美月さんの実家に移ってきたばかりの出来事だから、美月さんも相当ショックを受けているようなんだ・・・。もちろん自衛官の妻だからいつかは覚悟しないといけないこと・・・。そういうように美月さんのお父さんは慰めたそうだ・・・。


 ホントに源家はお兄さんの派遣準備で忙しい。というより混乱している。 お兄さんが富士山の近くになる演習所から帰ってくると、数日休みを取って、南麻布のマンションにやってきた。もちろん親族一同が集まってまあいう壮行会かな・・・。もちろん神戸から綾乃のおばあちゃんもやってきている。おばあちゃんと会うのは三年ぶりだ。もちろん我が家の双子を見るのもはじめて。そしてお兄さんのところの静ちゃんも・・・。あと半月で三人は1歳になる。もちろん同じ誕生日。お兄さんは静ちゃんの1歳の誕生日を一緒に祝う事が出来ないので、今日一緒に祝うことになった。


綾乃と彩ちゃん、美月さんとで、料理を作り、リビングに折りたたみの机を持ってきて、僕と和気さんとでセットした。おばあちゃんとお兄さんそしてお父さんはうちの雅と彬、そして静ちゃんをあやしながら、時間をつぶしていた。彬はまだ歩かないが、雅と静ちゃんは最近歩くようになって、それを見て綾乃のお父さんは顔が緩む。


本当に彬はマイペースだ。二人が歩こうが何しようが、ひとりでお気に入りの電車のおもちゃを握り締めて遊んでいる。多分雅は綾乃に似て、彬は僕なのかな・・・。僕は小さい頃からひとつのものに執着して、じっと遊んでいたらしいからね・・・。


 わいわいがやがや言いながら、楽しい時間を過ごした。源家は随分家族が増えたよね・・・。三人兄妹に配偶者がいて、お兄さんのところと僕のところにあわせて三人の子供が出来た。一気に6人増えたんだもんね・・・。あと数年したら和気さん所にも何人か子供が出来るだろうし・・・。ホントに鼠算方式だね・・・。


「さ、そろそろ帰るよ・・・。」


「博雅、明日も休みだろ?」


「んん・・・。家族で二泊三日の旅行に行くんだ。今度いつ行けるかわからないだろ。」


お兄さんは美月さんのご両親と一緒に温泉旅行に行くらしい。新婚旅行以外は仕事上旅行に行けていないのは事実・・・。ああそういえばうちは新婚旅行さえ行っていないな・・・。綾乃が大学卒業したら行くつもりだったのに、雅と彬が生まれたから行っていないな・・・。和気さんところはどうするんだろう・・・。今のところ入籍したことは公にしていないからね・・・。そういえばワシントンのホストファミリーに結婚の連絡さえしていないな。ま、もう少し子供たちが大きくなったら行こうかな・・・。


 数日後、お兄さんは美月さんと一緒に我が家に訪れて、楽しそうに旅行の話をしてくれた。美月さんも、何とか覚悟を決めたようで、和やかな雰囲気で楽しそうに話しているのを見て、安堵したんだ。本当にこの僕の力のなさのせいで、離れ離れになる家族が多いのは確かだ。


派遣期間は三ヵ月。特に一陣であるお兄さんは何もないところからのスタートなので、きっと仕事は大変だと思う。次の派遣部隊のための準備といっても過言ではないと思う。実際に難民救済に入るのは準備が整ってからだろうね・・・。


お兄さんは明日から駐屯地に入って最終準備に入る。もちろん機材の準備だけではない。何があるかわからないので、ワクチン注射など、体も万全な準備が必要だと聞いた。派遣まであと10日・・・。義理の兄弟である僕でさえ不安でたまらないのに、綾乃や、お父さん、彩ちゃん、そして美月さんはきっともっと不安なんだろうな・・・。


 派遣の数日前、朝霞駐屯地で壮行会が行われた。派遣隊員の家族が招待され、いろいろな式典が行われる。もちろんお兄さんの父であり、陸上自衛隊トップ陸上幕僚長も出席して、訓示を述べ、派遣部隊の部隊長に部隊旗を手渡す。その後、派遣隊員と家族の記念撮影・・・。そして家族と当分の別れ・・・。


お兄さんは美月さんと静ちゃんの側に行き、静ちゃんを抱き上げ、美月さんと共に抱きしめる。静ちゃんはお兄さんの頬を触ったり、PKO部隊の帽子を触ったりする。


「パ・・・パ・・・・?」


「静!今パパって言ったか?美月、確かに言ったよな。静が俺のことをパパって・・・。」


「はい。」


いままであまり言葉らしい言葉を話さなかった静ちゃんははじめてお兄さんをパパといったらしい。


お兄さんは大変喜んでさらに静ちゃんを抱きしめた。


お父さんがやってきてお兄さんの肩を叩き言った。


「博雅、お前には部下が100人いる。必ず全員何事もなくここに連れて帰って来い。いいな。後方支援部隊長として的確な判断をしなさい。間違った判断は災難を招く。いいな。」


「はい!全員何事もなく連れて帰ってまいります。」


お兄さんは静ちゃんを美月さんに預け、お父さんに向け、敬礼をする。


もちろん実の父ではあるが、陸自の最高幹部。お兄さんの目にはうっすら涙が浮かんでいた。僕はずっと綾乃と見ていたんだけど、綾乃もお兄さんが大好きだから、この光景を見て、僕の胸の中で泣き出す。

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「綾乃、弐條君。美月と静のことよろしくお願いします。弐條君はこの件に関して元総理と共にいろいろ動いてくれたらしいけれど・・・。弐條君のお父さんにもよろしく言ってくれ。きっと8月には無事に帰ってくるから・・・。頼んだよ。弐條君。」


「はい、おにいさん。」


「お兄ちゃん、ちゃんと怪我ひとつしないで帰ってきてよ!」


「わかってるよ。綾乃。きっと部下みんな何事もなく帰れるようにがんばるよ。」


本当に何事もなく帰ってくるといいんだけど・・・。


派遣先はまだ内乱の耐えない国。


いくら比較的安全な地域とはいえ、無事に帰る事が出来るかの保証はない。


お兄さんはこの駐屯地で出国までの数日間、最終調整をし、駐屯地に残る自衛官に見送られて元気よく旅立って行った。













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