4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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ドリーム・クエスト (29)陸上幕僚長の退官式

「弐條!早く出ないと間にあわんぞ!」


もう3月の末だ。


随分春を感じる日々。僕は同僚代議士で、義理の兄弟である和気さんに声をかけられ、休憩時間を使って国会議事堂を出ることになっている。休憩時間以降は欠席する。


早退早退!

ま、こんなことは初めてなんだけど・・・。先輩議員に挨拶をして僕たちは議事堂南にある衆議院門に横付けされた和気さんの私設秘書、二階堂さんの運転する車に乗り込んで、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へ・・・。


そう今日は綾乃のお父さんの退官式。今日定年退官するんだ。お父さんは陸上自衛隊トップの幕僚長。やはり盛大な退官式だろう。僕と和気さんは家族として出席する。もちろん綾乃と綾乃のお兄さん夫婦、彩ちゃんも来る。朝霞駐屯地にいるお兄さんはこの日のために休みを取ったらしい。


市ヶ谷駐屯地の正門に着くと、前にはうちのプリウス・・・。ああ、綾乃たちだ・・・。前もってもらっていた許可書を見せて、車中荷物検査。ああじれったい・・・。さ、和気さんの車の番だ。国会議員の特権で検査無しで入れないだろうか・・・。和気さんは珍しくイライラしているようだ。


「早くしろ!」

「まあまあ和気さん慌てずに・・・。」


ホント僕はのんびりだなあ・・・。


何とか終わった車内検査。門番の自衛官に指定された駐車場へ向かう。駐車場では綾乃と彩ちゃんが待っている。


「和気さ~~~ん!」


彩ちゃんが手を振り、和気さんのところに走ってくる。ひと月前、正式に結婚したといっても、すれ違いの日々らしい・・・。ホント久しぶりに彩ちゃんに会うんだって。彩ちゃんは満面の笑みで和気さんを見て和気さんの腕に手をかける。本当に嬉しそうな顔だね・・・。綾乃も僕のほうに歩いてきて微笑んだんだ。


お兄さん夫婦も合流。すると、一人の自衛官がこちらに走ってくる。するとお兄さんがその自衛官に声をかける。


あ、例の清原さんだね・・・。久しぶりだ・・・。


「清原先輩、お久しぶりです。」

「おう!源。弐條さんに・・・和気さんですね。お待ちしておりました。さ、こちらへ・・・。」


昔いろいろあったんだよね・・・。この男と綾乃。いろいろ疑惑を持ったこともあった。


親友の響貴の妹と一時期付き合っていたらしいんだけど結局破局。


今34歳の独身。


いまだに綾乃のことを想っているんだろうか・・・。


綾乃は下を向いて僕の後ろを歩く。


「清原先輩、まだ結婚しないんですか?」

「もうしないよ。このまま一人でいるのが気楽でいい。」


そういうと綾乃のほうを見ているんだよね・・・。


やはり未だに・・・。


もちろん綾乃は僕と結婚して子供を産んでさらに女に磨きがかかった24歳。若き代議士夫人としてよくやってくれている。付き合いも大変なのに嫌とも言わないで僕のためにがんばっているんだもん。


綾乃は清原さんと何かあるのかな・・・。


目をあわそうとしないんだよね・・・。


時折溜め息なんかついたりしているし・・・。


僕たちは、清原さんに講堂(体育館かな)の退官式会場に案内され、家族用の椅子に座る。続々と退官式に出席する自衛官が入ってくる。やはり結婚発表してもいまだ人気がある彩ちゃんこと北野彩夏がいるからだろうか、若い一般自衛官たちが騒がしくする。


(おい!あれって北野彩夏だよな・・・。どうしてここにいるんだ?)

(もしかして幕僚長のお嬢さんか?お嬢さんは2人いるしな。)


幹部自衛官である清原さんが騒いでいる自衛官を怒鳴っている。


「静かにしろ!今日は幕僚長の退官式だぞ!わかっているのか!」


清原さんの一言で辺りは静まる。部隊は違っても位が上の幹部の言葉は絶対だからね・・・この世界は・・・。


源陸上幕僚長退官式
退官式が始まる。いろんな人の挨拶から始まり、そして陸自ナンバー1のお父さんの挨拶。そして次期幕僚長に任命された人の挨拶があって、そして家族による花束贈呈。一人一人紹介され、渡していくんだ。


『東部方面朝霞駐屯地所属後方支援部隊長、源博雅陸二佐殿そしてご夫人美月様』


綾乃のお兄さんはお父さんに花束を渡すと、お父さんに向かって敬礼をする。お父さんも敬礼をし、お兄さんの肩を叩く。


『内閣総理大臣広報担当補佐官衆議院議員、弐條雅和殿そしてご夫人、綾乃様。同補佐官衆議院議員、和気泰明殿そしてご夫人、彩子様・・・。』


僕たち4人一斉にお父さんに花束を渡し、一人一人と握手をするんだ。お父さんは珍しく泣いているんだよね・・・。


そして盛大な拍手。ホント大きな拍手・・・。お父さんはみんなに慕われた幕僚長だったしね・・・。厳しい人だったけれど、人情があって・・・・。僕もお父さんのことを尊敬しているんだよ。ま、以前の事故で助けていただいたって事もあるけれど・・・。


無事に退官式が終わると、たくさんの自衛官に囲まれて、見送られる。ここには陸自のほかに、海自、空自も入っているから、各幕僚長や上層幹部クラスの自衛官が見送りに来ているんだよね・・・。さらに防衛大臣まで?


お父さんは各幕僚長や防衛大臣と握手を交わしてお互いを称えあっている。ホント和やかの雰囲気でお父さんは市ヶ谷駐屯地を去った。きっとお父さんの人柄なんだろうね・・・。


「なあ弐條君。今晩の食事会なんだけど、清原君も呼んでいいだろうか・・・。」

「え?」


僕は今日のお父さんの定年退官のお祝いの席を用意したからだろうか、僕が運転する帰りの車の中でお父さんは僕に言ったんだ。清原さんはお父さんが一番可愛がっていた部下だからね・・・。以前は家族ぐるみの付き合いをしていたし・・・。しょうがないか・・・ちょっと嫌だけど・・・。


「ええ、構いませんよ・・・会場に連絡をしておきます・・・。」

「そうかありがとう。私も清原君に連絡を入れるよ。」


お父さんは早速清原さんに電話をしていたんだ。もちろん清原さんは来ることになって、僕と綾乃が結納を交わしたホテル内の料亭にすぐに追加の連絡を入れた。


なぜか綾乃は複雑な顔をして下を向いている。


なんなんだろうこの胸騒ぎは・・・。


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