4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第18章 尚侍の出仕
 出仕当日の朝を迎えた。姫はつわりのためか、あまり元気はないが、何とか十二単に着替えて右大臣家からの迎えの車が来るのを待った。
「姫様、帯はゆるめに着付けさせていただきましたので。あまり無理はなさらぬように。」
「ありがとう、萩。」
すると皇后が入ってきて、挨拶する。
「まあ、やはりお綺麗ですわね。東宮が一目惚れさえたのもうなずけますわ。やはり気分がすぐれないのね・・・。私もそうでしたわ・・・。あと二月ほどしたらずいぶん楽になりますわ。今日はまず帝にお目通りして、東宮御所にお入りになられます。いいですか、帝の前では大変でしょうが、出来るだけ笑顔で・・・。たぶん東宮も同席されていると思いますので。」
「はい、がんばります。」
「そうそう。帝は大変あなたに会われるのを楽しみになさっておられるのですよ。東宮がとても愛しみになられている姫ですもの。きっと入内されても東宮の寵愛を一身に受けられるのでしょう。私もそうでしたわ・・・。いろいろな高貴な姫君が、入内されましたが、いまだに私だけを側においてくださるのですもの。」
「あの・・・やはりいろいろな姫様が入内されるのでしょうか・・・。」
「そうね多分・・・。今のところ内大臣家の四の姫様、大納言家の一の姫様、中務卿宮家の姫様。このお三方は必ず名乗り出てこられるでしょう。でもね、関白様には適齢の姫がいらっしゃらないのだから、あなたが筆頭のご身分なのです。それも第一子をご懐妊なのですから、堂々となさっていいのですよ。特に皇子なら申し分ありません。ご安心なさって。私がついておりますもの。私はあなたの味方よ。当然東宮もあなたを大切になさるでしょ。」
姫は扇を顔に当てて、考え事をするうちに、迎えの車がやってきた。姫と静宮が車に乗り込むと、皇后の車を先頭に内裏に向けて出発した。やはり車は揺れるのか、姫は気分悪そうに、母宮に寄りかかって、我慢をする。やはり右大臣家の姫が出仕ということで、相当な量の行列である。内裏に着くと、まず清涼殿の帝の御前に挨拶に行く。帝の横には東宮と皇后が御簾の中に座って待っている。母宮が、まず帝に挨拶をする。
「帝、お久しゅうございます。もう何年振りでしょうか・・・。」
「そうだね、私がまだ東宮の頃か・・・。叔母上、いや静宮はお元気でしたか?」
「ええ何とか・・・降嫁した後いろいろございましたが・・・・。」
「さてそちらがあなたの姫で?」
「はい。このたびありがたいことに尚侍の官位をいただきました、綾子と申します。さあ、姫。」
すると姫は、扇で顔を隠しながら、何とか笑顔で挨拶をする。帝はたいそうお気に召して、お喜びになられる。
「静宮、あなたに似てとてもお美しい姫君ですね。これならほかの姫とも引けをとらない。なんというか・・・。」
するとこそっと帝が言い直す。
「右大臣に似ておられず、よかったですね。」
静宮は顔を赤らめて、
「まあ、何ということを・・・。うちの殿にも良いところぐらいはありますわ。」
「そうですね・・・。でもすばらしい姫で安心しました。さて、綾子姫、今日よりあなたは尚侍として東宮の身の回りのことをしていただきます。といっても事務的なことですが・・・。東宮はとても性格の良い子ですので、きっとあなたをかわいがってくれますよ。宮中では何かと気苦労が多いでしょうが、がんばってお勤めしなさい。いいですね。」
姫は会釈をすると、東宮が話しかける。
「体調が思わしくないと聞きましたが、いかがですか?今日はお疲れでしょうから、御所の一室でお休みになってください。何かありましたらお呼びいたしますので。」
「はい・・・。ありがとうございます。感謝いたします。御前失礼いたします。」
そういうと、姫は母宮と共に、東宮御所に入られた。賜った部屋は御所内でも日当たりが良く、とても空気の流れの良い一室で、一女官が賜るような部屋ではなかった。用意された調度も、女房も皆きちんとされていて、東宮の性格が現れていた。間もなくして一人の女房が姫の前に現れた。
「はじめまして。私は尚侍様の身の回りの世話をいたします近江と申します。」
近江といえば、東宮の乳母の子として、ずっとお仕えしてきた女房である。
「まあ、あの宇治の姫君様と対面できるなんて光栄ですわ・・・・。東宮様よりお聞きした時よりずっとあこがれていたのです。思ったとおりのお方ですわ。遅れましたが、私は東宮様の乳母子で、東宮様が幼少の頃よりお仕えしてまいりました。」
すると母宮がいう。
「まあかわいらしい女房だこと。東宮様の乳母子なら大丈夫ですわ。ねえ姫。頼みますよ近江。東宮様よりいろいろお聞きになっているかもしれませんが・・・・。」
「はい内々的に伺っておりますし、尚侍様近くの者達はみんな口の堅いものばかりを東宮様が厳選の上厳選されてお決めになった者ばかりです。もちろん御所のものすべて内部のことは口外無用と仰せつかっておりますので、尚侍様のことは決して外部には漏れません!」
「そうそれなら安心しました。ねえ姫。そうそう、姫、せっかく東宮様がゆっくりなさいと仰せなのだから、早く横になって・・・。」
尚侍は唐衣を脱ぎ、小袿になると、横になった。よろしければどうぞと、近江は蜜柑などを差し上げた。すると、東宮が御所に戻ってきたらしく、外が騒がしい。
「まあ、東宮様。今尚侍さまはお休みに・・・。」
「近江、わかっているよ。ちょっと顔がみたくなったから・・・。」
東宮は寝所に寝ている尚侍を見ると、静宮に話しかけた。
「この部屋、気に入っていただきましたか?本来ならここは東宮妃用の部屋なのですが、ここが一番景色も日当たりも良いので、無理を言ってこちらにご用意しました。調度も良いものを、使い勝手の良いものを、女房も教育のいきわたったものをご用意させていただきました。」
「ほんとに身分から言って申し分けないくらいの物を賜りまして大変感謝しておりますわ。きっと姫も元気に健やかにお過ごしになるでしょう。東宮様も連日のことでお疲れのようですから、ごゆっくりと・・・。いつでも姫に会えるようになったのですから・・・。」
「そうですね・・・。早く姫の元気いっぱいの笑顔を見たい・・・。それだけが私の願いです。」
そういうと東宮は会釈をして、自分の部屋へ帰っていった。本当に東宮の用意した女房達は教育がいきわたっており、噂話や影口など一言も言わない女房達で、安心して過ごす事が出来そうである。萩も何とか東宮の用意した女房と溶け込むことが出来たようで、近江とも仲良く出来たようだ。
「近江さん。本当に東宮様は性格がとてもよい方ですのね・・・。尚侍様も安心してお仕え出来ますわ。」
「ほんと。東宮様は私達のような女房にもよく気を使っていただくし、真面目できっちりとした方なので、私達も安心してお仕え出来るのですよ。萩さんも宇治の姫君様のようなお美しくて東宮の寵愛を一身に受けられている姫君にお仕えされているなんで・・・うらやましいわ。」
二人はとても気が合ったようで、仲良くしている姿を見て、東宮は微笑まれる。
(近江と萩が敵対したらどうしようと思ったけれど、これなら安心だな・・・。これで近江から姫の詳しい体調やらを聞けるし・・・。)
 次の日から一応形式上の書き物などを少しずつ尚侍はこなし、毎晩のように東宮は尚侍の寝所に来て姫と歓談するのが日課となった。尚侍もだんだんつわりも治まり、元気になっていった。
《作者からの一言》

やっと始まった新婚生活(?)でもまだ正式じゃないのが残念です^^;まだ愛人の域です^^;毎晩のように尚侍の寝所に来るということで事情を知らない人たちには大変寵愛を受けているように見えるのでしょう。計画通りってことですか?

幸せになって欲しいものです^^;
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