4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第20章 東宮のお出掛け
 季節は梅雨の時期である。帝の名代で、兄院のお見舞いに東宮は出かけた。久しぶりに宮中からの外出。本当は女御も連れて行きたかったが、だいぶんお腹も目立ってきて、二月後に出産のため萩や摂津とともに、里帰りすることになっている。その時一緒に数日右大臣家に東宮がお世話になる予定をしているので、やめておこうと思ったのである。また以前の争いがあったことでもあるし・・・。
 朝早く、女御に見送られて、嵯峨野の院が静養している内大臣北の方の別荘に向かった。別荘に着くと、数人の女房がお迎えにあがった。そして、院の部屋に通されると、院の妃(元女御)がお迎えになる。東宮は、妃のお腹を見て驚く。
「まあ東宮様、驚かれました?もうすぐ生まれますのよ。年明けまで気づかなかったのです。ずっと院の看病ばかりしておりましたでしょ。院も私の懐妊を知って、なんだか元気になられたようで、おややの顔を見るまで死ねんといわれて・・・。」
「そうですか・・・それは喜ばしいことですね。うちの女御も秋ごろ生まれます。おややがいると周りが明るくなりますからね、きっと兄上も元気になられることでしょう。」
 東宮は、妃と話し終わると、院のいる寝所に向かう。すると、院は脇息にもたれながらも、座って東宮を待っていた。
「兄上、横になってください。」
「最近調子がいいのだよ。痛みもひどくないしね。久しぶりだね。例の姫が懐妊されたとか・・・。うちの妻の懐妊には驚いたよ。」
院は少し以前と比べて顔色はいいが、あまり良くない顔つきである。東宮は、帝から預かった文を渡し、いろいろ宮中のこととか、院の妃のこととか、女御のことなどを話される。
「常康、私は何とかして御子を抱いてから死にたい。でも私が死んだら御子はどうなってしまうのだろう。妻の実家にお世話になってもいいのだが・・・。常康、後のことは頼みたい。妻と生まれてくる御子が幸せに暮らせるように・・・。」
「兄上何を弱気なことを・・・。さあ、横になられて・・・。」
「そうだな・・・ちょっと疲れたから寝るよ。」
そういうと、院は眠ってしまった。東宮は寝所から出ると、妃に話しかける。
「顔色は良いが、やはりあまり調子はよろしくないようですね。とてもお腹のおややのことを気にかけておられました。私も弟として、姉上とお子のことを見守っていこうと思います。ですから、安心しておややを生んでください。もし不足のものがありましたら、何なりと言ってください。一応このことは帝に報告しておきます。決して帝のことですから、悪いようにはしないと思います。」
「東宮・・・。感謝いたしますわ。東宮様も女御様をお大事に・・・。」
「ありがとうございます。またお見舞いに伺います。これからもう一軒お見舞いに行かないといけないところがありますので。」
「どちらへ?」
「育ての母上のところへ・・・。先日内大臣殿より母上が風邪を召されたらしくて・・・。ついでに・・・。」
「そうですか・・・お気をつけて・・・。」
東宮は会釈をすると、内大臣家に向かった。内大臣家に着くと、やたらうれしそうに内大臣が迎えに来る。ちょっと不気味に思ったが、育ての母が気になり案内されるまま寝殿に招かれる。
「内大臣殿、母いえ叔母上の風邪の方はいかがですか。」
「風邪?ああ風邪ね、だいぶん良くなったみたいだ。」
「それなら良かった・・・。叔母上にお会いしてすぐにここを出ますので、気を使わないでください。」
「いえいえ、東宮、せっかく来ていただいたのですから、ゆっくりとしていってください。今呼んできます。」
(なんかおかしいぞ・・・・。ここで待てない!叔母上の対の屋までいこう!)
そう思うと立ち上がり、女房達の制止を振り切って北の対の屋に行こうと寝殿出た時、ばったりある姫に出会ってしまった。右大臣はあわてて言い訳をしようとし、姫はきょとんとして、扇で顔を隠しながら東宮の姿を見る。東宮は怒って、内大臣に言う。
「先程から何だかおかしいと思いました!もしかして四の姫と私を引き合わすために叔母上が臥せっておられるといったのですか?もう帰ります!叔母上には改めて文にてご機嫌伺いをいたしますから!」
「東宮!」
「女御が入内したばかりで、もうすぐお子が生まれるのです!今のところ他に入内させるつもりはありません!内大臣殿、あなたはわかって頂けないようですね。後見人のあなたが・・・・。このままでは関白殿に後見人をやって頂くしかないかもしれませんね。では失礼します。」
今まで見たことのないような剣幕で怒る東宮を見て、内大臣も四の姫も驚いた。
 急いで帝へ見舞いの報告も行かずに、東宮御所に戻ってきた東宮は、珍しくいらいらした状態で、部屋に篭った。尋常でない東宮を見て、女御は東宮の部屋へ行く。
「常康様どうかなさいましたの?お見舞いから帰られてから変ですわ。」
すると東宮は悔しそうに脇息をこぶしでたたいて、女御に言う。
「内大臣に企てられた。」
女御は不思議そうにもう一度問いかける。
「何をですの?」
「叔母上が寝込んでおられるというので、院のお見舞いの帰りに内大臣邸に寄ったのだけど、なんか様子が変で、異様に嬉しそうにするものだから、変だと思って寝殿を抜け出そうとして出たらすぐに四の姫とばったり会った。はじめから仕組まれていたんだ。姫との引き合わせが・・・。このことが噂になればきっと入内になるところだった。すぐに帰ってきたから何もないと思うけど・・・。きっぱりと入内はないと断ってきたし・・・。」
「まあ!ところで、帝には院のことをご報告されましたの?」
「あ!忘れていた!早く報告しないと・・・きっと首を長くしてお待ちになっておられる・・・ありがとう姫。もういいよ、姫は部屋でゆっくり休んでなさい。心配することないよ姫。誰も入内させるつもりはないから。姫はかわいいややを産むことだけ考えていたらいいよ。」
そういうと急いで、清涼殿に向かった。姫はさっき東宮が言っていた事が気になってしょうがなかった。
(きっとこれから何人もの姫が入内されるのは当たり前のことなのですもの・・・)
そういうと、姫はさらに大きくなったお腹をさすりながら、自分の部屋に戻った。部屋に戻ると、萩と近江が心配そうに待っていた。
「女御様、あの温厚な東宮様がひどい剣幕で戻ってこられていかがなされたのでしょう。」
「ほんとですわ・・・あのような東宮様は今まで見たことがありませんわ・・・。この近江でも。」
女御は微笑んで、萩と近江に心配ないことを伝えた。女御は脇息にもたれかかると、一息ついて、最近はじめたおややの産着を縫う。摂津に指導されながらひと針ひと針縫っていく。
東宮の尋常ではない態度を気にしながら、縫っていかれるのです。
 東宮は、御前に参上すると、院の病状や元女御の懐妊について報告すると、帝は東宮に任せるといい退席されようとするが、東宮は後見人について帝にお聞きになる。
「そうだね、後見人は関白殿に変えたほうがいいかもしれないね。関白殿は適齢の姫がいないから・・・。考えておきます。あと東宮、他の姫を入内させることも考えなさい。女御一人だと、いろいろ問題があるからな。いいね。」
すると東宮は少し顔をしかめながらも会釈をして退席した。複雑な気持ちで、御所に帰って行った。



《作者からの一言》

やはり内大臣も出世のために自分の姫を入内しようと努力します。もともと兄妹として育ったのですから、恋など芽生えるわけありません。またこの四の姫は出てくるのですが、子供っぽいところが内大臣の悩みのたねなのです。

さて女御が縫い物をしています・・・。本来なら女御の身分であれば縫い物などする必要はありませんが、女御の裁縫は趣味なので、女官達も渋々付き合っているのかもしれません。もちろん大好きな東宮のために日常着の一部は女御が縫っていたりします^^;ホントに健気(?)な姫かもしれませんね^^;
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