4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第21章 女御の里帰りと、元女御の出産
 夏真っ盛りの良い日、女御は出産のために予定より早めの里帰りをした。東宮も、女御が心配で数日右大臣家にお世話になる。そして院の妃の出産予定日が近づいているので、そちらの方も気になって宮中を出てきたという理由もある。いつ生まれてもいいように、前もって、皇后の古参女房の橘を院のいる嵯峨野に行かせており、春宮坊の役人として働いている晃を院の元につかせている。そして皇后から出産準備の品が贈られた。内大臣は実家の邸で産むように勧めたが、どうしても院の側で生みたいと言い張ったようで、内大臣家からも北の方の母君と数人女房が行っている。ついでにお見舞いに行こうとしたが、この母君が大の苦手であり、ついつい行きそびれてしまっている。
 数日が経った朝方、嵯峨野から早馬で晃が右大臣邸にやってきた。
「開門!私は春宮坊の橘晃と申す!至急東宮にお伝えしたい件がある。」
そういうと、馬を下り、開いた門から東宮のいる対の屋に向かって走る。この騒ぎに東宮は目を覚まし、上着を羽織って待つ。すると庭に晃が走ってやってくる。
「東宮に申し上げます。」
「晃か、どうかしたか。」
「は、ただいま、院のお妃様に内親王ご誕生でございます。母子共に無事だと播磨が申しておりました!」
「わかった、あちらが落ち着かれたら見舞いに行くと伝えてくれ。ご苦労!」
「御前失礼いたします。」
そういうと、晃は院の元に戻っていった。東宮は内心内親王でほっとした。もし親王であれば、何かと周りが騒がしくなるからである。とりあえず日が昇ってから、見舞いに行くことにした。女御は見舞いに行く準備をしている東宮の元に、包みを持ってくる。
「常康様、これを院のお妃様に・・・。内親王だって聞いたので、縫っておいた産着と衣なの・・・。気に入っていただけるかわかりませんが、私からのお祝いとして渡してください。」
「ありがとう、渡しておくよ。姫ももうすぐだからゆっくりしてね。元気な御子を産んでください。」
女御は顔を赤くして、東宮の袖をつかんだ。東宮は微笑んで、姫を抱きしめた。
「出来るだけ早く帰ってくるから、安心してください。では行ってきます。」
女御は顔を真っ赤ににしながら手を振って見送った。
 女御は実家に帰ってきても、いろいろ生まれてくる御子のために、縫い物をしている。そして元気よくお腹をける御子に幸せを感じながら、懐かしい庭を見つめる。
(そういやこの部屋でいろいろあったのよね・・・。少将だった頃の常康様と再会したのもここ・・・。お父様に反対されて・・・・。あとこの子が授かったのもここなんだもの・・・・。)
いろいろ思いにふけながら、東宮の帰りを待っている。
その頃嵯峨野では、東宮はまず院の部屋を訪れ、お祝いの言葉を伝える。院はとてもうれしそうに、東宮と話をする。すると女房がやってきて、北の方の母君がやってくるという。
するとこそっと院が東宮に言う。
「聞いたよ。前お見舞いに来てくれた日に内大臣家でいろいろあったらしいね。妻の母君は
例の四の姫の母君だから嫌味を言われたよ・・・。今日もいろいろ嫌味言われるかもしれないね・・・。」
「元々元服前からいろいろ言われていたので苦手な人だよ。内大臣殿の正妻の子は僕だけだとなっていたしね・・・。叔母上もいろいろ言われて困っていたらしいし・・・。来た来た。」
二人は話をやめると同時に、母君が入ってきた。
「まあまあ・・・わざわざ東宮様が来られるなんて・・・。丁度女御様の里帰りと一緒に右大臣家の滞在とか・・・。とても寵愛されていますのね、まあ!うらやましい!」
(また嫌味が始まった・・・・。姉上はとてもいい方なのに・・・。)
「先程は内親王のために女御様よりとても心のこもった物をいただきまして。ありがとうございました。とても器用な方ですのね。縫殿寮にでも作らせたのではと思いましたわ。」
東宮はむっとしてやんわり言い返す。
「うちの摂津に教わりながら、産着や衣に至るまですべてひと針ひと針縫っております。皇后も今時珍しい出来た姫だと申しておりました。お裁縫さえ出来ない姫の親の顔を見てみたいとも。私も裁縫ぐらい出来ない姫は妻に迎えられませんよ。」
母君はムッとした様子で、退室していった。院は笑いをこらえられない様子で、退出していったのを確認すると、急に笑い出した。
「結構東宮の言葉にはとげが合ったよ。ついつい笑ってしまった。」
「女御のことの嫌味を言われて、黙っていられず・・・。」
「私もすっきりしたよ。母君が来られてから、毎日のように小言を言われる。病気でなければ言い返すことも出来るのだけれど。この体じゃあね。」
久しぶりに院の笑う顔を見た東宮は、このまま院は元気になるような気がした。
「まあ!お久しぶりでございます。東宮様!」
東宮が振り向くと、橘が立っている。橘は皇后の女官としてお務めしているが、実は東宮の乳母である。そして晃と近江の母でもある。皇后が東宮妃から皇后になられた時に宮中に女官として上がっていて、今回出産のためにこちらに行かせていた。
「本当に久しぶりだね。母上の女房として後宮に上がっていたのは知っていたが・・・。晃も母上に会えたと喜んでいたしね。姉上の様子はどうですか?」
「少し難産でしたが、今はもう落ち着かれて、母子共に元気ですのよ。内親王様も院の生まれた頃によく似ておられて、かわいらしいのです。先程女御様から頂いた、産着、とても重宝しております。私からもよろしくとお伝えください。そうそう、こちらは内親王の乳母の紀伊と申しまして、私の姪で、紀伊守の正室なのです。」
紀伊は会釈をすると、生まれたばかりの内親王を東宮にお見せする。東宮は怖々内親王を抱くと、院は東宮に言った。
「東宮、この内親王に名前を付けてくれないかな・・・。」
「兄上・・・兄上がつけるべきです。」
東宮は、院に内親王を渡すと、院は名前を考え出す。
「結子はどうかな・・・。この子のおかげで妻との仲もさらに深まったわけだし・・・。」
みなはうなずき、この姫の名は結子内親王と決まった。院は紀伊に内親王を預けると、微笑んでいう。
「次は東宮が父親になる番だね。親王かな・・・内親王かな・・・楽しみだな。」
「まあ東宮様、そのときはこの橘も摂津と一緒に出産に立ち会いますわ!女御様はとてもお綺麗な方だと聞いておりますから、きっとかわいいお子がお生まれになりますわ!」
「まだ二月もあとだよ・・・。摂津も近江もついていてくれると言うし、心配はいらないよ。」
「でも・・・。」
「本当に橘は心配性なのだから・・・・。」
東宮は微笑んで、帰り支度をし始める。
「東宮、もう帰るのかい?ゆっくりしていけばいいのに・・・。そうか女御がお待ちか・・・ご馳走様・・・。」
東宮は真っ赤になりながら会釈をすると、逃げるように院の部屋を退出して行った。


《作者からの一言》

なぜ東宮は生まれたのが内親王と聞いてなぜほっとしたのか?それはそうでしょう^^;きっと親王だった場合、内大臣が東宮を退けさせ、きっと無理やり生まれた親王を東宮にするのでしょう^^;この内親王は今後いろいろ波あり谷ありの人生なのです^^;
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