4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第24章 女御の出産
 女御が産み月に入り、徐々にお腹がはって痛いという知らせを聞いて、東宮は心配になり当分の間右大臣家にお世話になることにした。女御の側にいて、腰をさすってやったり、気が紛れる様に話をしてみたりする。周りの者達もいつでも産気づかれてもいいように準備をしている。やはり姫の出産は近く、だんだんお腹の痛みもひどくなってきているようなので、摂津や橘は東宮を別室にお連れして、その時を待つようにした。
 何もすることはないが、心配でたまらない東宮は庭に出て晃と共に散歩をしてみる。安産祈願の読経が聞こえている。夜が更けて夜空を見上げると大きな満月が昇ってきているようだ。
「晃、今日は満月なのだね・・・。久しぶりにゆっくり見たよ。なんて時間が過ぎるのが遅い・・・。」
「東宮、少し冷えてきたようなのでもうお入りになられたほうが・・・。」
そういうと、右大臣家の女房に何か頼みごとをして、東宮を釣り殿にお連れし、池に移った満月を一緒に眺める。女御がいる対の屋とは少し離れているので、安産祈願の読経はあまり聞こえてこない。程よくして右大臣家の女房が、東宮のために酒と肴を持ってくる。晃は杯を東宮に渡して、お酒を注いだ。
「ありがとう晃。本当にお前は気が利く。このような時は飲まないと落ち着いていられないね。そうだ、晃にはいい人がいないの?僕よりも五つも年上なのに・・・。」
「はあ・・・今のところは・・・東宮の身の回りのことで精一杯でした・・・。」
と晃は少し照れながら東宮に申し上げる。
「そうだ、女御のとこの萩なんてどうかな?萩はとても気が利くし、気立てもいい。」
「東宮!ご冗談はおやめください!」
というと晃は真っ赤になって下を向く。そんな反応を見て東宮は笑った。
 朝方になって、東宮は脇息にもたれ掛かってうつらうつらとしている。ずっと晃は寝ずに東宮の側に仕えていた。夜が明けだした頃、邸中が慌しくなった。そして近江が釣殿に走ってくるのがわかったのか、晃は東宮を起こした。
「東宮、何かあったようでございます!」
「ん?」
東宮が眼を覚ました丁度その頃、近江があわてて走りこんできた。
「東宮様申し上げます。」
急ぎすぎたのか、近江は息切れしてすぐに言葉が出てこないようでやきもきした晃は近江をせかした。
「晃、近江を落ち着かせなさい。それからでも遅くないんじゃないかな・・・・。」
「申し訳ありません。さあ近江もういいだろう申せ。」
すると近江は一息深呼吸して、東宮に申し上げる。
「おめでとうございます。元気な皇子さまご誕生にございます。女御様もお元気です。」
「そうかありがとう!晃今すぐ内裏の帝にご報告を。きっとお喜びになられる。そして帝から皇子に名前を賜るように、いいか。右大臣家に馬を借りて早く知らせに。」
晃は急いで馬を借り、東三条邸から内裏に向かって駆け出した。内裏に着くと門衛に東宮の代理できたと伝え、特別に清涼殿の庭先にとおされた。
「主上のお出ましである。さあ東宮からの言葉をお伝えしろ。」
と帝の侍従が言うと晃は帝に申し上げる。
「は、私は春宮坊侍従の橘晃と申します。ただいま東宮よりお伝えしたいことがあり参りました。先ごろ、東三条邸にて親王様ご誕生。母子共にお健やかにお過ごしとのこと。また、親王様の御名を主上から賜りたいとのこと。以上でございます。」
「橘殿、ご苦労であった。改めて祝いの品を送ると東宮に伝えよ。下がってよい。」
「は!御前失礼いたします。」
そういうと晃は急いで東三条邸に戻り、東宮に帝の言葉をそのまま伝える。晃が帰ってきた頃にはすっかり太陽が昇り、朝日がまぶしかった。
「さあて、そろそろ行ってくるか・・・。落ち着いた頃だろうし・・・。」
東宮は近江を呼ぶと、立ち上がって女御の部屋に向かった。
 女御は疲れて眠っている。親王は乳母に預けられ、健やかに眠っている。女房達も、疲れきっているのか、東宮が部屋に来ているのさえ気がつかなかった。近江は他の女房達を起こそうとしたが、東宮は止める。
「近江、みんな疲れているのだし、そっとしておあげ。先に右大臣へ挨拶をしてくるから。」
そういうと右大臣の部屋へ行く。東宮は上座にとおされると、急いで右大臣が入ってくる。
東宮は少し笑いをこらえながら扇で顔を隠す。
「東宮、この度は親王様のご誕生おめでとうございます。」
「ありがとうございます。右大臣殿こそ・・・・。これから皇子の養育をこちらでお任せすることになりますので、よろしくお願いします。」
「いえ、きっと立派な跡継ぎになられるよう養育させていただきます。度々一緒に参内もしようと思います。もう対面はお済ですか?」
「いえ、実はまだなのです。部屋に行ったら皆は疲れた様子でしたので、まずこちらへと・・・。」
右大臣はあわてた様子で、女房を呼び、女御の部屋に行かせる。そのあわてようを見て、東宮は微笑む。
「右大臣殿、ゆっくりさせてあげては?私は構いませんから・・・・。」
「そうそう朝餉は?まだですよね・・・。おい!東宮に朝餉を!」
少し遅い朝餉をとりながら、いろいろ考え出す。女御にどのような声をかけようか、どんな顔をしたらいいのかなど・・・・。朝餉を済ますと、何気ない話を右大臣とするうちに、昼ごろになってしまった。
 東宮は近江を呼び、女御の様子を聞くと立ち上がって部屋に向かった。丁度若宮も起きているようでかわいらしい泣き声が聞こえる。そっと部屋をのぞきこむと、女御も座って乳母にあやされている若宮の方を見ていた。皆が東宮に気がつくと、お祝いの言葉を述べながら、頭を深々と下げる。東宮はまず女御の元に行き、女御の手をとり、話しかける。
「おめでとう。お疲れ様。何といったらいいかわかりませんが・・・。」
と照れながらいうのを見て女御は微笑んで言う。
「相変わらず照れ屋なのですね。今日から若宮のお父様なのですよ。丁度起きているようなので・・・。飛鳥、若宮を東宮にお見せして。」
すると飛鳥という乳母が、東宮に若宮を渡し下がる。生まれたばかりのいうのに、すっきりとした顔の若宮は、色白で鼻が高く、とてもかわいらしい顔をしていた。
「東宮様と女御様のよいところばかりにておられて・・・。」
と摂津と橘がうれしそうにここが似ているそこが似ていると言い合う。東宮は微笑んで、女御に若宮を渡す。すると、晃がやってきて東宮に申し上げる。
「東宮、帝より使いの命婦が来ておりますが・・・。」
「わかった。こちらにお通ししろ。摂津、橘、お迎えの用意を・・・。」
摂津と橘は他の女房に指示をして、命婦を迎える用意をする。右大臣もあわてて部屋にやってきて、さらに指示をする。
 命婦がやってきて上座に東宮が案内すると、一同が命婦に対して会釈をする。
「本日は東宮様の皇子様がお生まれとのことで、帝よりお祝いの品をお預かりしてまいりました。」
そういうと、他の使いの女官達が女御のいる御簾の前に、様々のお祝いの品を並べた。そして、最後に東宮に文を渡す。
「命婦殿、ご苦労であった。父上に改めて御礼に伺うと、伝えてください。ありがとうございました。」
「東宮様、皇后様もお喜びです。女御様、姉君様の桐壺の女御様も大変お喜びでございます。」
桐壺の女御様とは、綾姫の腹違いで10歳以上年上の姉君、右大臣家の一の姫である。帝に入内されたものの、子宝に恵まれずにいた。
 命婦が帰ると、東宮は帝からの文を開くと、女御にも見せた。
「父上に若宮の名前を賜った。雅孝、何といい名前だろう。」
「いい名前を賜りました。雅孝親王ですわね。」
そういうと若宮の頬を触って和まれる。右大臣も女房達も帝から賜った名前をたいそう喜んだ。
 東宮は御七夜のお祝いまで一緒に過ごし、御所に帰っていった。女御は年明けまで若宮と共にご実家でお過ごしになる。



《作者からの一言》

摂関家のお姫様の里帰り出産。本当ならもっと盛大なのでしょうが・・・。東宮が滞在していることさえ変です^^;やはりフィクションですのでご勘弁を・・・。

和姫はきっと女御が皇子を産んだ事を聞いてショックだっただろうな・・・。
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