4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第26章 兄宮の崩御
 真っ暗な道のりを政人や晃の持つ松明の明かりで懸命に馬を走らせながら、嵯峨野に向かっていく。太秦のあたりで、早馬とすれ違う。晃はその早馬を止める。
「待て、そなたは嵯峨野の院の縁のものか?私は春宮坊のものだが。」
「はい!内裏への早馬です。」
すると東宮はその者に聞く。
「私は東宮常康である。何かあったのか?申せ!」
すると早馬に乗った者は馬を下り、申し上げる。
「東宮様であられましたか。申し上げます、先程嵯峨野の院は崩御されました。」
「わかった。ご苦労。早く帝に伝えよ。急げ!」
早馬を見送ると、東宮も馬を走らせる。間に合わなかった悔しさと悲しさで東宮は涙を浮かべ、走り続ける。到着し、院の部屋にいくと、周りの者は泣き崩れている。特にひどく泣いているのは院のお妃様で、側には内親王がちょこんと座っている。
「姉上・・・。間に合わなかった・・・・。」
「東宮様・・・。来て下さったのですね・・・。きっと院もお喜びですわ。」
東宮は院の側に座り込み、大粒の涙で泣き出す。
「胸騒ぎがして表にでると危篤との報告があり、急いで馬で・・・。太秦あたりで早馬に会い、崩御を聞きました。もう少し早く気がついて出てくれば・・・・。」
「東宮様、自分をお責めにならないで。院は眠るように崩御されたのです。この内親王を抱きながら・・・・。幸せそうなお顔でしょ。」
本当に眠るような顔で崩御されているのを見て、東宮は少し安心した。東宮は小さな内親王を抱き上げひざに置くと、内親王に言う。
「結姫、よく父上の顔を覚えておくのですよ。姫の父上にあなたの行く末を託されたのです。」
内親王はわかっているはずもなく、東宮の顔を触って笑い出す。その無邪気な光景を見て、周りの者はこの小さな内親王の行く末を案じてさらに泣き出した。すると急いで、内大臣がやってきた。東宮と内大臣は別室に移り、今後のことについて話し出す。
「東宮、今日は大事な日でしたのに・・・。」
「いいんだ。丁度抜け出したい気分だったから・・・。それはいいとして、姉上と内親王の今後のことについて、内大臣殿はどうお思いでしょう。」
内大臣は少し考えていう。
「前々から考えていたことなのですが、とりあえず春姫と内親王は内大臣家が責任を持って引き取ります。そしてこの私と二の姫の婿である参議と供に内親王の後見人としてお育てします。先のことはわかりませんが・・・。」
「なるほど・・・。ところで姉上の行く末は?」
「春姫は出家すると言っております。院を弔うのだと・・・。」
「前々から姉上はそういっておられた・・・。私としては内親王は臣籍に下って二の姫の養女とされてはどうかと思う。そのほうが、姉上もお寂しいであろうが、安心して出家できよう。このままでは片親のみの内親王では斎宮としてしか生きられまい。そうなってしまったら姉上はかわいそうだし、兄上もそうは望んでおられないであろう。」
「はいそのようにしていただけると、きっと内親王もお幸せになられると思います。」
「帝にそのように伝えておくことにします。」
この件のほかに、葬儀の事やら、様々なことを夜通し話し合った。朝になると、内裏から葬儀の準備に様々な者達がやってきた。東宮は馬に乗って、晃や政人と供に東宮御所に戻った。
東宮は着替えると、帝の御前に行き、内親王の行く末や、葬儀のことについて話した。
葬儀については専門のものに任せ、内親王については東宮と内大臣に任せると帝から命を受ける。再び御所に戻ると、橘に喪中のことを御所内に通達させ、東宮は喪中に入る。
「東宮、結姫様はどうなるのですか?」
「橘も心配か?姫は皇籍を離れて内大臣家の二の姫の養女として育てられることとなった。育ての父が参議殿なら、将来も安泰だろう。このままでは今空いている伊勢の斎宮に任ぜられるのも目に見えている。」
「そうですわね・・・・。それが一番幸せかもしれませんね。ちょうど参議様にはお子様がおられませんし・・・。」
「葬儀が終わると姉上は出家される・・・。悲しいことだが、兄上も思ったより長生きされた。やはり内親王がいたおかげかな・・・・。」
そういうと、脇息にもたれ掛かって、ウトウトされる。橘は東宮に上着を掛け、そっと側に座った。
 無事に葬儀が終わり、様々な儀礼が終わるともう年を越していた。喪中であるから宮中は最低限の新年の儀礼しかしなかった。いつもと違ってひっそりとした新年を迎え、落ち着くと同時に院の妃は出家し、大原の内大臣家縁の尼寺に入られた。そして内親王は皇籍を離れ、参議の養女として乳母とともに内大臣邸に入った。これでよかったのかと、東宮は思いに更ける。



《作者からの一言》

ついに双子の兄宮が亡くなりました。かわいそうなのは残された姫宮。とりあえず参議の養女として引き取られるのはいいのですが・・・。

東宮がこんなに簡単に御所を抜けられるはずはないのですが、帝に兄院に関して、行動の自由を許されていると思ってください。一応帝の代理を任されています。それで自由に御所を抜け出せます^^;
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