4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第30章 帥の宮の帰郷と過去の罪
 春の除目によって大宰府に赴任されていた帝の弟宮である帥の宮が大宰府より戻ってきた。あることが理由で十五年の長きにわたり、大宰府に赴任されていた。東宮兄宮の亡き院が病気になられた際も、この宮が東宮として内々で候補に上がられたのだが、あることが理由によって、候補からはずされ今の東宮に内定をした経緯がある。東宮は五歳の時に一度会った事がある。しかし覚えているわけがない。

 御年三十五歳。帝と五歳年下、同腹で姿かたちは帝や東宮に似ておられるが、やはり大宰府に長年赴任されていたためか、なんとなく鄙びた感じのある宮である。帥の宮の北の方は現関白の妹姫である。皇后とは同腹ではないが、皇后より三歳年下の姫である。お子様に恵まれていない。

 帥の宮は戻られてすぐに、帝の御前に挨拶に伺った。帝の御前には東宮を始め関白も同席された。もともとこの除目は皇太后であられる帝と帥の宮の母宮の願いで決められてことであり、ちょうど弾正尹宮が昨年末亡くなってしまった事も重なったので、ちょうどよいとして帰郷を勧めた。

「この度は大宰府より都にお呼びいただきありがとうございます。兄いえ帝もご機嫌も麗しく、安堵しております。」
「うむ、良く無事で帰ってこられた。この度は母上の願いで決まったこと。ちょうど弾正台の督が空いたのでそれをあてただけ。決してあのことについては許したわけではない。わかっておるな。」
「はい心得ております。」
「しかしそなたの性格はよく知っている。信頼は出来ん。まあいい、がんばって精進しなさい。さて、もうご存知のように一昨年、私の二の宮が立太子した。覚えておられるか、常康を。いろいろあって現内大臣の子として育ったが、今は東宮として生活している。まだ親王としての生活が浅いので、何かあればよろしく頼んだよ。」

帥の宮は頭を下げ退出しようとすると、関白は帥の宮に伺った。

「私の妹由子姫は元気でおりますか?」

帥の宮は振り返って関白に言った。

「あれは昨年流行病で亡くなりました。子宝にも恵まれず、かわいそうなことをいたしました。では。」

関白は残念そうな顔をして、帥の宮の後姿を見つめた。

「そうか由子姫はお亡くなりになられたか、きっとあの帥の宮の件でいろいろあったからであろうな・・・。かわいそうなことを・・・。」

と帝は関白に言う。東宮はあのことが何かが知らないので、話の筋がわからなかった。

「父上、帥の宮のこととは何なのでしょうか?」

帝は扇を鳴らして、周りのものを遠ざけると、東宮に御簾の中に入るように促し、小さな声でお話になる。


 十五年前、東宮が五歳の頃、ちょうど東宮御所が火災に遭い、当時東宮妃の実家が仮住まいとなっていた。もちろんここは亡き関白の邸宅であり、東宮妃のご家族も一緒にお住まいなので、警備やらなにやらごたごたしていたのは言うまでもない。一時、常康は仮の東宮御所にいたが、慌しさにしょうがなく大将邸(現内大臣)に戻っていた。当時お妃は一人であったので、もともと東宮妃のいた部屋に東宮はお住まいになった。そして隣の対の屋は東宮妃の妹姫の由子姫の部屋で姫のお相手である宮内卿宮(帥の宮)はそちらに通っておられた。もちろん東宮妃は妹姫とも仲良くされていたので、何度も偶然宮内卿宮は当代一の姫君言われる東宮妃の姿を見ることがあった。そして一方的な恋心を抱いた。ある日、東宮が急な参内で帰りが夜遅くなった時に事件が起きた。丁度東宮が部屋に近づいたころ、東宮妃の悲鳴が聞こえた。あわてて東宮が部屋に入ると、宮内卿は寝所に寝ているはずの東宮妃を押し倒していた。驚いた東宮は、宮内卿を引き離し投げ飛ばした。

「弟宮とはいえ、このような行為は許されるべきではない!このことは父上に報告する。いいな!」

宮内卿は悪びれた素振りを見せず、部屋を出て行った。東宮妃は東宮の胸に飛び込んで、泣きながらたいそう震えた。

「何事もなかったか?怪我は?」

東宮妃は擦り傷と、押さえたれた時のできた両手首のあざがあったがそれ以外は何もない様子であった。それ以来、東宮妃は東宮から離れようとせず、東宮もそれ以来東宮妃をお放しにならないようになった。もともと宮内卿は浮いた噂がたくさんあり、既婚女性との浮名も多々あることから、父宮である帝がたいそう立腹して大宰府に赴任させた経緯がある。もちろんこのような場所には御所が置けないということで、特別に後宮に部屋を賜って御所が完成するまでそちらでお過ごしになった。


 そのような十五年前の事実を知って、東宮は驚いた。そして帝は続けて言われる。

「決して東宮御所に近づけるのではありません。性格というものはすぐに直るものではなく、東宮のもとには当代きっての麗しさの東宮女御たちがいる。目に留まってしまえば、同じことが起こりえるかもしれない。私の後宮にも気をつけないといけない。本当に皇太后は経緯をよくご存知ではないから、息子可愛さに帰郷をせがまれたのだ。」

というとため息をつれて退出なされる。東宮は、関白と共に後宮にいる皇后のもとに伺う。するとそこには東宮女御たちがお邪魔していた。

「まあ東宮、いいところにいらっしゃったわ。ちょうどお二人と珍しい絵巻物を見ていたのよ。」

東宮は部屋に入ると、東宮女御たちの間に座り。関白は少し離れたところに座る。

「まあお兄様、気になさらずにこちらへ・・・。」
「いえ、お邪魔のようですから手短に報告を・・・。」

そういうと、皇后の近くによって小さな言葉で話した。

「例の帥の宮、本日帰郷になられました。そして由子のことなのですが・・・。」
「由子姫がどうしたの?」
「昨年亡くなったようです。きっと心労もかさなってのことでしょう。残念ですが・・・あの時大宰府行きを止めておけばよかったものを・・・。」
「そうですわね・・・帝は何と?」
「お気をつけくださいとのこと、では私はこれで・・・。」
「お兄様、ありがとうございます。」

関白はそういうと皇后の部屋を退出されていった。東宮は関白の声を気にしながら、東宮妃たちのお相手をした。本当に妃のお二人は楽しそうに皇后の絵巻物を見てお話をした。皇后はお二人が仲良くされているのをうれしく思ったようで、微笑まれる。

「本当にかわいらしい姫君たちだこと。このような姫君たちでさぞかし東宮も毎日が楽しいでしょう。」
「母上、またそのような・・・。」

と東宮は照れながら申し上げる。

「それよりも帥の宮のことは知っていますね。お気をつけて・・・。このように麗しい姫君たちですもの・・・。まあ摂津も橘も播磨もお二人たちについていることですし・・・。」

東宮は苦笑しながら会釈をすると、お二人と一緒に絵巻物を眺めた。



《作者からの一言》

問題がある帥の宮の登場です^^;もちろんこのような行動には理由があるのですが、相当帝は帥の宮を毛嫌いしています。何だか一騒動の予感です^^;

この頃になると帥の宮は別に大宰府にいく必要はなく、都にいてもいいのです。この宮に関しては先帝に相当お叱りを受けたので無理やり飛ばされたのです。
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