4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第35章 再会
 右大臣の四の姫の入内内定と日程が決まり、無事離縁した右大臣の北の方は実家である関白邸に戻った。ちょうど皇太后も関白の一人息子である中納言に降嫁した内親王に会いに来ていた。

「幸子、今年の豊明節会は盛大に行われるらしいわ。帝にとって初めての大新嘗祭の後だし、特に帝のお二人の妃様が安定期に入られ、お久しぶりに出席されるというから、あなたもいらっしゃいと帝も仰せよ。祐子もいらっしゃいね。」
「お姉さま・・・。いいのかしら私そのような身分のものが宮中に上がっては・・・。」
「何を言うの。あなたは関白である兄上の妹姫よ。以前は右大臣の北の方だったけれど、皇太后である私の妹。帝も是非と仰せです。決して右大臣と顔を合わさないようにするとも・・・。一緒に行きましょう。もう明後日ですのよ。衣装などは私がすべて用意いたしましたので安心して。楽しみね。」

祐子姫は少し遠慮がちで返事をする。

 当日、祐子姫は皇太后と一緒に参内し、豊明殿の一室に通される。皇太后は席をはずし、祐子姫は一人その部屋にいると、後ろで人の気配がする。祐子姫が振り向くと、扉のところにある男が立っていた。祐子姫はあわてて扇で顔を隠すと、几帳の陰に隠れた。

「申し訳ありません、部屋を間違いました・・・。橘晃殿、こちらではないようだが・・・。」
「いえ弾正尹宮様、帝がこちらにご案内せよとのご命令です。」

(弾正尹宮さま・・・。弾正尹宮様といえば先の帥の宮・・・。)

祐子姫は驚いて扇を落とす。

「しかし、帝がこの私に会わせたい人がいると・・・。」

すると弾正尹宮の後ろで声がする。

「叔父上、とにかくお入りください。」
「帝・・・。」

帝と弾正尹宮はその部屋に入ると、祐子姫のいる几帳の前に案内する。

「叔父上、先日会っていただきたい人がいると申しましたが、こちらにいらっしゃる方です。叔母上、例の人物をお連れいたしました。私は邪魔なのでこれで・・・他のものが五節の舞を楽しんでいる間、ここは誰も来ないよういたしておりますので、ゆっくりお話ください。さあ晃行こうか・・・。」

帝は橘晃とともに五節の舞の開かれる会場に向かった。残された二人は少しの間沈黙していたが、祐子姫が言い出した。

「弾正尹宮いえ、常盤様?もう二十年以上前のことですので私などお忘れでしょう。もう私はあの時よりも歳を取って恥ずかしくて常盤様に合わす顔などありません。」
「祐子姫、何をおっしゃいますか、私もあの時より同じように歳を取りました。しかし几帳の奥から感じる麗しさは当時と変わっておりません。」
そういうと、弾正尹宮は几帳をどかすと祐子姫を抱きしめる。
「やはり思ったとおりのお人だ。ずっと元服し出仕し始めた頃より想っていた祐子姫に間違いはない。当時と変わりませんよ・・・祐子姫。」
「いえ、常盤様との結婚をお父様に反対され、無理やり当時の近衛大将様と結婚していろいろあった私が当時のままなど・・・ありえません。」
「そのようなことはありませんよ。あのままの純真な姫そのものです。右大臣殿と離縁されたそうですが、よろしければ二十年越しの求婚を受けていただけますか?」
「このような私でよろしければ、お受けいたします。」

その言葉をきいて弾正尹宮は祐子姫を再び強く抱きしめた。二人は今までの長い期間を取り戻すかのようにゆっくりと二人きりで話などをして過ごした。

「祐子姫、このまま私の邸へ来ていただいてよろしいですか?何もない殺風景な邸ですが、あなたのような麗しい華がいらっしゃるだけで邸は華やいでくるでしょう。」
「常盤様、もう浮名を流されるようなことはないのですか?」
「こうして祐子姫が私の側にいていただけるのなら、そのようなことをする必要などありません。安心して私の邸にいらっしゃってください。」
「しかしお世話になっているお兄様にもこのことを・・・。」

すると五節の舞いが終わり帝より宴を賜ったようで、表がざわついている。二人は離れて座った。ちょうど橘晃がやってきて、間もなく帝と関白がお越しだと言う。それを聞いて、祐子姫は几帳の後ろに座りなおし、帝と関白が来るのを待った。

「弾正尹宮さま、帝のお越しでございます。」
二人は深々と頭を下げると、帝と関白が入ってきた。そして上座に座ると、話し出した。

「叔父上、叔母上、懐かしい話などゆっくりされましたか?」
すると、弾正尹宮は関白に言った。
「関白殿、妹姫であるこの祐子姫をこの私にいただけないでしょうか。今日にでも・・・。」
「そうだね、一応出戻りの妹だが、祐子がいいのであれば好きにすればいい。祐子姫、あなたはいいのですね、この方で・・・。」
「はいお兄様。また反対されることがあっても私はこの常盤様ではないと嫌です。」
「わかった。弾正尹宮殿、この妹のことよろしくお願いしますよ。一生幸せにしてやってください。決して離縁や浮気など許しません。わかりましたね。祐子姫、この私からのお祝いとして、お道具一式新調させていただくよ。出戻りとはいえ、今日からあなた方は新婚生活に入られることだし、すぐには用意できないが。」

お二人は関白に感謝の気持ちを述べて、一緒に弾正尹宮の邸に戻って行った。

「伯父上、あれでよかったのでしょうか?」
「よかったのでしょう。あのように幸せそうな祐子姫の笑顔、初めて見ました。祐子姫には本当に遠回りのことをさせてしまった。もう弾正尹宮も浮名を流すことはないでしょう。それよりも、帝。右大臣の四の姫の入内のことが問題です。」
「そういえばその様な事があったね。忘れていたよ。ひと騒動ありそうだけど、何とかなると思うよ。何とかね・・・。」

そういうと帝は苦笑して清涼殿に戻っていった。もちろん関白の心配事が耐えないことに違いはないのですが・・・。

 もちろんお二人が末永くお幸せに過ごされたことは言うまでもありません。




《作者からの一言》

やっとのことで結ばれた二人・・・。本当に遠回り・・・。幸せになってください。

ところですっかり四の姫の入内を忘れてしまっていた帝。呆れてしまいます。関白の心配事が耐えない理由がわかります^^;
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