4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第2章 元服と初恋
 さらに年月が経ち、お二人は元服によい歳となられた。あのひ弱であった若君は、活発な一の宮と共に過ごしたのが良かったのか、まったく病気をすることもなく、利発でまじめで落ち着きのある若君へと成長した。
 丁度この頃、御世が変わり、東宮は帝、東宮妃は皇后となり、そして一の宮は東宮になった。今まで住んでいた土御門邸を離れ東宮御所へ御移りになられ元服、常康は父である内大臣(前の右近衛大将)邸へ・・・。
内大臣と北の方である母(実の母ではないが)は、若君の成長ぶりに感嘆し、元服の用意を家のものにさせた。
「あんなに長くは生きられんといわれたそなたが、立派に成長された。これはやはり神のおかげか・・・・。母によく似たところがなお良い。きっと良い公達として成長し、この家を継いでくれることであろうな。今まで関白殿(前の右大臣)の御邸でお育ちになり、こちらの生活になれるかどうか心配だが、きっとそなたの器量のよさで何とかなるだろう。元服までまだ時間があるからゆっくり過ごしなさい。」
「はい父上。」
「そうですわ、若君。宇治の別邸に行ってらっしゃい。元服までここはいろいろ忙しくなると思うので、空気の良い宇治でお過ごしなさい。」
「それはいい。ゆっくり遊んでおいで、かえって来る頃には内大臣家の嫡男にふさわしい元服の式を整えておくから。」
 常康は数人の従者を連れて宇治の別邸にやってきた。そして乳兄弟の橘晃と共に散策に出かけた。
「いいところだ、晃。ここに幼馴染の東宮をお連れしたらさぞかしお喜びになられるだろうね」
「そうですね若君。」
「でももうあちらはそのようなことが出来るご身分じゃないからね。」
「お寂しいのですか?」
「まあね。生まれてからずっと一緒にいたのだから・・・東宮御所に移られたときは一晩泣いて暮らしたよ。お前は知らないかもしれないけど、よく入れ替わって女房たちを驚かせたものだよ。そういえば里帰りされていた伯母様にも会ったしね。ほんとに伯母様は母上にそっくりでびっくりしたよ。」
「若君なんて恐れ多い・・・・。今は皇后様におなりです。」
「うんわかっているよ。でも伯母様はいつも僕を自分の子供のようにかわいがってくださるのだよ。そして時々涙ぐまれる時がある。よくここまでお育ちになられましたねって・・・・。」
「そうですね、まぁ若君は甥子様ですからそういわれたのでしょう。」
その時、後ろの草むらから何かが飛びだした!そして常康の水干の袖に噛み付いたのだ。
「きゃあ!!!申し訳ありません!!!!」
と、どこかの女房風情の女が走ってきた。すると晃がその女に
「無礼者!この若君は・・・」
「晃!いいよ。見てみなよホンの子犬じゃないか・・・・。ちょっと袖を破られただけだし、怪我してないからいいよ・・・」
「しかし!若君!ひとつ間違えれば元服前のお体に!」
常康はそっと子犬を抱き上ると子犬は申し訳なさそうに常康の頬をなめた。
「ホラ、いい子じゃないか・・・。これ返すよ」
と、常康が女に渡そうとすると横から手が伸びた。
「これは綾の子犬なのよ!!!」
「ひ、姫様!」
そこには常康よりも一つか二つ年下のような女の子がたっていた。
「姫様あれほど御邸から出られてはいけないと・・・・。」
「いいの!ここにはうるさいお父様もいらっしゃらないの。いつも手習いやら歌やら・・・・。」
「しかし・・・この若君様の袖が・・・」
綾姫という姫は、常康の水干の袖を見て叫んだ。
「まあ!なんてこと!萩!今すぐお屋敷にお連れして!着替えを用意するのよ!確かお兄様の狩衣があったでしょ。」
「は、はい!」
姫は常康の手を強く引っ張ると、近くにある品のよい御邸に連れて行かれた。
「ここで待っていて!萩!藤!はやくできない?」
初めて姫に手を握られた常康の顔は真っ赤になった。
「若君熱でも???」
「いやなんでもない(なんだろこの感覚は)」
見た感じはそんなにかわいい姫とは感じない、というより姫があんなに薄汚れていていいのだろうか・・・。姫付の女房の用意した狩衣に着替えると女房が、
「ここの主が本日のことをお詫びしたいと申しておりましてこちらに・・・。」
「いいのですよ。怪我してないし、ちょっと破れただけだから・・・。」
「いえ!ああそこまでいらっしゃっています。」
御簾の中に人の気配を感じると、女性の声が聞こえた。
「本日はうちの姫の犬がひどい事を・・・なんとお詫びしたらよいか・・・」
「いえ、怪我はしていないので・・・・。」
「でもそれでは私の気が晴れませんので・・・ぁ、姫!御簾からでては!!!」
御簾から出てきた姫は先ほどの姫と違い、何もかもきれいに整えられ、おてんばそうなところを除けば、かわいらしい姫であった。
「いいの!私まだ裳着が済んでないのだから!あなたどこの若君かしら。身なりからして・・・」
「これ!姫。」
「いいのですよ。私は内大臣家の嫡男藤原常康と申します。」
「まぁ!そのような方が・・・・。私たちは訳あって身は明かせないのですが、私が少し病になりこの地で静養しておりますの・・・。本当でしたらこの姫は都の中で姫らしくお育ちになるのがいいのでしょうけれど、このような田舎での生活が長いものですので、おてんばな姫に・・・・。」
「まぁお母様!お父様のがみがみのおかげで体を壊されたのに・・・・。」
「綾姫、まもなく裳着なのですから、そろそろお父様のいる都に戻って、姫らしく・・・」
「嫌よ!帰ってもお姉さまのことばかり。いつも父様ったら、ねえ様がいいところに嫁いだからって私にまでうるさくいうもん。」
「姫!お客様の前ではしたない・・・・。」
常康は呆然と話を聞いていたが、ふと我に返り、
「あのそろそろ・・・うちの者が心配をするので・・・。」
「せっかくのお客様・・・それではしょうがありませんね・・・また遊びにいらしてね。」
「はい!!」
そういうと常康はその御邸を離れ、別邸に戻った。
「若君、あの姫はきっと成長されると、お綺麗になられるでしょうね。しかしあの性格は・・・」
「ん?」
「ですから・・・若君!!」
「ごめん話聞いていなかった。何?」
「もういいです!そう!都の大臣からお手紙が来まして、元服の日取りが決まったと・・・若君!」
とても上の空の常康は晃の話など耳に入らなかった。
(これが世に言う初恋というものなのかな。またあの姫に会えるといいな。)
 その二日後、慌てて晃が入ってくる。
「例の姫君!急に都に戻られたようです!」
「え!どうして?」
「そこまではわからなかったのですが・・・・」
(どこの姫だったのだろう・・・・・無理にでも聞いておくべきだった!)
今まであまり表情を顔に出さなかった常康の表情に晃は驚きを覚えた。
さてこの初恋は、成就するのでしょうか?
《作者の解説》

いつも育てられていた関白家では従兄弟の一の宮との漢学や馬術、弓矢、遊び三昧で女の子との交流は女童ぐらいのもの・・・。関白家に年相応の姫君がいなかったのでホント男同士の遊びしかなかったのでしょう^^;本当の初恋かはさておき、真面目~な若君には相当姫君に手を握られたことが印象に残ったのかも?どうして一流の姫君が宇治という都から離れた別荘地にいるのかは後々わかります。こんな出会い方がこの時代適性はどうかは無視してください。あくまでもフィクションなのですから^^;

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