4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第43章 期限付きの新たな出発
 後宮に戻ってきて数日、皇后は里下がりの準備がある程度終わる。萩は皇后を気遣って何かとよくしてくれる。皇后は里下がりの間萩だけを連れて行くことにした。後の者は皇后が帰るまで、麗景殿にまわるもの、清涼殿にまわるもの、そして里に帰るものに別れた。明後日に里下がりをすることになっているので、昼間は様々な人たちが弘徽殿に出入りをする。一方夜になると、里に帰った者たちがいるので静まり返った。皆が寝静まると皇后は部屋を抜け出し思い出の桜の木にもたれかかると、頭中将との思い出を思い出しながら、星空を眺めた。

「次ここに戻ってくる頃は咲いているのかしら・・・。戻れたらの話だけど・・・次はきっと・・・。」

すると後ろで声がする。

「次は私とではなく帝とですか?」

皇后は桜の木の後ろを見ると頭中将が立っていた。

「朧月夜の君・・・忘れようとしても忘れられませんでした・・・。帝のものとわかっていながら・・・。初めて恋煩いというものにかかってしまいました・・・。」
「桜の君・・・私・・・あなたの子供を身籠りました・・・。だから・・・病気と偽り里下がりを・・・。」
「私の?」

皇后はうなずくと頭中将は皇后を抱きしめる。

「なんと言う事をしてしまったのだろう・・・。あなたを苦しめることになってしまった・・・。」
「私、どこかでこの子を産んで、そのまま姿を消そうと思っているのです。」
「それはいけない!帝のためにも東宮様のためにも後宮にお戻りください。あと・・・よろしければ私の宇治にある別邸をお使いください。そしてお腹のお子は私が引き取ります。」
「一度実家に戻り、宇治にいるお母様の別邸にお世話になるつもりでしたが・・・。」
「それならそちらにお迎えにあがります。別邸には帝のおじいさまであられる院の妹宮である私の祖母がおります。とてもよいお方ですので、ご安心を・・・。」

そういうと頭中将は立ち去っていった。

 里下がりの前の日、昼間からいろいろな人たちが挨拶に訪れた。もちろん中宮も訪れる。

「綾子様、寂しくなりますわ。出来るだけ早めのお帰りくださいね。」
「和子様・・・帝のこと、頼みましたよ。私の代わりに・・・。」
「はい・・・綾子様がいらっしゃらないと、この後宮も明かりが消えたように寂しくなりますわ・・・。」

皇后は微笑んで中宮を見送った。夕方になると、帝がやってくる。当分会えないので今夜は一緒に過ごすことになっていた。皇后にとっては針の筵のような晩だった。何も言えず、帝と時間を過ごした。朝が来ても帝は皇后を離さず、里下がり寸前まで一緒にいた。警護の左近中将が迎えに来ると、皇后は帝に頭を下げ車に乗り込んだ。帝は悲しそうな顔をして皇后を見送った。実家に帰ってくると、東宮が走ってきて皇后に飛びついた。

「母上!いつまでここにいるの?」

無邪気にはしゃぐ東宮を見て皇后は微笑むが、この先こちらに戻れないかもしれないという寂しさでいっぱいであった。少し歩き出した姫宮を見るといっそう涙がこみ上げてくる。

「聞いて若宮。母は病気なのです。今からおじい様にご挨拶をしてすぐにこちらを発ちます。」

東宮は涙を浮かべて皇后に抱きついた。

「若宮は姫宮のお兄様でしょ。母がいなくても大丈夫よね。母は早く元気になるように静養にいくの。いいわね。」

若宮はうなずくと皇后と一緒に左大臣の部屋に向かう。左大臣は皇后を迎えるという。

「はじめ里下がりと聞いて、驚いたよ。帝から見放されたと・・・。でもそなたが病気がちと聞いてね・・・。帝もたいそう心配されていたよ。空気のきれいな宇治に行ってゆっくりしておいで。そしてまた帝のご寵愛を一身に受け、皇子を授かっていただかないと・・・。」

「お父様、私はどうしても一人で籠もりたいので、決してこちらには来ないでください。来られても会うつもりはありません。ゆっくり静養したいのです。あと、若宮と、姫宮のこと、よろしくお願いします。」
「わかった、ゆっくり静養すればよい、しかし近況報告ぐらいはしてくれよ。」

皇后は深々と頭を下げる。そして宇治の別邸に旅立ってしまった。

 宇治の別邸につくと、皇后の母君が待っていて、皇后を心配そうに眺め抱きしめる。

「萩からの文を見ました。大変なことになってしまったのですね・・・。いいからこちらにいらっしゃい・・・。お客様がお待ちよ。」

そういうと客間に皇后を通す。そこには狩衣を着た頭中将が座っている。

「綾姫、この方からお話を聞きましたわ。びっくりしてしまって・・・。この方のおばあさまは私の腹違いの姉上なのですもの・・・。以前言ったわよね。私と、帝の父上様は叔母と甥の関係だと・・・。私は亡きお父様が晩年、院の時代に出来た姫ですし。お姉さまは私よりも二十も上の方。親子といってもわからないくらいよ。なんというめぐり合わせなのでしょう。でも、あなたの身を明かしてはいけませんよ。お姉さまは私の姫が皇后になられた事を知っているから・・・。度々お姉さまのお邸には御呼ばれしているのですけれど、お邸では他人ですわよ、ねえ綾姫。名前を変えないといけませんね。何がいいかしら。月姫ってどうかしら?朧月夜の君なのですものね。」

皇后の母君はとても楽しそうにこれからの話をする。

「お母様、結構楽しそうですのね・・・。」
「わかった?なんて物語のような・・・私も若ければ・・・殿と別な方と・・・。」
「お母様!」

すると母君は真剣な顔をして頭中将に言う。

「きちんと責任は取っていただけるのでしょうね。これはあなたのご家族、そして左大臣家に関わることなのですよ。もしこのことが帝の耳に入ったとしたら・・・いくら帝が心の広い方であっても許されませんよ。綾姫を迎えるご用意は整っているのでしょうか?こちらも空蝉のように皇后がいるというように対処します。よろしいわね。」
「もちろん、女房もお道具もそろえました。女房達も本邸から口の堅いものを選んで連れてまいりました。あと問題は私の母上なのですが・・・。子離れできていないというか・・・。何とかなるとは思いますが・・・。」
「あのお方ね。お姉さまからよく聞いておりますわ。あなたの縁談にとやかく言うと聞きました。」
「それなら話は早いですね。期間限定の夫婦とはいえ、母上が出てくるとまずいのですが、おばあさまと仲が良くありませんので、まず宇治の別邸には来られないかと思うのです。しかし私がこちらに通うとなると口出しするかもしれませんね・・・。月姫、おばあさまは本当にいい方だから心配しなくていいですよ。きっと可愛がってくださる。私も実はおばあ様っ子なのですから・・・。」

今まで見たことがない頭中将の姿に、皇后は微笑んだ。



《作者からの一言》

頭中将との期間限定の生活が始まろうとしています。頭中将としてはとてもうれしいことなのでしょうけれど、皇后は本当に複雑なのでしょうね^^;

皇后の母君、静宮はなんと楽天的な性格の方なのでしょうか?自分の娘の苦悩を楽しんでいるようです^^;

頭中将は内裏では真面目で凛々しい顔つきで出仕しているのですが、プライベートではなんとも子供っぽい顔をする人なのです。まぁ言う甘えたさんかな・・・。本当の事を言うと頭中将の年齢は帝よりも上ですよ。三歳くらい上かな・・・・。決めていなかった・・・。
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