4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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一途 (33)爺ちゃんが倒れる
 9月末。和気叔父さんは見事知事になった。

 伊丹駐屯地で非常勤として働いていた俺の父さんは若いころの功績が認められて、防災担当副知事として採用された。もちろん、うちの父さん、若いころ災害救助の部隊長にも任命されたことがあるから、災害が起きたとき、すばやく対処できると思って叔父さんが採用したんだと思う。そして防災についての知識も豊富だしね。これで父さんは晴れて小学生の育ち盛りの息子を養うことができるってわけだ。

 そして雅の伯父さんに当たる人なんだけど、元文部科学省の事務次官をしていた弐條雅孝氏も、教育関連の副知事として採用。あと数人、財務省やら、法務省やら叔父さんが引き抜いてきて脇を固めている。やはり叔父さんはそれだけすごい人だったんだ。

いとこの泰孝は叔母さんが高校まで通っていた学校に編入。そして超難関中学灘中と、叔父さんの母校洛南中学を受験するためにがんばっている。多分泰孝は灘中に楽勝で通るんだろうね。だって、漢検は1級だし、この夏行われた全国小学生学力コンクールでも見事余裕の1位。そして六法全書をほぼ覚えてしまっているというとんでもない秀才だ。でもなりたい職業は俺と同じパイロット。今は小6のくせに俺が冗談でやった防大の航空宇宙工学の教科書を愛読書にしているんだよね。ホント分厚いわけのわからないことばかり書かれているんだけど。(まあ俺はなんとか理解できたけどね)なんという子供か・・・。アメリカなら飛び級して、大学生になっていると思うよ。卒業できるかも・・・。

叔母さんは契約社員扱いで、もといた局の系列局に再就職。夕方のニュースを任されている。ホントマイペースだよねあの家庭は・・・。

 まあそれはいいとして、俺がロスに滞在中に雅から電話が入る。

「伊丹のお爺ちゃまが倒れたの!フライト終わったらすぐに自衛隊阪神病院に来て!」
「え?あの元気はつらつの爺ちゃんが???」

まあ爺ちゃんは88だもんな。今まで病気ひとつしたことがなかった爺ちゃん。父さんに電話したら命には別状はないらしいけど、とりあえず来いと言われたんだ。フライト終わったら加賀へ行く予定だったのに、キャンセルだ。雅もフライトを休んで病院にいるらしいし、美咲は代官山の高橋家に預けられているという。

実は最近遥用に携帯を契約。その携帯で遥に電話をする。

「遥?俺だけど・・・。」
『孝博さん???今どこ?』
「ロス。悪い、明後日行けなくなった。」
『え~~~そんなあ・・・。すごく楽しみにしていたのに・・・。』
「俺の爺ちゃんが倒れて入院中なんだ。雅が今病院に詰めているから行かないとね・・・。誕生日プレゼントは関空から送っておくよ。ホントごめん・・・。」

まあなんとか遥は納得してくれた。今回のフライトはチャーター便で成田から関空へ飛んでロス。そして関空に帰ってくる変な便。関空から成田へのフライトは別の人がしてくれるから、関空でフライト終了になっていた。久しぶりのボーイング777。あさって誕生日の遥にせっかくのプレゼントを買ったのに・・・。大好きだったブルガリの香水を・・・。日本になかなかなくって、欲しいっていってたんだよね。あと指輪も購入。指輪はまた今度渡そう・・・。見つかったら雅にあげたらいいよなあ・・・。サイズ一緒だから・・・。

はぁ、東京と石川の二重生活。
まあ俺が悪いんだけど・・・。
せっかく関空特急指定とって電車で遥のいる山代温泉に行くのもいいかなって思ったんだけどね・・・。
サンダーバードは関空でキャンセルして、関空特急でひとまず大阪に戻って伊丹に行こう・・・。

 関空に到着して、運行乗務員室でフライトレポート作成のあと、関空支店を出る。成田支店だったらロッカーがあるから着替えるんだけど、私服に着替えるのが面倒だから、そのまま制帽のみカバンに入れて遥へのプレゼントを宅配便で送って、JRの駅へ。窓口でサンダーバードを払い戻ししているときに声を掛けられる。振り返ると・・・ゲ!また由佳かよ・・・。

「偶然ね、孝博君。今から実家に帰るの?実家に帰るんなら私も一緒にかえろっと。」
「あのねぇ・・・。俺は指定席とってあるの。関空特急「はるか」のね。お前の席はない。」
「同じ名前ね、孝博君の愛人と。」

何で知っているんだ?こいつ。由佳は駅の窓口に俺の横の席空いているかを聞いて、指定席を取っていた。そして俺にべったりくっついて、特急に乗り込む。
新大阪までこいつと一緒かあ・・・。
はあ・・・。
そして席につくと由佳は俺に冷たいお茶をくれる。
こういうところは気が利いてていいんだけどね・・・。
しつこいのはどうにかしていただきたい。

「今ね、同じクルーの子がいるんだけど、同期でね九條桜さんって言うのよ。知ってるでしょ。桜のこと。5月くらいかな、こっちの支店に配属になったのよね。そしたらね、桜ったら、最近彼氏に振られちゃったっていって、泣いてたのよ。どんな彼知って聞いたらこっそり撮ったって言う写メを見せてくれて、よく見たら孝博君。他社のパイロットって聞いて、名前を確かめたらまさしくって感じ。他にもいろいろいるって聞いたの。その一人が遥って言うCAなんでしょ。何人も愛人作ってるんなら私も加えてよ。不倫でもいいから付き合ってっていったの覚えてる?」
「まあそうだとしてもお前と付き合うつもりはないよ。もう愛人は清算したしね・・・。友達としてなら別に構わないが、べたべたされるのは嫌だ。お前もういい歳なんだからほかにいい奴探せば?まあ顔はいいほうなんだしさ。俺みたいな最低な男つかまえてたって得にもなんないぜ。」
「わかってるわよ。でも私は孝博君じゃなきゃやなの。もちろんパパだっていろいろ私にお見合いとか持ってくるし、お客様にも声だって掛けられているの。もちろんぐらついた時もあったけどさ。孝博君追いかけてるのって私の生きがいというか、趣味というか・・・。」

それ以来由佳は新大阪まで一言もしゃべらなかった。
新大阪で宝塚線に乗り、伊丹駅で降りてタクシーを拾う。そして自衛隊阪神病院へ。病院前の警備官にお見舞いの理由を告げてじいちゃんの部屋番号を聞き、中に入る。

 病室に入ると爺ちゃんは結構あっけらかんとしていた。

「わざわざ仕事の後来てくれたんか?」

ってね・・・。重いスーツケース持って、制服のまま恥ずかしかったんだぞ。ったく。これなら遥に会いに行けばよかったかもね・・・。すると主治医が入ってくる。それはなんとさっきまで一緒に伊丹まで帰ってきた丹波由佳の父。そういえばここに勤務してたよなあ・・・。10年もいるのか???ここに勤めているってことは陸自の衛生部隊に所属しているってことで、陸一佐くらい?おばさん見舞いに来ないほうが懸命だよ・・・。いろいろあったみたいだしね・・・。由佳の父は俺をじっと見て嫌な顔をする。そして爺ちゃんを診察。やはり年なんだよね・・・。倒れたって言っても立ちくらみ程度。父さんの奥さんが慌ててしまって救急車を呼んだらしい・・・。そして爺ちゃんはもと最高幹部自衛官だろ。この病院にはカルテというか健康記録があるらしいから、ここの運ばれたってさ・・・。まあ一応年だから精密検査しましょうってことになってあと2日ここでお世話になるらしい。一応雅は爺ちゃんのために休んでしまったから、父さんの奥さんと交代で付き添うってよ。ホント人騒がせな爺ちゃんだよね・・・。爺ちゃんなら100は生きるよ。婆ちゃんに会いに行くなよな・・・。
爺ちゃんは天国の綾子婆ちゃんのところに行こうとしたら綾子婆ちゃんに叱られたってさ・・・。冗談言うくらいだから大丈夫だよ・・・。さあ俺はこれからどうするかな・・・。

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