4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第45章 綾姫の秘密
 中将は思い出したように姫に言う。

「あ、そうだ。今からおばあ様のところへ行きましょう。昨日の御礼もしないといけない。」

中将は姫の手を取ると、中将の祖母の部屋に向かった。すると客人が来ていた。

「まあ!将直。噂をすればですわ。ちょうどあなたの事を妹宮と話していたところよ。かわいらしい姫を迎えたと・・・。さあ月姫もこちらへ・・・。」

中将と姫は少し焦ったが、素知らぬ顔で対応する姫の母宮を見て安心する。

「まあなんてかわいらしい姫なのでしょう。お子様の誕生が楽しみですわね姉さま。」
「そういえば静宮の姫は、今上帝の皇后で東宮のご生母ですものね・・・。」

母君は少し驚かれた様子だったが、気を取り直して話し続ける。

「いえいえそれほどでも・・・。たいそう帝に気に入っていただいているようで・・・。大変喜ばしいことなのですが・・・。」
「そういえば静宮の姫も小さい頃にこちらに良くこられたことがあったのですよ。覚えていないかしら?将直。あの姫は本当に亡き式部卿宮によく似ておられて・・・。活発で・・・。」
「お姉さまそれは・・・。」
「そ、そうでしたわね・・・。あれは・・・。」 

姫は聞き間違いだと思ったが、ここでは聞けずに黙っていた。

「大叔母宮の姫は一度会ったことがありましたよ確か・・・。あの頃は元服してすぐの頃・・・とても活発な姫君で庭の池に・・・私が助けた覚えが・・・。」

(そんなことあったかしら?ここに来た記憶もないけど・・・。)

と姫は思った。

「よくお姉さまは私の姫をぜひ将直の嫁にと・・・。私も一時考えましたが殿がたいそうご立腹で・・・。」
「そうよ!将直に父親がいないそして身分がどうのこうのと言って反対されたのですから!院の皇妹である私が後ろ盾にと言っておいたのにですよ!今でもムカつきますわ!」
「お姉さまそれくらいになさって・・・月姫様がお困りに・・・。」

すると中将が口を挟んだ。

「今日はおばあ様から昨日結婚のお祝いに、様々なものを頂き、お礼を言いに妻月姫と共に参上したのですが・・・。妻は身重のため、これにて・・・。」
「まあ、そうでしたわね・・・月姫ごゆっくり・・・。」

そういうと中将は姫の手を取って部屋に戻っていった。

「なんと仲睦ましい事・・・。やっと将直も落ち着いて出仕できるでしょう。しかし、あの月姫、どこかで・・・。きっと他人の空似ね。」

姫の母君は話を変えようと必死になった。

「お姉さま、亡き式部卿宮様のことは私の姫には言っておりませんし、世間一般には・・・。」

この静宮という方は降嫁される前に一度式部卿宮と結婚し、新婚一年と経たない内に病気でなくなられ、懐妊されてすぐに静宮は未亡人となり、それを承知の上で現在の左大臣に後妻として降嫁した経緯がある。そのおなかにいた子が皇后である綾姫こと月姫である。もちろん綾姫は亡き式部卿宮によく似た姫君であったがそれを知りつつも自分の三の姫として左大臣は入内させたのだ。もともとこの静宮も御綺麗な方であったが、亡き式部卿宮も当代一といわれる程の整われた姿かたちの方でしたので静宮の父院が是非にと縁談を持ち込み結婚させて懐妊したとたんの不幸・・・。父院も生まれてくる子の為にと現在の左大臣に降嫁させた。もちろん一部の公達しか懐妊されていたことは知らないことで、当時新婚すぐに殿に先立たれたおかわいそうな姫宮として有名であった。こうしたことから、降嫁されてからすぐに正妻でありながらこちらの宇治に住んでいる。

 夜が来て中将と姫は同じ寝所の中で中将に腕枕をされながら昼間の話について話をする。もちろん寝所のある建物内は呼ばない限り誰も入ってこないので、安心して話が出来る。

「姫、裳着前のあなたとの縁談があったことなど初耳でした。そのまま話が進んでいたのならこうして忍んだことはしなくて良かったって事ですか・・・。おばあ様は嘘をつく方ではないから本当の話なのでしょう。」
「私と中将様が以前こちらで会ったなんて・・・それも命の恩人・・・。」
「そういえばその様な事があったなと思っただけで・・・。姫が大事な鞠を池に落とされてそれを取ろうと・・・。あの時は本当に驚いたのですよ。驚いて小袖になって飛び込んで実は私も溺れそうになりました。従者に助けられたので良かったのですが・・・。」

そういうと思い出したように笑っている。

「でも・・・母宮さまの言葉・・・亡き式部卿宮って・・・。どうして私がそのような方に似ているというの?お父様は現左大臣藤原実成のはずよ。母宮さまのお父様は帝の亡き曽祖父の院様ですもの。」
「そうですね・・・初耳です。今度出仕したら調べてみましょう。どこまでわかるかわかりませんが・・・。いずれわかることだと思います。さあ休みましょう。」

そういうと中将は姫の額にくちづけをすると、姫を胸元に引き寄せて眠りについた。姫も中将の胸元に潜り込んで眠りにつく。



《作者からの一言》

なんと綾子は左大臣の実子ではなく、亡き式部卿宮の姫君と判明しました^^;また実は頭中将にも裳着前に会っていたのです^^;そのまま恋に落ちていたら、このようなことにはならなかったのでしょうね^^;
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