4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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一途 (52)転勤後初乗務
 私の夫、弐條孝博は某航空会社の国際線勤務から期間限定で国内線大阪伊丹空港支店へ転勤になり、初めてのフライト。娘の美咲がパパの操縦する飛行機に乗りたいというから、しょうがなく孝博が乗務する伊丹空港発羽田空港行きの始発に乗ることになった。転勤後初のフライトというのに、孝博は私たちの搭乗手続きまでしてくれたの。孝博はパイロットだから、家族は無料で搭乗できる。でも条件があるの。予約が出来ない。空席がないといけないの。




「羽田行きの1500便空席あるかなあ・・・。家族が乗るんだけど・・・。」




そういって孝博はIDを見せ、搭乗手続き。まあなんとか私と美咲の分の席が空いてたから、荷物のチェックを終えたあと、荷物を預けるまで全部してくれた。さすが入社すぐこういうことをしていただけある。手際がいい。




「じゃあ美咲、パパはこれからフライトだから・・・。いい子でいるんだぞ。」




そういって美咲を抱き上げ、頬にキス。美咲も孝博にお返しのキス。そしてバイバイ・・・。孝博は腕時計を見てギリギリなのか急いでフライトバックを持って運行乗務員部へ走っていった。




この1500便は7時20分発。ホントビジネスマンばかり。早く起きた美咲はプレイルームで眼をこすりながら機嫌よく遊んでいたの。7時前かな・・・美咲は眠い目をこすりながら、孝博が操縦するB777-200を見つめてニコニコ顔。パパ、パパ、パパと言って運行前点検をしている孝博を指差しながら見ていたの。仕事モードの孝博。機長と話しながら運行前点検チェックをしている。搭乗準備が整い、搭乗開始となる。席は後ろのほう・・・。小さな子供連れだから最後のほうに機内へ入った。そのころには美咲ったら眠ってしまっていたのよね・・・。重い美咲を抱きかかえて座席へ・・・。飛行機が飛び立つまでは私の膝に乗せないとねぇ・・・。定刻どおりに飛行機は飛び立つ。シートベルトのとサインが消え、私は美咲を座席に座らせ、まだ眠っているからベルトをかける。乗務員が美咲のためのおもちゃと毛布を持ってきてくれたの。ホントいい天気だから気流は安定・・・。




ドリンクサービスのころかなあ・・・。前から太いマニュアルと懐中電灯をかかえた孝博が後ろにやってくる。何??気がついたお客様はざわつく。だって操縦士が客室までやってくるって珍しいじゃない?私と孝博は目が会う。孝博は苦笑してさらに後ろへ・・・。私も気になるじゃない?立ち上がって後ろへ・・・。もちろん私は客室乗務員に止められるわよ・・・。




「お客様・・・。今はちょっと・・・。」




私はIDを見せてなんとか孝博のもとへ・・・。孝博は配線盤を開け、マニュアルと照らし合わせながら懐中電灯を当ててみている。




「孝博・・・。」
「ん?雅か・・・。悪いちょっと懐中電灯を当ててほしいんだけど・・・。」




孝博はごそごそ配線をいじりながらぶつぶつ言っている。




「どうかしたの?」




と私は小声で言う。




「ちょっと飛行中につかないといけないはずのランプがつかないんだ・・・。飛行は安定しているから関係ないと思うんだけどねぇ・・・。」




いじったあと、近くの機内電話を使い、機長と話している。




「キャプテン、点灯しましたか?今のところ異常は見当たらないのですが・・・。はい、はい・・・了解しました。そのように管制塔に・・・。今すぐそちらへ戻ります。」




孝博は配線盤を締め、マニュアルを閉じる。




「どうなるの?」
「万が一のことを考えて、伊丹に引き返すか中部国際空港へ緊急着陸する。今機長が管制塔と話しているから・・・。まあ安心してよ。大丈夫だからさ・・・。」




そういうと孝博は操縦室へ戻って行ったの。B777がこういうことを起こすって珍しいんだけど・・・。(でも最近うちの会社って多いのよねえ・・・。)私は席に着き、座ると機長から客室にアナウンス。




「当機機長の高島でございます。お急ぎのところ申し訳ございません。当機は安定飛行をしておりますが、コクピット内のランプに異常が見受けられました。万が一のことを考え、ただいまより点検のため大阪伊丹空港へ引き返すことにいたしました。到着後、代替便のご用意を手配いたしましたので、ご安心ください。本当にお急ぎのところ申し訳ございませんでした。」




続いて孝博が詳しい説明を・・・。




「当機副操縦士、弐條でございます。先程点検に参りましたが、異常が発見されず、誤作動の可能性がございます。異常ランプは運行上支障はございませんが、万が一のことを考え、点検のため引き返す判断を機長と共にいたしました。お急ぎのところ誠に申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。」




ざわついていた機内が孝博の言葉で静まり返る。

運行上大丈夫なランプだって、時には他に支障をきたすことがあるかもしれないし、他に原因があるかもしれないという最善の決断なんだと思う。もちろんそれは機内のお客様もご理解したらしくって、このあとすぐに引き返し、無事すうっと無駄な揺れなく伊丹空港に着いたの。着いたら着いたでとなりの搭乗口にすでに代替機が用意され、荷物が続々と移しかえられた。お客様をおろしたあとの機体はすぐに点検のために運ばれていった。孝博はあとの報告とか処理があるから、代替便には乗務せず、他の便と交代になったのよね・・・。




私はやっと2時間遅れで羽田についた。まあ早め早めの対応で、できるだけ早く着いたんだろうけど・・・・。ホント孝博ってこういう手のことが多いよねえ・・・。訓練生の時の胴体着陸といい、新婚旅行の時に乗った飛行機のキャプテンの急病、この引き返しといい・・・。そういう運命なの?孝博は・・・・。二度あることは三度あるって事かしら?
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