4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第47章 告白
 「本当にここの家系は男ばかりでねえ・・・私も四人男を産んだでしょ。このようにかわいらしい姫が側にいると私に姫が側に一人でもいてくれたらと思うのですよ。しかし先ほどはなんと機転の利いた・・・。」
「まあおばあさま。社交辞令ですのよ。とても皆様がお困りでしたから。」
「世渡り上手な方だこと・・・。私はあなたのようなかた大好きよ。」

中将は姫を取られたような気がして菓子をつまみながら出された酒を飲んでいた。二人は楽しそうに話していた。

「さあ姫、もうそろそろいいでしょう。おばあ様、おなかの子に良くないので休みます。」
「そうねえ・・・夜寝ない子じゃいけませんものね・・・。じゃあ明日続きの話をしましょうね月姫。」

姫は頭を下げると中将に手を引かれて部屋に戻っていった。部屋に戻ると二人は寝所に潜り込んで話をする。

「本当に気さくな方だ・・・。大変姫を気に入られたらしい・・・。」
「私の伯母様ですものね・・・性格は私のお母様によく似て。中将様、おばあさまに私のことはなしてはどうかしら。その方が万が一帝に何かされてもおばあさまが味方になってくれたら・・・。お母様のような方なら協力的だと思うのですが・・・。」
「そうですね。おばあさまなら・・・。味方が多いほどいい。こちらにお世話になっている以上おばあさまに言っておいた方が後先楽かもしれませんね。」

中将は疲れたようでいつの間にか眠っていた。姫は中将の寝顔を見てしみじみ思う。

(この寝顔を見られるのもあと半年・・・。毎回帝は私の事を心配して御文をくださる。返事を書かなくても・・・。1年間の期間限定夫婦だけど、これが終わったらあるべきところへ戻らないと・・・。)

最近中将は大変おなかの子を大事にしているようで、寝ていても無意識のうちに姫のおなかに手を当てている。そういえば帝も毎日ではなかったが、同じようにおなかの子を愛しんでいた。だからこそ、後宮に戻らないといけないと決心した。

 次の日、二人揃って祖母宮の部屋に向かった。宮は大変喜んで、昨日の話の続きを始めた。そして切りのいいところで中将が話を切り出す。

「おばあさま、ちょっと大事な話があります。他のものを・・・。」

宮は女房達を遠ざけると、中将は話し出した。

「おばあさま、この姫を見て何も思われませんか?気になさらずなんでも言ってください。」
「そうねえ・・・本当にいい?この方初めての懐妊じゃありませんね。それと結構いい家にお育ちね。身のこなしでわかるもの。お歌もお琴も何をさせてみきちんと教育されておりますわ。きっと入内をされるように教育されたのでしょうね。このお顔どこかで・・・・。いえ、そんなはずはありませんわ。あの方は後宮におられるはずですもの・・・。まさか?」
「そうそのまさかです。わけあって・・・私の子を懐妊されて・・・。」

宮は驚いた様子で姫を見つめる。

「お久しぶりでございます。伯母様。妹宮の姫、綾子でございます。」

宮は倒れそうな様子で中将に言う。

「ああああなたって子は・・・帝の・・・・大変ご寵愛されている姫を・・・。ねねねね寝取ったってことなのですか?どういうことかご存知ですの?」
「おばあさま声が大きいです。まあそういうことになりますが・・・・。」
「わかりました。起きてしまった事はしょうがないこと・・・。こちらにおられる事をひた隠しにすればよろしいのでしょ。でもそのお子はどうなさるつもり?」
「後宮には連れて行けませんので、このわたしの子として引き取ります。」
「当たり前です。本当でしたら即死罪ですよ。ああ、あの時婚約させておけばこのような事・・・。静宮も知っていたのですね。もうずるいわ!このような楽しそうな出来事!どこぞの物語のようで・・・。」

宮は一変して楽しそうな顔で馴れ初めやらいろいろな事をお聞きになる。中将は赤い顔をして恥ずかしそうにするのを見て姫は微笑んだ。姫が一番気になるのはやはり亡き式部卿宮のことであった。以前から中将がいろいろと探りを入れていたのですが、宮家に関わるということで、なかなか核心まで探ることが出来なかった。今回姫はこの宮に告白した理由のひとつに亡き式部卿宮という人物と自分の関わりについて知りたいという一面もあった。

 宮は姫の母宮を呼んだようで、少ししてからやってきた。母宮は姉宮の様子に驚いた。

「まあ、静宮。なんてこのような面白い事をこの私に内緒にされていたのでしょう。まあ帝には悪い事を致しておりますが・・・・。私はびっくりです!」
「わかってしまわれたのでしたらしょうがありませんわね・・・。そうですわ!この姫は私の綾姫ですわ。本当に帝には申し訳ない事を致しておりますが・・・。私も最初は驚き呆れてしまったのですよ。本当にうちの姫は後先考えもせず・・・。帝との恋もそうでした・・・。当時亡き帝の兄宮様のもとに入内が内定していたのにもかかわらず、駆け落ち寸前まで・・・。何とかうまくいって相思相愛の方と結ばれ、ご寵愛を一身に受け、東宮と姫宮を儲けられて何不自由なくお過ごしかと思ったのにこのような。別に頭中将殿ばかりが悪いのではないのですよ!子供は一人では出来ません!それどころか最近の帝ときたら・・・・。」
「常康様が何か?」
「あなたがこのような場所でのんびりされていた間にもう一人御妃様をお迎えになられたのですよ!」
「え・・・中将様・・・本当?」

中将は気まずそうな顔をしていう。

「ここのところ忙しくて休みが取れなかったのは後宮に入内があったからで・・・姫には言おうと思ったのですが・・・・。」

中将の話によると、帝が皇后に似た姫君をと所望され、色々な姫を集めて関白家で歌会を行い、式部卿宮家の姫宮を見初めたということらしい。そして毎日のように通われている寵愛振り。世間では皇后は見放されたように噂されているという。

「本当に身近で帝を拝見しておりますが、あのような変わりよう・・・尋常ではありません。昨日もこの私に言われるのです。もう一人入内させようと思っていると・・・。多分私が姫との文の受け渡し役を賜っているからかもしれませんが・・・・。本当に変わられたのか、それとも早く姫を後宮に戻されようとしているのか・・・・疑問なのです。」
「そういえば、式部卿宮様の姫は亡き式部卿宮様の姪に当たられるのですから・・・。式部卿宮様と亡き宮さまはご兄弟ですしよく似ておられたから。」

すると姫は伯母宮に聞く。

「あの・・・ずっと気になっていたのですが、どうしてこの私が亡き式部卿宮様に似ているのですか?」

母宮と伯母宮は少し困った様子でこそこそ話したあと、母宮が話した。

「綾子、いいかしら。あなたは私の殿であられる左大臣様の姫ではありません。実は殿と結婚する前に亡き式部卿宮様の正室として入ったのですが、懐妊間もなく急な病でこの世を去られたのです。まだ正式に式部卿宮妃懐妊の発表をしていなかったものですから、分家の摂関家で当時大納言であられた殿が懐妊を承知の上で後妻として降嫁したのです。なくなられた先妻の間には二人の姫様と若君がおられたので、居辛く、こちらの宇治にあなたと生活していたのですよ。ですので、今回入内された式部卿宮の姫君とは従姉妹同士・・・。似ていたとしても不思議ではありません。本当に日に日に宮様に似てこられて・・・。お顔もそうですけれど、活発なところや物をはっきり言われるところ、後先考えずに行動されるところなど・・・。一応あの方とは好きあって結ばれたのですから。一年余りの夫婦生活でしたが、とても充実した生活でした。これでわかったかしら。綾姫。」

姫は立ち上がって自分の部屋に戻ると、なにやら文を書き出す。

『常康様 今はどうしても帰ることは出来ませんが、桜の花が咲く頃後宮の思い出の桜の木に下でお待ちいたしておりますので、決してわたしの事を忘れないようにお願いいたします。綾子』

この文を持って中将のいる部屋に戻ると、中将に文を渡す。

「このような時に申し訳ないのですけれど、今すぐこの文を清涼殿に届けていただけますか?」

中将は少し戸惑った様子いたが、すぐに束帯に着替えると、文を持って馬に乗り内裏に向けて走った。

 頭中将は急いで大内裏に着くと、馬を預け内裏の清涼殿に向かった。帝はいつものように清涼殿の昼御座に座り、公務をこなしている。皇后が里下がりをするまでは公務中であっても朗らかな明るい表情で公務を行っていたが、その後の帝は人が変わったように黙々と公務を行い、何か殿上人が気にくわない事を言うとよく立腹される。殿上人たちも触らぬ神に祟りなしというような表情で、御前に現れ用事を済ますとさっさと下がる。

「帝、頭中将殿が殿上願いを・・・。」
「晃か。わかった。頭中将の殿上許す。」

頭中将は殿上を許され御前に座る。

「頭中将殿、今日は休暇のはずだが・・・・。ん?なにやら覚えのある香りが・・・。もしや。」

頭中将は胸元から一通の文を取り出し侍従の晃に渡す。

「お待ちかねの皇后様からの文を預かってまいりました。御前失礼致します。」
「待て。これを直接受取ったか?綾子はどのような様子か?」
「はい、先程皇后様のご在所より帝に至急の用事があると・・・。女房の萩殿を通じてですが・・・。御簾越しにお伺いしたところ、まだ臥せっておいでの様子でした。」
「会いに行きたいのだが・・・。」
「いえ!私が皇后様に帝に一度会われてはどうかとお伺いしたところまだその気になれないと仰せでした。」
「しかしなぜお前は御簾越しとはいえ、綾子の側までいけたのだ!」
「それは・・・・私の祖母と皇后様の母宮様が姉妹であられ、別邸も隣同士ですので皇后様幼少の頃より存じ上げておりましたからでございましょうか・・・。」

(申し訳ありません・・・今は私のところにいると決して言えません、それも私の子を御懐妊など・・・帝・・・。)

「初耳だな・・・まあいい。ご苦労であった。今から返事を書くから綾子に渡して欲しい・・・。」

そういうと御料紙に文を書いて頭中将に渡した。

「これを皇后に。あとこれは中宮から預かった文だ。これもあわせて頼んだよ。せっかくの休みを邪魔させて悪かったね。ご苦労。」

頭中将は頭を深々と下げると退出していこうとする。

「頭中将殿、最近あなたはいつも良い香りをしておられる。姫でも迎えられたのですか?」

頭中将はビクッとして振り返らないまま答えた。

「はい、帝の妃方のような麗しい姫ではありませんが、以前申しておりました理想の姫と今宇治にて細々と暮らしております。間もなく子も生まれます。たぶん妻の香が私の束帯に移ったのでしょう。では御前失礼します。」
「そうか・・・余計に悪い事をしてしまったね。」

頭中将は軽く頭を下げて退出していく。帝は幸せそうな頭中将を見つめ、ため息をついた。

(どうすれば綾子は機嫌を良くしてくれるのであろうか・・・。きっと式部卿宮の聡子姫の入内の件は耳に入ったのだろう。こうして文をくれたのだから・・・。姿形が綾子に似ているという理由で入内させたが・・・所詮は他人。ここ数ヶ月聡子姫のもとに通ったが、綾子のいない寂しさを紛らわせるどころか虚しさばかり・・・。入内させたのは間違いだった。先日頭中将にもう一人姫を入内させたいと嘘もついたし・・・。何をやっても裏目に出る。今回のことはまだこうして綾子から文が来ただけマシかもしれないけど・・・。)

そう思うとさらに深くため息をつく。そしてこの晩も藤壺にいる更衣である式部卿宮の聡子姫のもとに行く。

(この聡子姫は綾子と同じ満面の笑みで迎えてくれる。そしてこの私を受け入れてくれる。一時的であるが、綾子といる気分にさせてくれる。聡子姫には悪いけれど・・・。)

藤壺に入ると懐かしい香りがする。

「藤壺、この香りは?」
「橘さんに帝のお好きな香りだからと教えていただいたのです。調合するのに大変でしたのよ。」

そういうととてもうれしそうな顔で帝を見つめたので、何も言わなかった。そして藤壺の寝所で帝は聡子姫にこの香について言う。

「藤壺、この香は今後一切使わないで欲しい。この香は綾子、いや弘徽殿のものだから・・・他の人には使って欲しくない。せっかく私のために焚いてくれたのでしょうが、わかっていただけますね。」
「はい・・・。」

聡子姫は残念そうな顔をした。

「帝、弘徽殿様はどのような方ですの?」

帝は少し戸惑ったが、いずれわかることと思い打ち明ける。

「私が東宮時代から寄り添っている初恋の姫君です。あなたにとてもよく似た。桜が咲く頃にこちらに戻ってきますよ・・・きっと・・・。きっとね・・・。」

そういうと帝は悲しそうな顔をして眠りについた。



《作者からの一言》

帝はついに綾子に似た更衣を入内させ、寵愛します。しかし、本当にこの更衣は綾子の代わりなので、綾子が後宮に戻った途端寵愛されなくなります。とてもかわいそうな姫宮ですね^^;まぁ父宮もそれをわかっていて帝に差し上げたのですけれど・・・このあとこの更衣については当分出てきませんが、きっと他の群臣にお与えになって後宮を出て行かれたのでしょうね^^;藤壺更衣の年齢設定は15ぐらいです^^;
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