4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第51章 綾乃の新生活
 綾乃は内親王たちが住んでいる登華殿の一室を賜り、そちらで新しい生活を始める。綾乃の乳母小宰相と、数人の女房を右大将邸から連れてきた。決して広い部屋ではないが、小さな姫と数人の女房達が住むにはちょうどよい大きさだった。

昼間は楽しそうに振舞ってはいても、やはり子供なのか、夜になるとおうちが恋しくなり泣くので小宰相が姫を慰めながら、毎晩のように寝かしつける。するとある日、摂津が綾乃のもとにやってきた。


「小宰相、綾乃様は眠られましたか?」
「いえ、なかなか寝付かれず、まだ・・・。」
「それなら、弘徽殿にいらっしゃい。毎晩綾乃様がお泣きになられると聞いて皇后様がお呼びですよ。さあ、いらして。小宰相は寝ていていいわよ、毎晩寝不足でしょ。」


綾乃は摂津と共に弘徽殿の皇后のもとにやってきた。すると皇后は綾乃を迎え入れて前に座らせる。


「まあ、綾乃。毎晩泣いていると聞きましたよ。やはりおうちが恋しいのかしら?」


綾乃は首を横に振ると、下を向く。


「綾乃、嘘はいけませんよ。ちゃんと顔に書いてあります。今日はこちらに帝のお渡りがないので、こちらにいらっしゃい。私も今寝るところだから。」


皇后は寝所に綾乃を招きいれると、一緒に横になっていろいろ話す。


「綾乃、お邸にお人形を置いて来たの。小宰相は宮中にこのような物は持って行ってはいけませんと言うのよ。とても大切な人形なの。私の父様と母様に似た人形なの。あれがあれば寂しくないよ。」
「まあ、じゃあ明日お父様に言って持って来てもらいましょうね。お母様の顔見たことあるの?」
「ううん。人形の一つは父様に似ているの。姫の人形は宇治のおばあ様が母様に似ているって言うのよ。だから私ずっとこの人形を大切にしているのよ。皇后様って暖かい。まるで母様みたい・・・。」


そういうといつの間にか綾乃は眠っていた。


(そうよ、私があなたの母様なのよ・・・・。)


と思うと皇后は綾乃を見つめながら一緒に眠った。


 綾乃が目覚めると、もう昼になっていた。


「まあ、綾乃。今起きたのですか?」


と皇后は声をかける。綾乃は驚いて皇后の寝所から飛び出す。


「綾乃がとても気持ちよさそうに眠っているので、そのままにさせたのですよ。お腹がすいているのでしょう。もう遅いのですけれど、食事を用意させますね。」


皇后は摂津に指示をして綾乃に食事を用意させた。皇后は綾乃の前に座り、微笑みながら食事をする綾乃を見つめる。


「綾乃、今日はこちらに東宮が遊びに来るのですよ。内親王の女童として、きちんと応対しなさいね。」
「東宮様?」
「ええ、度々こちらにも遊びに来るのですよ。大きな東宮御所に一人いるのですからしょうがないですけれど・・・。」


綾乃は食事を食べ終わると、皇后と摂津に礼を言って自分の部屋に戻ると、綾乃の父が待っていた。


「父様。」
「今までどちらに行っていたのですか?朝早く皇后様より連絡があって、綾乃が寂しがっているので人形をこちらに持ってきて欲しいといわれたので、持って来たら綾乃はいない。」


右大将は綾乃に人形を渡す。


「昨日ね、皇后様のところにお泊りしたのよ。とてもお優しくて、一緒に寝たの。まるでお母様と一緒にいるようだったの。」
「そう・・・皇后様のところに・・・。あまり夜分にお邪魔してはいけないよ。ご迷惑だろうから。」


綾乃は寂しそうな顔をした。右大将は寂しそうにしている綾乃を見て本当の事を話しそうになった。綾乃の本当の母を知っている小宰相は困った表情で右大将を見た。


「綾乃、父様は今から仕事だから行くよ。いい子でいるのですよ。」


そういうと、右大将は後宮を去っていった。綾乃は渡された人形を厨子に並べて着替える。そして登華殿内の内親王たちの部屋に行くと参議が綾乃に言う。


「まあ綾乃様、昨日は皇后様のところにお泊りになられたのですね。もう孝子内親王さまは弘徽殿に行かれましたわよ。」
「常子内親王さまは行かれないのですか?」
「ええ、今お昼寝のお時間ですので。さ、早く弘徽殿へ・・・。」


参議は常子内親王の乳母で、参議橘晃の妻であり長年皇后に仕えている萩なのです。一度参議橘晃と結婚したため、後宮から出たが、常子内親王の乳母として選ばれ、再び皇后近くでお仕えしている。もちろんこの参議も綾乃の母が皇后であることは知っているのです。


綾乃は急いで弘徽殿に行くと、もう東宮は来ており皇后や孝子内親王と共に歓談をしていた。


「おや、母上この子が右大将殿の綾乃姫ですか?」
「ええ、かわいらしい女童でしょ。綾乃、東宮ですよ。ご挨拶は?」


綾乃は東宮の前に座ると、深々と頭を下げながら挨拶をすると、東宮は微笑んで綾乃に話しかける。


「本当にかわいらしい姫ですね。やはりふとしたところが右大将殿に似ていますね。孝子、いい遊び相手が出来てよかったね。綾乃姫は孝子にいじめられたりはしていないのかい?」
「まあお兄様ったら、孝子はそのようなことしていませんわ。妹のように思っていますのに・・・。」
「それなら良かった。また御所の方にも遊びにおいでよ。いいでしょ母上。」
「まあ東宮。右大将様からお預かりした大事な姫様なのですよ。裳着はまだとはいえ、良家の姫君ですのに・・・。」


皇后は微笑みながら東宮にいう。綾乃は顔を赤くして、東宮を見つめる。


(東宮様ってなんて素敵な方なのかしら・・・。帝と皇后様によく似ておられて・・・。雅和様とはちょっと違う・・・。雅和様は中宮様によく似ておられるけど・・・。)


綾乃は利発で爽やかな感じのする東宮に好感を持った。その日からというもの綾乃は東宮が弘徽殿に遊びにくるのを楽しみにするようになった。東宮も綾乃をなにかしら気に掛け、大切に扱っていた。



《作者からの一言》

皇后の乳母子萩は帝の乳母子で側近の参議橘晃と結婚して再び五の姫宮常子内親王の乳母として後宮に戻ってきました。もちろん萩の子も一緒に後宮についてきています。しかし出ては来ませんけど・・・。常康&綾子編でまだ小さかった雅孝東宮、雅和親王、孝子内親王、綾乃はもう結構大きくなりました。

 綾乃の初恋の相手は東宮雅孝親王であり、東宮雅孝親王もこれが初恋であり綾乃を想い、とても大切にしています。もちろん二人は異父兄妹である事は知りません。この恋が叶うことはありませんけどね^^;
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