4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第55章 新中務卿宮の初出仕
 今日から中務卿宮は初出仕となる。綾乃と共に朝餉を済ますと、束帯に着替える。

「綾乃、どう?着慣れてないからちょっと苦しいかな・・・。」

綾乃は微笑んで顔を赤らめて宮を見つめた。

「宮様、右大将様がお迎えに・・・。」
「うん、わかった。綾乃、行ってくるよ。」

綾乃は車まで宮を送ると、右大将が綾乃に言う。

「綾乃、帰りに迎えに来るから、今日はこちらでゆっくりなさい。さ、中務卿宮行きましょうか。」
「はい。じゃあ、綾乃行ってくるね。」

綾乃は中務卿宮に手を振って見送った。

「宮、今日は帝の御前にて初出仕のご報告の後、各中務省管轄の役所に挨拶回りをして頂きます。いいですか、特に中務省は帝の補佐や、詔勅の宣下や叙位など、朝廷に関する重要な職務の全般を担っています。また、この官庁は朝廷の事務一般を扱うために職掌が広く、輔、丞、録の四等官のほかに、帝に近侍する侍従、宮中の警備、雑役及び行幸の際の警護役たる内舎人、詔勅や宣命及び位記を作成する大内記等、大蔵省や内蔵寮等の出納役たる大監物等、駅鈴や伝符の出納役たる大主鈴等並びに大典鑰等が中務省直属となります。あと、中宮職 、大舎人寮 、図書寮 、内蔵寮 、縫殿寮、陰陽寮 、内匠寮も中務省の管轄となります。とても色々大変なところの長官となられますので、たくさん学ばなければならないことは多いと思いますが、次官がお手伝いしていただけると思うので、少しずつ仕事に慣れるようにお願いします。」
「大変なのですね・・・中務は・・・亡きお爺様はすごいお人なのですね・・・。」
「そうですね。とても気さくで信頼も厚い方であったと聞いております。」

車の中で右大将の話を聞き、宮は大変緊張した様子で、大内裏に向かう。内裏に入ると様々な公達や役人達がたくさんおり。宮は大変驚いた。内裏に入っても今まで気付かなかった人の多さにも驚く。そしてきょろきょろと辺りを見回す。それを見た右大将は微笑んだ。帝に初出仕の挨拶を終えた後、中務省に行こうとしたとき、声をかけられた。

「右大将殿、本日は見慣れない可愛い人をお連れですね。」
「あ、これはこれは兵部卿宮様・・・。こちらは本日より初出仕あそばした、新中務卿宮様。」
「ほう・・・ということは帝の二の宮様であられますか・・・。なんとかわいらしい・・・。」

そういうと一礼をして兵部卿宮は立ち去って行った。

「兵部卿宮?」
「恐れ多くも先代の帝の一番末の弟宮様であられるのですが・・・。少し変わったところがおありでして・・・。宮様に申し上げてよいものであろうか・・・。男色家の方であられるのですよ。お気をつけください。実は私も・・・いえいえこの話はなかったことに・・・。」
「男色家?」
「あれですよ、あれ・・・。男の方が好きなのですよ。」

右大将は焦った様子で顔を赤くして答えた。

(男色家ねえ・・・。)

 中務省に着くと、やはり八省の中で一番忙しい省のようで、中では色々な役人達が走り回っている。宮は圧倒されて、声を失っていた。

「さ、今日から宮様が勤められる中務省ですよ。さて、誰か権大輔源光安殿は居らぬか?」

すると奥から権大輔がやってきた。

「これはこれは・・・右大将様。」
「権大輔殿、中務卿宮様をお連れしたのだが・・・。」

権大輔は頭を下げて二人を中務卿宮用の部屋に通した。中務卿宮は緊張のためか、固まっている。

「これは新中務卿宮様。私は権大輔源光安と申します。何かわからない事があればこの私に何なりとお申し付けくださいますようお願い申し上げます。」
「はい、こちらこそ・・・。」

小さな言葉で答える中務卿宮に右大将はちょっと心配した眼差し見つめていう。

「本来でしたら、元中務卿宮であられた亡き先の右大臣殿がこちらに来られるべきでしたが・・・。私も余りこちらの事に関して詳しい内容は知りませんので、長い間空席であった中務卿の代わりを取り仕切っていらした権大輔殿に、この宮様をお任せしようと思っております。よろしいですか?権大輔殿。」
「は、お任せください。亡き右大臣様が中務卿であられたときこの私に良くしていただきましたので、恩を返すつもりで、宮様をご指導し立派な中務卿宮様になられますよう、努力いたします。」
「お願いしますよ。いくら私が後見人とはいえ、私も近衛府の仕事がありますので、いつも一緒にいるわけにはいきません。宮様、この権大輔は私の遠縁に当たりますので、ご安心を・・・。またこちらに迎えに上がりますので、お勤めがんばってください。では私は右近衛府にいますので、何かあればそちらに・・・。」

そういうと右大将は退出していった。とても緊張している宮は、権大輔の言葉が耳に入っていない様子いる。そこへ内裏より使いの者がやってくる。

「中務卿宮様はこちらにおられますか?帝が参内せよとの仰せですが・・・。」
「はいわかりました。権大輔殿、後はよろしくお願いします。」

中務卿宮はうれしそうに中務省を出て内裏に向かう。すると途中で兵部卿宮とすれ違い、声をかけられる。

「おやおや可愛らしい小さな中務卿宮様。どちらへ?」
「父上いえ帝のところへ。」
「それはそれは・・・あなたと私は同じ宮家、また私の邸に遊びにおいでください。」
「また後ほど・・・。では失礼します。」

兵部卿宮は不思議な笑みで元気いっぱい走って内裏に入っていく中務卿宮を見つめた。

(なんと元気で可愛らしい・・・若き日の右大将殿や帝のよう・・・。気に入りました。)

兵部卿宮と右大将や帝の昔の不思議な仲は後ほど・・・。さて、清涼殿に着いた中務卿宮は帝の御前に参内する。そして帝は中務卿宮を御簾の中に導き、話をする。

「雅和、どうかな初出仕は?何か困ったことでもあったのかな・・・。」
「いえ、色々指導してくれる権大輔殿はとても良い方で・・・何とかやっていけそうに思います。でもお爺様があんなに大変な役職を難なくこなされていたなんて・・・。」
「あの中務は忙しい分、人も多い。全部一手に引き受けなくてもいいのだよ。そのために権大輔殿がおられる。徐々に慣れればいいのだから・・・。他に何か聞きたいことはないか?」
「あの・・・仕事の件ではないのですが・・・男色家って何ですか?」

帝はその言葉に驚き言葉を失ったが、困った顔で悩んでいる様子の中務卿宮を見て、中務卿宮を近くに呼び耳元で囁いた。

「男色家というのはですね、普通男なら女性を好むのですが、反対に男が男を好む人の事を言うのですよ・・・。でもそのようなことどこから?」
「あの・・・中務に行く前に兵部卿宮に会ったのですが、その後右大将殿にあの方は男色家だから気をつけなさいと・・・。」
「そうか・・・ありえる話ですね・・・。兵部卿宮は、根は良い方なのですがあちらの方がね・・・。ですから今でも独身で・・・色々被害があるのは確かです・・・。」

帝は赤い顔をして中務卿宮に答える。まだ不思議そうな顔をしている中務卿宮に、帝はそれ以上の事は言わなかった。

「あと一つ・・・父上、いえ帝にお許しを頂きたいことがあります。あの・・・綾乃との婚儀のお許しをいただきたいと思いまして・・・。」
「うむ・・・。許してあげたいのは山々だが、まだ雅和は元服したばかり。綾乃もまだ十三。まだ焦る必要はないのではないかと思う。あと二、三年してからでも遅くはないと思うのだが・・・。婚約ということでなら正式に発表してもよろしいが、婚儀となるとまだあなたは無理というもの。分かってくれるね、雅和。」
「はい・・・。御前失礼致します・・・。」

中務卿宮はうなだれた様子で、退出する。そして中務省に戻るとまた部屋に入るなり、憂鬱な表情で、座り込む。

「あ、中務卿宮様。今お帰りになられましたか。早速なのですが、これらに目を通していただきたいのですが・・・。まずこれは陰陽寮からの文、これは中宮職、これは春宮坊、等すべて報告書となっております。あとひと月後に行われます庚申の日について・・・。」

そういうと権大輔は中務卿宮の前にどさっと報告書や文をのせる。

「結構ありますね・・・。」
「今日はまだ序の口ですよ。今回の庚申の日は管弦の宴などどうかと思っております。また、庚申の月の宴もそろそろ準備しないと・・・。」
「まだ五ヶ月も先なのに・・・。庚申待ちの宴に関してはあなたに一任します。まだ良く分からないので・・・。」

中務卿宮は報告書を一つずつ丁寧に読み、わからない事を一つずつ権大輔に聞く。権大輔は分かりやすいように丁寧に説明をしていった。やっと読み終わったあと、右大将が迎えに来た。

「もう終わられましたか?宮様。権大輔殿、中務卿宮様のご様子はいかがでしたか?」
「右大将様。宮様は飲み込みが早く、本当に先が楽しみなお方です。さすが、臣籍の頃から優秀であられた帝の二の宮様であり、亡き元中務卿宮様のお孫様。この分でしたら私の出る幕はなくなってしまうのでしょうね。さ、宮様、退出されても結構ですよ。」

中務卿宮は権大輔に挨拶をすると、中務省を退出して二条院に戻ってきた。中務卿宮は大変疲れた様子で、直衣に着替えると、夕餉を食べる暇なく脇息にもたれかかって、眠ってしまった。綾乃は中務卿宮に単をかぶせると、別れの挨拶が出来ぬまま、二条院を右大将と共に去っていった。夜が更け、乳母が起こしに来る。

「宮様、このような場所ではお風邪を召しますわ。さ、寝所へ・・・。」
「ん?綾乃は?」

中務卿宮はきょろきょろした様子で部屋中を見渡した。部屋には綾乃の香の香りが残っていたが、姿はなかった。

「綾乃様は右大将様と一緒に五条邸にお戻りあそばしましたわ。宮様が眠ってしまわれたのでとても残念そうな顔をされて・・・。さ、寝所へ。」
「そう・・・綾乃に悪い事をしてしまったね。明日文でも贈っておく・・・さあ、明日からは一人で参内しなきゃね・・・。おやすみ・・・。」

そういうと、寝所に潜り込み、中務卿宮は朝までぐっすりと眠った。



《作者からの一言》

やはり出ました^^;男色家!とても可愛らしい顔をした中務卿宮を狙っています^^;きゃ~~~~~~!どうする?

まぁこれはいいとして、さあ、中務での仕事始めです。出仕などしたことのない宮のとって大変な仕事内容だと思います^^;もともと大変な役所なので、八省の中でも一番位が高く設定されています。適任の宮がいないときは空席の時があるそうです^^;ちゃんと仕事をこなすことができるのか?
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