4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第56章 庚申の宴
 庚申の日には庚申待ちが宮中や貴族の邸で行われた。これは、道教の伝説に基づくもので、人間の頭と腹と足には三尸(さんし)の虫(彭侯子・彭常子・命児子)がいて、いつもその人の悪事を監視しているという。三尸の虫は上尸・中尸・下尸の三種類で、上尸の虫は道士の姿、中尸の虫は獣の姿、下尸の虫は牛の頭に人の足の姿をしている。大きさはどれも二寸とされ、人間が生れ落ちるときから体内にいるとされる。庚申に眠ると体から抜け出し、天帝にその人間の罪悪を告げ、その人間の命を縮めるとされることから、庚申の夜は眠らずにすごすようになった。一人では夜を過ごすことは難しいことから、人を集め会場を決めて庚申待ちが行われ一晩中寝ないで過ごすのである。

 この日は中務卿宮が出仕して初めての庚申待ちの宴の日である。豊楽院に公達が集まって一晩中管弦の宴を行う予定になっている。もちろん中務卿宮も得意の龍笛を持参して参加した。

「右大将殿、私は初めてこのような場所でこの龍笛を披露するのですが・・・自信がありません・・・。」
「何を言われますか。このひと月の間、この私と対等に合わす事が出来たのですから大丈夫です。」

右大将の源家は雅楽が堪能で有名な源博雅を祖とする一家で特に右大将は琵琶が得意である。この日のために中務卿宮は龍笛を、右大将は琵琶を二人であわせて練習をしていた。この日は帝や皇后、中宮も臨席して、管弦の宴を楽しんだ。

「帝、次は中務卿宮と右大将様の合わせですわ。楽しみですわ。ねえ和子様。」
「久しぶりに雅和の龍笛を聞ける。雅和は稀に見る腕の持ち主だ。そういえば、和子のお父上も得意でいらしたね。」
「はい、生前父は雅和が小さい頃より龍笛を仕込んでおりました。あの龍笛は父の遺品なのです。」

中宮は緊張しながら二人の演奏を聴く。宴の参加者も皆、聴き入って誰もしゃべる者はいなかった。演奏が終了後、会場中大きな歓声が起こり、帝より杯を賜った。

「うむ。中務卿宮、さらに腕を磨かれた。右大将もさすがである。」
二人は頭を下げて、その場を下がった。公達の演奏が終わると、雅楽寮の者達が代わる代わる演奏を続ける。その間公達たちは飲んだり話したりと和気あいあいと宴を楽しんでいる。すると右大将の横に例の兵部卿宮が座り話しかけてくる。

「あなたの若い頃によく似ておられる・・・中務卿宮様は・・・。管弦に秀でておられ、あの時もこのような庚申待ちの夜・・・。今でもついこの間のように・・・ねえ右大将殿。」

そういうとさらに右大将の側詰め寄ってくる。

「もうあなたとは関わりたくはありません。」
「ではなぜ今まで独身のままでおられるのでしょう・・・。お子様も姫一人・・・。」
「あなたと一緒にしないでください。私の場合は、姫の母君が忘れられないから結婚に踏み切れないだけです。あなたとの関係もあの時一度きりです!」

 これは二十年程前、まだ右大将が右衛門佐だった頃のお話。あの時も同じように庚申待ちの宴に参加していた右衛門佐は初めて参加した管弦の宴で初めて琵琶を披露して先代の帝にたいそう褒められた。そして酒宴が始まり、慣れない酒の匂いに酔ってしまったのか、宴を抜け出し、朝堂院の応天門に座って月を眺めていた。そこへ兵部卿宮が現れた。

「あなたは先程見事な琵琶を弾かれた右衛門佐。あの時は本当にすばらしいと思いましたよ。」
「兵部卿宮様、お褒め頂きありがとうございます。」
「ちょっと話がしたい、兵部省の私の部屋へどうかな?」

位が高い方でもあり、帝の末の弟宮であったので、断ることも出来ず右衛門佐は兵部卿宮に連れられて兵部卿宮の部屋に入った。部屋に入ると兵部卿宮は鍵を閉め、右衛門佐に詰め寄る。

「前々からあなたの事を想っていたのですよ。とても可愛らしい人だ・・・。今夜この私と一晩・・・。」
「え?」

兵部卿宮は右衛門佐を押し倒し、口をふさぐ。

「右衛門佐、声を出しても誰も来ませんよ。私の言いなりになっている方が身のためです。さあ諦めなさい。私のものになりなさい。」

右衛門佐は逃げようとしたが逃げられず、ある一線を越えてしまった。それ以来何度も誘われたが、きっぱり断るようになり、兵部卿宮も他にいい人を見つけたのか、ある日を境に声をかけられることがなくなった。ちなみに帝が臣籍の頃で、出仕間もない時も同じようなことが起こったが、未遂に終わっていた。未だその男色家であるようで、度々出仕したての者が狙われている。もちろん今は中務卿宮が狙われているのは言うまでもない。

 案の定まだ酒に慣れていない中務卿宮は会場を抜け出して、豊楽門に腰掛けて愛用の龍笛を吹きながら物思いにふけていた。

(綾乃は今日何をしているのかな・・・。今からこのまま大内裏を抜けて五条邸に行ってみようかな・・・。)

中務卿宮は綾乃の事を思い出すと幸せそうな顔で微笑んだ。

「愛しい人でもおられるのでしょうか?中務卿宮。」

中務卿宮は愛用の龍笛を懐にしまうと、声のするほうを振り返る。

「兵部卿宮。許婚の姫のことを想っていたのです。このように同じ月を見ているのかと・・・。」
「許婚がおられると?初耳です・・・。」
「まだ正式には発表されていないのですが、とても可憐で愛しい姫なのです。」

すると後ろから兵部卿宮は中務卿宮に抱きついた。

「愛しい中務卿宮。こんなに愛しいのにあなたは他の姫を想われている。とても心苦しい・・・。」

すると兵部卿宮は無理やり中務卿宮にキスをする。

(綾乃ともまだキスしてないのに!!)

中務卿宮は力いっぱい兵部卿宮を叩き、離そうとした。

「中務卿宮様!」

兵部卿宮はその声に驚くと中務卿宮を離した。その隙に中務卿宮は逃げ出し、声のするほうに走った。

「中務卿宮様、危ないところでした・・・。私が目を話した隙に・・・。申し訳ありません・・・。さ、帰りましょう。五条邸までお連れします。」
「右大将殿・・・。」

中務卿宮は涙を一杯に溜めて、右大将の後ろに隠れた。

「恐れ多くも帝の二の宮にまで手を出されるとは・・・。兵部卿宮様このことは帝に報告させていただきます。では失礼します!」

そういうと中務卿宮を連れて五条邸に帰っていった。



《作者からの一言》

ついに手を出してしまった兵部卿宮・・・。もちろんこれで終わってよかったですね^^;しかし、右大将の初めての×××は兵部卿宮ってことです^^;綾乃の母である皇后綾子ではありませんでした^^;こういう手のことは書くのが苦手です^^;男同士の×××など^^;

ところであの後中務卿宮は綾乃のいる五条邸まで行ったのですが、ただ行っただけです^^;行って右大将と管弦を合わせたり、しただけですよ^^;決して綾乃といちゃついたりなどしていません^^;まだ婚約は正式には帝に許されていませんから^^;もちろんキスなどしていません^^;でも初キスが男と・・・^^;きっと綾乃には言えない秘密でしょうね^^;アセアセ
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