4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第57章 中務卿宮の悩み
 庚申待ちの宴のあと、中務卿宮は様々な殿上人から宴のお誘いがかかるようになった。中務省の仕事にも慣れ、権大輔が補佐についているもののほぼ自分で対処できるようになっていた。

「さあ、今日はこれでおしまいっと。権大輔殿、他にはありませんよね・・・。」
「はいこれですべてでございます。これからどちらへ?」
「本日は三条大納言邸のほうに・・・。管弦の宴に呼ばれまして・・・。明日は東宮御所にて宿直ですので、よろしくお願いします。」
「ほう、ここの所三日に一度はどこかの邸に呼ばれていますね・・・。お体をお崩しにならないように・・・。」
「そうですね・・・酒はあまり得意ではないので・・・。行っても楽しくはないのです。ただお断りしてもどうしてもと言われるので・・・。」

そういうと気が向かない様子で中務省を退出していった。中務卿宮は二条院に戻り着替えを済ますと、三条にある三条大納言邸に向かうと、途中宿直に向かう右大将の車とすれ違う。

(今日、右近様は宿直で来られないのか・・・。残念だな・・・。)

中務卿宮は残念そうな顔をして、大事な龍笛を取り出して手入れをした。

 三条大納言邸に到着すると、様々な車が車宿りに止まっている。到着すると、わざわざ三条大納言が車寄せまで中務卿宮を迎えに来て、宴の会場に案内した。

「中務卿宮様、本日は良くおいで頂きました。どうしてもと無理を言って申し訳ありません。」
「いえ、さすが立派なお邸ですね。庭の手入れも大変行き渡っていますね。花の時期になるとさぞかし美しいのでしょうね。」
「いえいえ、二条院の左近の桜から挿し木された桜に比べると我が家の桜など・・・。それよりも当家二の姫が、宮様とぜひお手合わせしたいと同席しております。桜のように美しい音色を奏でる姫でして・・・。さ、桜姫。」

三条大納言家の二の姫桜姫は中務卿宮よりも一つ年上で、琴が大変上手な姫、そして才色兼備とも言われている姫である。中務卿宮は大事に龍笛を取り出すと、桜姫の琴に合わせて龍笛を吹いた。宴に招待された公達たちは二人の奏でる調に感動し、調が終わると大納言は大変喜び中務卿宮に言う。

「さすがは宮様。さらに腕を上げられましたな。桜姫との相性もよろしいようで、すばらしい調でございました。」
「いえ、私はまだまだ・・・右大将殿のご指導のおかげで・・・。」
「そういえば右大将殿の一族は管弦で有名なお家柄・・。」
「ええ、右大将殿の姫も相当琴がうまいのです。大納言様の二の姫様もなかなかの腕前ですが・・・。」

中務卿宮は照れ笑いをすると、龍笛を袋に入れ大事そうに懐に直す。すると大納言は中務卿宮の前に座ると頭を下げて言う。

「実は今日の宴は宮様と当家の桜姫を引き合わせるための宴、どうか、桜姫も宮様をたいそう気に入っております。ぜひ、お妃候補に加えていただけないでしょうか・・・。」

中務卿宮は真っ赤な顔をして断りを入れる。

「せっかくの縁談話なのですが、私にはもう許婚がおりますので・・・申し訳ありません!」
「いえ、まだ正式には発表をされてはいないのでしょう。ぜひ・・・。」

中務卿宮は縁談をきっぱり断ると一礼をし、即大納言邸を退出して、二条院に戻った。早々の帰宅に、家の者達は驚く。

「まぁ宮様、どうかされましたか?今日は三条大納言様の邸で管弦の宴と聞いておりましたが・・・。」
「早々退出させていただいたのです。私と二の姫の顔合わせの宴だったのですから・・・。お願いがある、籐少納言。今来ている誘いを全部お断りしてくれないかな・・・。多分すべてこのような宴だと思う・・・。」
「そうでしょうね・・・おかしいと思いましたのよずっと・・・。今までご招待を受けたお邸には年頃の姫様がいるところばかりで・・・。宮様は綾乃様一途であられますし・・・。分かりました。それとなくお断りの文を急いで出しておきますわ。」
「ありがとう。籐少納言。早く正式に父上から婚約をお許ししていただかなければ・・・。明日は宿直だから頼んだよ・・・。さあ、今日は疲れた。寝所の用意を・・・。」

ひと月前の兵部卿宮のことといい、今回の縁談の宴といい、ますます悩みの絶えない中務卿宮はこのような時こそ綾乃が側にいてくれたらと思うのでした。

 次の日内裏に参内すると、昨日の宴の件が内裏中に広がっており、今まで下心ありの宴を催していた殿上人達が、中務卿宮に詰め寄る。

「中務卿宮様、どういうことなのでしょう・・・。昨日の件を噂で聞いた当家の姫は寝込んでしまいましたよ。」
「まだ権中納言殿は良いではないか!うちの二の姫は目の前でお断りされたのですよ!今朝も起きてこず食事ものどを通らないと・・・。」
「うちの姫は恋煩いで・・・。」
「うちの姫は一緒になれるのなら尼になると・・・。」
「うちはせっかく楽しみにしていた姫が、宮さまが参加しないと聞き、泣き崩れて・・・。」

中務卿宮は勢いに負けて、何も話すことが出来ないまま、殿上の間の片隅に座り込んでいる。それでもなお、たくさんの殿上人が詰め寄ってくるので、見るに見かねた右大将が助け舟を出す。

「皆様方、そのように宮様をお責めになられても・・・・。大変お困りのご様子・・・。例えたくさんのお申し入れがあったと致しましても、数は限られます。まして帝のお許しがないと・・・。宮様の意向を無視して勝手にこのような事をされるからこうなってしまうのですよ。自業自得というものです。さ、宮様、帝がお呼びですよ。」

中務卿宮は立ち上がって詰め寄ってきた殿上人を掻き分けて帝の御前に参内した。御前に座るとため息を一つついて、帝に申し上げる。

「何か御用ですか?」
「雅和、お前が願い出たのではないか?」
「そ、そうでしたね・・・。」
「殿上の間の声がこちらまで良く聞こえたよ・・・。昨日の件は私の耳のも入ってきた。庚申待ちの宴のあと当たりから、続々と中務卿宮妃の申し入れがあるのは確か。あと二月後に東宮妃入内があるので、中務卿宮妃内定の件は先延ばしにしていたのだが、もう一刻を争うことになってしまったようだ・・・。多分今日の願い出はこれであろう・・・。」
「はい・・・。このままだと色々綾乃の耳にも入ってくるので、かわいそうなのです。父上、今すぐにでも宣旨を戴けないでしょうか・・・。」
「分かりました。・・・参議、右大将殿をこちらへ・・・。」

少し経つと、右大将が参内する。

「お呼びでしょうか・・・。」
「うむ。あなたには大変待たせたことです。あなたの姫君と中務卿宮との正式な婚約を許可します。婚儀については未定ですが、右大将殿、中務卿宮よろしいですか?。参議、関白殿にそのように伝えなさい。」
「御意。」

この日の午後、中務省を通して中務卿宮妃内定の宣旨が下った。もちろんそのことは帝の命婦によって綾乃に伝えられ、都中に広がった。この発表に嘆き悲しんだ姫君はたくさんいたという。



《作者からの一言》

モテモテですなあ^^;羨ましい^^;どうして東宮には縁談が少なくて、この中務卿宮には多いのだろうか?やはり家柄の問題???東宮妃になろうとするには相当の家柄、財力、地位がないといけないと思います^^;それらに自信がない人たちがこうして中務卿宮にアタックしてくるのでしょうか???(もちろん東三条摂関家の三条大納言二の姫はもちろん別ですよ^^;こちらの家は希望すれば東宮妃にでも帝の女御にでもなれる家柄です^^;)
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