4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第63章 右大将と宮
 中務卿宮は兄宮の東宮廃太子の宣旨が下ったあと数日間、別に行く必要はないのだが、仕事の引継ぎで中務省に出仕する。ほんの半年間だったが、中務卿宮の人柄の良さで、省内の者たちは宮を慕い、そして良く仕えてくれた。中務卿宮も、省内の者達のやさしさに触れ楽しく出仕ができたものだ。特に権大輔は、中務省の事を手取り足取り教え中務卿宮を半年間で一人前にした。


「宮様、引継ぎならこの私で十分でございます。宮様の私物もこの私が二条院までお届けにあがりますから・・・。さ、帝の仰せどおりに立太子までの間、静養の続きをなさってください。」
「中務の仕事がせっかく楽しく思えてきたというのに、残念です・・・。次の中務卿が決まるまで兼任が出来たらいいものを・・・。本当に権大輔殿には大変お世話になりました。必ずこの御恩はお返しいたしますね。」
「いえいえ、先の中務卿宮様の御恩をお返ししたまでのこと・・・。」


中務卿宮は引継ぎを済ませると、権大輔に丁寧にお礼を述べ、省内の者達にもひとりひとり挨拶をし中務省を退出する。中務卿宮は、従者に右大将のもとへ文を遣わし、今晩二条院で会う約束を取り付けた。右大将は宿直であったのだが、急遽取りやめて二条院まで出向いた。


「右大将殿、わざわざすみません。供の者から先程宿直であった事を聞きました・・・。」
「いえ、いいのですよ、宮。形式上のものですので私がいてもいなくても良いこと。」


中務卿宮は用意された酒と肴を右大将に勧めて右大将にある書類の写しを見せる。そこには立太子後すでに決まっている事柄が記されている。


「ほう、このような重要な機密文書を私に見せてもいいのですか?」
「本当はまだ中務で宣旨を作成中の段階のもので本来お見せできないものの写しです。綾乃の父君だからこそ、お見せしたいと思ってこっそり向こう一年間の予定を書き写してきたのです。もちろんこの中には綾乃の入内は入っていません。それどころか・・・。」
「三条大納言殿の二の姫の入内が年明け早々入っているということですね・・・。これはしょうがないことです。この私に相当な家柄と財力のないことによること・・・。どうにか綾乃を説得してみないといけません。」
「もちろん綾乃をいつになるかわからないのですが必ず入内させます・・・。それだけは右大将殿に分かっていただきたい。綾乃のこと・・・頼みます。もちろんあなたに後見していただきたいのは今も変わりません。あと、中宮である母上が、こちらに戻られてくるかもしれません。そのときは右大将殿に母の後見を・・・。母の実家はある程度の荘園を持っていますので、何とか食いつなぐことは出来ましょう。まだ曾お爺様は健在です、しかしながら母は世間というものご存知でない。ですから後見になっていただき、母の実家の宮家を守っていただきたいのです。また生まれてくる御子の事も・・・。もし帝の許しを得、母さえ良ければ、正妻の居られないあなたに・・・・。」
「それは異例中の異例というものです。中宮様の後見を受けることは可能ですが・・・。」


右大将は困った様子で中務卿宮の話しを聞き続ける。もちろんまだ正式に決まってもいないことなのですが、先日中宮が帝に申し入れした中宮の称号と、麗景殿に返上願いがこの日受け入れられた。もちろん帝自身も悩み悩んで聞き入れたのですが、帝自身も後見のいない中宮の行く末を心配でならないのは確かなようなので、帝も右大将に妻がいないことに目をつけ、中務卿宮にそれとなし右大将に聞くようにと頼んだ。右大将はそのようなことになっていることに気がつかず、後見の申し入れを承諾した。あとは中宮と右大将の気持ちしだいであった。


 次の日、中務卿宮は清涼殿に参内して右大将の意向を報告する。帝は安心して、麗景殿に向かい、中宮に返上後の行く末について話をし、もちろん中宮は承諾をする。そして帝は右大将を麗景殿に呼び、中宮と引き合わせる。


「右大将殿、このような場所に呼び出してすまないね・・・。あなたにはこの私からお願いがある。中務卿宮から聞いているだろう。異例なことだが、ここにいる中宮和子をあなたに差し上げたい。もちろん、綾乃姫の入内に関して前向きに考えることにしよう。どうしても後宮を出たいときかないものでね・・・。私自身中宮を手放したくはないが、あなたが中宮の後見を引き受けていただけると聞いて、安心した。頼みましたよ。」


右大将は意外な展開に驚き、帝からの直接の申し入れに断れず中宮が後宮を出た後、右大将の正妻として迎える事を承諾した。


「あと、右大臣から綾乃姫を養女として迎えたいと申し入れがあった。血縁関係を聞くと、なんとあなたの母君方のいとこの姫君が、右大臣殿の側室というではないか・・・。」
「そういえば、私の母方のいとこが、右大臣源朝臣孝明様のところに・・・。」
「右大臣の養女となれば、難なく東宮に入内できよう。右大臣家は摂関家ではないが、源氏の中でも筆頭の家柄と財、権力を持っている。綾乃姫を右大臣に差し上げてはいかがであろうか・・・。もしそれで良いのであれば、私から右大臣に言っておくが・・・。ただし、三条大納言の姫の後になってしまうよ。」
「御意・・・。」


右大将は帝に感謝して深々と頭を下げる。次の日には、帝から内々的に右大臣に綾乃姫の養女の件を伝えた。右大臣は綾乃姫の養女の件を承諾してもらい、大変喜んだ。


 中宮は良き日を選んで中宮の称号と麗景殿の返上の正式発表をし、後宮を出て二条院に入る。中宮はもともと宮家の姫であったので、もとの名前である和子女王という名前に戻った。帝としてはお腹の御子を自分の子として宣旨したいようであるが、和子女王と右大将の意向により、右大将の子として扱うこととなった。


和子女王が二条院に入って二ヶ月後、右大将の正室として迎えられた。そして和子女王は右大将邸である五条邸には入らず、そのまま二条院に留まった。右大将はただの形だけの正室として扱わず、毎日出仕の帰り、二条院に通い和子女王と過ごし、和子女王も堅苦しい後宮と違って毎日楽しい日々を過ごした。



《作者からの一言》

家柄的に東宮妃としての入内が難しい綾乃に、養女の話がやってきました^^これで東宮妃として入内できるのです。右大臣もはじめから寵愛を受けることがわかっている姫を養女に迎えるのはとても都合がいいのです。もちろんこの段階では綾乃は知りませんけどね^^;

 ところで中宮和子は中宮を返上して二条院に戻り、和子女王として再出発です^^;でも帝の子供を身籠ったまま、右大将の正妻として再出発となります。もちろん右大将が帝に断れない理由は、帝に例の件で貸しがあるからです。もちろん、和子女王は綺麗な姫宮ですので、右大将も次第に気に入りますけどね^^;
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