4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第64章 右近の橘姫と左近の桜姫
 廃太子からひと月後、中務卿宮の東宮立太子の儀礼が無事終わり、中務卿宮は東宮となった。宮が東宮となり婚約が白紙になった事を知った綾乃は、毎日泣いて暮らしていた。


「綾乃、これはしょうがないことなのだよ。この父に権力と財力がないばかりに・・・。」
「お父様、どうして私じゃいけないの?お父様は右大将じゃない!帝のお気に入りじゃない!お父様、雅和様のお母様を帝から賜ってさぞかし幸せなのでしょうね・・・。私は雅和様とは結婚できないの?どうしてお相手が三条大納言の二の姫なの?」
「綾乃・・・。父も辛いのですよ。もちろん東宮様も・・・。決して入内できないわけではないのですよ。順番が後になるだけだから・・・。摂関家で財力権力もある三条大納言が、今東宮の後見者だ。後見になった大納言殿の姫が先に入られるだけだ。決して東宮様は綾乃をお嫌いになったわけではない。」


それでも綾乃は泣き続けて寝込んでしまうようになったので、まだ早いと思って話さなかった養女の事を話す。


「いい?綾乃。綾乃は右大臣殿の姫として入内するのですよ。」
「右大臣?私右大臣様の姫じゃないわ。」


右大将は微笑んで綾乃に言う。


「右大臣殿の側室の方がこの私のいとこなのです。そこで年頃の姫のいない右大臣殿は綾乃を養女として受け入れたいと帝を通して申し出てくださいました。いい?父はあなたを手放すのは辛いけれど、綾乃が東宮様のもとに入内するのはこれしかないのですよ。右大臣殿は源氏筆頭の家柄、権力、財力をお持ちです。うちの家柄で入内したとしても、綾乃は幸せにはなれない。たとえ初めに皇子を授かったとしても、うちの家柄では次期東宮にはなれません。これは綾乃のためであり、将来生まれてくるであろう御子のためなのですよ。今度の私の縁談話も、東宮のためであるのです。もちろん和子女王様のためでもあるのですが・・・。分かってくれるね綾乃・・・。」


右大将の言葉を聞き、綾乃は首を縦に振った。右大将は安心して養女になる日のこと、養女としてのお披露目の宴のことそして大体の予定を言った。


 ひと月が経ち、いよいよ綾乃が右大臣邸に養女として迎えられる日がやってきた。迎えられた後はこちらにいるわけではなく、今まで過ごしていた五条邸で過ごすのだが、形式上綾乃は右大臣家の養女として迎えられたという事を公表するために、こうして右大臣邸で宴を開いた。寝殿の御簾の中に綾乃が座り、養女として招待客に紹介されたあと、宴が始まった。招待客は御簾越しに見える綾乃姫の品のあるかわいらしさに魅了され、口々時に言う。


(さすがは東宮様お気に入りの姫君。右大臣殿もきっと源氏最高地位まで登られるでしょうな。)
(ほんとほんと。今の東宮は本当に羨ましすぎる。右近の橘姫、左近の桜姫といわれ、当代一といわれる二人の姫君を入内させるとは・・・。生まれてくるお子たちが楽しみですなあ・・・。)
(今はまだかわいらしい姫がこれからどのように美しい姫になられるか楽しみでしょうな、右大臣殿は・・・。)
(これなら右大臣殿についたら出世間違いなしだ。)
(右大将殿はただ一人の姫を右大臣殿に差し出されるとは・・・寂しいこと・・・。)
(いやいや、元中宮の和子女王を正室として迎えられたではないか・・・。それも帝の御子を懐妊中の女王をだぞ、きっと右大将殿ももっと出世なさるのであろう。)


などと酒の勢いで、口々に言うのを見て、綾乃は早々に退出する。すると右大将のいとこである右大臣の側室が声を掛ける。


「綾乃姫様、良く右大臣の養女になっていただきました。殿もとても感謝されているのですよ。このようにお綺麗で品のある姫様ですもの。殿も私も綾乃姫様がお幸せになられるよう願っておりますわ。もう当家の姫ですので、いつでも遊びにいらして。」
「義母様・・・。」
「そうそう、殿が今日帝にあなたの入内の申し入れをしてきたようですわ。早く決まればいいですわね。わたくし達もあなたが恥ずかしくないように入内のご用意をさせていただきますわ。きっと三条大納言様の姫君に負けないくらいのご用意を・・・。右大臣家の姫として堂々と入内してください。」
「はい、義母様・・・感謝しております。」


右大臣の側室は微笑んで、綾乃を車寄せまで見送った。綾乃は優しい右大臣家の人たちに大変感謝して右大臣邸を後にする。


一方東宮入内一番乗りを決めた三条大納言の二の姫、桜姫は初め東宮と綾乃の婚約白紙を聞いて、やはりこういうときは権力と財力がものをいうのよと、とても喜んだが、右大臣の養女として迎えられいずれ入内してくる事を聞き、嫌な顔をする。三条大納言も、右大将が右大臣家に縁があり、養女に迎えることを知って綾乃を疎ましく思った。もちろん大納言よりも右大臣のほうが、権力がある上に東宮は綾乃を寵愛するに決まっている。何とかして綾乃の入内を阻止できないものかと画策するが、今となっては権力、財力、そして以前二人の姫が対決してわかったように教養も綾乃のほうが優れている。このままでは東宮の後見役を右大臣の取られてしまうどころか、皇子が生まれてしまった場合、権力が右大臣に集中する。何とかしたいが、なんともならないことに三条大納言はやきもきする。


 東宮は綾乃が入内するための準備が整ったことに大変喜び、右大臣家養女綾乃姫の入内宣旨があるのを心待ちにする。数日経って、綾乃はお妃教育を兼ねて、東宮の母宮であり、父君の正室である和子女王がいる二条院に移った。和子女王は身重でありながら綾乃のためにお妃教育を引き受け、右大臣の姫として東宮御所に入内しても恥ずかしくないようにこと細かく指導していった。綾乃も早く入内のお許しが下るように一生懸命お妃教育を受けた。やはり綾乃は才覚を表し、いつ入内があってもおかしくない段階までお妃教育を仕上げた。和子女王も綾乃の成長振りに感嘆し、早く入内宣旨が下りないかと毎日のように思うのです。



《作者からの一言》

綾乃は右大臣家の養女となりました。これで堂々と東宮妃として入内できます。しかし桜姫の存在が気になりますね^^;もちろん何もかも完璧にできてしまう綾乃にはずっと勝てないのでしょうけれど・・・・。

やはりこの時代は駆け引きですね^^;何のことやら?綾乃は幸せになることができるのでしょうか?
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