4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第74章 宇治の綾乃と鈴華姫
 綾乃が宇治へやってくる日の朝、鈴華姫とその女房は東宮と、静宮に滞在中のお礼を言って都に戻っていった。何とか常隆は東宮が鈴華姫のことに興味を示し関係をもってくれたことに安堵する。もちろん綾乃には内緒の事である。綾乃に気付かれないように東宮の部屋を東宮の香を焚き、できるだけ鈴華姫の香りが消えるようにする。もちろん東宮の衣にも香を焚いて一切鈴華姫の香りを消した。夜になって、綾乃が到着する。綾乃は静宮に挨拶を済ますと、東宮の部屋に入る。


「よく来たね、綾乃・・・。」
「ええ、生まれ育ったこの宇治別邸に雅和様が滞在すると聞いて、私も懐かしく思い来たくなりましたの。本当に無理を言って来たのです。」
「そうだね・・・。はじめっから一緒に来ればよかったね・・・。」


(初めから来てなくてよかったよ・・・。)


東宮は苦笑して綾乃に言う。


「もうそろそろ帰ろうと思っていたのだけれど、もう二、三日お世話になることにしよう・・・。本当に宇治も暑いね・・・。」


綾乃はなんとなくおかしい東宮を見て言う。


「少将様と二人きりの方がよろしかったでしょうか?何かありましたの?」
「いや別に?綾乃は夕餉がまだなのだろ、用意させよう・・・。」


綾乃は遅い夕餉を食べ、東宮は綾乃と話しながら肴をつつき、少しの酒を飲む。


 東宮は何をしていても、鈴華姫のことが頭から離れない。一夜きりと割り切って関係を持ったつもりであったが、東宮は鈴姫の美しい姿が忘れられなくなっていた。


一方帰郷途中の鳥羽の姫君縁の別邸に立ち寄った鈴華姫は待ち構えていた父君の権大納言にたいそうな剣幕で怒鳴られる。


「この数日、この父はどれだけ心配していたと思う!来年の春入内を控えているにもかかわらず、わかっているのか!我が家系は嫡流ではないけれど、立派な摂関家の流れをくむ堀川家だぞ。東三条家の継ぐべき者が皆絶えてしまったからにはうちが何とかしなければならないのだ。そうでないと嫡流の土御門家にすべて政権を持っていかれるのだぞ!それでなくても摂関家といわれる藤原北家が衰退してきているのだからなんとしても盛り返していかなければ。このままでは右大臣と内大臣の村上源氏と醍醐源氏に政権を取られてしまうのだぞ!堀川家の長女である姫が家出をしたと噂が流れれば、いい笑いものだ。せっかく帝に入内をお許しいただけたのに・・・。お前はいつも我が家の恥をさらしてくれる・・・。もう少しうっかりした姫ではなくしっかりとした姫になってくれないか・・・・わかってくれ、鈴華・・・。」


姫はひどい剣幕で怒る父君に驚き、女房に支えられながら泣き続ける。


「お父様、私、きちんとお父様の言う通り入内いたします。」
「そうか!わかってくれたか・・・。」
「お父様ひとつお伺いしたいのですが、宮家筋の方で二十歳位の方はどなたかいらっしゃいますか?」


権大納言は考え込んで答える。


「数人いらっしゃるけれど・・・。恐れ多くも帝の一の宮様は皇后様腹の御年二十一歳の帥の宮様、前中宮様腹の二の宮様は東宮で御年十八歳。後は弾正台宮様のご長男左近少将源常隆殿が御年十八歳・・・。式部卿宮様のご長男が御年十九歳。ご次男が御年十五歳。あとは何人いたかなあ・・・おもだった方々はこれくらいではないか?どうしたのか?」
「いえ、宇治にてお見掛けした方が・・・宮家の小葵紋のお直衣を着ていらしたので・・・。」
「宇治には皇后様縁の別邸があるがな・・・。あとの方には宇治に縁の別邸はなかったように思うが・・・。」


姫はもしかして出逢ったのは帥の宮様ではないかと勘違いをする。帥の宮もお妃様と昨年生まれた内親王がいる。


(そういえば妻一人、子一人とおっしゃっていたわ・・・。もしかして帥の宮様?)


本当にうっかり姫の勘違いである。もちろん姫は東宮が宇治になどいるはずがないと、思い込んでいたからであって、東宮も妻一人子一人ということに気がつかなかった。そして勘違いし、帥の宮を慕い続けたまま、帝となった東宮に入内することとなる。もちろん東宮自体姫君の本名を知らないので、意に反し無理やり決められた来年春に内定している権大納言の姫の入内を未だ億劫に思っている。



《作者の一言》

鈴華姫は美しい姫なのですが、とても欠点の多い姫君で、父君の権大納言はこの姫はとても心配の種なのです^^;でも出来の悪い子ほどかわいいもので、なんだかんだ言っても鳥羽まで迎えに来ているのがその証拠・・・。そして縁談の件も、下に完璧な妹姫がいるのにも関わらず、この鈴華を入内させようとしているのですから^^;もちろん東宮自身も鈴華のちょっと間が抜けたところが気に入ったのかもしれません^^;だって完璧で美しい姫は綾乃で十分です・・・・。
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