4年生、2年生のねえねと、幼稚園児の双子っちのいるママです。アメブロで発表している小説の倉庫として使っています。お好みの物があるかわかりませんが、覗いてくださいね^^ ご感想お待ちしております!

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第80章 中務卿宮の苦悩
 年が明けて、毎年のように年明けの行事が行われ中務卿宮は藤壺女御が里帰り中の堀川邸に新年の宴のご招待を受けてやってくる。それを知った帝は藤壺女御の様子を伺ってくるように頼んだ。昨年の堀川邸の宴は、女御の入内祝いを兼ねた盛大な宴であった。今年の宴は来月の女御の出産を祈願して、それ以上に盛大である。中務卿宮は、帝の使いとして女御の部屋を訪れご機嫌伺いをすると、寝殿にいる内大臣と話をする。


「女御様はお元気で何より。帝も安堵されることでしょう。」
「宮様、女御は毎日健やかに過ごしております。お腹のお子も順調のようで、来月初めには生まれてくるとのことです。」


すると中務卿宮はそっと内大臣の側に近づくと、扇で口元を隠し、宴に来ている者たちに聞こえないような声で内大臣にある事を聞く。


「内大臣殿の二の姫には決まった方がおられるのでしょうか・・・?」


内大臣は不思議そうな顔をして答える。


「いいえ、今のところまだ裳着を終えたばかりの姫ですので、そのような縁談は・・・もしかして宮様が?お気に召されたのですか?」


中務卿宮はその言葉につい噴出してしまう。


「私ではありませんよ。すみませんここでは話しづらい内容ですので、どこか別室をご用意願いませんか?」


内大臣は女房に指示をして客間を片付けさせ、そちらに中務卿宮を案内する。客間に通され、人払いをすると、中務卿宮は内大臣に話を始める。


「私ではなく、帝のことなのですよ。まだはっきりとは帝に返事をいただけてはいないのですが、二の姫を帝の更衣として出仕していただけないかと・・・。」
「しかし、姉妹で後宮に入るなど・・・。」
「豊明節会の際、帝はあなたの二の姫に興味を持たれましてね・・・。正式に出仕をさせたいとは言われてはいないのですが・・・。姉妹の後宮入りは前例がないわけではありません。あくまでも妃や側室としてではなく、女官として入っていただきたいのです。もしその気持ちがおありでしたら話を進めさせていただきたいのですが・・・。もしお断りになられるのでしたら、もう一人候補の姫君がおられますのでそちらに話を・・・。」


内大臣は困った様子で考え込む。


「わかりました・・・話を進めていただけますか?」


中務卿宮はうなずくと、立ち上がって内大臣と共に宴に戻っていった。もちろんこのことは内々的に帝と話し、帝の承知の上で話を進めていることである。また中務卿宮は次の日に行われる左大臣家にも同じような内容の話をしに行かないといけないのである。もちろん左大臣家の姫も、妃という形ではなく、女官として話を持ちかけることになっている。こちらは土御門摂関家であるので、女官としての出仕は断られそうな気がしているが、帝自身妃はもう要らないと断言しているので、女官として話を進めることにしている。次の日、左大臣家にその内容を伝えると案の定断られた。左大臣はたいそう立腹しこう話す。


「中務卿宮殿、うちは帝の東宮時代に一の姫を入内させようといたしましたが、内定していたのにもかかわらず突然断られ、泣く泣く他家から婿を迎えました。今度こそは二の姫を女御として入内させていただこうと申し入れしているのです!それを女官ですと?恐れ多くも帝や宮様の従姉妹の姫君ですぞ!何をお考えなのでしょう!女官での出仕はお断りです!」


中務卿宮はうなだれながら、宴の会場に戻ろうし、北の対の屋の前を通ると、声を掛けられる。


「殿・・・。」


中務卿宮はその声のほうに向かうと御簾の隙間から中務卿宮の妃である結姫が覗き込む。もともと中務卿宮の父院の兄宮の内親王であるが、様々な理由により土御門家の養女となり、丁度土御門家に里帰りしてきている。


「結子・・・。」


中務卿宮は結子姫のいる北の対の屋の一室に招きいれられると、そこには左大臣の正妻で、父院と同腹の妹君が座っている。


「これは叔母上・・・。何か御用でしょうか?」


左大臣の北の方は真剣な顔で中務卿宮に話しかける。


「宮様、あなたは帝の側に一番近い方だと思って申し上げますが、殿はどうしても当家の姫を入内させたいようで、何とか帝を説得してくださらないかしら・・・。もちろん二の姫は私の子です。昨年の五節舞で舞姫を務めました。それも中央で・・・。歳は16。親ばかかもしれませんが、当家の三人の姫の中でも一番麗しく、利発で明るい姫なのです・・・。歌やお琴などはもちろん、姫君には珍しく漢学なども嗜んでおります。私は皇族出身ですので宮中の堅苦しさはよく知っています。私としてはあまりそのようなところに入れたいとは思わないのですが、殿がどうしてもと・・・。」


中務卿宮は困った顔で言う。


「しかし、帝はもう妃は必要ないと仰せですので・・・。後宮にお入れするには尚侍や更衣・・・。それも更衣はもう一人入られる予定なのです。わかっていただけないでしょうか?」


すると結子姫が中務卿宮にいう。


「殿、お父様はこの入内が叶わないのであれば、私達の安子女王を土御門家の養女にいただけないかといわれたのです。どういうことかお分かりですか?」
「もしかして東宮と婚約でもさせるつもりなのですか?」


結子姫はうなずくと、悲しそうに下を向く。中務卿宮は怒って立ち上がり、寝殿にいる左大臣にもとにいく。


「左大臣殿。結子から聞きました。当宮家の生まれたばかりの姫宮まであなたの出世の道具になさるおつもりですか!もう結構です。何とか入内の橋渡しをしようと思ったのですが・・・。女官として入られたとしても帝のお気持ちによってはお家柄女御になられるかもしれないのです。これから何を言われようとも帝に働きかけるつもりはありません。では私は結子と姫宮をつれて帰ります。」


すると左大臣は慌てた様子で内諾する。しかし中務卿宮の怒りは収まらず、無言のまま結子姫や姫宮と共に一条院に戻っていく。


 次の日朝一番に清涼殿に参内すると、帝のいる御簾の中に入り内密に報告する。


「出仕の件、両家とも内諾させました。」
「兄上、このような役をさせてしまってすみません。」
「いいえ、更衣などの件は父上の思し召しでもありますから・・・。」
「父上の思し召しでなければ、あの姫君たちを出仕させたくはないのだけれども・・・。では兄上、例の件よろしくお願いします。」


中務卿宮が下がったのを確認すると、帝はため息をついて側に控えていた綾乃を呼ぶ。


「綾乃、聞こえたでしょう。そういうことだから、中宮としていろいろ頼みますよ。」
「はい・・・。しかし鈴華様はどう思われるでしょう・・・。妹君まで後宮に・・・。」
「鈴華には私からきちんと話すから・・・。」


新年の儀礼がすべて終わり落ち着いた頃土御門左大臣家の二の姫と堀川内大臣家の二の姫の出仕宣旨が下る。



《作者からの一言》

どうしてこのような話になったかは疑問?立場上なのかもしれません・・・。かわいそうなのは鈴華でしょうね・・・。
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